これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

警戒列島

2020年02月23日 22時50分59秒 | エッセイ
 日本中、いや世界中で新型コロナウイルスを警戒している今日この頃である。
「千葉で中学校の先生が感染だって、やだね~!」
 テレビを見ていた夫が大きな声を出した。教員の感染は他人事ではない。生徒や保護者、同僚など多数の関係者を不安にさせるからだ。私も気をつけなければ。
「いい? 感染者が減るまでジムに行くのはダメよ。どこでうつされるかわからないからね」
 娘にもうるさく言われている。映画や買い物も自粛中で、かなり淋しい。
「3月の墓参りはやめておくよ。電車に乗ったらコロナになりそうで怖いから。栃木にも感染者がいるし」
 高齢の母も家から出ないつもりらしい。それもそうだと私も見習うことにした。
 先週は忙しかった。週の初めに、卒業式のお知らせを保護者に配っていないことが判明しドタバタ。次の日は、親に殴られたという生徒が家に帰りたがらず、保護者を呼んで21時まで面談。その次の日は、入試の準備でアタフタ。
「うわ、こんなに日記がたまってる」
 おかげで日記を書けない日が続き、5日分も滞納していた。どうせ、どこにも出かけないのだから返済するかと決め、チャチャッと終わらせた。
「おっと、日経ビジネスも読んでなかった」
 こちらは2月10日号から手をつけていなかった。「政府が武漢にチャーター機を派遣」なる記事が載っているばかりか、11日に亡くなった野村克也氏のインタビューまであって驚いた。こちらもせっせと読まねば。



「長いこと、怠けていたわけね」
 3連休だし、ここは一念発起して気合いを入れるか。
 まず、お雛様を出した。それから美容院にも行った。3月上旬に外部の式典があり、髪をスッキリさせたかったのだ。
「ぐう」
 髪をロットに巻かれながら、いつの間にやら居眠りをしていた。借りた本も返さなければいけないのに、寝ていたら読めないと反省する。



 美容院からの帰り道、イヤなことに気づいてしまった。
「せっかく髪を整えてきたけど、そもそも、式典自体がなくなったりして……」
 可能性は十分ある。
 残念だけど、そのときはそのときだ。
 マスク不足が報道されているが、予防には手洗いと人混みに行かないことの方が有効らしい。
 皆さま方も、どうぞお気をつけて。


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健康オタク、ガンダムオタクに続いて

2020年02月16日 21時02分55秒 | エッセイ
 渋谷に行って、東急本店を素通りしたことはほとんどない。ランチ、ティー、デパ地下はもちろんのこと、お隣のBunkamuraに足を延ばすこともしばしば。
 でも、この日は文房具を覗いてみたかった。
「いつも池袋のロフトばかりだから、たまにはいいよね」
 行って正解。ロフトには置いていないカードが並んでいた。
 欲しいのはベビーカードだ。職場で4人目の妊婦さんが、めでたく出産したのだから。すでに出産した3人の職員と同じカードではよろしくないので、見たことのないデザインを探していた。
「おっ、これ、可愛いじゃん」
 選んだのはこれだ。



 後ろはこんな感じで、短いメッセージを書くスペースもある。



 封筒は水玉模様。



 喜んでくれるかな?
「おや? ひな祭りカードなんちゅうものもあるのか」
 娘が就職したこともあり、今年からひな祭りパーティーはしない。那須の両親には、せめてカードだけでも送りたいと思い、衝動買いをする。
 サイズは大きい。定形外郵便となるから84円では料金不足。120円分の切手が必要だ。
 カードを閉じた状態も結構オシャレ。



 観音開きを固定するため、上下にマジックテープがついている。



 カードを開くと、嫁入り道具の和箪笥が。



 さらに開くと、雛人形が登場する。



 アップ。



 裏面にメッセージを書いて送らねば。



「今日、可愛いお雛様が届きました。早速飾ったよ。ありがとう」
 母からは好評を得たようだ。考えてみれば、母のためのお雛様はない。
 昔を思い出し、楽しんでもらいたいと願う。
 そろそろ「桜カード」も並ぶだろう。
 健康オタク、ガンダムオタクを名乗っている私であるが、カードオタクもつけ加えなくちゃ!


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なかったことにしてください

2020年02月09日 20時53分05秒 | エッセイ
 洗濯物に水垢のような汚れがつくようになった。
「あーあ、洗濯槽を洗わなくちゃ。この前やったばかりなのに」
 この前といっても、10月か11月だった気がする。3カ月に1回は掃除しなくてはいけないのだろう。
 うちの洗濯機の場合、「槽洗浄コース」は3時間か11時間のどちらかを選ぶ。11時間だと夕飯までかかるので、いつも3時間にしている。仕事のない日を選び、通常の洗濯に続けて槽洗浄をするのが常だ。
 この日も槽洗浄のスイッチを押してから、洗濯物を干し始めた。今年は暖冬。洗濯物が短時間でパリパリに乾く。厚手のパジャマもスウェットも、乾燥機の世話になる必要はない。
「あれ? 靴下が片っぽないや」
 すべての洗濯物を吊るしたあとで、足りないものに気がついた。夫の靴下だ。右足分はあるのに、左足分がない。さて、どこにいったのだろう。



「廊下に落としたのかも」
 洗濯物がたくさんあると、移動の際にカゴから落下することがある。それかと思ったのに、廊下に靴下はなかった。
「脱衣所かな?」
 運悪く、脱衣所で迷子になる衣類もある。洗濯機に入れてもらえず、扉の陰などでひっそりと誰かに見つけてもらえるのを待つのだ。だが、ここにもなかった。
「となると、残るはひとつ……」
 一番やってはいけない可能性が残っていた。もしかして、洗浄中の洗濯槽に入っているのかもしれない。
 一時停止ボタンを押して洗濯機の扉を開けると……
「あちゃ~、やっぱりここか!」
 洗浄剤が溶けて空色になった洗浄水の上に、夫の白い靴下が「プカア」と浮かんでいた。水死体を見たことはないが、こんな感じなのかもしれない。無言で抗議しているような切ない姿が目に痛い。望んでこんな状況になったわけではないと、責められている雰囲気だ。
「ゴメンゴメン、今出してあげるからね」
 おそらくは、洗濯槽から洗濯物を出すときに、上部の死角にへばりついていたのだろう。これだけ取り残してしまったようだ。青い洗浄液に手を伸ばし、溺れている夫の靴下を救った。茶色の水垢も一緒についてきたが、潔く水で洗い落とす。そのまま両手でゴシゴシとこすり、かたく絞って物干しに吊るした。証拠隠滅。これで私の悪行がバレることもない。
 日本海側はどうか知らないが、カラカラに乾燥した関東地方は昼過ぎに洗濯物が乾く。夫の靴下も、両足分が何事もなかったかのように、畳まれていた。
「いやあ、気持ちいいな。洗濯物もバッチリだ」
 夫はすこぶる機嫌がいい。
 舞台裏は知らない方がよさそうね。


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名前を言えないあの……

2020年02月02日 21時31分29秒 | エッセイ
 1月31日は、昼過ぎから冷たい風が吹きつけて、かなり寒くなった。
 ちょっと早めに帰ろうと、18時半に靴を履き替えていたら、サッカー部顧問がグラウンドから戻ってくるところだった。
「お先に失礼しま~す」
「う~、ブルブル、お疲れさまです。外は凍えますよ」
 こわばった表情で挨拶を交わす。冷蔵庫と化した体育館以上に、吹きさらしの屋外競技はつらかろう。
 自転車置き場でカギを外す。前かごに荷物を入れて、手袋をしたら出発だ。
「あれれ?」
 ロックは解除されているのに、なぜか前輪が動かない。強引に動かせば多少は回るが、相当な抵抗感がある。どうしたのだろう。
「パンクかな?」
 いやいや、タイヤは無事だ。
「何か挟まってるのかな?」
 それらしきものは見当たらない。でも、何かがタイヤの邪魔をして、走らせないようにしていることは間違いない。
「後輪はどうだろう」
 スタンドを立てて後輪の動きを見ると、こちらはまったく異常なし。
「やっぱり前か」
 じっくりじっくり、穴のあくほど観察すると異常が見つかった。



 おそらく、強風で自転車が倒れ、隣の自転車のペダルあたりにぶつかったのだろう。陥没したパーツが大きく凹み、タイヤのブレーキ役となってしまったらしい。
「ということは、凹みを戻せば走れるってことさ」
 事務室でマイナスドライバーを借り、パーツの変形を直す。タイヤに当たらない程度に戻せば、何事もなかったかのように走れた。たまたま、職場だったから道具を使えたけれど、出先だったら大変だろうな……。
 そんなこんなで、無事に家に帰れたが、家族への説明が難しい。
「ほら、タイヤの上のカバーみたいなヤツあるじゃない。あれが凹んでさぁ」
「カバー? どんなのだっけ」
 なかなか通じない。屋根というのも違うし、一体このパーツは何という名前なのだろう。
 調べてみたら、「フェンダー」というらしい。年配者であれば、「泥よけ」の方がわかりやすいかもしれない。
 でも、「この前、前輪のフェンダーが凹んじゃってエライ目にあったよ~」と言ったところで、理解できる人はほとんどいないと思う。多くの人にとって、フェンダーは「名前を言えないあのパーツ」なのだ。
 風の強い日は気をつけましょう!


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