これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

あの日のスケッチ

2020年09月27日 20時38分10秒 | エッセイ
 家に帰ると、お世話になったエッセイ教室の先生からの郵便物が届いていた。
「何だろ。本?」
 著者名を見ると、先生の名前になっている。そうか、本を出版されたんだっけ。



 教室を卒業しても、年に一、二回は元メンバーで食事会をしようと話していたのだが、コロナ禍でなかなか実現しないため、先に送ってくれたらしい。ありがたいことだ。
 イラストはすべて、先生の次男である春樹君が描いたという。イラストレーターなのかどうかわからないけれど、安定感のあるペンタッチがプロっぽい。



 このグランドピアノ、いいな~!
 本の間には、タイトル名の書かれた栞が入っていてオシャレだ。



「どれどれ、どんな話だろう」
 先生が23年前から書きためたエッセイのうち、50編を選んで掲載したという。幼い頃の記憶、商社マンと結婚され6年間アメリカで暮らしたときの逸話、2人の息子さんやご両親、ご姉妹にまつわる思い出話などなど、多彩な暮らしとさまざまな想いが込められていた。
「うーん、これは名作だわ」
 今まで「講師」の顔しか知らなかったので、先生の作品は片手分しか読んでいない。正確な文章表現に加えて、場面がありありと浮かんでくる情景描写、心の動きがリアルに伝わる心理描写の巧みさに脱帽した。
 タイトルは「スケッチ」となっていても、内容は「動画」であり、決して「静止画」ではない。もし、私が書くなら『あの日のしくじり』とか『あの日を笑い飛ばそう』『あの日のガンダム』などとなってしまうのだが、この本はいたってノーマルだ。先生の歩まれた、山あり谷ありの人生が凝縮されていて、実に読みごたえがあった。
 今後の参考にしたいと思った作品がある。『米寿の記念に』という、お母様の88歳の誕生日を祝うイベントでご苦労された話だ。先生はお姉さまとともに、ご親族からのメッセージを集めたり、写真を探したりするだけでなく、お母様の人生の軌跡を文章にすることを計画する。お母様が思いつくままに書き、送信したFAXを文章としてまとめ、言葉を補いながら読み物に仕立てて、パーティーでお披露目するという内容だった。家族との「つながり」を大切にし、お母様を喜ばせようと奮闘する姿に、心がポカポカしてきた。
 さて、せっかくよい本を読んだのだから、発信せねば。
「読書メーター」というSNSがある。さっそく『あの日のスケッチ』を検索し、読んだ本に登録する。

 やった~、一番乗りだ!

 コメントを入れてアップすれば、多くの人が目にする機会も生まれる。



 しばらくすると、ネット上の友人が「ナイス」をつけてくれた。
 
 いいぞ、いいぞ。

 心を動かされた本は、どんどんおススメしなくては。
 この本に影響されて、書きたくなったテーマがある。「ピアノ」だ。先生の長男君とピアノの先生との素敵な関係を描いた作品を読み、私がピアノを習っていた頃を思い出した。あのとき感じた気持ちを文章に残したい。
 果たして、「スケッチ」になるかしら。
 いやいや、「しくじり」では終わらせないもんね~。


    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ガンダムといっしょ

2020年09月20日 21時57分28秒 | エッセイ
 先月、何カ月ぶりかで池袋のデパ地下に行ったときのことだ。
「鳩サブレーの10枚入りをください」
「はい。袋はおつけしますか」
 そこでハッと気がついた。7月からレジ袋有料化がスタートしていたんだっけ。だけど、今日の手さげには、エコバッグが入っているから大丈夫。
「いえ、いりません」
 キタムラのバッグと、ディーゼルのバッグには、かさばらないタイプのエコバッグを入れている。



 広げると、まあまあの量が入るので助かる。



 近所のケーキ屋さんでは、デコレーションケーキや焼き菓子の詰め合わせを買うと、紙袋を1枚無料にしてくれるからありがたい。でも、カットケーキを3個だったら、自分で袋を用意しないといけない。
「買うのは、ちょっと、シャクなんだよね」
 マチがあるのはこのタイプか。



 たしか、母からもらったものだと記憶している。安定感があって、ケーキにはもってこいだ。



「そろそろ、これも使わなきゃ」
 私には、とっておきのお買い物袋がある。



 その名も、ガンプラ焼きエコバッグ。
 裏側は、ちゃんとガンダムの背中になっていて、芸が細かい。



 ブログの記事をさかのぼってみると、2015年の2月に買ったもののようだ。すでに活躍中のバッグがあるから、なかなか日の目を見なかったけれど、ようやく出番がやってきた。下の方では肉や魚のパックをガッチリ押さえ、重ねたピオーネやシュークリームが崩れないよう、援護していただきたい。



 ひとつ、気に入らないのが、右下にある黒いシミだ。買ったときから、ひそかについていた。
「なんか、汚れていてイヤだけど、まあいいや」
 カボチャや玉ねぎを入れても、重く感じないのは、ガンダムが力持ちだからかな?
 今日も一緒にスーパーに行こうね。


    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コロナ痩せ

2020年09月13日 21時55分42秒 | エッセイ
 コロナが拡大し始めた2月を最後に、数年通ったジムを退会した。更衣室やスカッシュコートでの感染が怖かったからだ。
「運動不足にならないように、家でしっかり筋トレしなくちゃ」
 週に5日はせっせとスクワット、腹筋、背筋に励んでいる。
 加えて、土日は買い出しに1時間、ランチの準備に2時間、夕食の支度に1時間を費やし、我ながら「よくやるな」と思うほど活動する。仕事は休みでも、あまり休養していないのが実態だ。
 それなのに、むくみやすい体質のせいか、4月はいわゆる「コロナ太り」になりつつあった。
「こんなに動いているのに、おかしいよ。むくみ解消の食べ物ないかな」
 検索すると正解が得られる現代は本当に便利だ。ヒットしたのは「玉ねぎ」であった。
「なになに、玉ねぎを薄切りにして煮る? やってみよう」
 試しに一週間続けてみたら、尿量が増えてお通じも改善し、あっという間に1kg減った。これは効く!
 ただし、煮物にすると、煮汁がたくさん出るから弁当には不向きだ。家族からも「調理中の匂いがキツイ」との苦情があり、調理方法を見直した。今は玉ねぎを炒めている。
 日曜日に、月曜から金曜までの5日分を作るため、玉ねぎは2個必要だ。薄切りにして、オリーブオイルを敷いたフライパンに入れる。



 弱火でじっくり加熱する。ときどきかき混ぜて、焦げ付かないように注意が必要だ。15~20分も炒めれば十分火が通る。玉ねぎは、加熱によってオリゴ糖ができるため、砂糖なしでも甘味が出る。味つけは、シンプルに醤油をかけ、かつおぶしを振るだけでオーケーなのだ。



 見た目は美しいといえないが、これは美容と健康の強い味方。ありがたくいただこう。
 一度に食べる量は、3分の1カップから2分の1カップ。お肉のつけ合わせにちょうどよい。
 学校再開の6月からは仕事量がグンと増えた。感染対策に時間を割かれ、通常業務も並行して行うのだから当然だ。土曜出勤しても、代休を取れる日などない。
「ひー、忙しい」
 8月からは猛烈な暑さに見舞われたこともあり、体重は1.5kg~2kg減った。こうなると、今度は減り過ぎに目を光らせる必要がある。
「45kgを切ったら食事量を増やさないと危険」
 そんなこんなで最近よく食べている。夏の疲れでバテている時間はないのだ。
 今日のランチは、牛ステーキ、夏野菜、ホタテ、キノコ類を使ったカレーにした。
 夕食は辛味ソースをかけた海老を焼き、大根の煮物を添えて食卓に並べたが、夫が弱気になっていた。
「ゴメン、お昼が消化し切れていなくて、こんなに食べられないよ」
 マジ?
 私は完食した上、デザートのヨーグルトとアイスまで平らげたのに、どうしたことだろう。
 コロナ禍を経て、私が家で一番の大食いになっていた。


    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小さなお客様

2020年09月06日 21時36分58秒 | エッセイ
 夕飯を終え、お風呂の時間までひと休みしていたときだった。
「あれえ」
 冷たい飲み物を取りに冷蔵庫まで行くと、足元に木の枝のようなものが見えた。拾おうと手を伸ばすと、スルスルッと動き出す。どうやら枝ではなかったようだ。
「ヤモリ?」
 小さなそれは、音もなく床を移動し、コーヒーミルの箱に上り始めた。



 足が吸盤のようになっているのだろう。抜群の安定感で上り切る。ヤモリにとっては「屋上」なのかもしれない。
 箱のフタが、ほんのちょっと開いていたせいか、ヤモリが入ろうとしている。



 すき間に頭を突っ込んで、「エイエイッ」と頑張ったようだが、フタは開かなかったようだ。
 前足と後ろ足を踏ん張り、力いっぱいトライしていた様子が愛らしい。
 私が近くにいても、まったく気にならないようだ。逃げるでもなく、警戒するでもなく、マイペースに行動している。フタの中に入ることは諦め、ヤモリは屋上を歩き始めた。
 見晴らしはよかったのかしら……。



 箱の反対側から下りたのか、しばらくすると床の別の場所を歩く姿が見えた。食器棚の前を通過したところで見失い、いなくなった。どこかに通路があるのかもしれない。
「まだ子どものヤモリかな? 可愛かったわぁ」
 ヤモリは家守、つまり、家の守り神と言われることもある。こんな小さな子に守ってもらうのは気が引けるけど……。
 今日は日曜日。おやつの時間はミルで豆を挽き、マンデリンフレンチをいれるつもりだった。準備をしつつ、箱を開ける手が止まる。
「えーと、ヤモリさん、いないよね?」
 用心して中を確認したが、それらしいものは見当たらなかった。当たり前か。
 今度会えたら、もっと大きくなっているかな。


    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする