これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

カラオケで祝う結婚記念日

2019年03月31日 22時37分57秒 | エッセイ
 先日、27回目の結婚記念日を迎えた。
「ランチしようよ、お母さん」
 一人暮らしを始めた娘も戻り、3人でお祝いすることになった。わざわざ来てくれるからには、ランチだけでは申し訳ない。
「ランチの前にカラオケはどう?」
「いいね、行く行く」
 夫も娘も歌は好き。開店と同時にカラオケを始め、3時間みっちり歌ったあとで胃袋を満足させることにした。
「さあ、行こう」
「おー」
 娘はバンバン新曲にトライするが、私の歌える曲は決まっている。
 ユーミン、中島みゆきから



 槇原敬之、森山直太朗あたりが定番だ。



 気分が高まったところで、こんな歌も……。



「機動戦士、ガンダムぅ、ガンダム!」
 また始まったか。娘の顔にそう書いてあった。ウンザリしつつも、聞かされているうちに、すっかりおぼえてしまったことを私は知っている。だが、絶対一緒には歌ってくれない。
 ついでに「宇宙戦艦ヤマト」も歌った。終わったところでパフェが運ばれてきたので、セーフだと笑った。
「お父さんは何を歌うの?」
「えー、何にしようかなぁ」
 カラオケ自体が久しぶり過ぎて、夫は曲が決められない。ならば、私の聞きたい曲にしてもよかろう。
「じゃあ、あずさ2号と、勝手にしやがれを入れておくよ」
 しかし、キーが高すぎて夫は苦労していた。最後には咳き込み、苦しそうな表情になる。
「お母さんは鬼だな」
 娘が呆れていた。低いキーがいいのなら、ヤマトを譲ってあげたのに。いらないってか?
「アリスがいい」
 ようやく夫もエンジンがかかり、みんなで歌いまくった結果、残り時間が5分となった。
「最後は百恵ちゃんにしようよ。3人で歌えるでしょ」
 娘の提案に賛成したはいいが、予約した曲がおかしい。何で「プレイバック パート2」なんだろう。



「馬鹿にしないでよぉ~♪」
 はいはい、笹木さんちの記念日だったら、これがピッタリかもしれないね。
 お待ちかねのランチ。



 結婚記念日が終わると、新年度が待っている。
 私はまた職場を異動することになった。幸運なことに、今度の職場は自宅から自転車で15分という近さだ。
 仕事の内容も変わるので、相当ストレスがたまるかもしれない。
 ならば、カラオケで発散するのがいいだろう。
「機動戦士、ガンダムぅ、ガンダム!」


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袴の舞台裏

2019年03月24日 22時43分14秒 | エッセイ
 3月22日が娘の卒業式だった。
 小学生でも卒業式には袴で臨む時代である。式場に向かう大学生も、女子はほぼ全員が袴。中には男子なのに、振袖に袴を合わせた強者もいた。
 卒業式の開始は9時30分と書いてあった。思ったよりも早い。間に合わせるため、どの学生も早起きして必死に美容院に向かったに違いない。
 もっとも、うちの場合は、一週間前からドタバタ劇が始まっていた。
「あれ? お母さん、袴はどこなの?」
「ヤバッ、借りるの忘れてた」
 借りるといってもレンタルではない。袴は私が持っているので、和裁を習っていた妹から袴に合わせる色留袖を借りるのだ。9月に試着させてもらっただけなのに、手元にあるような錯覚を起こしていた。
 遅ればせながら、さいたま市に住む妹にラインをする。
「卒業式が近づいてきたから、17日に着物を借りに行っていいかしら」
 すぐに、オーケーの返事が返ってきた。夫の運転で1時間、予定通り色留袖と長襦袢を借り、あとは20日に美容院に持ち込むだけと安心していたが……。
「うそ、帯がない」
 19日の夜に、美容院セットを揃えていたら気がついた。袴には半幅帯を使うのだが、これも私が持っていると錯覚していた。ボケるにも程があると自己嫌悪に陥る。しかも、時計は21時を回っていた。
「ねえ~、帯も貸してくれるかしら」
 妹に図々しく電話で頼み、またまたオーケーの返事をもらった。さいたま市までの引き取りには、テレビの前でくつろいでいた夫にお願いする。幸い、道路が空いていたので、片道30分ですんだ。フラフラしながら戻ってきた夫に、労いの言葉をかける。
「いやあ、早かったねぇ。ラッキー、ラッキー」
 あとはひと風呂浴びて寝るだけという時間に他人をこき使い、何がラッキーなのか。口にした本人にもわからない……。
 そして、美容院に持ち込みをした20日も、すんなり終わらせてくれない。ランチ中に娘から電話がかかってきた。
「長襦袢に襟芯が入らないって言われたよ」
「マジ?」
 妹の襟芯より、私の襟芯の方が太かったのだろう。どれだけトラブルがあるのかとウンザリしたが、これは金銭で解決できた。
「追加料金を払えば、縫い直ししてくれるって」
「ああよかった。じゃあそれで」
 ビジネスチャンスを逃さない、しっかりした美容院であった。
 当日も何か起きるのではと心配になり、仕事に行く時間を遅らせた。無事に着付けが終わり、式場に到着したところで、娘を見送り職場に向かう。



 はー、よかった。
 よほど気が高ぶっていたのか、卒業式が終わっても、よく眠れなかった。
 これがスリープマイスターのグラフである。



 私って繊細だったのね!


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美肌と活力の素

2019年03月17日 22時05分15秒 | エッセイ
「健康」に関して、私は嗅覚が発達しているらしい。
「あっ、何か、この本よさそうじゃん。買ってみようっと」
 ピピッと来て購入したのがこれだ。




『健康に長生きしたけりゃゼラチンを食べなさい』
 何年も前に、ゼラチンは美肌に効くと聞いたことがある。でも、そのとき、スーパーでは板ゼラチンしか売っていなかった。そのままドボンと鍋に入れた結果、焦がしてしまい、何となく疎遠になっていたのだが、これにはレシピもついていたのでありがたい。



「ふーん、1gから2gか」
 ゼラチンはたんぱく質である。ゼラチンを食べることによって、体内でコラーゲンが作られやすくなり、皮膚や軟骨がよい状態になるのだとか。ひとまず、紅茶にティースプーン1/2のゼラチンを入れて飲んでみた。
「ほお、化粧のりがいいぞ」
 一週間もすると、効果が実感できる。肌がスベスベ、ふっくらと整い、くすみがなくなった気がする。
 しかし、ゼラチンが偉いのは、肌だけでなく血管も丈夫にするところだ。血管の大半は、コラーゲンでできた繊維で形成されているという。ゼラチンを食べることで、心筋梗塞や狭心症、脳血栓や脳梗塞が防げるというのだから、見逃せない情報だろう。
 こちらのほうも、一週間程度で違いに気づいた。
「何だか体が軽いし、疲れにくくなったみたい」
 ゼラチンをとり始めたのが10月だから、慣れない仕事を一年間やり通せたのも、血流を改善して元気になったおかげだと思う。平日は仕事に追われ、土曜は秩父、日曜は墓参りと予定が詰まっていても、さほど疲労を感じない。ゼラチンさまさまだ。
 健康と美容の耳寄り情報を独り占めしてはいけない。まずは姉に本を貸してみた。
「ほら、これがゼラチンパウダーよ。コーヒーや紅茶にいれて飲んでみて」
「じゃあ、やってみるわ」
 手軽さが何より大事だ。試供品としてゼラチン2袋を渡し、その日からトライすることを勧めてみた。素直な姉は早速飲んだらしく、「よかったから、自分で買い足した」そうだ。ちょうど確定申告で忙しい時期だが、ゼラチン効果で乗り切れるだろう。
 ちょっぴり苦い思いもした。
 実は、昨年、親しくしていた同僚が突然死した。死因はくも膜下出血だという。この本に出会う一週間前のことだった。
「もっと早く読んでいれば、勧めてみたのに。何かを変えられたかもしれないのになぁ……」
 いい方だったから、タイミングの悪さが悔しい。せめて、別の命の助けになればよいのだが。
 4月から、私はまた異動することになった。
 次の職場はかなりハードと聞くが、ゼラチンがあれば大丈夫。
 さーて、新年度の準備をしましょうかね。


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ランチは非常食

2019年03月10日 21時58分16秒 | エッセイ
 ときどき、非常食の賞味期限をチェックする。
「あー、これ、もう切れてるじゃん」
 ひじきご飯は2019年1月まで。今日のお昼に、さっさと食べてしまおう。



 アルファ化米は、お湯か水さえあれば食べられるようになる。勤務校の宿泊防災訓練で、生徒と一緒に作ったことがあるから自信がある。



 袋の口を開けて、米をかき混ぜたら線の下まで熱湯を注ぎ、15分待てば出来上がり。
 ポイントは、お湯を少なめにすること。ふんわりした仕上がりで、しっかり味のついたひじきご飯をいただいた。



「得意料理はアルファ化米です」と言ってもいいだろうか……。ダメ?
 パンの缶詰も、2019年2月が賞味期限となっていた。



「これは食べたことないんだよね。どんなパンなんだろう」
 興味津々で缶を開ける。予想通り、缶と同じ形をしたパンであった。



「へええ、おもしろーい」
 何かつけて食べたいところだけれど、実際に被災したら、バターなんぞないだろう。このままパクリといってみよう。



「うん、美味しい」
 何年も前に作られたパンとは思えぬほど、しっとり、ふわふわなのが不思議だ。生地にかすかな甘みがあり、リラックスできるところもいい。また生協で買い足しておかねば。
 さて、明日は3月11日だ。東日本大震災から8年目の、決して忘れてはならない日である。
 非常食を食べながら、今一度、災害への備えを確かめてみた。
 亡くなった方々が、安らかに眠れますように。


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ひな祭りは重労働

2019年03月03日 21時52分31秒 | エッセイ
 車を買い替えることになった。夫が声を弾ませ、この先の予定を口にする。
「今度の車はホンダのフリード。明日が納車になったよ」
「明日? ひな祭りパーティーの日じゃない」
「うん。でも、みんなが来るのは夜でしょ。車はその前だから」
「ふーん」
 てなわけで、来客用の飲み物などを買いに行ったら、すでにフリードが車庫に居座っていた。



「車を見たわよ」
「なかなかいいでしょ。これがキー」
「へー」
「保管するときは、盗難防止のため、電磁波を通さない缶に入れてくださいって言われた」
「缶に?」
「そう。何かあるかな」
 ゴソゴソ探し始めたと思いきや、間もなく「キーがない」と騒ぎ始めた。
「さっきあったのにね」
「うん。この家のどこかにあるはず」
 そういえば、この男、携帯電話の機種変更をした直後にも、どこかになくしたことがある。落とし物として交番に届けられていたから戻ってきたのだが、ものをなくす習性は何とかしてほしい。
 それとも、携帯やキーが嫌がって逃げ出したのだろうか……。
「ないよ~、ないよ~」
「とにかく探しなさい」
「うええええん」
 そのとき、玄関から「ピンポーン」と音がした。ケータリングだ。今年は楽をするため、全部配達に頼ることにした。
「お待たせしました。ちょっと量が多いのですが、こちらに置かせていただきます」
「ひえええ」



 何と、こんなに大量とは!
 我が家は二世帯住宅だから、全部を2階に持っていかねばならない。
「ないよ~、ないよ~」
 ……まだ見つからないらしい。仕方ない、私一人で運ぶか。
「くうう、重いっ」
 7往復ぐらいで全部のケースを運び込む。なかなかの重労働であった。
「ないよ~、ないよ~」
 夫はいないものと割り切って、さっさと配膳を進めよう。この役立たずめ。
「あった!」
 ほう。
 しかし、見つかった場所がヘボすぎだ。
「そういえば、さっき、輪ゴムの缶に入れたのを忘れてたよ、はっはっは。失礼失礼」
 見ると、キーホルダーのついたカギが、輪ゴムの池で溺れているではないか。まったく呆れた。
「じゃあ、お手伝い、お手伝い」
「はいはい」
 準備をしていたら、徐々に親族が集まってくる。姉の持ってきたシャンパーニュで乾杯し、まずはお膳から。



「刺身が美味しい」
「金箔がついてるよ」
 評判も上々だ。特に、私は料理の移動でカロリーを消費したから美味しく感じた。
 すっかり恒例となったすき焼きも楽しみだ。



「あ、写真撮るの忘れちゃった」
 義弟がガッカリしている。すき焼きは、生肉で撮るとキレイだ。もはや手遅れかな。
 ケーキは妹が持ってきてくれた。



 あとから知ったことだが、酔っぱらった姉が指を突っ込んだらしい……。



「はっはっは」
「いやねぇ」
 階段7往復後の体に、糖質が染みていく。ああ、幸せだ。
「じゃあ、そろそろ帰るよ」
「ごちそうさま。またね」
 楽しい時間はあっという間に過ぎていく。次回も、みんな元気で会えるといいのだが。
「空き缶あった」
 みんなが帰ったあと、夫がクッキーの入っていた四角い缶を持ってきた。これなら、キーも居心地がよさそうだ。
 さて、フリード君、しっかり走ってくれたまへ。


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