思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

外交に二分法は禁物。現実の損得を優先し、民族主義を排し、一方に偏らないこと。それが国民を守り、豊かにする。

2022-03-31 | 社会思想

外交は、上手にやる。偏らないのが大事。善悪の二分法はダメ。適当に。時にはのらりくらいが大切。

それが昔の自民党の知恵だったが、小泉から狂った。極端にアメリカだけ。昔はイスラム圏とも仲良くしていた。

憲法9条を盾にして自衛隊は出さない、アメリカが決めた憲法を日本は守ります、と言い、アメリカの要求を断る、という知恵があった。

中国ともロシアとも仲良くやる。台湾が中国全土を代表するという無茶なアメリカの方針を破り、中国と国交樹立したのは田中角栄。

すべて現実の損得を踏まえ、一方に偏らない。それが日本外交の基本路線だった。

領土問題は声高に言わない、民族主義は危ないことを弁える。それが大人の知恵だ。

今は、単細胞。受験主義の単純頭が、日本を不利にしてしまう。東大病では、大損だ。


武田康弘

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COVID-19 mRNAが6時間で人のDNAに逆転写を起こす。スウェーデンの大学が驚愕の実験結果を発表。

2022-03-27 | その他

Intracellular Reverse Transcription of Pfizer BioNTech COVID-19 mRNA Vaccine BNT162b2 In Vitro in Human Liver Cell Line

スウェーデン ルンド大学、 COVID-19 mRNAが6時間で人間のDNAに逆転写を起こす実験結果を発表。

ぜひ動画を見てください。数分で核心が分かります。必聴です。

追記 この実験結果は、誤りの可能性があるとのこと。詳しくは分かり次第、書きます。

 

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ロシアの軍事介入は許されないが、今の惨状はまともな政治家なら免れ得たものだ。

2022-03-27 | 社会批評

ウクライナのゼレンスキー大統領は、2014年のミンスク合意を破り平然。ロシアからの応答を無視し挑発的行為の数々。戦車部隊に取り囲まれても応答しない。

NATOに入らず中立化という地政学上も当然の要求も拒否して自国民に大被害を与えたのは、直接にはゼレンスキーの言動だ。裸芸をしていたコメディアンのゼレンスキーは、悪い素人だ。

ロシアの軍事介入は決して許されないが、今の惨状はまともな政治家なら免れ得たものだ。アメリカはウクライナに代理戦争をさせている。ほんとうの悪はアメリカであることは明白。日本もそうだが、何もかもアメリカに操られるまま。実に愚かで危険だ。

武田康弘

馬渕ウクライナ大使の話もぜひお聞きください。


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Kim 武田 対話 西欧哲学の詐術を越えて。No2

2022-03-25 | 恋知(哲学)
続きです。
  • 今日午前10時から12時30分までキリスト教美学とギリシャ美学を主題にしたzoom
    会議が韓国でありました。それは西洋の思想-哲学-文明
    におけるヘブライ的起源と
    ギリシャ的起源の相関と相違及びそれぞれが韓国思想-
    哲学-文化文明の有り様にどう関わるのかという議論で
    かなり突っ込んだ論争になりました。タケセンが考えているような問題も含めて
    より根本的な見直しを迫る
    思考と実践の根本転換を探る立場と観点のぶつかり合いでした。毎週やっています。またヘブライ神本主義
    とギリシャ人文主義、そして中国の道(理)中心思想と韓国の気(通)中心思想がそれぞれもたらした哲学形成の特徴と偏差などを総括的に見直すzoom会議もやってます。韓国では多様活発な
    哲学対話が同時多発的に行われています。しかし日韓
    対話はいまのところ我々のように持続的にやって来た
    類例は見当たりません。なんと7巻の書籍のかたちになって公開されていますから。勿論反日傾向が強烈な
    韓国の現状の真っ只中で。
    日本のマスコミや雑誌に溢れている嫌韓-侮韓-蔑韓的な
    ヘイトスピーチや記事やマンガ等々下品悪質な出版物の洪水と比べたら真摯で上品な韓日-日韓の健全なる未来共創への共同努力を続けて来られたこととそこに協力援助してくださった日韓両方の方々に感謝するだけです。
     
    • Kimさん、老いてますます精力的!!エールを贈ります。
      身体はともかく精神の若若しさが、コメントの文章に現れています(悦)
       
      • 一つ質問ですが、
        ZOOM会議の中で、ニーチェ(それに依拠した木田元さん)のように西欧の超越的な思考をプラトニズムとしてとらえ、キリスト教と重ねる見方・考え方に対する批判は出ましたか?
         
         
        •  
        • Taechang Kim
          韓国で現在行われているニーチェの見直し議論の
          中心議題は、西洋哲学の
          問題意識に基づいた従来型
          から脱皮して韓国と東アジアの現実状況のなかで主に
          生命論-治癒力-東洋美学との関連、特に老荘美学との
          関連を基軸に脱キリスト教
          的-反唯一神論的な生命解釈
          学及び生命意味学としての
          哲学再建への探究と実践に
          重点が置かれています。日本人哲学者は一人も招待されていません。
           
           
          • 「特に老荘美学との関連を基軸に脱キリスト教的-反唯一神論的な生命解釈学及び生命意味学としての哲学再建への探究と実践」.神学とは無縁の生命意味論の探求ですね。なるほどです。
             
            • Taechang Kim
              脱神学-生態意識重視の
              生命(力)活性化の課題を
              ニーチェの反形而上学と
              老荘の反儒教原理主義解放学の組み合わせによって
              西洋対東洋(中洋を東洋に入れて二分化した)という認識論パラダイムを解体すると同時に活命論パラダイムへの根本転換を目指す議論なのです。
              日本人ニーチェ学者の著作を7冊選んで精読して見たけれど入門
              書的な紹介か西洋哲学の一つとして自観自説しているだけなので "それで何?"(so what?)という疑問が起こるだけで対話への開きが感じられない。だから誰も呼ばれなかったのです。
               
               
              •  
              • 優等生(笑)の日本人では、そのような大胆なパラダイム転換は無理ですね。日本人は左翼とかリベラルとか言われる人も皆、エリート主義ですから。左翼天皇制とかとも言われます(笑)「天皇教ー官僚主義ー東大病」の三者一体による支配の中にいます。共和国の韓国は、やはり国は自分たちのものだという意識が明確で、ゆえに大胆に発想転換できるのでしょう。日本にはあらゆる人を超越する記号化された天皇(だから人権はない)がいるので。
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Kim 武田 対話 ソクラテス(プラトン)とアリストテレスの断絶を明晰に意識することが必要。西欧哲学の詐術。

2022-03-25 | 恋知(哲学)
田 康弘
 わたしは、キリスト教圏の人(とりわけ西欧人)が、彼らの日々の生活圏=キリスト教化された世界から、ギリシャ哲学を見て解釈するために、ソクラテス(前中期のプラトンの著作から類推する)思想と、アリストテレスとの大きな断絶をぼやかしてしまうことは、重大な思想問題だと見ています。
 ソクラテスのイデア(典型・理念)という思想=人間にとっては、真に実在するものとは、意味の世界であり、ただの事実というのは存在しようがないことを看破したイデア論を否定し、
 その替わりに、哲学の第一原理に「目的因」なるお話を導入し、自然の統一的理解を目論んだアリストテレスとの根本的違いを明晰に理解→了解しないといけないと考えています。
 その断絶を不分明にするのは、神学の目から離れられない西欧人の根源的錯誤といえます。
 そうではなく、ソクラテスとそれ以前の自然哲学者たちと、
キリスト教という一神教は、根本的に異なることを明晰化することは必須のはずです。
 ニーチェの「反哲学」的思想は、プラトニズムという言い方で、キリスト教の淵源をギリシャ哲学にしてしまいますが、それは、ニーチェが生まれ育ったキリスト教世界の精神風土からギリシャを見ざるをえないところの限界=誤りとわたしは見ます。
 この認識の違いは、あらゆる分野で大きなゆがみを生じさせますので、われわれ東洋人(キリスト教文化圏ではない)は、西欧化されたギリシャではなく、まっさらな目でギリシャを見つめなおすことが必要なはずです。
 その意味で、先にKimさんがあげていた木田元さんの「反哲学」は、まだ西欧化した学の目で論じた「反哲学」であり=ニーチェの見方であるプラとニズムに超自然的な見方の淵源を求めている=西欧の学の常識の枠内にすぎないと思います。
  • さらに言えば、西洋と東洋という従来の二区分は、西欧人の区分けをこちらも周到しているのではないですか?
    エーゲ海文明を西洋に入れる「常識」は変えなくてはならないと思います。
    西洋と中洋と東洋の三区分にすると、世界を西欧中心主義でみるヒドイ歪みを訂正できるように思えます。
    中洋(エーゲ海)文明を換骨奪胎して、西欧のキリスト教文明と合体させて大きく見せようというのは、西欧の詐術ではないでしょうか。西欧人の底知れぬ自我主義の強さを感じます。それは唯一神の信仰からくる世界制覇の思想。わたしは、人類文明の大転回が必要と考えています。
     
     
    • Taechang Kim
      その問題はすでに
      他の処で時間を掛けてじっくり議論したことです。また最近日本人の世界的なイスラム-中東研究分野の板垣雄三先生(93歳: 本東大教授)
      が東西二分法的な観点と立場を痛烈に批判して三分法的世界文明論とそのなかでの日本文明論の位置付けと
      役割を論じていますし、韓国の方でも何人かの比較文明論者たちが活発な議論を
      続けています。しかし現在
      わたくし自身はこの悪化し続く日韓-韓日関係の抜本的
      改善のための思想-哲学的
      土台構築の方がより緊急課題だと思っているのです。タケセンの仰ることは、また
      別のところでキチンとやってます。心配無用。しかし
      今まで日韓関係に集中した
      哲学対話を我々がやっているくらい誠実に根気よく継続しているのは日本は勿論、韓国でもその他どこでもやってません。すぐ直接関係の無い処に拡散して問題を直視しようとしないのです。
       
       
      • そうですか。そういう議論は全然聞こえてこないので、学者はみんな馬鹿なのかと思っていました(笑笑・失礼)。
        わたしは、Kimさんの美学考察も、東西二分法でしたので、書き込んだのでした。
        それからさらに【重大な問題】は、その一つ前のわたしのコメント=
        プラトニズムという言い方でギリシャ思想をまとめて、キリスト教との違いをぼやかす西欧人の思想についての批判は、学者でやっている人はいるのでしょうか?
        プラトン前中期のソクラテスによるイデア(典型・理念)という思想と、アリストテレス思想(「目的因」による自然の統一と言うお話)とは断絶していることを明晰に認識しているか否か。学者はみなアリストテレスから始めるようですが、それは西欧のキリスト教思想の影響下にあるものであることを知ってのことか。
        ギリシャ哲学と、西欧哲学(キリスト教を背後にもつ、無神論というのもキリスト教へのアンチで出てくるので、一神教思想の枠内)との根本的な違いを明晰化した本があれば、ぜひご紹介ください。
        わたしの師の竹内芳郎も言っていませんでしたので。

        字数オーバーになるので次に続きます。
         
                      •  
      • ので、次に続きます。
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ウクライナの政府と軍、現地をなまで知っている人の話と、報道とはまるで逆。

2022-03-22 | 社会批評

ウクライナの政府は、どのようにできたのか。
ウクライナ軍の内実の驚くべき事態。
アメリカの関与、ナチ思想の過激派とユダヤ人の複雑な関係。
驚くことだらけです。
日本や米国の報道とはまるで異なります。


ぜひ、ナマ証言を視聴されてください。

元ウクライナ大使の証言を知ってください。

 

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ロシアの軍侵攻は悪ーアメリカの軍侵攻は善 西側諸国の常識 白人の命は千倍。

2022-03-20 | 社会批評
fb
ロシアの軍侵攻は悪、ウクライナ人を助けよう!
アメリカの軍侵攻は善、イラクで民間人を48万人殺してもOK。
イラク人は全く助けず、米軍の無差別空爆は支持。
白人の命は千倍!!さすが1万円札=脱亜入欧の国だ。
 
あなた、Osamu Furubayashi、奈良 陽二、他43人
 
コメント5件
 
加藤恵子
そうなのです。また、ウクライナはすべて助けて、ロシアはすべて拒否るって?
あめりかは良くて、ちゅうごくはダメみたいな。
日本の報道局各局全部同じ、政党も野党まで、おかしくないでしょうか?わくちんもそう。... 
大量破壊兵器も無くて侵攻した日本もアメリカもイラク国民に謝罪をしなかった
アメリカの奴隷国家日本❗
 
 
武田 康弘
アメリカの従属国ですからね。首都東京の制空権まで米軍ですし、右翼民族派もアメリカ万歳です(笑笑呆呆)。女子も白人ならすぐOKとか(笑呆)。もう終わっているようです。
今もなお、福澤諭吉がつくった「天皇教+アメリカ」という国が日本です。
 
土田 修
まさに、ご指摘の通りです!
 
Yoshihiro Kikuya
そのイラク武力侵攻にノコノコ後方支援と言って片棒担ぎをした日本にも責任があったが
大量破壊兵器も無くて侵攻した日本もアメリカもイラク国民に謝罪をしなかった、
アメリカの奴隷国家日本❗
何時もストレートなご発言、覚醒の意味でシェアさせて頂きます。

Toshirou Maruyama
さすがタケセン!一万円札に対米従属の姿をみるとはお見事。小生も福沢諭吉の罪は大きいと思っています。
 
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マスコミ人、政治家、医療関係者の方、必読です『新型コロナワクチン 誰も言えなかった「真実」』

2022-03-18 | 芸術

政治家、厚労省役人、医師、医療関係者、マスコミ人、 みなさま

コロナやワクチンのことを考え、語るならば、ぜひこの本を読んでからにしてほしいと思います。まず現状を知り、現場の意見を聞かなければ、何も判断することはできません。

必読書です。税込み990円です。


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ロシア軍がウクライナに侵攻した背景は何か。元ウクライナ大使の馬淵睦夫さんが分明にしています。

2022-03-17 | 社会批評

 

ロシア軍がウクライナに侵攻した背景は何か?

テレビや新聞だけを見ていると、ロシアのプーチン大統領が狂った、という見方しかできませんが、

元ウクライナ大使の馬淵睦夫さんが説明されていて、よく分かります。

ぜひご覧ください。7分ほどです。


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狂気のような小中学校でのマスク徹底、鼻を出してのマスクも厳しく取り締まられる。寒い日も窓を開け放つ。黙食させられる。

2022-03-16 | 教育

「ソクラテス教室」の昨日の様子です。2年2か月前からずっと同じです。

 新型コロナの空騒ぎ、2020年、日本ではあまりにも少ない患者なので、欧米の混乱をテレビは報道し、不安をあおり、こどもには史上一番安全な流行風邪でしかないのに、休校にし、マスクをつけさせて逆に健康被害=酸素流入量を2割近く減じ、二酸化炭素を猛烈な量で吸わせ、雑菌を吸わせる(すべて実験できちんと検証されている)。

 2年以上前、武漢でのG型と呼ばれるコロナウイルスによる流行風邪が報道された当時から、こどもは安全の情報が入っていたので、わたしは、初めから何の対策もせず、いつものように泡石鹸での手洗いだけを勧め、2年間が過ぎましたが、誰一人、新型コロナには罹りません。

 狂気のような小中学校でのマスク徹底、鼻を出してのマスクも厳しく取り締まられる。寒い日も窓を開け放つ。黙食させられる。もはや理性のなさも極限で、その洗脳ぶりにはただ開いた口がふさがらない。

 郊外を歩く人もみなマスク。ほんとうに頭大丈夫?の世界が広がり、人間の脳の愚かさー実に簡単に洗脳される怖さを身に沁みる日々が続きます。わたしやかみさんは、どこでもノーマスクですが、ほぼ100パーセントがマスクをして、遺伝子型ワクチンを8割が打ち、それ以降に流行は過去最大になる事態を目にしても、まだその【神話】にしがみつくのは、愚かというより哀れです。

 なぜ、布地の穴の50分の1の大きさのウイルスを防ぐのにマスクなのですか?口と鼻の周りからも盛大に空気は出入りするのにね。唾を防ぐというならば、鼻にかける必要はなく、話をしないのにマスクをする理由はありません。
まして、こども(20才未満)には【今まで一番安全な流行風邪】であることは、データが明瞭に証明しているのにです(厚労省や国立感染症研究所ホームページ)。

 人間は理性を用いて判断する動物であることをやめ、感情論理=テレビの誘導で判断する動物であるようですが、それでよいのでしょうか??
ー--------

 ついでに、年配者の死者、2年前に日本(アジアも)たいへん少なかったのに、それが一昨年の6月18日に厚労省から「厳密な死因を問うことなく、PCR陽性者は新型コロナ死としていただきたい」との通達が各都道府県に出されてから急に増えた(医師が死因を判断するのではなく、PCR検査でウイルスがわずか数個でも見つかった人は新型コロナ死とされる)。
 そのからくりを明瞭にしたblogを暫く前に出しておきましたので、ご覧くださいーデータはすべて厚労省によるものです)
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世界中の極右を引き寄せるウクライナ義勇軍は新たなファシズムの温床か

2022-03-14 | 社会批評

ニューズウイーク日本版 

世界中の極右を引き寄せるウクライナ義勇軍は新たなファシズムの温床か

2022年03月14日(月)10時54分

<ロシアの侵略と戦うウクライナは、ネオナチに実戦経験とその神話化の機会を提供する。それはかつてナチスの台頭を招いた政治の「残忍化」につながりかねない>

ロシアによるウクライナ侵攻が続いている。私は前回の記事で、ウクライナにはネオナチ勢力が存在するのは事実だが、それを根拠としたプーチンの開戦理由は正当化できないことを論じた。その結論は現在でも変わらないが、開戦後にウクライナでネオナチの勢いが増していることについては注意を払うべきかもしれない。

『ニューズウィーク米国版』は3月2日の記事で、ロシアの侵略によって「アゾフ大隊」のようなウクライナのネオナチ準軍事団体のプレゼンスが高まっており、またアメリカなどの極右勢力が現地に集結していることを報告している。同記事では、政治アナリストのジョナサン・ブランソンによる「現時点でウクライナに必要なのは兵力であり『今は』その中身について問うべきではない」という意見を紹介し、また極右の中にはウクライナではなくロシアを支持する者もいることに言及しつつも、全体的にはウクライナで極右が強化されていることに対する警戒する内容となっている。

ドイツの日刊紙『ディー・ターゲスツァイトゥング』も、3月3日の記事でウクライナの戦争にドイツの極右が参加しているという問題を報じている。ドイツ政府はこうした戦争参加を認めていないが、力ずくで参加を食い止めることまではできない。左翼党の議員マルティナ・レンナーは、こうしたナオナチの活動家がウクライナで戦闘経験を積むことはドイツ政治に悪い影響を与えるのではないか、と述べている。

ネオナチ「戦闘訓練」の場

レンナー議員のこの危惧は理解できる。というのは100年前のドイツでもやはり、ヴァイマル共和国に暴力的な政治文化を形成し、ヒトラーの台頭を招いたのは、第一次大戦やそれに続くバルト地方からの撤退戦などに参加し、凄惨な暴力を体験してきた兵士たちだったといわれているからだ。

第一次大戦後のドイツでは、前線経験がある若者を主体とする義勇軍組織(フライコール)が結成され、縮小した正規軍に代わって左翼活動家や労働者たちの弾圧に関わった。彼らの多くは反共であったが、一方で反共和国でもあった。ナチ党の有力者にも義勇軍経験者が多い。ナチスの準軍事組織である突撃隊の実質的指揮官であったエルンスト・レームもその一人だ。

昨年末、筑摩書房より文庫化されたジョージ・L・モッセの『英霊』は、ヴァイマル共和国の不安定化はそれ以前の戦争経験に基づくという政治の「残忍化」テーゼを打ち出し一躍注目を浴びた。原著は1990年、つまり東西ドイツ統一の年に発表されている。モッセの「残忍化」テーゼはその後、多くの批判的検討や修正が行われつつも、概ね広く受け入れられている。

モッセによれば、兵士や義勇兵たちによって形成された「戦争体験の神話」は政敵を非人間化し、その殲滅を目指す思考を受け入れやすくする。そのことによってファシズムの残忍さは、残忍であるがゆえに魅力的なものとなるのだ。

ドイツは既に、このウクライナ戦争をきっかけとして防衛予算の歴史的な増額を表明するなど「平和国家」から「強い国家」への道に転換しようとしている。ここにウクライナで戦っている右翼が持ち込む「戦争体験の神話」が加わるとどうなるか。

ドイツは今のところ他の欧州勢力に比べて極右政党のプレゼンスは比較的小さいが、今後は政権選択に影響を与えるようになるかもしれない。2017年に極右政党のAfD(ドイツのための選択肢)が初めて国会に議席を獲得したとき、当時のメルケル政権は連立パートナー選びに難航し、再選挙の寸前までいった。次の選挙でこのような危機が再び訪れるかもしれないし、既成政党も全体的に右傾化していくかもしれない。

もちろん、だからといってウクライナを非ナチ化するための戦争というロシアの理屈に一分の正当性も出てくるわけではない。むしろロシアの侵略のせいで右翼がウクライナに集結することになっているのだ。ウクライナに集結する右翼への危惧は、ロシアの侵略を相対化するものになってはならない。

残忍化のメディア

『英霊』におけるモッセの議論は、我々がメディアを通して戦争を受容するときの戒めにもなるかもしれない。メディアを通して我々が「残忍化」するというと、我々は「××人を殺せ」のような好戦的メッセージの危険性をまず思い浮かべる。しかしモッセが取り上げているのはそれだけではない。戦没者追悼などを通した「英雄化」や、小説やゲーム、絵葉書、子供の玩具などを通した戦争表象の「陳腐化」も彼は議論の対象にしている。

我々が日々接しているメディアでも、ウクライナ戦争の「英雄化」や「陳腐化」が行われている。たとえばSNSで拡散されるような英雄的に戦うウクライナ兵士のエピソードや、ロシア軍に屈しないウクライナ市民たち、不屈の指導者としてのゼレンスキー表象、ウクライナを応援するための国旗色が施された様々なグッズ、などはその例といえるだろう。

戦争が始まってから二週間、SNSを含むメディアの進化によって、虚実入り混じった情報が急速なスピードで世界を飛び交い、戦争の「神話化」がリアルタイムで進んでいる。我々は少しずつ戦争に慣れ始め、戦時下の言語で語るようになっている。ウクライナ大使館の要請に応じて、日本人でも義勇兵としてウクライナの戦争に参加を希望する者が出現しているという。こうした傾向がモッセの言う通り政治の「残忍化」へとつながる可能性を、今から認識しておく必要があるのではないか。

戦争の帰趨は分からない。しかし確実に言えるのは世界的に政治の「残忍化」が進むことは避けられないということだ。だが、それは必ずしも破局に繋がるわけではない。『英霊』文庫版の解説を書いている今井宏昌は、『暴力の経験史:第一次世界大戦後ドイツの義勇軍経験1918~1923』(法律文化社、2016年)で、戦争経験の解釈のされ方は多様であり、それは必ず戦争を志向するのではなく、解釈の在り方によっては平和を志向する道もあることを示した。

ウクライナの戦争については、ロシアの侵略を批判する立場がほとんどだろう。だが我々はただ批判するだけでなく、戦争を語る方法や戦争に関する情報の受容についても丁寧に行う必要があるのだ。

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皇族・天皇は日本人ではない、とする現状を変えるための二つの案。

2022-03-11 | 芸術

 

皇室という制度・天皇という制度が、民主制(政)の哲学原理に反していることは明白で、

同時に、

【憲法14条 すべて国民は、法の下に平等であって、人種、性別、社会的身分又は、門地(いえがら)により、政治的、経済的又は、社会的関係において、差別されない】に反することも明白です。

ところが、憲法解釈では、皇族を日本人という規定から外して、特例扱いすることで、憲法の対象外としています。


皇族は、日本人ではなく、また、憲法や世界人権宣言(国連)の「人権」規定の対象外となるのでは、人間として認めていないことになります。

解決策は二つでしょう。

天皇及び皇族は、人間ではなく、生きている神だとして、憲法の対象にならないとする憲法解釈を明文化する。

天皇及び皇族も人権を認められた日本人として、憲法1~8条までを改定し、日本共和国憲法をつくる。

どちらにすべきでしょうか?

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受験塾は、紋切型頭=人間しかつくらない。

2022-03-11 | 教育
受験勉強は、紋切型頭=人間しかつくらない。

言い方を変えれば、機械頭であり、二次元頭であり、白黒頭だ。
多層性をもたず、内部から湧出するパワーを持たず、「わたしの頭」ではない。
受験塾とは、そのような頭に変える施設であり、頭=人間から色を消してしまう。

フッサールの言葉だが、「事実学は事実人しかつくらない」。
いまの学校知は、身体知、感じ、想うという人間的頭脳の中心であるイマジネーションを育てず、言語中心主義=言葉の暗記中心の堅苦しく息苦しい知だ。

意味論≒本質論のない事実学の累積は、特定パターンを仕込むことで人間的な頭脳を破壊してしまう。だから「優秀者」ほどたんなる「事実人」(犬やサルではなく事実として人であるに過ぎない)に陥るのだ。「東大病」。

水面下を見ること、地面を掘り進めること、内的意味充実の世界を拓くこと、多色で広がりゆくイメージをもつこと。自由自在に羽ばたくこと。これらのもっとも重要な人間的頭脳を破壊し、灰色で単線的で色艶のない頭=人間を製造するのが、受験主義の勉学であり、受験塾である。受験塾が大手をふるう日本に未来はない。

哲学(ほんらいの訳語は「恋知」)も沈思と内的自己の開発ではなく、「言語ゲーム」という趣味の世界に陥る。
 
武田 康弘
 
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制裁とは一般市民を苦しめるだけ。悲劇・悲惨をふやすだけの愚かな手法でしかない。

2022-03-09 | 社会批評

制裁とは一般市民を苦しめるだけ。
ひどい虐めでしかない。
愚かきわまる政策で、呆れる。
戦争終結には寄与しないで、いたずらに悲劇・悲惨をふやすだけ
われわれ庶民の暮らしも苦しくなる。
エリート層を肥やすのみ。

武田康弘

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2014年のウクライナ=アメリカの援助による右翼クーデター。帰属意識ではなく、個として互いを認め合うことで調和が生まれる。

2022-03-08 | 社会批評

Chihiro Sato-Schuh

【心理操作】

これまでロシアにとりたてて興味があったわけではないのだけれど、主流メディアがいっせいにロシアを悪者にし始めたら、実はロシアはけっこういい国なんじゃないかと思えてきた。最初は、報道の仕方があまりに一方的なので、ロシア側の情報が欲しくなっただけのことだった。だけど、それであれこれ見ていたら、2014年のクーデタ以降のウクライナが、本当にひどいことになっていることが見えてきた。

マイダン革命とも言われる2014年のウクライナ騒乱は、市民の革命などというものではまるでなく、右翼集団のクーデタと言うべきものだったのだ。ウクライナ民族主義の人たちが、親ロシアの政権を倒して、ウクライナ民族至上主義の政策を始めることになった。公用語はウクライナ語だけになり、ロシア語を使用することは一切禁じられたそうだ。もちろん、学校でもウクライナ語だけを使うことが強要され、ロシア語の学校は閉鎖された。

ウクライナ民族には、そんなにロシア民族を憎まなければならない背景でもあったのだろうか? いくらかはそういうこともあったのかもしれないけれど、このクーデタは、アメリカ国防省から出たお金で組織されたらしいこともわかっている。そのことからして、どうも人工的に作られた憎しみのように思えるのだ。キエフのマイダン広場でデモをやらせて、警察に賄賂を渡して騒ぎが大きくなるまで放置しておくようにさせ、狙撃兵が建物の上から銃を乱射して、広場は流血の騒ぎになった。それで、親ロシア派の大統領は失墜し、NATOよりの政権ができたのだ。

その後、ロシア系の住民が多い東の地域では、政府のウクライナ至上主義に反発して、独立運動が起こった。そこにネオナチ化した革命軍がやってきて、平和的にデモを行っている人々を攻撃し始めたのだという。警察がデモを鎮圧しにきたのではなくて、武器を持った集団が、暴力をふるい始めたのだ。この集団は、戦闘服を着て、ナチの親衛隊のマークを真似たシンボルをつけて、たがいにナチ風の敬礼を交わしていた。それだけではなく、彼ら自身が自分たちはナチだと言っていたのだそうだ。

彼らはデモの人々を銃で撃ち、倒れた人を殴り殺していたそうだ。そうして「ウクライナの勝利だ」と笑っている男たちの顔が動画に映っているのだけれど、その目が奇妙に狂気じみていた。

武器を持たない相手に残虐行為を行って、それで笑っていられるなんて、普通の人間の心理状態ではない。こんなことは、人格分裂でも起こしていなければ、できるものではないと思う。その目はゼレンスキーの妙にヘラヘラした顔つきを思い出させた。それでピーンときたのだ。この人たちは、心理操作されて、操られている人たちに違いないと。

西側のグローバルエリートたちが、ロシアを戦争に巻き込むために、ウクライナを駒にしているらしい。第二次世界大戦のときにドイツにやらせたのと同じことだ。ヒトラーは、イギリスのタビストック研究所に送られて、心理操作を受けたのだという。それで人工的に人格分裂させられ、誇大妄想を植えつけられて、独裁者の役を演じるためにドイツに送り込まれたのだそうだ。ナチスの親衛隊たちは、やはり異常な心理状態になっていたとしか思えない行動を示している。ユダヤ人たちを虐殺して、笑っていたことが知られている。これは、ウクライナで抵抗できない人を虐殺して笑っていたあの革命軍の男たちの態度と、あまりにも似ている。

ナチスドイツ下でユダヤ人に当たるものが、ウクライナではロシア系住民だったのだ。まるでロシア系住民が存在することが災厄であるかのように感じて、その人たちを殺すことに「自分たちが勝った」というような優越意識を持たされているかのようだ。

全体主義を人工的に作る心理実験が、1967年にアメリカの高校で行われたことがある。「ウェイヴ」と呼ばれていて、映画にもなっている。特別な服装とかシンボルとか挨拶などで、グループ帰属意識が作られ、グループに属さない人々を軽蔑するように教えられると、ほんの数日間で高校生たちは、グループに属さない人たちに暴力をふるうようになってしまったのだそうだ。これは、ごく普通の平和的な人々でも、ある条件がそろうと、集団暴力をふるうようになるということを示している。

80年前のドイツでも、8年前のウクライナでも、同じことが行われたのではないだろうか? 心理操作といったらナチスからCIAに受け継がれたMKウルトラが有名だけれど、これも実はドイツで作られたものではなくて、タビストック研究所から来ているという話がある。シティ・オブ・ロンドンは、人の心を支配することに19世紀の頃からもう関心を持っていて、研究させていたのだそうだ。彼らは世界中で戦争を起こさせては、両方の国に武器を売り、お金を貸して、支配力を強めていったのだけれど、戦争を起こさせるためには、人の心を操るのが一番効果的だと考えたのだ。

パンデミックでもウクライナでも、それは同じ物語のようだ。一定の行動や考えを持つことが要求され、そうでない人に対して差別意識を焚きつけられる。それによって、皆が同じ考えを持ち、同じように行動するように仕向けられているのだけれど、そこにはまらない人が何割かはいる。そして、その人たちは個であることに目覚めて、自分を信じることを覚えている。この2年間のパンデミック騒ぎは、いかに強烈な心理操作を浴びせられても、それでも染まらないで自分を保ち続けられる人たちが、少なからずいることを教えてくれた。

個であることと自分を信じること。そこに目覚めた人々は、もはや分断し差別する心理操作に操られることはなく、他人をそれぞれ個として認め、孤立するのではなく調和する関係を自然と作ることができる。それは、2020年のベルリンのデモでも見られたし、カナダやニュージーランドのフリーダム・コンヴォイでも、世界中のデモや抗議活動でも、見ることができる。そこには、帰属意識ではなく、個を認め合うところに生まれる調和の関係がある。

つまるところ、支配の世界を終わらせるのは、それでしかないと思う。私たち一人一人が集団に操作されない個としての自分を保ち、たがいに調和した関係を作ることを知ることなのだ

 

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