セレンディピティ ダイアリー

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THE CITY BAKERY BRASSERIE RUBIN(2023・春)&アークヒルズの桜

2023年03月26日 | グルメ

桜が満開だというのに、この週末はあいにくの雨。昨日はこの雨の中、車で赤坂アークヒルズにある THE CITY BAKERY BRASSERIE RUBIN (ザ シティ ベーカリー ブラッスリー ルービン) にお昼を食べに行ってきました。 

前回の記事はこちら。
THE CITY BAKERY BRASSERIE RUBIN (2021-04-10)

ニューヨーク発の THE CITY BAKERY がプロデュースしているレストランで、モダン&スタイリッシュな空間で多国籍のアメリカ料理が楽しめます。本家ニューヨークのお店は2019年に閉店してしまいましたが、日本では引き続き運営されています。

この日はランチのセットから選び、シェアしていただきました。

バスケットに入ったパンと、フレッシュグリーンのサラダ。パンは併設するベーカリーのもので、お代わり自由です。バゲット、フォカッチャ、くるみブレッドの3種類で、どれも食事によく合い、おいしかったです。

エジプトの混ぜパスタ "Kushari" (コシャリ) 。2種類ありましたが、こちらはハンバーグののった「バーグコシャリ」です。数種類のパスタにチェダーチーズをからませたものに、ハンバーグがのっていて、上にはフライドオニオンがたっぷり。

右に見える、辛いソースと酸っぱいソースを、それぞれお好みで加えていただきます。フライドオニオンはこんな風に使ってもよいな、とヒントになりました。

私は、インドン家庭料理 "Sabzi" (サブジ) にしました。こちらも2種類あって、私はチキンのサブジにしましたが、過去記事を見たら、前回もこちらを食べていましたね。^^;

野菜はブロッコリー、じゃがいも、大根、にんじんなど。大根のしゃきしゃきした食感がアクセントになっていました。じゃがいもは甘みがありましたが、キタアカリでしょうか。上にのったレモンをぎゅっとしぼっていただきます。

スープが若干オイリーでしたが、パンでぬぐっておいしくいただきました。

食後にコーヒーをいただきました。前回も書いていますが、色違いのカップとソーサーがかわいい。おなかいっぱいでいただかなかったですが、ケーキもいろいろあってどれもおいしそうでした。

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アークヒルズ周辺は桜もきれいで、以前はよくここでお花見をしていました。昨日は雨降りだったので、車で桜のトンネルを通るだけにしました。

桜坂の桜。(ちなみに福山雅治さんの歌のモデルとなった桜坂は田園調布にあります。)

この後、六本木ヒルズのさくら坂も通りました。

そろそろ小さな緑の若葉が出はじめていましたが、今週は名残の桜が楽しめそうですね。

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「インターフェアレンス」展

2023年03月19日 | アート

ぴょんぴょん舎でお昼をいただいた後に、銀座メゾンエルメス フォーラムで開催中の「インターフェアレンス」展 を見に行きました。

インターフェアレンス (interference) =干渉。本展は、光、振動、波動など、身体に介入する揺らぎの感覚を通じて、知覚探求を試みるアーティストによるグループ展です。フランシス真悟、スザンナ・フリッチャー、ブルーノ・ボデラ、宮永愛子の4名が参加しています。

本展の作品は、会場の空間を生かしたインスタレーションとなっています。会場で実際に見て、感じて、体験しないと、色彩、素材、動き、大きさなど、おわかりいただけないかもしれませんが、雰囲気だけでもお伝えできればうれしいです。

カリフォルニア出身のアーティスト、フランシス真悟の作品。本展のタイトルにもなっている「Interference」シリーズから。このような作品が10作ほど並んでいます。

作品は、雲母を含む光干渉顔料を用いて描かれています。私はパールの入ったマニキュアを思い出しました。極々薄く、筆の動きがまったくわからないほどに、なめらかに塗られている表面が、光の干渉によってさまざまな色に変化していました。

円の内側と外側はそれぞれ違う色が塗られているようですが、見る角度によって違う色に見えるので、もとが何色なのかさっぱりわかりません。若干もやもやするのですが、繊細にきらきらと光っていて、とてもきれいな作品でした。

8階の展示室には、床から天井までの壁一面が塗料で塗られ、ひときわ大きな作品となっていました。ガラスブロックを通して入る太陽の光に反射して繊細に輝き、とてもきれいでした。

こちらは、スザンナ・フリッチャーの「パルス」(Pulse) という作品です。

写真ではほとんどわかりませんが、8階の大きな展示室いっぱいにシリコン糸がぶらさがっています。それらの糸は横糸でつながっていて、モーターの振動によって、縦糸がぷるぷると揺らぎます。一見すると、雨が降っているように見えました。

写真では見えにくいですが、縦糸がぷるぷると揺らいでいる中を、歩いて通ることができます。空中には5つの円盤が糸につながってぶら下がっています。シリコン糸の間を歩いていると、わずかにモーター音がうなりを上げているのがわかりました。

ブルーノ・ボテラの「猿のお金」(Monnaie de singe) という作品。5点からなる連作です。インクで描かれたこれらの作品は、タイトルの意味もわからないし、何を描いているのかもわからない。それでもどことなく不穏を感じさせる作品でした。

宮永愛子の「Voyage」という作品。オンラインお茶会を表している作品で、机には、作者が裏返しに書いた手紙、お茶会の招待状、そしてどこからか拾ってきた?きれいな石が並べてあります。コロナによる行動期限のある生活から生まれた作品だということです。

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東京は先週 3/14 に桜の開花宣言がありました。

ちょうどその日、勤務先で咲きはじめた桜の花を写真に収めたところでした。それからずっと気温の低い日が続いていて、開花のスピードも足踏み状態ですが、今年の桜はその分長く楽しめるかもしれませんね。

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ぴょんぴょん舎 GINZA UNA

2023年03月14日 | グルメ

TOHOシネマズ シャンテで映画を見た後に、盛岡冷麺の ぴょんぴょん舎 GINZA UNA でお昼をいただきました。こちらのお店は、私がブログを始めた頃にやりとりしていた方からお聞きして、ずっと行きたいと思いながら、いつの間にか15年も経ってしまいました。

場所は銀座教会のすぐ隣のビルの11階。どことなく宮沢賢治のイーハトーブの世界をイメージしたような?素朴ながら洗練されていて、広々としたほっとする空間です。ちなみにUNA (ウナ) とは韓国語で ”銀河” という意味だそうです。

盛岡で創業し、日本人の口に合うように工夫を重ねてきたという韓国料理は、本格的なお味が苦手な方にもクセがなく食べやすいかと思います。私は少しずついろいろなお料理が楽しめるハーフ&ハーフのセット、夫は冷麺と焼肉のセットをいただきました。

チョレギサラダと牛肉の煮込み。ぱっと見て韓国風肉じゃが?と思ったらじゃがいもではなく大根でした。チョレギサラダのドレッシング、大好きです。

夫の方は、チョレギサラダとナムル。ナムルも和風?というくらいあっさりとした味付け。

3種類の部位をいただく焼肉。少しの量ながら、きちんとグリルの網を使って自分で焼き、本格的なお味でした。

私にはミニサイズの石焼ビビンパ。コチュジャンを加え、全体を混ぜ混ぜしていただきます。私は混ぜすぎず、それぞれのお味が少し残るような感じにしていただくのが好みです。

チヂミ。豚バラ肉が入っていてまさに韓国風お好み焼きといった風情。甘めのタレもよく合います。

夫の冷麺はふつうサイズ。韓国冷麺はそば粉を使うらしい?ですが、盛岡冷麺は小麦粉を使っているのが特徴だとか。実は夫はずっと韓国冷麺が苦手と言ってたのですが、こちらのお店のは口に合ってとても気に入ったみたい。

私のはミニサイズの盛岡冷麺です。麺がもちもちして弾力があり、つるりといただけます。冷麺はそのままあっさりといただき、キムチはビビンパの方に混ぜていただきました。ちなみに冷麺、韓国のお店のようにハサミでチョキチョキはありませんでした。

デザートは、フルーツ (りんご・いちご) ととうもろこしのひげのお茶。最後までおいしくて大満足でした。

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ワース 命の値段

2023年03月10日 | 映画

アメリカ同時多発テロ事件の犠牲者と遺族に補償金を分配する国家事業を取り仕切った弁護士、ケイン・ファインバーグの奮闘を描いた実話に基づく社会派ドラマです。

ワース 命の値段 (Worth)

実話に基づく社会派映画が好きなので楽しみにしていました。ファインバーグを演じるのが「スポットライト」「ファウンダー」での演技が記憶に新しいマイケル・キートンということもあって注目していましたが、期待通りに見応えがあって、おもしろかったです。

冒頭、ワシントンD.C.のジョージタウン大学でのファインバーグの授業に、思わず引き込まれました。「君はカンザスの農場で夫をトラクターの事故で亡くした妻、君はトラクター会社、君は保険会社、妻が訴えた場合、もらえる金額がいくらになる?」といった具合。

まるでサンデル先生の白熱授業のようですが、ファインバーグは「これは哲学の授業ではない。命の値段の話なのだ」と結びます。

米政府は、9.11 直後に被災者と遺族を救うための国家基金を立ち上げます。といっても、実はこれは莫大な補償金を要求されるであろう航空会社を助けるために、先手を打って遺族に補償金を支払って納得させ、訴訟を阻止する目論見がありました。

遺族を説得する特別管理人に抜擢されたのがファインバーグです。目標は80%以上の遺族を納得させること。ファインバーグは得意の数式を駆使して、論理的なモデルを作れば、遺族たちは納得するはずだと確信しますが、最初の説明会から大荒れになります。

生前の所得や家族構成、諸条件に数字をあてはめ、もっともらしい補償金を算出し、押し付けるやり方は、とても遺族の感情に受け入れられるものではありませんでした。

遺族たちが望んでいるのは、遺族のことばに耳を傾け、故人を取り巻く状況に応じた補償を提案すること。婚外子のいる家庭、同性のパートナーがいる男性、さまざまなケースに配慮して、故人や遺族の希望に寄り添うこと。

私は... といえば、どちらの立場もよくわかります。すべての人に公平に補償を行おうとすれば、ある程度ファインバーグの考える数式モデルに頼らざるを得ません。一方で、人間は感情の生き物だというのは紛れもない真実です。

大切な家族を亡くし、悲しみや喪失の中にいる遺族たちにとって、故人との関係はとても金銭で測れないもの。遺族たちの感情や状況を十分に配慮し、寄り添うことで、遺族たちは納得し、受け入れることができるのだと思います。

当たり前といえば当たり前ですが、人と接する時の基本を教えられたような気がしました。そして、優秀なだけでなく、感情の豊かさをあわせもつスタッフに支えられているファインバーグは幸せだと思いました。

ファインバーグに負けない論理派ながら、遺族のひとりとしてまとめ役を買って出るウルフにスタンリー・トゥッチ。トゥッチといえば、これまでどちらかというとオネエ系のコミカルな役が強く印象に残っていたので、今回のシリアスな演技に感銘を受けました。

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レベッカ (2020)

2023年03月04日 | 映画

瞳さんがご紹介されていて、おもしろう!と思った「レベッカ」をNetflixで見ました。ヒッチコック監督の1940年の同名作品のリメイクです。

レベッカ (Rebecca)

ヒッチコックの「レベッカ」は残念ながら未見ですが、大きなお屋敷の御曹司に嫁いだ若い後妻が、亡くなった前の妻の影におびえながら暮らすうちに精神のバランスを崩していく...というストーリーはなんとなく知っていました。

でも前妻の秘密については全く知らなかったので、後半の思いがけない展開に引き込まれました。序盤は、リリー・ジェイムズ演じるヒロインの抜け目のなさに、ちょっと眉をひそめてしまったのですが

後半はしっかり、夫を支える妻の顔になっていましたね。二人の間に隠し事がなくなり、二人それぞれの心の中からレベッカという亡霊を追いやることでができて、ようやくふつうの夫婦らしくなれたのではないでしょうか。

レベッカの置き土産ともいうべきダンヴァース夫人 (クリスティン・スコット・トーマス)。そしてレベッカの悪しき記憶が染みついたマンダレイのお屋敷。すべてが無に帰す結末は、二人が新しい一歩を踏み出すための最高のエンディングと言えそうです。

冒頭のモンテカルロでの優雅なバカンス。風光明媚な風景、ゴージャスなリゾートホテル、クラシックなファッションの数々にうっとりしました。

それから、舞台が変わってマキシム (アーミー・ハマー) が先祖代々から受け継いだマンダレイの壮麗なお屋敷、豪華なお部屋や、調度品のすばらしさに目をうばわれました。

本作「プライドと偏見」(Pride and Prejudice)「つぐない」(Atonement)のスタッフが関わっていると知り、なるほど!と納得しました。どちらもイギリスのクラシカルな雰囲気がたっぷり味わえて、大好きな作品です。

リリー・ジェイムズの愛らしいファッションにも目が釘付けでした。豪華なドレスよりも、日々の何気ない装いの方が若々しさが感じられて、似合っていたような気がします。

モンテカルロのリゾートで、初めてのデートで着ていたのはリバティのブラウス。ミセス・ハリスといい、当時のイギリスではメイドさんの間で人気があったのでしょうか?

アーミー・ハマーの貴公子ぶりもさまになっていましたが、圧巻だったのはクリスティン・スコット・トーマス。ねちねちとした小姑ぶりに、再就職した時の意地悪な先輩を思い出しちゃいました。

最初は新妻への嫉妬?と思いましたが、長年仕えた奥様への異常ともいうべき忠誠心だったのですね。「日の名残り」(The Remains of the Day) の執事を思い出しましたが、イギリスの執事、メイド文化恐るべしです。

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