5月の読書メーター読んだ本の数:23
読んだページ数:4571
ナイス数:152
図書室で暮らしたいの
感想私はホラーが苦手で、ミステリーに熱狂する質ではなく、若い世代をテーマにしたものも冷めた目で読んでしまう それなのにこの作家の手になるものは時々手に取る 読んで楽しかったと思えるものと、頑張って読まなければならないものとあって、それでも期間を置いて読んでいる 不思議だったが、このエッセイを読んでなるほどと腑に落ちた 本は読者が読んで初めて本として完成すると私は思っているが、この作家は読者との共演を体現しているのだと思った その居心地の良さが、苦手な分野かなと思いながらも手に取る魅力と思う
読了日:05月30日 著者:
辻村 深月落陽の
感想明治から大正にかけての、明天皇崩御にまつわるトピックスを“羽織ごろ”まがいの記者を中心に語られていた 読み進めるのに少し困難を感じたが、読後感は悪くない 神宮の森を150年構想で取り掛かった学者と職人と、全国から集まった献木と、奉仕に集まった人達によって、現代では都市の中心に森が広がっているのだとわかった 近頃問題になっている外苑再開発を思い浮かべながら、現代人は目先しか見えないのだとも感じた 神宮林の話と、明治天皇のことと、それぞれで一冊あってもよいように思う
読了日:05月27日 著者:
朝井 まかておひとりさま最後の片づけ やるべきこと・やらなくてもいいこと読了日:05月23日 著者:
杉之原 冨士子ルーティーンズの
感想どこがルーティンなんだと最初のうちは??で読んでいた 頁を重ねるうちに、そうかこういう家庭のルーティン、こういうことだなあと腑に落ちた 漫画家と著述業と特異な夫婦のルーティンで、平静でも家族で過ごす割合があるが、これが勤め人の夫婦の場合ならどういうルーティンになったのだろう???そんな思いも持ったが、派手な事件も恋愛も起きないが、自分の生活の中にもあるなあこれということが積み重ねられて一冊になっていた 読後感最高に良い 緑一色の装丁も振り返るとなかなか意味が深い
読了日:05月23日 著者:
長嶋 有イラストで見る昭和の消えた仕事図鑑の
感想ああ、これは知ってる、こういう仕事あったなあ…というものがちらほら…己が昭和を生きてきたと確かめたような感じです 面白かった こういう本はあるべきだと思います
読了日:05月22日 著者:
澤宮優ぼくらはなかよし、ラン、ラン、ラン!読了日:05月22日 著者:
ジェニ デズモンドなんでも おんなじ?: ふたりは ともだち読了日:05月22日 著者:
コリンヌ・アヴェリス高瀬庄左衛門御留書の
感想読トモさんのレビューにひかれて手にとった たぐいまれに秀でた人物ではないが淡々と人生を生き、その覚悟がとても塩梅よい 竹馬の友三人が長い時間のもと立場や思いが変り、そこには取り返しようのない未来があった 私が大好きな藤沢周平の「三屋清左衛門残日録」にも似たような関係の友が描かれたものがある 似た空気を感じる 三ツ谷清左衛門と違い庄左衛門は郷村まわりの下級武士 それでもその役回りに気持ちを込めている ほかの作も読んでみたいと思える本だった
読了日:05月22日 著者:
砂原 浩太朗津波!!命を救った稲むらの火読了日:05月21日 著者:
高村 忠範ぼくがラ-メンたべてるときの
感想この題名から勝手に想像したものと、この本が伝えようとしていることにあまりに違いがあり、困り果てた 気軽にページをめくってしまい、受け止めきれず、心してもう一度読み直した
読了日:05月21日 著者:
長谷川 義史ねこの看護師 ラディ (講談社の創作絵本)の
感想これが実在の猫という 天から授かったものなんだろうな 思わず我が家の猫に話して聞かせた 目の前の命によりそう それはその場面になった時、このラディのようにできるか、、難しい
読了日:05月21日 著者:
渕上 サトリーノ,上杉 忠弘優しい悪魔の
感想読み出して、あれ、読んだ本だと気が付いた そうか改題されているのかとわかったが、ついでだから再読した いやあラスト70ページまでのぐちぐち言い訳を重ねる様が笑える 私はたばこのみの習慣はなく過ごしてきたが、わが夫が子どもに言われて禁煙した その後夫が喫煙者へ発する言葉がなかなか厳しいものがある ぜひ、そんな様子もどこかで書いていただけたら嬉しくなる
読了日:05月19日 著者:
垣谷 美雨一つの花 (おはなし名作絵本 21)の
感想ものが不足した時代に、我慢すること、お国のために、という空気の中「一つだけちょうだい」とねだる子ども 国のかじ取りを担っている方はこの本を読んで理解したうえで、ことに臨んでほしいと思う どれだけの民の思いがあるのか この一冊にたくさん詰め込まれている
読了日:05月17日 著者:
今西 祐行実さえ花さえの
感想「花競べ」は「実さえ花さえ」を改題したものとしり、どれどれ違いはあるのかと探した 結果再読となったが、じっくり読めた 縦糸はしっかりしているのだが、横糸が足りない感じ、抜けがあるような印象を受けた そこをしっかり書いてほしい スピンオフみたいなことでもいいのだがなあ この物語面白いから足りない感じを読者任せではなく埋めてほしいと思った
読了日:05月17日 著者:
朝井 まかて三年長屋の
感想差配として少しずつそれらしくなっていく佐平治だが、もう少し魅力がほしいかな…でも、面白く読了しました これでおしまいかしら、長屋は入れ代わり立ち代わりだからまだまだネタは尽きないように思う
読了日:05月16日 著者:
梶 よう子またたびの
感想さくらももこの感性がまばゆいなあ 仕事で自由きままに旅して、食べて飲んで、買いまくって、楽しんで、うらやましい 亡くなったんだよなあ こういう感じがもういないんだとおもうと残念
読了日:05月14日 著者:
さくら ももこ山の不思議: 飛彈の山小屋からの
感想なんと言ったらよいのだろう…不思議な一冊だった 民俗学とも違うし、口伝されたものとも違う 怪談ではなく、妖とも言えず、薄気味悪さや、忌み嫌われたもの、考えられない実在した風習が、とつとつと紡ぎ出されていた 文明の力を借りず、山奥で生存する…その厳しさが伝わる読み物だった 表紙がとてもいい 吉田博の手による版画 素晴らしいと思う 出会えてよかった
読了日:05月13日 著者:
加藤 博二花競べ 向嶋なずな屋繁盛記 (講談社文庫)の
感想デビュー作ですか…登場人物の多彩さや、物語の骨太の感じはとても魅力的 ただ、大きな流れに差し込まれた物語がそのあと出てこず、どう解決したのかわからないものがいくつかある 主人公が移り変わっていくのもはっきりとせずあいまいなままだが、それはそれで移ろいのようで心地よかった 草木をふんだんに登場させてとても面白かった 新治の修業時代 おりんと出に合ってから 雀の来し方行く末など、一つ一つの物語を丁寧読んでみたいと思った
読了日:05月10日 著者:
朝井 まかて猫には負けるの
感想姓はツイラク名はミーちゃん 決して美猫ではない半野良半家猫 エイズキャリア 私は昭和の生まれで、家猫が出入り自由で暮らしていた時を経験している 事故や感染症を考えると室内飼いは正しいやり方なのだろうが、ミーちゃんがマイペースでの様子にこれはこれで居心地が良いと思った 愛猫家には怒られそうだが… 文章はとても上質で、気持ちがよくなる ミーちゃんのことばかりでないのも楽しかった 良質の一冊に出合った
読了日:05月08日 著者:
佐々木 幹郎歩道橋シネマ (新潮文庫)の
感想恩田睦さん…たまに魅かれて手に取るのだが、どうもホラーに傾くのは居心地が悪い 苦手なんですよね…18編の中にはそちらに傾いていないものもあり、最後までたどり着いたが、いつもこれでしばらく休憩に入る それでもたまに読んでみようかと思うから、すごい書き手なんだと思う 作家の頭の中はこんなにアイデアがあるのかと、どれもこれももっと膨らんだらどうなるんだろうと思うものばかりだった
読了日:05月07日 著者:
恩田 陸わたしのパパは ケンタ氏 (長編創作童話)の
感想「わたしのママはしずかさん」というのがあるのですね このパパけんたさんをかいた本でも、しずかさんの存在感はパパをしのぐものがあります 14歳子どもでなくなるころ 生意気な口をきいたり、行動をしたり、個性的な大人と接してまっすぐに大きくなるんだろうなあと思わせる スマホのもなく、そこらへんでたばこスパスパ吸っているし、時代は随分と変わったんだなあと思った
読了日:05月03日 著者:
角野 栄子[改訂版]戦争にいったうまの
感想子どもの頃こういう馬の話を聞いた覚えがある 飼い主のもとに戻れたのはたった一頭だったのですね モーパーゴ「戦火の馬」でもたいていはつぶされたとあった 忘れてはいけない、伝えていかなければいけない話です
読了日:05月02日 著者:
いしい ゆみドミノ (角川文庫)の
感想すさまじいばかりのスピード感で場面が入れ替わり、次から次へと編み込まれるように物語が進む 事件は本来こういうものかもしれない どの登場人物も一癖二癖あり、猪突猛進気味で、有言実行してしまうのと、思考がゆっくりのと、もう少しお互いにしっかりと情報交換すればここまで騒ぎは大きくならなかっただろうに…目まぐるしいままゴールに入った いやすごい!登場人物27人と1匹 都合よすぎの感もあるが、面白いからいいやです in上海 も読もう!
読了日:05月02日 著者:
恩田 陸読書メーター