これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

魔法の靴下

2020年04月26日 21時40分45秒 | エッセイ
 外出自粛が続き、運動不足になると、恐れていたことが起きた。
「うっわ~、やっぱり足がむくんでるよ」
 どうやら、私は水はけの悪い人間らしく、体内に水がたまりやすい。どうせたまるなら、お金の方がよいのだが、やがて指輪がきつくなり、抜けなくなる始末。さらに、まぶたが腫れぼったくなって、ブス度全開となるのはいただけない。
「へーん。ちゃんと秘密兵器を用意したもんね」
 昨年、むくみ退治に効くハイソックスを見つけたのだ。三ツ星靴下株式会社の製品で、弾性ストッキングの部類になるらしい。効果バツグンだから、今年用に追加で2足買ってある。



「一般医療機器」という仰々しい文字が読めるだろうか。



 拡大すると、本体にはこんな模様が入っている。



 たしかにサポート力は強いが、動きを妨げられる感じはしない。膝から下に、余分な水がたまらないよう「えいえいえいっ」と押し返してくれる、頼もしいパートナーである。
 体重計に乗って「うおっ!」と叫んだこともあるけれど、私の場合はすべて水太りだった。履いた当日には500g、翌日には1kgほど減り、指輪がスルスル抜ける上、ブス度も抑えられる魔法の靴下といえよう。
 難を言えば、耐久性がないという点だろうか。履き方によるとはいえ、半年ほどで擦り切れる。



 脱いだとき、足に「ナスカの地上絵」が描かれるのもギョッとしたりして……。



 でも、真冬はこれ1枚でポカポカだ。とても暖かいから、ずいぶん重宝した。
 コロナ禍は長引きそうな雰囲気……。
 どんどん活躍してもらいますからね。


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コイの滝のぼり

2020年04月19日 21時48分08秒 | エッセイ
 よく「意外ね」と驚かれるのだが、私は手芸が好きだ。
 どうせ家にこもらねばならぬのなら、針と糸を使って楽しく過ごしたい。そこで購入したのがこちらである。



 布や紐、型紙などが入って2000円前後だっただろうか。



 両面テープや縫い糸、ボンド、綿などは自分で用意しなくてはならないので、引き出しの中を探したら見つかった。ラッキー!
 まずは布の裁断から。一番、魚らしい胴からにする。



 このキットは、初心者には少々難しいかもしれない。表と裏を間違えて切ると「残念な生き物」になってしまうので注意が必要だ。
 顔。



 胸びれ。



 ぽんぽん。丸く切るのは難しいなぁ……。



 赤だけでなく、青も同じように裁断する。



 縫い合わせて裏返すときに、思うように進まず「イラッ」となった。特に胸びれや背びれは小さいので、扱いが難しい。気分転換するため始めたのに、ストレスの元となっては「何かおかしくね?」となり、本末転倒。続きは次の日に持ち越すなどの工夫をして、義務感をなくさねば。
 どうにか関門を乗り越え、綿を入れるところまで来た。質感が出ると、生命力が宿って動き出しそうに見えるところが面白い。



 目は両面テープでつけるが、胸びれ、背びれはボンドに頼る。うちにあったのは木工用ボンドではなく、靴用の接着剤だった。



 洗濯機の風呂水ポンプが破れたとき、補修に使うのだが、布との相性はイマイチだったかな……。
 強い接着力が裏目に出て、私の指までくっついてしまったり、量の調節ができずにドバーッと出てしまったりと、結構手を焼いた。
「ムキーッ!」と怒りながらも、こんな感じに仕上がってくると、俄然、やる気がわいてくる。



 小道具の吹き流し、風車は工作の分野だ。大きさや位置さえ間違えなければ、正確にできるはず。順調に進んで、いよいよ完成した。



「やったぁ!」
 負荷があった分、でき上がりの感動は大きい。早速写真を撮ってSNSにアップする。
 滝をのぼるコイは、立身出世を願う縁起物だそうな……。
 数年後には校長に、退職後は起業して社長になっちゃったりして~!


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放蕩息子の帰還

2020年04月12日 21時26分54秒 | エッセイ
 わが家は二世帯住宅だが、一階に住んでいた義母が9カ月前から施設に入り、無人になっている。
「家は使わないとダメになるからな。ときどき行ってみよう」
 夫は、埃のたまった義父の仏壇を掃除したり、義母の食器棚を整理したりと頑張っている。
「でも、台所が使えない。換気扇のフィルターがなくなっちゃって」
「フィルター?」
 夫に頼まれ台所を見てみると、おやおや。



「……ないね」
「どこ行っちゃったんだろう」
 義母に、認知症らしき行動が見られるようになったのは5年前。それまでは、普通に台所を使って、自分のために料理を作っていた。そのときから、換気扇のフィルターは、ダスキンのレンタルに頼っていたようだ。入所とともにダスキンを解約したときに、回収されてこの有様だという。
「なんか、ネットで買えそうな気がする。検索してみるわ」
「よろしく」
 私が買おうとしているものは、「グリスフィルター」というパーツらしい。うちの換気扇と同じだから、サイズや形状はわかっている。二層になっているもの、縦長のものなど何種類もあったが、「これじゃないんだよな」と文句を言いながらスクロールした。
 そもそも25年前の製品だから、同じ型番のものはとっくの昔になくなっている。でも、酷似したフィルターが売られているとは思わなかった。
「あれっ、これ、そっくりだ」
 違うメーカーなのに、仕様がジャストフィットの、この不思議。早速購入した。
「へっへっへ、着いた着いた」
 これですよ、これ。



 空洞にはめ込むと、予想通り、すとんと入る。



 行方不明になっていた息子が突然帰ってきて、両親や兄弟から温かく迎えられる図をイメージした。
 でも、私はフィルターを外した。換気扇があまりにも汚かったからだ。せっかく新品でピカピカのフィルターなのに、換気扇本体は油汚れに綿ぼこりがこびりついたまま干からびている。こんな場所に押し込めるのは、あまりにも申し訳ないのではないか。
 昨日、ようやく換気扇を洗った。



 これでバッチリ。本体にフィルターをセットして、いつでも使えるようにしておく。
 換気扇の掃除は、年末にしているが、今年から2つになるというわけか。
 トホホ……。


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新人は仕事できなくてもOK

2020年04月05日 20時58分48秒 | エッセイ
 コロナ対策に追われ、何が何だかわからないうちに新年度を迎えていた。
「今日からお世話になる○○です。よろしくお願いします」
 4月1日から12名の職員が入れ替わる。そのうち、3名は新規採用者だ。
「笹木です。よろしくお願いします」
 新人3名のうち、2名は他校での経験があるのだが、1名はフレッシュな新卒だった。だが、この新卒者は少々困ったチャンである。
「△△です、モゴモゴ……」
 こんな調子だから、直属の上司も困惑気味にブツブツ言っている。
「普通の子なんだけど、挨拶ができないのよね。話しかけてくれる先生がいても、下を向いちゃうし」
 おそらく、新卒者は、「こういう場面ではこの言葉」という方程式を知らないのだろう。
 思い返せば、一年前の私も新人みたいなものだった。これまでの経験が通用しない異色の学校で、誰一人として知り合いのいない中、初めてとなる仕事をしたのだから。
 最初から一人前の成果が出るはずもない。まずは、職場に溶け込むことを最優先にと決めた。
 出勤したら、自分から大きな声で「おはようございます」。
 職員に話しかけるときは、用件に入る前に「ただいま、よろしいでしょうか」。
 何かをしてもらったら、笑顔で「ありがとうございました」。
 帰る人、休暇を取る人には、「お疲れさまでした」。
 面倒くさいことをお願いするときは、「お忙しい中、恐れ入ります」。
 銀行などに出かける人がいたら、「お気をつけて」。
 自分のミスで職員に迷惑をかけたときは、「申し訳ありません」。
 あとは、健康管理に気をつけて、常に元気でいること、7時前には出勤することも心がけた。
 仕事ができなくても、挨拶と受け答えができれば何とかなる。ついでに、他の職員が来る前に、お湯を沸かしておけば完璧だ。ミスっても誰かが助けてくれるし、気づかないことを教えてもらって効率化を図れることもある。仕事よりもさきに、円滑な人間関係を作っておけば安心できる。
 先日は、会議資料が間に合わないというピンチに見舞われた。印刷機が不調で、思ったよりも時間がかかったのだ。あわてて仕分けをしていたら、2人の職員がさりげなく「手伝いましょうか」と申し出てきた。3人でやると作業が早い。無事、開始時刻に間に合って、涼しい顔で連絡事項を伝えることができた。
 こういうときには、感謝の気持ちを伝えるものがあると便利だ。うれしい出来事に備えて、お菓子をストックしておくのが私流である。
 今、机の中に入っているのは六花亭のこれ。



 資料配布を手伝ってくれた2人には、チョコマロンがいいかもしれない。
「さっきは助かりました。よかったらどうぞ」
「いやいや別に。ごちそうさまです」
 という展開にもなるのだけれど、新人はそこまで気をつかうこともない。むしろ、ご褒美のように年長者からお菓子をもらう人であってほしい。
 一日が終わり、クタクタになっている新卒者ちゃんにも、チョコマロンを持っていく。
「今日も疲れたねぇ。甘いもの食べて元気出して」
「は、はい。モゴモゴ……」
 今は大きな声で返事ができない子だけれど、伸びしろが大きいと見ることもできる。
 長い目で育てれば、一年後はハキハキとした職員に成長するかもしれない。
 さあ、頑張って~!


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