能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

手段の目的化という落とし穴・・・常に「目的は、何?」と問い続けるチカラ・・・

2010年11月27日 | マネジメント

一所懸命やっているのだけれど、ふと考えてみると何のためにやっているのか分からなくなる。

当面の問題に対処するために努力しているのだけれど、なんでこんなに苦労しているのか悩んでみたり・・・。


「手段」が「目的」化することは、日常の仕事や生活の中で多々起こりうること。

能率の観点からすると、目的と手段のアンバランスでムリ・ムダ・ムラが発生する局面ということになります。

今までそうだったから、それを続けている・・・これしかやり方がないから気力と根性で続けている・・・といったところです。

苦しみながらも続けていると快適ゾーンに入ってくるということもありますが、その時間とエネルギーを他に振り向けることにより、もっとスゴイ事が出来るかもしれません。

目的の手段化を回避するためには、

「トヨタ式になぜを5回繰り返す」

「そもそも論に立ち返る」

「絵や図で可視化してみる」

「第3者の助言を得てみる」・・・

といったSTOP-LOOK(一度立ち止まって再考してみる)することが大切になってきます。


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能率の功罪 上野陽一の貢献 日本最初の経営コンサルタント・・・動く・・・

2010年11月20日 | マネジメント

米国でテーラー批判が高まったと同じように、資本主義勃興期の20世紀初頭の日本においても、「能率」批判が巻き起こりました。

労働の強化につながる・・・

失業が増える・・・

人間を機械視する・・・といった反論、反発。

当時、「能率」の第一人者であった上野陽一(1883~1957)は、反論の一つ一つに対して、丁寧な反駁を加えています。

そこには、科学的管理法への社会の反発に対してテーラーが回答したものを下敷きにした部分も多々見られます。

しかしながら、上野の能率普及促進に対する行動はテーラーを上回っていたように思います。

さまざまなメディアや実践行動の中で、「能率」コンセプトを具体化していったのです。


1.専門書以外にも易しい言葉を使い誰でもわかるハウツー本を多数出版。「能率24時間」「己を活かす方法」など

2.能率学校の創立。昭和17年、私財を投げ打ち日本能率学校を創設。

3.産業界での「能率」ファンづくり。関西を中心に財界人を巻き込み、東京へ逆輸入。

4.商工会議所、大学、専門学校等での能率講義。

5.工場現場だけではなく、商業、事務、生活一般までの能率概念の拡大。

6.海外、朝鮮半島へ出張し、能率の講義展開。

7.人事院人事官として公務に貢献。


能率技師上野陽一は、日本最初の経営コンサルタントであり、「能率」コンセプトの普及のために人生を賭けていきます。


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能率の功罪 テーラーの悲劇 科学的管理法がぶつかった壁

2010年11月20日 | マネジメント

19世紀後半から驚異的な産業発展を遂げたアメリカ経済。

それは、資本主義の勃興と技術革新、イノベーションの進展と機を一にしたものでした。

しかしながら、

工場現場では、職人気質の労働者や監督者により、KKD(経験・勘・度胸)により作業が進められていました。

そこに科学的管理法を引っ提げて登場したのがF.W.テーラー。

しかしながら、彼の主張は、現場で働く職人や現場監督によって都合の悪いものでした。

労働強化につながる、失業が増える、自己裁量の部分がなくなる・・・等の理由。

テーラーは、差別的出来高払賃金や作業と計画の分離、あるいは標準の設定等により、労使の利害のバランスをとろうとしましたが、彼の努力はなかなか浸透しませんでした。

議会にも呼び出され、喚問をうけるまでの社会問題に発展していったのです。

テーラーが提唱した科学的管理法は、弱者イジメととらえられ、また、人間を機械視しているという風潮が拡大、テーラーの本当の想いが理解されるまでには至らなかったのです。

このことをもって、科学的管理法を批判する歴史家もいますが、それは正しい解釈とは言えないと考えます。

そういう批判を展開する人たちは、テーラーの著作、特に「科学的管理法」を読んでいない人が多い傾向にあります。

政治思想ではなく、マネジメント思想としての「科学的管理法」を読むことがお勧めします。


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