やっと昨日、梨木香歩の「水辺にて」を読了した。
読み難くて時間を要したわけではない。
まったくその逆…愛おしくて一篇いっぺんを慈しむように
言葉の紡ぐ美しく豊饒なイメージの広がりを
立ち現われてくる世界のパースペクティブな臨場感を…
字面をなぞるように少しづつ読みすゝめた。
まず表紙の写真、朝靄の湖面に浮かぶカヤックの静かな佇まいに惹かれる。
そのまま湖面に映る鏡の世界に惹き . . . 本文を読む
母が二ヵ月ぶりに覚醒した。
否、あのリセットしたような意思的な反応は四ヵ月ぶりかもしれない。
「胃ろう」手術の中止を受けて、退院のためのリハーサル?を
兼ねて病棟を移動した。
長期療養病棟は、本来透析患者が対象らしい。
清潔で広々とした空間の取りかたには安心感を覚える。
しかし母は病棟を移って、また下痢をした。
腸が栄養物を受け付けず、そのまま下してしまう。
肝臓も機能障害 . . . 本文を読む
「胃ろう」(経皮内視鏡的胃ろう造設術 Percutaneous Endoscopic Gastrostomy)
頭文字をとってPEGの年間施行数は30万人から40万人くらいだと云われいる。
手術が簡単であることや、その後の管理がしやすいことから急速に増えている。
しかし医療者は、そのメリットばかりを強調して、あまりデメリットに触れない。
さて前回の「胃ろうは本当に必要か?」の続きで . . . 本文を読む
この二週間くらい、本当に悩んだ。
幾晩も眠れない夜を、煩悶と答えを求め遣り過ごした。
当初「胃ろう」という医療行為を安易に考えていた。
医師の説明も、嚥下障害(呑み込みが出来なくなる)を起こした高齢者の
安全で安定的な栄養補給を可能にする手術という説明だった。
主治医も延命行為であることは認め、術後の余命が平均値で二年くらい
であることは否定しなかった。
ただしケースバイケ . . . 本文を読む
やっと待望の三浦さんの第2写真集が届いた。
前作「石鎚の詩」では、その40年以上通い続けたという「石鎚キャリア」
の実力を遺憾なく見せつけられた圧倒的な作品群だった。
特に瓶ヶ森から望む厳冬期石鎚の風景は迫力があった。
(あの鷲の羽根のような氷雪樹のデフォルメ)
残念ながら、この第1写真集は完売して入手不可です。
(弥山の山頂小屋の本棚には、まだあったような?)
. . . 本文を読む
7月に母が入院してから、退院後の在宅介護を考えて介護認定の再申請をお願いした。
当時「要介護1」だった母の認定基準では、
退院後の身体的介護の状況にズレが生じてくるための処置だった。
ところが病院を訪れた福祉課の調査員は、
「母が喋れないという状況では聞き取りが出来ないので、
健康状態が回復してから、再調査に伺います」といって帰っていった。
それから幾度が福祉課より連絡が入った . . . 本文を読む
秋の石鎚から、ほとんど何も手につかないまま時を過ごした。
本も何だか、あれもこれもと読み散らす内に
どんどん読みたい本ばかりが増えてきて収拾がつかない(笑)
「歌うクジラ」「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです」「水辺にて」
の3冊を読み散らしながら、まだ10冊くらい読みたい本が控えている。
う~ん、頭が雲丹(うに)のようになってきている。
気分転換に、久し振りの皿ヶ嶺の森歩きを企 . . . 本文を読む