青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

特急、始めました

2014年04月27日 22時36分20秒 | 相模鉄道

(SOTETSU Revolution@海老名駅)

本日は、相鉄のダイヤ改正。今回のダイ改のポイントは、何と言ってもデータイム(10~16時)における特急の運行が開始される事。大手私鉄の中で唯一「特急」と言う種別を持たなかった相鉄にも、とうとう春がやって来る。沿線に住んでいる事もあるし、正直これから毎日走るんだから慌てて見に行かなくたっていいんじゃね~の?と思いつつも、逆に近いからこそ見に行く気にもなったんで…と言う訳でやって来たのは海老名駅。


海老名駅のホームに出発待ちの上り本線特急一番列車。栄えある一番列車に充当されたのは9706編成。一番列車を見ようと20~30人の鉄ヲタが到着するやいなや先頭車両を取り囲んでプチパニック状態に(笑)。特急が走るとは言え、別に新しい車両を新造する訳でもないので見た目としては今まで走っていた車と何の変りもないのだが、おいおい昨日も走ってた9000系じゃねーか…と周りのヲタ(中高大学生らしきヲタ多し)を諌めたくもなります。そんなプチパニックを見た一般人も何事かとスマホを車両に向けるのでなおの事収取付かない状況にw


海老名駅には急行として到着した9706F、折り返しの時間は正味4~5分と言ったところ。当然ながら特急運行開始のセレモニーなどをやってるヒマもなく、そそくさと海老名を発車。車内には特急運行開始をお祝いする広告なんかも飾られておりました。とりあえず海老名から二俣川までを乗ってみましたが、さがみ野や瀬谷辺りを今までの相鉄ではありえない速度でビュンビュンと飛ばす姿は新鮮(笑)。


二俣川の駅で特急デビュー記念入場券セットを購入し、いずみ野線の特急にお乗り換え。今回のダイヤ改正で、日中いずみ野線は特急が8連で各停が10連の運用となりました。正直途中駅1つ(いずみ野)しか停車せず、特に線内追い抜きもないいずみ野線の特急って利用価値低いよなw

  

ただ、いずみ野線の特急は8連限定と言う事は、現在は8連の編成しかない最古参の7000系が特急運用に入るのではないか…と言う推測はダイ改前からありました。早速湘南台発の特急一番列車には7000系が充当された様なので、ゆめが丘の駅で何本か待ってみる。10000系8連の特急、9000系旧塗装の各停なんぞを撮りつつ待っていると早速14運行で7000系が高架線を駆け上がって来た。これぞ相鉄顔と言う真っ赤な貫通扉に無骨な大型アルミボディ、大きい種別幕にガッツリ輝く「特急」表示に痺れる。今日はこれが取れれば満足じゃ(笑)。7000系もよもや特急幕を付けて走るなんて夢にも思わなかった事でしょう。長生きはしてみるもので。

  

夕方の買い物ついでにかしわ台の車両基地を。我々家族の新しい生活と同時に、新ダイヤで新たな時代に向かって走って行く相鉄。留置線に居並ぶ車輛たちを見るにつけ、いい意味で「相州の田舎電車」であった相鉄の、今日は大変革のスタートだったんだろうなあと感慨に浸ってみる。次の大変革は東部方面線による都心乗り入れなんでしょうが、それまで旧来の相鉄イズムがどこまで残っているのか…

ともあれ相鉄、特急、始めました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第17回蛭子バス

2014年04月26日 23時55分08秒 | 日常
前々回の米沢→大間崎、前回の館山→会津若松と屈辱の2連敗に終わった蛭子バス、四半期に一回の放送で今回はマドンナに宮地真緒を迎えての春の旅。山口から室戸岬と言うルートはルート選定の脈絡がさらになくなって来た事を実感するのでありますが、一応長州→土佐と言う幕末の維新志士にあやかったもんだそうで。結論から言うと連敗を吹き飛ばす史上最速での突破となったんだけど、さすがにスタッフ側も3連敗させちゃまずいって感じのイージーコースを用意したのかなあと思ったりして。

以下、時系列&箇条書きで。
・いきなりスタートで山口駅前→徳山駅前(防長交通バス)ってのが恵まれてるよね。
・広電阿品駅前での女子高生のアドバイスがヒット
・同時にハートバスの運転手さんの指示が的確
・蛭子さんが宮島競艇に参戦するとか久々にそーゆーのがあってもいいんじゃないの
・広島バスセンターの巨大ぶりに改めて驚く
・中国地方って各主要都市にバスセンターがあるんで、とりあえずバスセンターに行けば何とかなるんだな
・しまなみ海道ルールは鬼。次の島に渡るには橋しかないのに、高速道路(西瀬戸自動車道)だからダメなんて…
・結局しまなみ6橋全徒歩制覇。トータル30km。
・3連敗は許されない鬼気迫るルイルイの高速先行。「限界なんて言いたくなかった…」と泣くマドンナ。
・蛭子大嫌いな民宿泊が続き「和室ですか?ハァ…」と露骨に宿の人に嫌な顔を見せる蛭子
・泊まれるだけで文句言えない場所だろ
・疲れすぎてビールがあまり飲めないルイルイ
・3泊4日でパンツ2枚しか持ってこない蛭子
・寿司屋に入って「魚嫌いだから寿司屋に行くのが苦痛でしょうがない」と言い放つ蛭子
・トンカツのソースの材料を当てる蛭子。ダテにトンカツ食い続けてない
・ロケが桜の時期で、春の瀬戸内海の素晴らしい風景を楽しめたのは良かったね
・3日目から洗ってないパンツを使い回す蛭子
・松山から久万高原方面への進路を確保。JRバスの長距離路線でこれも恵まれているな
・ってかこれは昔の松山高知急行バス(国鉄バス)の名残だよね
・今回は一本道で選択に迷う場面があまりない。ただ、前回の反省を踏まえてルイルイの決断は速かった
・落出の民宿の取材馴れ感と温かいもてなしに感動
・佐川まで行かないで大崎→狩山口へのルート変更も決断速かったなあ
・狩山口から一気に高知駅前へ。交通が発達してなさ過ぎて各方面と県庁所在地を結ぶバスが残っている四国
・「とでんのバスで安芸行きがあるからそれ乗って…」とでんのバス=土佐電鉄バスって事ね
・昼過ぎに室戸岬に着いちゃったもんなあ
・鉄道が通ってない観光地だからそりゃバスがあるよな

今回のハイライトは結局しまなみ海道を徒歩越えする2日目。この番組において「歩き」は絵的には面白いのかもしれないけど、「バス乗継」と言う視点から言うと徒歩って最終手段なんだから、最初っから歩かないと越えられないルート選定と言うのはいかがなもんざんしょ。しかも一日30kmとかさあ。老人虐待でしょ(笑)。
ルート的には特に判断に迷う事もない一本道で、過酷な2日目を終わったらあとは流れでどうとでもなるようなコースだったかなと。まあスタッフも3連敗は避けたかったのかねえ。あまりゴールに着くか着かないかはこの番組の問題じゃないんだけど、注目集めちゃってるからねえw

2日目終了後の夕飯の時間で、あまりの過酷さに蛭子に死相が出てたぞw
あれを見ると、体力的にこの番組も終焉に向かって行く気がしてならん。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

相鉄ただいま勉強中

2014年04月21日 23時16分25秒 | 相模鉄道

(革命と書いてレボリューション@相鉄ダイヤ改正)

先日の引っ越し、距離にしてみれば5kmも移動しなかったんだけれども、最寄り駅がO田急線からS鉄線に移る事になりました。まあ伏せ字にしている意味はあまりありませんが(笑)、毎朝乗る電車が変わると言うのはエポックメイキングな出来事ではあります。相互乗り入れがない事をいい事に、ガラパゴス的に独自の文化をはぐくんで来た相鉄。ディスクブレーキを光らせ、並行カルダン駆動を唸らせて帷子川のほとりをクネクネと遅い急行が往く姿は、全国的な知名度は乏しくとも神奈川県央から県西民だけに地味に愛されるインターアーバンな鉄道なのであります(ウチのヨメが純正神奈川県央民でして「相鉄以外は速くて怖い」と言い放つのです)。そんな相鉄線なのでありますが、なんと4月27日よりとうとう特急が新設されるらしい。これは革命と書いてレボリューション。


曇天模様の日曜日、通勤経路の変更のために定期券で相鉄本線の大半の部分の乗車権利を得たアタクシ。子供とぶらりと変わりゆく相鉄のなんたるかを学習しに出掛けたのでありますが、某車両センターのある駅でホームに降りると、いきなり旧塗装で残る9000系の最終編成9705Fが3番線でハンドスコッチをハメられて陳列されていたのでありました。


最近の相鉄電車と言えば、グレー地にオレンジとブルーのラインを引いたコーポレートカラーに準じた新塗装へ移行しており、旧塗装で残る車両と言うのは各系列に1編成のみになっておるそうな。相鉄電車のイメージと言えば旧6000系の黄緑色が印象深いのですが、なんかこの新塗装ってのは南海電車みたいで、どーしてこーなったのかな、と言う気もしないでもない(笑)。さすがに大半がこの塗装で回っているんで慣れたでしょと言われりゃそうかなあと思わなくもないのだけど。


相鉄電車の中でこの9000系と言うのは好きな部類でして、ブラックフェイスの大型全面窓、左右非対称の貫通扉、前面連結器の大仰なカプラーに屋根上の異常に長いクーラーキセが醸し出すコッテリコテコテした雰囲気を、裾を絞ってキュッと締めている。日本中どこを探してもないようなオンリーワンのデザインがグッと来るのであります。このデザインにはサイドにSの文字をデザインし貫通扉を赤く塗って浮き立たせた旧塗装の方がしっくり来ると思うんだけどいかがなもんざんしょ。「貫通扉を赤く塗って遠方からの視認性を高める」と言うのは、相鉄の車両に長く続いた伝統でもありますし。


と、ひとしきり9000系旧塗装を眺めながら相鉄電車のなんたるかをお勉強しつつ後ろを振り返ると、やはり8000系旧塗装の最終編成となった8712Fが寝ていると(笑)。希少種なはずなんだけど、意外にあっさりと見れるときは見れるものですね。この8000系旧塗装は見るたびに赤の褪色が目立つように思えてちょっと可哀想。いずれ塗り替えるからそのままにしているのだろうけどね。


と言う訳で夕暮れのかしわ台の駅では、ひっそりとギャラリーのいない旧塗装車の陳列会が開催(展示時間約30分)されていたのでありました。
旧塗装が「特急」の表示を引っ提げて、目久尻川の築堤を快走するのもいとをかしき風景かな。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ワイドビュー富士・さくら

2014年04月13日 22時54分47秒 | 日常

(富士霊園メインストリート@駿東郡小山町)

首都圏の桜の見頃は多忙ゆえ逸してしまったんで、今日は本格的にフツーの花見をして来ました。場所は静岡県は駿東郡小山町の富士霊園。富士スピードウェイの隣です。標高で言えば650mくらいでしょうか、このくらいまで上がってくればまだまだ見頃ですねえ。山梨・静岡・神奈川の三国を束ねる三国山の南麓に広がる広大な霊園に一直線に繋がる満開の桜。一番奥から真っ直ぐに並木道を見下ろすのが一番のビューポイントですか。


昨日息子とこっそり箱根に行っちゃったので、今日は嫁と下の子への罪滅ぼし。標高が高い分肌に感じる風は冷たかったけど、高原の冷たい空気に洗われた桜は透き通るように美しい訳で、何と言うか我が家の近くで咲いていた桜とはまた一風違った感じもしますね。


惜しむらくはここに鉄道が走っていない事でしょうが、たまには鉄道を離れて露店で買ったコロッケを齧りながらそぞろ歩きするのもいいものです。酒はなくとも、久し振りに正統派の花見をした気がする。やっと満開の桜を見れたんでよしとしましょう。桜前線を追い掛ければ、まだまだ鉄道と桜の取り合わせはいっぱいありますからな。

そろそろ、息子と二人旅?なんてのも良いかもしれんねえ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

箱根のヤマはこのお顔

2014年04月12日 23時09分06秒 | 箱根登山鉄道

(cat walk@大平台駅)

引っ越しっつー大イベントを終えてから一週間、生活の方は慌しさもありながら徐々に落ち着きを取り戻し始めたかな~、と言った塩梅。今日も旧住居の引き払いのために不動産屋に行ったり、残存物を撤去して廃棄処分にしたりと残務処理に追われていたのだが、午後はポツッと時間が空いたのでひとっ走り箱根まで息子とドライブして来た。週中に箱根登山鉄道の新型車両(3000系)が工場から出荷されて甲種輸送されたと言う記事を読んだものですからね…


箱根登山に新車が入る話は確か去年の秋くらいに聞いていたので、特段の驚きがあった訳ではないのですけど、甲種と言う話を聞くといよいよ出来上がっちゃったのねと。んで、新車が入っちゃえばやっぱ旧型車のどれかは玉突きの如く落とされちゃうんだろうなあ…なんてツラツラ考えてたら、何となしに箱根までモハ1&モハ2の顔を拝みに行きたくなってしまったと。そーゆー訳なんであります(笑)。これは108が青塗装を纏っていた時に上大平台信号場で撮った写真なんだけど、やっぱり箱根のヤマはこのお顔が見れないとねえ。


箱根湯本周辺の混雑を避け、風祭から電車に乗って湯本乗り換えで大平台へ。なんか駅の張り紙を見たら今朝(土曜の朝)は初電から7時まで小田原~湯本を運休させて新車の運び込みを行ったらしい。川重の兵庫工場から国府津→御殿場線で松田→連絡線で小田急の新松田→そっからは小田急1000系の牽引で入生田の車庫まで持ってったようですね。入生田の車庫もチラッと見たんだけど、新車ともなれば最近は情報統制も厳しく、さっさと車庫の一番奥底にしまい込まれたようで欠片すら見えませんでしたが。


この時期の大平台と言えば枝垂れの桜。大平台は登山線の沿線では一番の桜の里でもあります。
湯本の喧騒でもなく、宮ノ下の格式でもなく、塔ノ沢の峻嶮でもない大平台。温泉街が箱根の外輪山に囲まれた箱庭のような場所に広がり、春は桜と新緑、初夏の紫陽花、秋の紅葉に冬の雪景色と四季折々があって登山電車を撮ろうと思うとここに来てしまうんよね。そもそもトンネルと隘路が続く登山線沿線で、比較的開けてて色んなアングルが取れるのって大平台界隈しかないとも言えるんだけど…湯本じゃすっかり葉桜だったけど、大平台まで上がってくれば座間に続いてギリギリセーフと言ったところ。今年は見頃の桜をカメラに収める事はついぞ出来ておりません。返す返すも満開の週末に引っ越しなんかしちゃいけねーなとw


登って来る時に、塔ノ沢と出山の信号場で旧型車が続行で下って行くのを確認。今日は出が遅いのでパパッと撮って上がらなきゃいけないんで、好都合の運用状態。まずは大平台への連続勾配で旧車を待ちますが、登山線の撮影は遮断機のない四種踏切で待つ事も多く、「絶対に動いちゃダメだよ!」と強く念押しした上で股の間に子供をガッチリとホールドしておきます。腹の底に響くようなモーター音を奏でながら、山桜の咲く坂道をゆっくりと力強い足取りで登って来る103。


大平台でのスイッチバック時間を利用して、お次は駅先のインカーブ。花曇りの空に色は冴えないけれども、名残の枝垂れを横目に上大平台へ登って行く。110は増結用の両運車ですが、平塚にある東洋工機と言う会社で作られておるそーな。VVVFインバータ装置などの製作でお馴染みの東洋電機製造の子会社だそうだが。


旧車と上大平台で交換した氷河急行色の2000形「サン・モリッツ号」。一応現在では最後の新造車になりますか。新造車とは言えデビューが1989年だからずいぶん長い事登山線は新車を入れてなかったんだねえ。日本一の急勾配を粘着運転で上り下りすると言う任務があまりにも特殊なもんで、装備が複雑かつ高額になるのがネックなんだろうなあ。

 

これも定番大向踏切から金太郎帯の108(両運車)。デビューから幾度となく改造を加えられた車両ですが、屋根の上に乗っている一見クーラーっぽく見えるものは発電ブレーキ用の抵抗器だったりする。制動用の保安機器が床下に収め切れないので屋根上に乗っけざるを得なかった訳ですが、クーラーがなくとも窓を開けていれば箱根の山風とトンネルの冷気で夏でも涼しいためそんなに苦にはならないですね。非冷房がさほど問題にならないと言う部分も、旧型車が長きに亘って現役の戦力として活躍出来ている理由の一つかもしれませんな。


ちなみに旧型車の屋根上は抵抗器の発する熱で真夏になると陽炎が立ち、その熱量たるや凄いものがありまする。非鉄の方にお話すると、運動力を熱に変え排出する事で速度を落とすのが発電ブレーキなんですが、要するに屋根の上に電気ストーブが乗っているようなもんです。まさに山男のアツイ走り、重い荷物を担ぎ上げるシェルパが流し出す汗が如く揺らめく陽炎、無骨ないでたちとそのオトコ臭いトコに魅力があると思うんよねえ。

   

生粋の神奈川県民にとって最もポピュラーな観光地・箱根。その箱根の顔として活躍して来たモハ1・モハ2の旧車グループ。ロマンスカーで食べた森永のアイスクリームとか、うんざりした早雲山でのロープウェイ待ちとか、大涌谷で食べた黒玉子とかと同じように、子供の頃の思い出のひとコマにある人も多いんじゃないでしょうか。

江ノ電の300型と登山のモハ1・モハ2コンビは、神奈川県の重要有形文化財。
いつかヤマを降りる日まで、後輩に負けず末永い活躍を期待したいものです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする