思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

「安倍政権を批判」は、世界の常識。バカげた右翼的歴史認識は迷惑至極です。

2013-08-27 | 社会批評

 

なんども書いてきましたから繰り返しませんが、安倍首相の歴史認識は、ネットウヨクと同じで、愚かで危険な日本主義(明治政府がつくった「天皇教=靖国思想=国体思想」)です。

こういうウヨク思想に迷惑するのは、常識をもつふつうの日本人です。

韓国、中国みならず国連や欧米各国から非難されるのは当然です。戦後世界の秩序を破壊する日本主義が、ファシズム(ドイツのナチ思想・イタリアの全体主義・日本の天皇教)と戦った国連主要国から容認できないのは、はじめから分かりきった話。

もし、日本主義が正しいと思うのなら、安倍首相は、国連の場で堂々と自説を述べたらいいいのです。再び世界の孤児になれます。

 

わたしは、日本人として、日本主義は心底、嫌悪します。

詳しくは、『恋知』 第1章ー「天皇制ってなんだろう」をご覧ください。

 

武田康弘

 

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平成25年長崎平和宣言・全文  長崎県ホームページーー安倍政権への根源的批判

2013-08-22 | 社会批評

平成25年長崎平和宣言

 68年前の今日、このまちの上空にアメリカの爆撃機が一発の原子爆弾を投下しました。熱線、爆風、放射線の威力は凄まじく、直後から起こった火災は一昼夜続きました。人々が暮らしていたまちは一瞬で廃墟となり、24万人の市民のうち15万人が傷つき、そのうち7万4千人の方々が命を奪われました。生き残った被爆者は、68年たった今もなお、放射線による白血病やがん発病への不安、そして深い心の傷を抱え続けています。
 このむごい兵器をつくったのは人間です。広島と長崎で、二度までも使ったのも人間です。核実験を繰り返し地球を汚染し続けているのも人間です。人間はこれまで数々の過ちを犯してきました。だからこそ忘れてはならない過去の誓いを、立ち返るべき原点を、折にふれ確かめなければなりません。

 日本政府に、被爆国としての原点に返ることを求めます。
 今年4月、ジュネーブで開催された核不拡散条約(NPT)再検討会議準備委員会で提出された核兵器の非人道性を訴える共同声明に、80か国が賛同しました。南アフリカなどの提案国は、わが国にも賛同の署名を求めました。
 しかし、日本政府は署名せず、世界の期待を裏切りました。人類はいかなる状況においても核兵器を使うべきではない、という文言が受け入れられないとすれば、核兵器の使用を状況によっては認めるという姿勢を日本政府は示したことになります。これは二度と、世界の誰にも被爆の経験をさせないという、被爆国としての原点に反します。
 インドとの原子力協定交渉の再開についても同じです。
 NPTに加盟せず核保有したインドへの原子力協力は、核兵器保有国をこれ以上増やさないためのルールを定めたNPTを形骸化することになります。NPTを脱退して核保有をめざす北朝鮮などの動きを正当化する口実を与え、朝鮮半島の非核化の妨げにもなります。
 日本政府には、被爆国としての原点に返ることを求めます。
  非核三原則の法制化への取り組み、北東アジア非核兵器地帯検討の呼びかけなど、被爆国としてのリーダーシップを具体的な行動に移すことを求めます。

 核兵器保有国には、NPTの中で核軍縮への誠実な努力義務が課されています。これは世界に対する約束です。
 2009年4月、アメリカのオバマ大統領はプラハで「核兵器のない世界」を目指す決意を示しました。今年6月にはベルリンで、「核兵器が存在する限り、私たちは真に安全ではない」と述べ、さらなる核軍縮に取り組むことを明らかにしました。被爆地はオバマ大統領の姿勢を支持します。
 しかし、世界には今も1万7千発以上の核弾頭が存在し、その90%以上がアメリカとロシアのものです。オバマ大統領、プーチン大統領、もっと早く、もっと大胆に核弾頭の削減に取り組んでください。「核兵器のない世界」を遠い夢とするのではなく、人間が早急に解決すべき課題として、核兵器の廃絶に取り組み、世界との約束を果たすべきです。

 核兵器のない世界の実現を、国のリーダーだけにまかせるのではなく、市民社会を構成する私たち一人ひとりにもできることがあります。
 「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」という日本国憲法前文には、平和を希求するという日本国民の固い決意がこめられています。かつて戦争が多くの人の命を奪い、心と体を深く傷つけた事実を、戦争がもたらした数々のむごい光景を、決して忘れない、決して繰り返さない、という平和希求の原点を忘れないためには、戦争体験、被爆体験を語り継ぐことが不可欠です。
 若い世代の皆さん、被爆者の声を聞いたことがありますか。「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ、ノーモア・ウォー、ノーモア・ヒバクシャ」と叫ぶ声を。
 あなた方は被爆者の声を直接聞くことができる最後の世代です。68年前、原子雲の下で何があったのか。なぜ被爆者は未来のために身を削りながら核兵器廃絶を訴え続けるのか。被爆者の声に耳を傾けてみてください。そして、あなたが住む世界、あなたの子どもたちが生きる未来に核兵器が存在していいのか。考えてみてください。互いに話し合ってみてください。あなたたちこそが未来なのです。
 地域の市民としてできることもあります。わが国では自治体の90%近くが非核宣言をしています。非核宣言は、核兵器の犠牲者になることを拒み、平和を求める市民の決意を示すものです。宣言をした自治体でつくる日本非核宣言自治体協議会は今月、設立30周年を迎えました。皆さんが宣言を行動に移そうとするときは、協議会も、被爆地も、仲間として力をお貸しします。
 長崎では、今年11月、「第5回核兵器廃絶-地球市民集会ナガサキ」を開催します。市民の力で、核兵器廃絶を被爆地から世界へ発信します。

 東京電力福島第一原子力発電所の事故は、未だ収束せず、放射能の被害は拡大しています。多くの方々が平穏な日々を突然奪われたうえ、将来の見通しが立たない暮らしを強いられています。長崎は、福島の一日も早い復興を願い、応援していきます。
 先月、核兵器廃絶を訴え、被爆者援護の充実に力を尽くしてきた山口仙二さんが亡くなられました。被爆者はいよいよ少なくなり、平均年齢は78歳を超えました。高齢化する被爆者の援護の充実をあらためて求めます。
 原子爆弾により亡くなられた方々に心から哀悼の意を捧げ、広島市と協力して核兵器のない世界の実現に努力し続けることをここに宣言します。

2013年(平成25年)8月9日
長崎市長 田上 富久
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子どものことを何も知らない愚か者の文部科学大臣ーはだしのゲン閲覧禁止問題

2013-08-21 | 社会批評


こどもは、現実を知れば、大人以上にそれを直視する力があります。

わたしは、赤裸々な子供の声と姿に接し続けて37年が経ちます。

学校という行政権力が介在しない自由な空間としての私塾では、こどもの偽らざる心が露骨なまでに表れます。

はだしのゲン程度の描写で子どもに悪影響があるなど、真っ赤なウソ、大嘘です。

はるかに残酷なシーンの生写真などを見ても、こどもは傷ついたりはしません。そういう現実が起きた理由を聞き、そうならないような解決策をいろいろと言い出します。

こどもは、驚くほどのタフさを示します。

日本の大人は、自分たちに都合の悪いことを隠すために、「こどもへの配慮」という美名を使います。

何も知らない愚かな大人が文部科学大臣。「美しい国」とは、ウソと偽りの国という意味ですね。

このブログを見て、わたしの批判に応える自信のある政府関係者がおられるなら、いつでも公開の場で議論に応じます。

教育を仕事とする恋知者(哲学者)として、真正面からお相手しましょう。

 

武田康弘(哲学者・私塾主宰者・我孫子市「白樺文学館」初代館長・参議院行政監視委員会調査室・客員調査員2009-2010)

 

 

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安倍首相の親友で政府の教育再生委員・八木秀次による【反人権宣言】は、国連では認めらないものです。

2013-08-18 | 社会思想

日本政府は、
「われわれは、人権という思想に怯える必要はない。日本は天皇陛下を中心とした国であり、欧米が生んだ「人権」思想に従うのは間違いで、日本人は、国民の常識に戻るべきである。」と主張する八木秀次という高崎経済大学教授を、政府の教育再生委員にしています。
彼の親友、安倍首相の肝入りによります。

国連をはじめ世界各国からは、100パーセント認められない思想ですが、安倍首相は、祖父の岸信介元首相の意思(本音)を踏まえて、戦争の加害者責任に言及せず、謝罪と反省の言葉も削除してしまいました。これは、彼を熱烈に支持し続ける『靖国神社』の主張=「すべての日本の戦争は、天皇陛下の軍隊・皇軍による祖国防衛戦であり、聖戦である」によるものです。

この安倍首相の思想は、八木秀次の「反人権宣言」(ちくま新書)と「明治憲法の思想」(PHP新書)に依拠しています。

ここまできたからには、安倍首相には、国連の場で、堂々と自己の信念を主張して頂きたい。
いうまでもなく、国体思想=靖国思想は、【個人】の対等と自由を前提とする「社会契約論」(人民主権)に基づく人権と民主主義思想に反し、現代の人類社会では認められません。

日本主義(=靖国思想)の異常性が、世界に知れ渡るのは間違いありません。

なお、詳しくは、わたしの拙論「天皇制ってなんだろう」をご覧ください。


武田康弘(参議院行政監視委員会調査室・客員調査員ー2009~2010) 

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年齢差61才の『愉しい哲学の会』ーー安倍自民党憲法案の底知れぬ「悪」を暴く。

2013-08-14 | 恋知(哲学)

 (白樺教育館で。クリックで拡大します。)

今日の、「愉しい哲学の会」では、
近代民主主義の屋台骨である「社会契約論」に則らない安倍自民党憲法は、根源悪としか言えないもので、到底認められる代物ではないことを、人類社会史と社会思想の本質論レベルで明晰にしました。

 彼ら自民党右派の無知蒙昧には呆れますが、彼らは、極めて危険な政治家(保守ではなく右翼)であることをみなで訴えていくこう!と確認しました。「個人」を否定して、「国民」の一員であることから始めるという安倍イデオロギーをつくる八木秀次という男(政府の教育再生委員)の病んだ思想がどこから出てくるか、という心理についても話しました。

 わたしは、参議院「行政監視委員会調査室」の客員として経験も踏まえ、自民党憲法案が、【社会契約説(論)の意図的な否定】であることを「事実」をもって書き留めます。後日、彼らの本音を明かしますのでお待ちください。

 なお、まだブログでは発表していませんが、≪「恋知」第二章の(4)哲学から恋知へ≫ の下書きをみなさんに読んでもらいました。とても好評でしたので、嬉しく思いました。これも、後日、発表します。

 参加者は、22才から83才まで(年齢差61才!)すばらしい!

 

  武田康弘

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反戦平和を主張するのは、ふつうの社会人の義務です。アメリカとの合同戦争はキチガイ行為としか言えません

2013-08-14 | 社会批評

アメリカの世界制覇、アメリカの国益のための絶えざる戦争行為になぜ、日本も参加しなければならないのか?

答えられる応えられる人がいるなら、答えてみてください。

「集団的自衛権」とは、アメリカの戦闘行為に日本の自衛隊が参加する、という意味であり、日本をアメリカ軍が守る、という意味ではありません。この簡単な事実さえ知らない人(テレビや新聞は伝えない)が多数派なのには呆れてしまいます。

日本は、ずっと「集団的自衛権」を否定していましたが、そのことは、日本に有利なことであり、マイナス面は一つもありません。

日本が「集団的自衛権」という、中身とは全く異なる名称の「アメリカ軍との共同戦争権」をなぜ確立しなければならないのか?

答えは簡単で、アメリカ軍=政府からの要請であり、それを飲むことで長期政権が可能となる一族が存在するからです。安倍首相の姻戚者は、戦後7名の首相を出しています。


武田康弘

 

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ドイツは「ナチズム」を否定、日本は「靖国思想」を否定せず。 自民党のナチス憲法(東京新聞)

2013-08-10 | 社会批評

 同盟を組んで第二次世界大戦を戦ったドイツと日本は、戦後は対照的に、方やヨーロッパ社会に認められ、その中心国になっているのに、
日本は、被害を与えた隣国ともよい関係を築けません。再び脱亜(中国や韓国を下に見てアジアから抜ける)ですが、今度は入欧ではなく入米(アメリカのみ)です。アメリカ妾を続けます。

 その最も深い原因は、

 ドイツは、侵略戦争をもたらした思想である「ナチズム」をあらゆる角度から批判し、学問と教育の分野でナチの思想を排し、人民主権の近代民主主義社会をつくる努力を続け、ナチズムに関わった人やその思想をもつ人を公職につけないようにしてきたのに対して、
 日本は、伊藤博文が中心となって作った「天皇教=靖国思想」を批判できず、そのために、天皇ヒロヒトの戦争責任も曖昧にしたまま、戦争を遂行した内閣の要人(戦争犯罪者)を戦後も要職どころか、総理大臣にまでしてきたところにあります。
(『恋知』第1章「天皇制ってなんだろう」をぜひご覧ください)

 それが、教育で「現代史」を教えず、入学試験にも出ないという異様な状態を生んでいるわけです。自分の国のおかした罪も知らない若者であふれ、それを知らしめようとする人々を「反日」と呼んでパージするネットウヨク≒国粋主義者が跋扈(ばっこ)し、彼らに同調するA級戦犯の孫の安倍首相や麻生副首相らが権力を握る。

 なんという国か。「保守政治家」さえなく、「右翼政治家」だけが権勢を振う。
サザンの桑田佳祐は、さすがに核心をついて、5年ぶりの新曲『ピースとハイライト』では、「教科書は現代史をやる前に時間切れ そこが一番知りたいのに 何でそうなっちゃうの?」と歌います。

 
 以下は、8月8日の東京新聞の特集記事です。

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強いメッセージ性としみじみとした美しさーサザン5年ぶりの新曲 『ピースとハイライト』他4曲

2013-08-07 | 趣味

今日発売のサザンの5年ぶりの新曲「ピースとハイライト」がいま届き(胸熱35カートンBOX 納涼サマーポンチョ付のCD)、4曲、「ピースとハイライト」「蛍」「栄光の男」「人生の散歩道」を3回続けて聞いたところです。

最初の3曲は、作詞・作曲とも桑田佳祐。4曲目は作詞は原由子で作曲のみ桑田佳祐。

強いメッセージ性としみじみとした美しさに溢れた見事なアルバムです。己の実存を見据えつつ非人間的な日本社会へのプロテスト。情熱と柔らかさと優しさ、人間愛に満ちた歌です。

表題の「ピースとハイライト」は、21世紀の「ラブ&ピース」です。反戦平和の歌ですが、ドイツ・フォルクスワーゲンのCMソングになっているのは、実に感慨深いもの。

好戦的・復古的。人と自然環境にドライで、優しさのかけらもない安倍自民党政権(靖国思想=天皇教)へのアンチです。

亡くなる前、NHKの元旦インタビューで、大の親日家、アメリカの日本大使だったライシャワーさんは、「これからの日本に望むことは?」という問いかけに、微笑みつつ「日本は人類社会の一員になるように努力してほしい。」と応えました。

このサザンの新曲「ピースとハイライト」も、国民的ヒット曲・スマップの「世界にひとつだけの花」も宮崎駿のアニメも、みな人類的普遍性をもつのに、日本の政治と教育は、いつまでたっても言うも愚かなほど低レベル。昆虫的集団社会から、個人の自由と責任に基づく人類社会へとチェンジ!したいですね。

 

武田康弘

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充実のCDセット18世紀『啓蒙主義の時代』(仏ハルモニアムンディ)30枚組ー2990円

2013-08-06 | 趣味

まだ全部は聴いていませんが、この全集は驚くほどのお買い得。買わなきゃ損です。

例によってフランス盤のCDは音がよく、歪がなく清い音で、曲目も演奏も品位が高く、流しておくだけで空間が美で満たされます。

それにしても最新録音も多数含む優れた演奏のCDが、どうして2990円なのか?30枚組です。

曲目は、ブログの字数制限で一部しか載せられませんので、上の行をクリックしてください。

 

Disc1:フランスのクラヴサン曲集

F.クープラン:第25組曲、第26組曲&第6組曲
 クリストフ・ルセ(チェンバロ)
 録音:19939月、19945

高名なオルガン奏者を輩出した一門の出身であるフランソワ・クープラン[1668-1733]は、トムランやダングルベールの影響を受けてクラヴサン弾きとなり多数の作品を残しています。円熟期に書かれ、クープランのクラヴサン人生の総決算とも言われる27の組曲から成る「クラヴサン曲集」から、ここでは古楽ファンに人気の「神秘的なバリケード」も入った第6組曲のほか、第25組曲と第26組曲を収録しています。
 これらの作品にクリストフ・ルセが挑んだのは、彼がまだ30代前半だった頃ですが、その演奏には揺るぎのない自信があふれ、たしかな構成感、新鮮で瑞々しい感性、運動性、そして歌心と、全てにおいて驚異的な出来栄えを示すものとなっています。

J-P.ラモー:コンセール用のクラヴサン曲集より第1番、第5
 クリストフ・ルセ(チェンバロ)、寺神戸亮(ヴァイオリン)、上村かおり(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 録音:19923

ジャン=フィリップ・ラモー[1683-1764]は、オペラの世界で名を馳せたフランスの作曲家。ラモーによる唯一の室内楽である「コンセール用のクラヴサン曲集」は、サロンでの演奏用にと出版されたクラヴサンのソロを中心にした音楽で、オペラの作曲を重ねながら到達したラモーの円熟したスタイルを反映する作品群とみなされています。 若きルセの華麗なクラヴサンと、それを絶妙な間合いで支える寺神戸亮のヴァイオリンと、上村かおりのヴィオラ・ダ・ガンバによる優れた演奏です。 

 

II. LA MUSIQUE SACREE~宗教音楽

 

Disc2:宗教音楽=哀歌のたそがれ

・カンプラ:レクィエム
 フィリップ・ヘレヴェッヘ(指揮)シャペル・ロワイヤル
 録音:19868

ヴェルサイユ楽派の作曲家、アンドレ・カンプラ[1660-1744]は、大聖堂で宗教教育を受け、聖歌隊に入って教会音楽の修行を積み、17歳で司祭となり33歳でパリのノートルダム大聖堂の楽長まで登りつめます。
 しかし、若い頃から聖と俗、教会と劇場のあいだを揺れ動く傾向のあったカンプラは、ここでの在職中に、劇場音楽であるオペラ・バレエ『優雅なヨーロッパ』を作曲、立場上の問題から弟の名前で発表するものの、大きな成功を収めてしまったために後に事実が発覚、大聖堂の楽長の地位を追われることになってしまうのです。
 長年勤め上げてきた教会の職を失ったカンプラですが、音楽家としての名声はすでに高かったため、コンティ公の宮廷楽長に就任、今度は晴れて劇場で活躍し大いにその名を高めることとなります。その後、カンプラは59歳のときには再び宗教の世界に戻り、83歳で亡くなるまでに数多くの宗教音楽を書きあげています。
 有名な「レクィエム」は、カンプラが紆余曲折を経て宗教の世界に戻って3年ほど経った1723年に書かれたもの。
 作風は豊かな旋律に彩られたきわめて美しいもので、165年後に書かれたフォーレのレクィエムのピエ・イェズに似た旋律があったり、随所に透明で優しい雰囲気を漂わせるなど、フォーレに与えた影響はかなり大きいのではないかと思われます。
 ヘレヴェッヘ初期の名録音として知られるこの演奏は、作品の魅力をきわめて美しく示したものにも関わらず長年廃盤だったので、今回の復活は大いに歓迎されるところです。

・ペルゴレージ:スターバト・マーテル
 アンナ・プロハスカ(ソプラノ)、ベルナルダ・フィンク(アルト)、ベルリン古楽アカデミー
 録音:200912

豊かな才能を持ちながらも、26歳という若さで亡くなってしまった作曲家、ジョヴァンニ・バッティスタ・ペルゴレージ[1710-1736]。ナポリの「悲しみの聖母騎士団」からの委嘱によって作曲された最後の作品『スターバト・マーテル(悲しみの聖母)』は、数ある同名の作品の中でも最も美しいとされる不朽の名作です。
 重要な役割を果たすアルトを歌うのはベルナルダ・フィンク。コントロールの効いた、落ち着いた歌声が、十字架の下で嘆き悲しむ母マリアを切々と歌いあげます。ソプラノに迎えられたのは、1983年生まれの若手注目ソプラノ、アンナ・プロハスカ。現代ものから古楽まで、ピンと筋のとおった美声で歌いこなします。器楽パートをうけもつベルリン古楽アカデミーの切れ味鋭い演奏からも哀切感が漂い、深く澄みきった哀しみが忘れがたい感銘を与えてくれます。 

 

Disc3-4:オラトリオ

・ヘンデル:『ソロモン』全曲
 サラ・コノリー(アルト:ソロモン)
 スーザン・グリットン(ソプラノ:ソロモンの王妃、第1の遊女)
 キャロリン・サンプソン(ソプラノ:シバの女王、第2の遊女)
 マーク・パドモア(テノール:ザドク、従者)
 デイヴィッド・ウィルソン=ジョンソン(バス:レヴィ人)
 ダニエル・ロイス(指揮)ベルリン古楽アカデミー、RIAS室内合唱団
 録音:20065

第3幕のシンフォニアが「シバの女王の入城」として知られる大作『ソロモン』は、ヘンデルが晩年に書いたオラトリオで、旧約聖書に現れる古代イスラエル王ソロモンが題材。第2幕に「大岡裁き」ともいうべき場面があることでも有名なこの作品ですが、肝心な音楽も充実したもので、力の入った合唱曲のほか、ソロや重唱にも聴きごたえあるナンバーが揃っています。
 ダニエル・ロイス(レウス)は1961年生まれのオランダ人指揮者。2003年から2006年までRIAS室内合唱団の首席指揮者を務めており、この録音でもRIAS室内合唱団を完璧にコントロールして、ヘンデル晩年の書法の熟達をみごとに再現。歌手陣も、スーザン・グリットン、キャロリン・サンプソン、マーク・パドモア、サラ・コノリーと、有名どころが揃い、伴奏のベルリン古楽アカデミーもいつもの切れ味の良い演奏で大作を引き締めます。 

 

III. LE CONCERTO~協奏曲

 

Disc5:バロック協奏曲の典型

・ヴィヴァルディ:四季
 ミドリ・ザイラー(ヴァイオリン)、ベルリン古楽アカデミー
 録音:20099

有名なヴィヴァルディの『四季』の過激な演奏。「夏」の嵐も、弦楽器の弓が弦にひっかかる感触、ミドリ・ザイラーのソロは、まるでロックかと思うような印象。アンサンブルが刻むリズムも、単に激しいだけでなく、打ち付ける雨粒、足元からずぶぬれになるような錯覚をおぼえるほど。美しい風景画ではなく、どこまでもリアルな感触の『四季』です。

・テレマン:ヴァイオリン協奏曲『蛙』
 ベルリン古楽アカデミー
 録音:20013

柔軟な考えの持ち主で好奇心旺盛だったテレマンは、さまざまなスタイルの作品を書きましたが、中には非常に風変わりな作品もあり、たとえばここに収録されたヴァイオリン協奏曲イ長調には、蛙の鳴き声を真似た部分があるなど、実にユーモラス。ミドリ・ザイラーとベルリン古楽アカデミーによる活気のある演奏は、テレマンの楽しさをよく伝えてくれます。

J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲第6番変ロ長調 BWV1051
 アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック、リチャード・エガー(チェンバロ、指揮)
 録音:20085

バッハの代表作でもあるブランデンブルク協奏曲は、作曲時期がバラバラの作品を集めて出版された曲集で、中で最も早い時期に書かれたのが、ここに収められた第6番となります。バッハ若き日、ヴァイマールの宮廷楽団時代の作品と推測されるこの第6番は、ヴァイオリンを除く弦楽合奏とチェンバロという制約の多い編成で演奏される独特な音楽。
 イギリスのチェンバロの名手リチャード・エガー指揮するアカデミー・オブ・エンシェント・ミュージックの演奏は、弾むリズムとエッジの効いた表現によりメリハリのある仕上がりとなっています。

・ヘンデル:オルガン協奏曲op.4-3
 アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック、リチャード・エガー(オルガン、指揮)
 録音:200611

オラトリオの幕間に演奏されるために書かれたというヘンデルのオルガン協奏曲は、その目的ゆえか、気分転換にうってつけの明るく親しみやすい曲調が印象的で、ペダルのない小型オルガン前提のフットワークの軽い音楽が独自の魅力を放っています。
 オルガンも巧みに弾くリチャード・エガーの手腕はここでも確かで、アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージックの面々とともに、なんともフレンドリーな演奏を聴かせています。 

 

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【ネットウヨクや現政権の嘘=若者への悪影響】を排すー「慰安婦問題」の正確な情報サイト

2013-08-06 | 社会思想

FIGHT FOR JUSTICE 日本軍「慰安婦」--忘却への抵抗・未来の責任

と題するサイトが「日本の戦争責任資料センター」などにより開設され、正確な情報の提供を始めたとのことです。

あまりにひどいウソがサイトに溢れ、若者はそれを真に受けてしまうために、安倍政権など自民党右派のまき散らすイデオロギーに無抵抗になっていますが、これでは、国を再び未曾有の危機に陥れかねません。実に恐ろしい事態ですが、このような戦前の「天皇教の日本」を美化する風潮に対して、正しい情報と優れた思想(市民主権の民主主義)を知らしめるのは、必要不可欠です。よろこばしいことと思います。

以下は、東京新聞による紹介です。

なお、サイトは、「忘却への抵抗 未来の責任」と打てばヒットします。

 

 

 

 

 

 

 

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今年の式根島キャンプの話題1~5

2013-08-04 | 教育

今年の式根島キャンプの話題を少し。
 

 話題その1
  昨年、キャンプ場で出会った大海春人さん(60半ばの陽気で親切な方)は、AKB48 の ファンなので、こどもたちに「AKBおじさん」と呼ばれていますが、作曲と作家活動をしている方なので、写真をつかった散文詩 集 (主に式根島でのソクラテス教室の子どもたちの写真をつかった賛歌『武田先生と自由っ子』というノート)をつくり、後日プレゼ ンし てくれました。
 その大海春人さんと今年もキャンプ場で会いました。なんと、大海さんは、わたしが「賛歌」へのお礼として 送っ たA4のコラボ写真(2012年の第 36回キャンプ)をギターケースの中に入れ大切に持ち歩いていました。楽しく綺麗な写真集なの で繰り返し見ているとのこと。ビッ クリ!で感激でした。彼は、今年も島でソクラテスのこどもたちに会うかも知れないからと、見事な 「たから貝」を持ってきていて、 みなにプレゼント。こどもたちは大よろこび!感謝です。

話題その2
 5年まえ(2008年)、捨てられた赤ちゃん猫を大浦キャンプ場の管理人・福本喜一さんが面倒をみていました が、キャンプ場が閉鎖される8月31日に放置される運命(おそらくはカラズの餌食となる)にあることを知ったこどもたちと、同行した 青木里佳さんは、赤ちゃん猫4匹を我孫子に連れ帰ました。今日まで4匹ともみな元気ですが、こどもたちの命への愛と「柔らかな」心 「思い通りにはならないものへの接し方」を学ぶのに大いに貢献してくれています。何より大事な 「生きること」を猫が人間に教えてく れますが、生涯ではじめて猫を飼ったという家では、あばあさんの痴呆が大きく改善したと喜ばれてもいます。

 脱線しますが、
 
昨今流行りの安倍自民党政府による「狂 気」の教育改革=政府・大人の思い通りの人間をつくるという思想とわたしの考えとは対極です。天皇・皇室を敬う日本主義により「個人 の思想の自由」を抑圧し、明治維新政府がこしらえた日本人像(「忠」という道徳を義務教育で教える)の強 要。彼らのウヨク思想の柱は、安倍首相の親友・高崎経済大学教授 の八木秀次という「キツネツキ」のよう な 男で、彼はスマップの「世界にひとつだけの花」を競争に勝てない日本人をつくる悪い歌と して排撃し、日本人は「日本の常識」に従うべきで、ヨーロッパがつくった 「普遍的な人権思想」は認めないと自著で主張しています。 彼は、典型的な「ネクロフィリア」(精神医学の用語で「死体への愛」という意味)と思われますが、 固い規則や規律、機械的なもの愛し、生きているものは自らの予想 を超えた動きをするために嫌悪し、型どおりを自他に強要するという精神の病。官僚、教師、警察官、軍人などの権力を用いる職業の人に多く、ヒト ラーはその象徴的人物 で、女性も己の自由になる性的対象としか見ない歪んだ人間。それに対して健康な心の持ち主は、バイオフィリ ア=生きているもの・ 自由に変化するイキイキとしたものへの愛と呼ばれます。「忠」という上下倫理ではなく、民主的倫理に従う人で す。
 
 話を戻しますが、
 
 なんと、今年、キャンプ場に着くと、よく慣れた可愛いい子猫が3匹いました。
(クリックで拡大)
 訳あって生まれた時から人がミルクで育てましたが、すでにたくさんの猫がいて飼い切れ ずに処分しようとしていた飼い主を、キャンプ場管理人の福本さんが、「武田軍団が来るまで待てよ!」と言い、キャンプ場で飼っていた のです(5年前の出来事は式根島の多くの人が知っていますし、連れ帰った子猫の1年後の姿を青木さんがA4にコラボした写真集を、福 本さんはキャンプ場に置いて今でも皆に見せています)。
 余談ですが、人に慣れた子猫を放置すると、警戒心が弱くすぐにカラスの餌食。目をく りぬかれた後、肛門から内臓を引き出されて悲惨な死に方をするそうです。
 こどもたちは、みな可愛い子猫にゾッコンで「絶対飼う!」という子が多数いました が、家庭の事情で許可が下りずになかなか引き取り手が決まりませんでした。しかし、こどもたちの【思いの強さ】は半端ではなく、結局 3匹とも連れ帰ることができました。キャンプ場の常連さんたちも大よろこびで、でも、別れを惜しんでいました。
 三匹とも長旅にも関わらず元気で、ホッ。
 

話題その3
 8メートもある防波堤の先端から、小6の西川のりかちゃんと中1の深作もかちゃんが 飛び込みました。女の子でココからら飛び込んだのは37年間ではじめてのこと!
 
話題その4
  今年は潮がよく(水温が高く透明度が高い)吹の江(通称「青池」)から外海まで、5 年生と6年生と中学生の全員が泳ぎました。出口近くの岩礁を超えて外海に出ると、水深15メートルまで落ちていますが、 海底がきれ いに見え、魚やサンゴも豊富です。みなはスノーケルをくわえたまま「凄い!」「わー、綺麗!」「魚の群れ!」「ウオーっ」・・・と連 発。わたしは潜って水中散歩。
 そのよろこびと興奮の後で、集合写真を撮ったのでした。

話題その5
 式根島キャンプのために西山君が小笠原から前日に帰り、13日にまた「植物調査」のために小笠原に戻ります。唖然とするほどの見事な自然美の小笠原ですが(わたしも 35年前と20年に二度行きました)、 「なぜか式根の方がいい=楽しいんですよね。」との弁。

 

 

武田康弘

 

 

 

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いま、37回式根島キャンプから帰りました!写真

2013-08-02 | 教育

1976年から毎年恒例の海でのキャンプ&ダイビング。

今年は小学生のこどもたち中心で大いに楽しみました。

写真を少し

港の岸壁の上から決死の(笑)飛込みは、のりちゃん。

集合写真と海で自由に泳ぐ写真は、誰もいない美しい入り江=「吹の江」

おまけに、大浦キャンプ場から赤ちゃん猫を3匹もらってきました。

 


武田康弘

 

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