乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

熊本の「青ガエル」お名残乗車

2016-02-13 | 熊本県・鹿児島県
 「先代の」とつけなければなりませんが東急5000系は「青ガエル」の愛称がぴったりくる丸っこさや幅の広い片開き扉が好みではあるものの、地方私鉄の釣り掛けを数多く駆逐した走行音が静かな憎い存在でもあり乗るとやや複雑な気分にさせられます。東急時代の5000系には乗ったことがなく乗ったことがあるのは松本や熊本でですから厳密には「東急5000系」に乗ったことはないということになりどうしても地方私鉄の車両という感覚になってしまうわけです。もっとももし青ガエルがなくとも他の車両がどこかから調達されどうせ青ガエルより前の車両には乗れずじまいだったはずですから八つ当たりしても青ガエルに悪いのですが。

 さてその青ガエルも現役なのは熊本電気鉄道の1両となりそれも2月14日で引退するというので乗り直しておきたくなり熊本に行きました。青ガエルが運用についているのは上熊本~北熊本なのでまず熊本駅前から熊本電気鉄道バスの北1系統で北熊本に出ます。この系統は1986年に鉄道が廃止された御代志~菊池を通るので今回はそこまで乗らなくても不思議となんとなく気分が盛り上がるものです。途中市電も見られますし。


 バスを降りて北熊本駅に入ると古豪のモハ71が見えいよいよ勝手に盛り上がります。


 元南海なのに腰ライトのせいで西鉄っぽくなり側面の扉や窓の配置も変わって独特の雰囲気になっている200形もなかなかの見ものです。


 元銀座線01系は帯の色がそのままでパンタグラフがついているので面白く見えます。


 と見物を楽しんでいたら真打の青ガエルがやって来ました。下ぶくれで丸っこい元々の顔はもちろん両運転台化されたときに運転室がつけられた「平面ガエル」顔の側も乗務員室扉がなかったりなかなか味がありますね。


 乗ると下膨れに合わせて曲線になっている扉と戸袋がいいなあとしみじみ見てしまいます。長い吊革には渋谷の109の案内が残り、走り出して大きく揺れると網棚にぶつかってカチャカチャ鳴るのもいい風情です。


 乗るのはだいぶ久々なのですがトンネルの近くにある池田、市電に蔚山町がある熊本だとつい韓国を思い出してしまう韓々坂、JRと市電に接続する上熊本と短いながら変化に富んだ良い雰囲気の区間だと改めて思いました。


 せっかく熊本まで来たのですからついでと言っては申し訳ないのですが青ガエル以外にも乗るため北熊本に戻ります。元都営三田線の6000形に貼ってあったりホームのベンチにいたりと改めて見ると熊本名物のくまモンがなかなかの活躍ぶりです。


 藤崎宮前行きの6000形に乗ると昔の京王マークが入った京王重機の銘板がありなんだかトクした気がしました。


 かぶりついて併用軌道を見つつ藤崎宮前まで乗ります。


 歩いて併用軌道まで戻り今度は道端で見物していたらステンレスの電車ということもあって以前乗りに行ったシカゴから出ているサウスショア線の併用軌道を思い出しました。


 青ガエルお名残乗車を済ませると片開き扉の通勤電車もいよいよ少なくなるなあと寂しくなってしまいますが、幸い保存が予定されているというのでこの点はホッとします。

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