青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

霜月・山崎/師走・海芝浦

2023年12月30日 12時00分00秒 | カレンダー

(晩秋は黄金の輝き@玉野~山崎間)

11月。・・・というか正確には12月の初めである。このブログでは触れていないのだが、12月の初めに、愛知県は稲沢市(旧祖父江町)に「祖父江のイチョウ」を撮影しに行った。小田原から豊橋まで新幹線、豊橋からは勝手知ったる名鉄の「まる乗り1DAYフリーきっぷ」で一宮へ。名鉄の尾西線は、一宮から津島に向かう名鉄の中では非常に地味な路線なのだけど、この時期だけは文字通り黄金の輝きを見せる。山崎から森上にかけての沿線にびっしりと植えられたイチョウの畑のなかを走る真っ赤な名鉄電車。個人的に、紅葉の中でもイチョウの葉の色付き(黄葉ですが)というものが非常に好きで、この「祖父江のイチョウ」には何年か前から行ってみたいなあと思っていたのですよね。黄色と赤のコントラストが非常に美しく、素直に「来てよかったなあ」と思える一枚になりました。愛知県は日本一のギンナンの生産量を誇っているのだが、そのほとんどはこの祖父江地区で生産されたものであるらしい。ギンナンなんて、普通に生活していると茶碗蒸しに入っているくらいでしかお目にかからないですけど、ないと淋しいアイテムではあります。乾煎りにしたギンナンとか、塩を振って食べるとナッツっぽいコクがあっておつまみにもいいですよね。

12月。駆け足で振り返った2023年。12月になるとついこないだになるのだが、都内に出かけた帰りに、ふと夕景が見たくなって乗りに行った鶴見線。京急の花月総持寺から国道駅へ歩いて乗り換えたのだけど、普段の鶴見線とは明らかに異なる混雑・・・あ、そうか。鶴見線の車両、205系からE131系に変わっちゃうんで、お名残り撮影&乗車ってことなんでしょうね。個人的に、205系ってそこまで一生懸命に撮影する車両なんですかね・・・?という思いはある。仙石線に行けばまだ走っとるやないかい。何だか関西でフィーバーしていた和田岬線の103系の最後を見るような思いなのだが。あの時も「まだ播但線行けば103系走っとるやないかい!」って思ってましたものね(笑)。人が多過ぎて、正直「浸れる」感じもなかったけど、京浜工業地帯の運河の向こうに暮れて行く夕景の美しさ。これが冬の鶴見線の醍醐味か。

駆け足で振り返った2023年。こんな感じで自分なりにカレンダーを作ってまとめて行くことは、平成29年から始めているのでもう7年目になる。毎年の傾向を見ていると、行く場所がそんなに変わらないなあ・・・という感じもあるのだが、さすがにこの趣味もやってる年数が長くなってくると「自分が気に入った」場所にしか行かなくなるというのはあるな。それでも、今年も一畑電車みたいなちょっと遠めのご新規の開拓も出来たし、悪くない一年だったんじゃないかなと思いますけどね。一年を振り返るカレンダーづくり、あなたも、ぜひに。

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長月・美濃高田/神無月・宇都宮

2023年12月29日 17時00分00秒 | カレンダー

(彼岸花咲く、西濃の土手@烏江~美濃高田間)

9月。というか正確には10月の上旬なのだが、養老鉄道を訪問。8月のお盆過ぎから会社が忙しくなり、天候不順もあいまった9月はろくすっぽカメラを触っていなかったようだ。今回、改めて2023年の撮影成果のフォルダを眺めていたのだけど、いっちばん薄いのが9月なんですよね。連休2回もあったのに何があかんかったんだろうねえ。そうそう。この9月には5年連続で富山に行ってたんだよね。その記録も崩れてしまったんだよなあ・・・という9月の消化不良を抱えながらの養老鉄道。実は、そんなに積極的に行きたい!みたいな感じもなかったんです。富山になんとなく行きそびれて、その代替で訪問を決めたようなそんな感じ。それでも、近鉄や東急のオールドタイマーたちが活躍している姿を見るのは嬉しいこと。そう派手な味わいもないけど、大垣駅前の金蝶園で水まんじゅうも食べたし、薩摩カイコウズ街道で飛騨牛も買えたし、一日運用に入ってくれたラビットカー塗装の2連を追いかけては楽しい一日を過ごしました。

10月。最近部活に塾にと忙しい中学2年の息子を連れて、久し振りに横浜駅のMVで「休日お出かけパス」を叩く。向かったのは8月に新規開業した宇都宮ライトレール。半日間程度の滞在でしたが、息子と一緒に乗ったり降りたり。しっかり宇都宮ギョーザも決めた充実の日帰り旅となりました。約70年ぶりに開業した新設の軌道路線ですが、開業から3ヶ月弱で早くも乗客100万人を突破したという優良コンテンツとなりました。LRTによって宇都宮駅周辺の商業圏と、県のテクノポリス計画に基づいた工業団地群と、これに付随した新興住宅地域をうまく結節させたこと。LRTを入れればすぐ地方が活性化するわけではなく、導入までの長い間にじっくりと街づくりを続けていた宇都宮市と栃木県の勝利と言えるのではないでしょうか。宇都宮の例を見て、「LRT万能論」みたいな記事が平然と垂れ流されているのを見ると、いっぺん乗りに来てみたら?って思ってしまうんですよね。 

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文月・妙見ケーブル/葉月・秋鹿町

2023年12月27日 17時00分00秒 | カレンダー

(最後の夏を昇り降り@妙見ケーブル)

7月は、三連休を利用して久々の関西遠征を。朝一番の新幹線に乗って、初日は7年ぶりくらいに神戸電鉄を訪問。新開地のホルモン屋でビールを煽って翌日は北条鉄道→能勢電鉄と回った関西2days。そうそう、このブログでは北条鉄道までしか触れなかったんですけど、能勢電が動かしている妙見ケーブルが年内で営業を終える・・・と聞いて、んじゃあ行くかってことで午後の三宮から「妙見の森きっぷ」を持って向かったんですよね。宝塚線の急行って名前ばっかりの急行なんで、十三から川西能勢口って案外時間がかかってしまい、能勢電を山下で乗り換えて妙見口の駅に着いたのが午後遅く。妙見ケーブルに向かうバスはとっくに終わってしまっていた。汗を拭き拭きカンカン照りの里山の道を歩くこと20分、兵庫県と大阪府の県境を越えると、妙見ケーブルの黒川駅へ辿り着いた。一面の夏の深緑の森を、やじろべえの如く昇り降りするケーブルカー。山の風に吹かれながら取り急ぎ山上駅までの一往復。妙見の森に、ケーブルの擦れる音が聞こえた、最後の夏の思い出。

8月。夏休みの長期休暇。直前で切符を手配して向かったのは神話の国・出雲。一畑電車の撮影を中心に宍道湖や出雲大社、そして長年憧れていた温泉津温泉を訪れることが出来ました。まとまった休みが取れるのが毎年夏くらいなので、なかなか関東甲信越を飛び出せないんですけどね。往復が高速夜行バスの「スサノオ号」というハードな旅程を組んでしまって結構消耗。身動きが取れない夜行バスは片道だけでも良かったかなと。出雲だったらサンライズで!って思うところもあったんだけど、流石に夏休みに直前の予約でチケットを取れるほどは甘くありませんでねえ。二日間じっくり腰を据えて撮影した一畑電車からは、真夏を謳歌する秋鹿町の駅。宍道湖の青さもあいまって、素晴らしいロケーション。このロケーションに似合うのは、やっぱり一畑電車のイメージカラーであるオレンジをたっぷりと纏った最古参の京王5000系しかありません。本数は少ない平日の日中、レンタカーのエアコンをガンガンに効かせながら、ゆっくりとホームにやって来た電車を撮影したのでありました。

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皐月・岩峅寺/水無月・西浦

2023年12月25日 17時00分00秒 | カレンダー

(自社発注車のご尊顔@岩峅寺駅)

5月。GWは息子と一緒に一日だけJR東海の「休日きっぷ」と名鉄の「まる乗り1DAYフリーきっぷ」を使って熱田神宮やらセントレアやら犬山城なんかに行ったりしていた。割と2023年は中京地区・・・特に名鉄にお邪魔する機会が多かったように思う。神奈川県に住んでいると、割と名古屋近辺って新東名かっ飛ばしても新幹線乗っても近いよなあ。それに比べると、今年は割を食ったのが富山、ということが出来るかもしれない。ここんとこ年2~3回は行ってたんだけど、今年は1回しか行かなかった。自分的な興味が薄れている・・・と言うことでもないと思うのだが、さすがに行き過ぎた反動が出たということなのだろうか。理由を考えてみたのだが、なんとなく電鉄富山駅が高架工事中で以前のような雰囲気でなくなってしまったのと、特急車にカンが付かなくなって久しいというのはあるかもしれないね。あと、運用に西武とか東急が多いので60形の回収が悪くなってしまったのはあるかなあ。生え抜きの自社発注車としての矜持は、いささかも変わってはいないと思うのですけどね。

6月。そんなこんなで名鉄づいていた2023年。本線筋では飽き足らず、梅雨空の下を蒲郡線に向かいました。豊橋の少し先なので、新東名を使えばマイペースで走って3時間半程度くらい。ちょっと早起きすれば朝から撮れてしまうので、こうなると、変に北関東なんか行くよりも感覚的に全然近い。お目当ては6000系の白帯車。30分間隔で上下が走って来るので、運用に入ってくれさえすれば撮影チャンスがいっくらでもあるのがいいところ。天気には恵まれませんでしたが、三河湾のほのかな潮風を浴びながら旧幡豆郡の素朴な街並みを味わいました。漁業の町らしく、製網工場の裏を行く白帯車。現在は「西尾市制70周年記念事業」の一環として、かつて5500系が纏っていたマルーンと薄ベージュのツートンカラーを復刻塗装とした6000系も走っているそうなので、また三河湾に足を運ぶ機会もありそうです。

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弥生・藤の牛島/卯月・桐生球場前

2023年12月23日 10時00分00秒 | カレンダー

(弥生・春雨の大落古利根川@藤の牛島~春日部間)

桜三月散歩道。三月は花の季節。初旬は梅で、下旬は桜。この時期は、天気はともかく花に合わせて動きまくっていた。晴天に恵まれた桜の三岐鉄道、宇賀川の桜も良かったけど、今回はあえて東武野田線・藤の牛島の桜を。満開の桜咲く大落古利根川のプロムナード。駅の近くで買った謎のお好み焼き屋のお好み焼きを齧りながら眺めた桜並木。8000系が元気に活躍する姿を映しておきたくて・・・なんて思いもあって撮影しに行ったのだけど、半年後に南栗橋で眠っていた8111Fが11年ぶりに本線に復帰するとは思わなんだ。ちょっとタイミングが合わなくて撮りに行けてないんだけど、今一番関東でアツい案件は東武野田線だと思う。来年の大落古利根川、8111Fと満開の桜を狙ってものすごい数のカメラが並びそうで、今から戦々恐々である。

昔は、入学式の時期が桜、そして青葉がゴールデンウィークの時期というような感じもありましたが、もう4月の半ばで桐生球場前の桜は青々とした若葉を繁らせていました。ここ、今年の桜候補に挙げていた桜並木だったんですけど、日程と時間と開花時期が合わず・・・そうそう、4月の半ばに、4年ぶりくらいに上毛電気鉄道のイベントが再開されたんですよね。コロナ明けからはどこの鉄道会社も参加人数絞って高額な撮影会とか、そういう「収益性」を前面に出し過ぎたイベントばかりになってしまったけど、上毛のイベントは、以前のようにいつもの大胡車庫を使った開けっぴろげな無料イベントのまま。変わったことと言えば、これも恒例のデハ101の乗車体験イベント列車がなくなって、西桐生と中央前橋の駅で午前と午後に「車内展示会」として企画されたことでしょうか。さすがに御年95歳、貸し切り以外で大勢の乗客を乗せて走るにはリスクが高いのだろうか。乗れれば乗りたかったけど、仕方がないので午前→午後の場所移動時の走行シーンの一コマ。若葉の下を古豪駆け行く、いつまでも、エバーグリーンな輝きを。

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