これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

マスクの下は?

2022年05月29日 20時47分42秒 | エッセイ
 社会情勢から察するに、マスクとサヨナラする日が近づいてきたように思う。
 2020年2月あたりから、2年以上も顔を隠して生活してきたのだから、これは大きな変化になるだろう。
「今さらマスクなしで大丈夫かなぁ」
「無理無理、顔をさらす自信がなーい」
 職場では若い女性たちが、同じようなことを話題にしていた。
 わかるわかる。
 マスクで隠れた部分は美化されがちだ。きっと、この下にはスラッと通った鼻筋に、バラ色の頬、さくらんぼのように小さな唇があるのだと決めつける自分がいる。食事のときなどに、たまたま真の姿を見たりすると、「あれえ?」とガッカリしたりして。
 勝手にイメージを高め、勝手に落胆しているのだから、相手にとっては迷惑でしかない。うっかり口に出したら大変なことになるので気をつけよう。
 私の上司は、涼し気な目をした男性で、マスクをしている限りは2枚目に見えないこともない。しかし、写真では鼻が上を向いていた。元部下の女性は、二重瞼の大きな目がチャーミングなのだが、口元が原人ぽく骨ばっていた。最初からマスクをしていなければ、余計な期待をせずにすんだものを、と思わずにはいられない。
 かくいう私はどうかというと、目の下のシワとタルミが目立つ。加えて鼻の頭が赤い。口周りの産毛の処理はいい加減だ。コーヒーを飲んでいるところを見た職員が、さり気なく目をそらすような気がしてならない。
 先日、棚から未使用のマスクを発掘した。



 5枚入りが13袋ある。明日から、これを使おうと決めた。
 120枚入りの大箱も買ってある。
 在庫を使い切る前に、マスクなしの世の中になるといいな。
 最初はちょっと恥ずかしいかもしれないけれど……。


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『ゴールデンカムイ』を読む

2022年05月22日 21時35分26秒 | エッセイ
 以前から読みたいと思っていた漫画がある。
 野田サトル著『ゴールデンカムイ』。



 ちょうど、東京ドームシティで展示をやっているとか、実写映画化決定などと話題を集めているが、私はもっと前から注目していた。
 2017年5月号の『歴史街道』は「新選組副長 土方歳三 なぜ戦い続けたのか」という特集だったので、熱烈なファンである私は発売日を待って待って待ちわびて購入した。ここに、『ゴールデンカムイ』の中で健在の歳三さまを発見したのだ。



 これは読むしかない!
 
 すでに5年たってしまったが、ようやくセットで買うことができた。



 ドキドキしながら1巻、2巻を読んだ。アイヌの文化を丁寧に描写しているとの評判通り、服装や食文化、言語、習慣などが理解できて勉強になる。何よりも、不死身の杉元を助ける少女・アシリパが魅力的だ。
 賢くて知恵があるうえ、ヒグマを退治する勇気も兼ね備えている。料理の腕も大したもので、生命力に満ちた美しさに惹かれる。
 ちなみに、アシリパの「リ」は小さいかな文字が正しいのだが、入力の都合上このままで失礼させていただく。
 目当ての歳三さまは、チラチラッと登場した。おじいさんになってもダンディでうれしい。アシリパと歳三さまだけ出てくればいいや~と思わないでもないけれど、話の進行上、他の人物も必要だから仕方ない。うん。
 さて、続きを読もうかな、と3巻を手にして驚いた。
「まあっ、歳三さまが表紙だわ♡」



 Tシャツにスウェットで読むのは失礼かしら。
 はやる気持ちを抑えて、明日、服装を正し、心の準備をしてから読むことに決めた。
 早く明日になーれ!


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機械警備が不安です

2022年05月15日 20時58分59秒 | エッセイ
 今日は勤務校の近くで地域のイベントがあり、手伝いを頼まれ行ってきた。ちょうど、中間考査が間近に控えているため、日曜日の部活動もなく、教員は誰も来ていない。
 こういうときは、機械警備の操作が不安で仕方ない。普段は、私よりも早く出勤する職員が鍵を開け、私よりも遅くまで働く職員が鍵を閉めてくれるので、一人のときに正しくできるかどうか心配になるのだ。
 平成2年、私が教員になりたてのときは、勤務校に2名の警備員がいた。どちらも男性で、山本さんと石田さんという方だった。石田さんは明るく社交的だったが、山本さんは偏屈で、鍵束を持ってニコリともせず校内を歩き回り、電気がつけっ放しの教室があろうものなら、黒板に「〇月〇日〇時電気消し忘れ」などと書いていく。意に添わぬ教員がいれば、ネチネチネチネチ、不満をぶちまけるものだから、誰からも好かれていなかったと思う。
 その後、徐々に機械警備が導入され、学校から警備という仕事はなくなっていく。若い人たちは、かつては警備員が学校で寝泊まりしていたことを知らない。そういう時代になったのだ。
 話を戻そう。今朝、学校を開けたのは6:59だった。マニュアル通りに暗証番号を入れ、セキュリティカードをタッチしたら何の抵抗もなく、鍵の外れる音がした。



「ああ、よかった」
 ひとまず、解錠時はオーケー。あとは施錠時だ。
 一カ所でも警戒のかかっていない部屋があると、「○○が施錠されていません」などと表示され、その場所まで行かなければならない。10年前にいた学校では「共用部が施錠されていません」といった意味不明のメッセージが表示され、「どこ?!」と泣きそうになった。こんな目にあうのなら、まだ山本さんの方がよかったと思いながら、現場まで駆けつけたことがあったっけ。
 今日は生徒が2人、テスト勉強に必要な教科書を取りにきたのと、お手伝いのPTAの方が8人校内にいたぐらいだったか……。
「あ、そういえば、校長先生がフラフラしていたな……」
 イベントで開催者に挨拶するため、学校長も日曜出勤をしていたところを見かけた。実は、学校長が一番信用できない。3月までいた学校の校長は、3度ほど警戒を解除せずに校長室に入り、警備会社から連絡を受けた。その前の校長は、トイレの窓を閉めず、校長室の警戒をかけ忘れて帰ることがままあった。
「うん、大丈夫。ちゃんとできてる」
 4月から上司となった校長先生は、服装も言動もキチッとしていて隙がない。余分な贅肉もないし、髪のブロウも完璧だ。当然のように、校長室の施錠もできていた。なんだか、初めて尊敬できる上司に会えた気がしてうれしくなった。
 すぐに、これが普通なんだけどな、と冷静になったが。
 不安要素はなく、結論からいうと、帰りもスムーズに施錠ができ、機械警備と戦うミッションを無事終えることができた。
 明日からまた一週間が始まる。
 ゆっくり出勤して、さっさと帰るのが一番だ。


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2022 まあいいかの母の日

2022年05月08日 21時03分55秒 | エッセイ
 毎年、母の日には、両親のいる那須にプチギフトを送っている。
「今年はカステラと、六花亭の母の日セットでいっか~」
 準備をしたはいいが、4月上旬に入院した母がなかなか退院できない。腸の手術をしたあと、リハビリで合格点をもらえないと、自宅に帰れないという。
 父に受け取ってもらうという手もあるが、退院してからあらためて送るべきだろうか。迷っていたら、母からメールが届いた。
「やっと7日に退院できるよ。心配かけて悪かったね」
 ということは、予定通り、母の日にギフトを受け取れるのだ。ホッとして、さっそく荷造りに取りかかった。段ボールをスーパーでもらい、菓子やカセットコーヒー、パンなどを詰め込んで、コンビニに持ち込む。都内から那須は近いけれど、前日の午前中でないと、翌日配送にならないことがある。何とか7日の昼前に発送手続きを終え、ひと息ついた。
 この日は勤務校で保護者会があるため、その足で出勤した。今の学校は、土曜授業がないけれど、年に10回ほど行事が入る。前任校より楽かと思ったが、大差ないようだ。GWで、のんびりできてよかった。
 発送を終え、気が抜けたせいか、帰るときにヘマをした。
「あれっ、スマホがない。忘れてきちゃった」
 職員から連絡が来る予定だったので、机の上でスタンバイしていたのに、そのまま置いてきてしまった。久々にやらかしたと反省する。
「まあいいか。静かな日曜日を過ごそう」
 今の職場は家から70分かかる。とても取りに行こうとは思わない。こういうときに限って、着信があったりするものだけど、何とかなるだろう。
 そして、今日は静かな母の日を迎えた。
 夫がカーネーションを買ってきてくれた。



 プリンもあるのがうれしい。



 でも、食事の支度や、掃除、洗濯をやってくれる人はいなかった……。
「まあいいか。お昼はキノコのパスタにしよう。醤油味が美味しいのよね」
 天気が悪くて、こたつ布団が干せなかった以外は、満足のいく母の日だった。


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代官山の怖い話

2022年05月01日 20時41分15秒 | エッセイ
 何色が好きかと聞かれたら、迷わず「青」と答えるだろう。
 紺のような濃い青ではなく、薄目で空のような青がいい。
 私の好みを反映して、スマホケースを買い替えるときは、この色を選んだ。



 とても気に入っているけれど、ケースよりもスマホ本体を買い替えたいのが本音だ。
 まあそれは、夏のボーナスが出てからにしよう。
 さて、先日、渋谷で地域の集まりがあった。渋谷といってもヒカリエなどがある駅前ではなく、恵比寿に近い住宅街だ。会合の終わりが20時。恵比寿駅か代官山駅から電車に乗るのが早そうだった。
「副都心線を使うなら、代官山よね」
 私は方向音痴である。初めての場所は、スマホにダウンロードしているグーグルマップを使わないと不安だ。スマホケースを開けて「代官山駅」と入力し、経路を確認したら8分かかるとわかった。
「えーと、こっちでいいのかな」
 矢印の方向に向かって歩く。GWのせいか、ほとんど人がいない。交通量自体が少ない気がした。23区で2番目に人口の多い練馬と違って、住人の数が違うのかもしれない。
「あ、線路が見えてきた」
 線路沿いを進むと、改札につながる階段があった。もう、ここまで来れば、地図に頼る必要はない。グーグルマップを終了し、スマホケースを静かに閉じた。
「そうだ、電車を調べてなかった」
 代官山は各停しか停まらない。一体、何時に家に着くかを調べようと、再びスマホケースを開いた。
「ん? 何か汚れてる」
 画面に白い粉がついていた。ケースのフタの裏側も、同じように汚れている。さっきまで何ともなかったのに、どうしたというのか。
 よく見ると、画面の端の、電源ボタンのあたりに、小さな蛾がペッチャンコにつぶれて貼りついていた。どうやら、地図を見ているときに、灯りにつられて蛾がとまったらしいが、気づかずケースを閉じたため、死んでしまったようだ。蛾は羽を広げたまま、押し花と化して息絶えていた。
「ええっ」
 地元の練馬だったら、虫が多いのもわかる。しかし、代官山で蛾にたかられるなんて思ってもみなかった。気の毒なことをしたと後悔しつつ、死骸を指で弾き、地面に落とす。
「あーあ、やっちゃったな……」
 次回の会合は6月だ。
 スマホを開いたら、閉じる前に画面をよーく確認しなきゃ。
 水色のケースをティッシュで必死に拭きながら、「代官山は怖い場所かも」と身ぶるいした。


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