青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

追っ掛けは 節度を守り ほどほどに

2017年07月30日 06時10分12秒 | 大井川鐵道

(定番の抜里・茶畑構図@抜里~家山間)

大井川のSL、返しを狙うなら定番中の定番である抜里駅南の茶畑構図。順光&ポールが片持ち&緩やかなインカーブ&川根路らしい茶畑風景と三拍子どころか四拍子も五拍子も揃っているのが良いですよね。あまりにも作例が多い定番の撮影地と言うのは案外行かないものなんですが、天気もどんよりしてるし、明るい茶畑の緑が欲しくなった。キャパもそこそこなのでね。


単引きのC11190がシュッシュッと軽やかなドラフト音を響かせて、獅子抜里の小サミットを目指します。ローアングルだとC11のスポーク動輪が透けて、軽快な感じが引き立ちますね。GWの一番茶の季節には、実に爽やかなティーグリーンの景色が広がる川根路。もう二番茶三番茶の時期も過ぎましたけど、摘み終わったのかな?

 

家山の停で追い抜いて、福用の先でもう一発。地蔵峠へ向けての力行でケムリはそこそこ出てくれましたが、線路際の雑草を隠すのが難しいなあ。「早く行こうよ!」と追っ掛けを子供にせがまれたんだけど、地蔵峠をトンネルで突き抜けて行く鉄道に対して国道は隘路をえっちらおっちら登って行くので、ここから先はなかなか難しいんだよね。まあそれよりも小学校低学年で追っ掛けの醍醐味にハマると将来ロクな撮り鉄にならないからほどほどにね!(笑)。
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動揺が写真に表れる

2017年07月29日 23時00分00秒 | 大井川鐵道

(サスペンション・ブリッジ?@塩郷の吊り橋)

大井川の中流域、広い広い河原に沿って走る大井川鉄道。河原のほとりにポツンとある塩郷の駅はコンクリートの待合室があるだけの無人駅で、並走する県道を走っていても見過ごしてしまいそうになるほど。ガードレールの切れ目の所が駅の入口になるんですが、分かりますかね…?


塩郷駅と対岸の久野脇(くのわき)の集落を結ぶ「塩郷の吊り橋」。これでも比較的川幅が狭いところに掛けられている吊り橋ですが、高さはそれほどでもないと思うんだけど長さは220mもあって、大井川の吊り橋としては一番長いのだそうな。川の上を渡る前に県道沿いの民家の上を渡るのもちょっと面白い。


長さ220m、メインケーブルから吊られた番線と細い横板(「そろばん板」と言うらしい)、そして渡り板はたったの2枚。子供が「あの吊り橋から写真撮りたい!」と言ったのでしぶしぶ付いて来ましたが、実はこの手のものはあまり好きではありません…。よく観光地に観光のためだけの「夢の大吊り橋!」的なものありますけど、カネ払って吊り橋とかバッカじゃなかろかルンバ(by野村克也)だと思うんですよ。だって、揺れるやん。怖いやん(笑)。


この吊り橋の上から返しのトーマス号を待つのでありますが、まあみんな考える事は同じなようでトーマスの通過時間が近づくたびにどんどんどんどん吊り橋の上に乗っかって来る人が増えて来てまあ揺れる揺れる(笑)。ちょっとガキが渡り板の上を走ろうものならグワングワン揺れる!おいおいガキ走んじゃねえよ!(怒)。子供なんかは両手を放してファインダー覗いて楽しそうにしてるくらいだから全然平気みたいだけど、オトーサンはへっぴり腰で番線に捕まりながら片手でようやっとシャッターを切れただけ。こういう時にライブビュー機能ってのはありがたいけど、顔にケーブルは掛かってるし、怖い思いして撮った割に吊り橋から撮った感は何もないし、典型的なダメダメ写真になってしまいました(笑)。
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81年目の夏

2017年07月27日 07時30分00秒 | 大井川鐵道

(ジェームス返しin中徳橋@田野口~下泉間)

中徳橋でかわね路号を見送った後、「お腹が空いた」と言う事で駿河徳山のミニストップでお昼ご飯。なかなか大井川沿線で良さげな食事処を知らない私、だいたいここか下泉のサークルKあたりで買って食ってる感じもある。子供のペースに合わせてのんびり食べてたりトイレ済ませたりしていたらあっという間に返しのジェームスが千頭を発車する時間。狙っていた正島のストレートは先客あって子連れで突入する雰囲気でもなく、結局ロケハンも大して出来ず…しょうがないのでもう一回中徳橋で捕まえる事にしました。


このジェームスに扮するC5644号機は昭和11年製。北海道で活躍していましたが、太平洋戦争のさなか南方戦線の戦時輸送支援のためタイに送られる事になります。大半の僚機が砲弾に倒れる中、戦火を免れて奇跡的に生き残り、戦後もタイ国鉄で活躍。昭和54年にタイより帰還し大井川で活躍する事となりましたが、何年か前はタイ国鉄仕様のカラーリングを身に纏って走っていた事もありましたね。もう10年くらい前になりますが、千頭で撮影したC56のひとコマ。まだ転車台がないので返しはバック運転の時代でしたが、赤色のカウキャッチャーがカッコ良かった。


このC56はドラフト音に特徴がありまして、走らせると仔馬のギャロップと呼ばれる「タッタカタッタカタッタカタッタカ…」という軽快でリズミカルな音を奏でます。客車7両牽引でも補機付き&返しは下り坂ですから軽快ですね。時代に翻弄され、様々な歴史を見て来た生き証人でもあるC5644号機の81年目の夏。客車の窓から聞こえて来そうな子供たちの笑い声を乗せ、今日も川根路を走ります。
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紫煙薫香

2017年07月26日 07時30分00秒 | 大井川鐵道

(中徳橋を力行す@下泉~田野口間)

C11190の単機牽引となるSL急行「かわね路号」。家山の次は下泉に停車するので、新金谷~千頭をノンストップで走るトーマス&ジェームスに比べればゆっくりと先回りする事が出来ます。下泉から先、子供と一緒にゆったり撮るならキャパの広い中徳橋かな。と言う事で橋の欄干からお手軽に。なかなかいいケムリです。


子供も手持ちで欄干の隙間から果敢にアタック。線路際のブッシュに関しては夏の湿気を吸い込んで全線に亘りどうしようもないほどに繁茂しているので、これは大井川鉄道の保線の方々に適正な処理をお願いするしかないのでありますが、顔をのぞかせたポイントでうまくシャッターが切れたようでご満悦(笑)。真ん中に挟まれた青色のスハフ43の小口に連なる窓がいいですね。そして重油と石炭の混じったすすけた煙の匂い…

結構タバコ辞めてから時間たったけど、この程度のケムリなら、たまに吸うのも悪くない。
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昭和九十二年の夏

2017年07月25日 07時30分00秒 | 大井川鐵道

(昭和九十二年の夏@家山発車)

ジェームス、トーマスと夏休みらしい子供の喜ぶキャラものSLが行った後は、C11190で牽引されるいつものSL急行「かわね路号」。ジェームス&トーマス組が客車7両で蒸電運転となる中で、この列車は補機なしで客車4両を単引きで運転します。ノンストップの前2列車と違い、家山と下泉の停車を絡めてゆったりと川根路を遡上して行く姿は、古き良きSL客レの雰囲気を残しています。まあそんな時代に生きてはいないですけど、イメージとしては末期の会津線のような感じでしょうか。古い家並みの残る家山の街を後にするSL列車、昭和九十二年の夏はモノクロームの世界。


子供は横構図モノクロ、オトーサンは縦構図カラー、それぞれいかがでしょうか。駅へ向かう狭い路地にささやかな看板を出す杉田屋旅館(創業100年超!)のイブキの植え込みと、おそらく昔のトイレにはよく付いてた先っぽがカラカラ回る換気パイプみたいなのが味わい深いですよねえ。
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