竹清勇の囲碁の宝石箱

普段何気なく囲碁に接している時間。
愛好家の方には上達の宝庫だと思い紹介していこうと思いました。

囲碁AIの欠陥があきらかに

2023-03-02 18:40:00 | お悩み相談コーナー!

こんにちは、竹清です!

 

最近囲碁AIの欠点が発見されて、そこを突くことで人も勝てるようになったと日経の記事になりました。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC213VF0R20C23A2000000/

 

2016年にAlphaGoが登場して以来、AIはたしかに神の領域に踏み込んでいましたが2023年現在7年たってその欠陥が発見されたというのは面白い話です。

尤もその欠点を発見したのもAIらしいので人の出番があったのかというとなんともですが。

 

ニュースが気になった囲碁ファンもいらっしゃると思いますので自分なりの理解で説明していきます。

 

問題となっている重大な欠陥は下図のような場面になった時です。人の目には白が取られているのは一目瞭然です。

※囲碁を知らない方のために加えると囲碁は生命の確保に2部屋必要になります。真ん中の黒はA、Bと2部屋確保しており生きております。

しかしAIは「自分の石が一周して連絡していると死活が判定できなくなる」つまりどのような状態でも一周した石は活き判定と誤作動が出るようです。

その欠陥をつくために、あえてAI側に一周した石を作らせ、油断したところをさらに上から取り囲み一網打尽にしてしまうのがAI攻略法です。

7年もこのような欠陥にほとんど誰も気づかなかったのは石が綺麗に一周する事が極めてまれだということでしょう。

 

念のため囲碁を知らない方に説明しますが、下図ならA,Bの二部屋が白は確保され、これなら本当に生きています。

 

下図のように、白石が一周せず、分断された場合はAIは正しく死活判定出来ます。こちらはもちろん白全滅ですね。

AIは入神の域の強さですからほとんど穴はありません。最初の図のような落とし穴が例外中の例外なのです。

記事にもAI同士100万回以上のシミュレーションから発見された誤作動だったとあり、人であればこの欠陥を見つける事も出来なかったでしょう。

今後自動運転など、人の生命をAIに託すような時もくるでしょう。囲碁のシュミレーションがそのような将来の一助になるならこんなに嬉しい事はないですね!


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AI本の裏話①

2018-03-23 11:27:05 | 横浜囲碁サロン

こんにちは竹清です

先日出版しましたAI碁本の増刷が決まりました。

色々な方の協力があって出来た本なので、ほっとしております。

本のリンク→ アマが使える衝撃の新戦法! 囲碁AI「Zen」の布石構想

 

今日は本にあった内容の続きの話しを書きたいと思います。実戦ですごい役立つと思います!

これは先日、私の対局で現れた局面です。黒29までほとんど上記紹介した本の15Pと同じように進んでいます。

注目したいのが25、27、29です。これは強い囲碁AIが非常に好む打ち方で、私も実戦で打ってみてこれのすごさがよく分かりました。

まず黒1~5までとなれば、黒1と白2はキカシ(得)と見てもよさそうです。

黒1によって矢印方向に発展性があります。

 

 

また上図の黒1がなければ、白4~6の圧迫が残り、中央勢力は白が伸ばしやすくなります。

 

 

そこで白は黒1に白2と受け方を変える手も考えられます。

黒1が▲の箇所にあれば従来の定石と同じです。つまり黒は▲にあるのと、黒1にあるのどちらが良いかの比較です。

私は黒1にあるほうが勝ると思います。黒からAやBと発展性のある手が多く残るからです。

 

 

以上をふまえ、黒1~3まではこうなりそうです。

ただし白Aは黒からキカシを受けた形になるので、手を抜くのが気合となりそうです。

そしてここがポイントです。白Aとは精神的に受けにくいのですが、黒がAと入るのはすごくいい手になります。

どういうことか見ていきます。

 

 

黒1~白16までは実戦の続きです。

左辺は大きな白地に見えますが、ここで黒から左上に大きな狙いが残っています。


そして強いAI達がまちなみ左上の図を好むのもその狙いまでセットでだと思います。

ちょっと次の一手のような気持ちで考えてみてください。

 

 

 

 

黒1~黒7まで強烈な狙いです。この動きが黒から残っているのがメチャクチャ強い!

黒7のあと、黒はAと動き出す手があり、白も目がありません。黒は左辺を荒らしたばかりか、どちらが攻めいているかわからないという・・。

 

 

かといって白1は黒2で左辺にただで入られるので、打てません。白3からも黒6まででワタリの形です。

 

 

黒1から3の破壊力をお分かりいただけましたでしょうか?

白Aと受けにくいだけに、上記に書いた狙いは非常に実現しやすいのです

 

本ではここまで書けませんでしたので、こちらで追記させていただきました!

ぜひ皆さんも実戦で使って碁敵をぎゃふんと言わせてみてください。

 

毎週土曜日夜の7時~9時まで横浜囲碁サロンでこのような内容で、AI囲碁講座をしておりますので興味のある方は気楽にのぞいてみてください!

リンク→ 横浜囲碁サロン


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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出版します!初の人を超えたAIシステムを利用

2018-02-09 19:02:36 | 趣味や生活

こんにちは。竹清です

すっかり空いてしまいましたが元気で過ごしております。

ひとつ問題は最近おなかもこのハムスターみたいになっています

 

二冊目になる出版が決まりましたので、ご報告です。

今回は棋士に勝率9割以上を誇る、Deep Zen Goとほぼ同等の力を持つソフトを使ったものとなり、人を超えたソフトそのものを使った出版は初だと思います。

Zen開発者のお一人である、加藤英樹氏が囲碁界レベルアップのためにと、棋士にソフトを提供しはじめてくださっています。(特別なPCを使っていますので、市販にはまだありません)

あまりにZenの打つ手が画期的で素晴らしく、個人研究に留めるのはもったいないと思い、加藤氏に本としてまとめたいとお願いしたところ快く了承していただけました。

この場を借りてお礼を申し上げます。

 

内容は人を超えたAIは従来の布石をどのように運用するのか?です。

1章「二連星」2章「三連星」3章「中国流」4章「高中国流」5章「ミニ中国流」6章「リトル中国流(正式名称はまだなくミニ中国流のひとつ控えたものです)」

主にはこの六つをZenがどのように黒番で運用したかを解説しております。

囲碁AIに詳しい大橋プロのインタビューも収録されています。現在の囲碁AIの情勢もよく分かると思います。

 

Zenの構想は目から鱗ばかりで、私自身の布石も大幅にバージョンアップいたしました。同時に今後布石の常識は大きく変化していくと確信いたしました。

今回はZenというシステムが素晴らしいので、内容は革新的なものになっております。

私もくろこではありますが、Zenの一手を理解するのに数時間かけた場面もあり、出来る限りの力を使いました。

アマの方にもAIの新しい手が伝わるように仕上がっていると思います。ぜひこの本でAI時代の最先端を感じていただければと思います。

 

発売は今月2/15です。アマゾンで予約開始していますので、興味のある方はぜひ下記にリンクを張っておきますのでのぞいて見てください。

アマが使える衝撃の新戦法! 囲碁AI「Zen」の布石構想

まさに今こそ新手でライバルに布石で差をつけるチャンスだと思います!


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詰碁アプリ

2017-07-10 21:09:22 | 横浜囲碁サロン

こんにちは、竹清です。

お久しぶりです。目の前のことに夢中になる毎日でブログを書く余裕がなくなっていましたが、また少しずつ書いていきます。

 

季節はすっかり夏になり、毎日暑いですね。体に気を付けて頑張っていきましょう!

 

面白い詰碁アプリを知人から紹介してもらいました。

「詰碁の森」アンドロイド用の無料アプリです↓↓

https://play.google.com/store/apps/details?id=com.naokijinguji.TsumegonoMori

 

このアプリの面白い所は、詰碁が自作のうえアプリもご自分(アマ強豪)で作っているところです。

詰碁は着手すると対応してくれて、同じに手に対する対応も受け方が変わったりするのは斬新でした。

「こっちの対応が分からない」って方にもありがたいですね。碁を知っている人が作っているところがやっぱりポイントだと思います。

 

詰碁作りの名手、張栩さんや、大橋さん達とコラボしたら面白い詰碁アプリができそうですね

 

入門からプロ級の詰碁までステージごとに分かれているので、ぜひ皆さんにオススメします。

 

 


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張栩先生の勉強になる手筋

2016-03-25 18:58:40 | プロレベル

こんにちは。竹清です

 

先日、私の対局を張栩先生が局後見て下さいました。素晴らしいご意見をいただいたので、こちらでお裾分けします。

 

私の白番です。黒1とツケられた場面です。この手は手筋で、白の受け方次第で、下辺黒と隅を連絡しようという手です。

ここまで白は左下△の切り込みや、下辺△の封鎖によって少し打ちやすい布石となっています。

 

実戦は特に工夫もなく、白2~白6まで封鎖しました。これでも白が十分打てるようですが、チャンスを逃しています。

このあと黒19までと進みましたが、白18ではAと三子をとるべきでした。周辺の黒に攻めが残るので大きな三子です。

このあたりで序盤の優位はないものとなりました。

 

張栩先生の指摘はこうです。白2、4はうかぶ手ですが、白6、8が手筋とのことです。

黒が9まで全部頑張ると白10で、AとBが見合になり黒ツブレです。

ぱっと見て指摘されたので、あまりの見事さに言葉を失います。

 

白6のアタリには手抜きくらいになりますが、白8と抜きになれば大いに白有望だったと思います。

白からAのハネものちに味が残っています。

 

※追記の説明

すぐに白1は黒6までセキトウシボリで黒は連絡しています。

手筋の威力を感じる場面ですね!非常に勉強になりました

この柔軟さを見習って少しでも追いつきたいと思いました!


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