これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

せっせとのぼろう 金刀比羅宮

2017年08月31日 22時27分14秒 | エッセイ
 日本で一番面積の小さな県といえば、香川県。
 カツオにつられて訪れた高知のついでに、うどん目当てで香川に向かう。



 残念ながら、徳島は特急の車窓から、大歩危・小歩危を見ただけだ。とても美しい渓谷だった。
 うどんは最終日の楽しみにとっておこう。琴平の宿に荷物を置き、まずは金刀比羅宮にお参りせねば。
 さて、金刀比羅宮といえば、785段もの階段を上らないと、御本宮にたどり着けないことで有名だ。365段の大門までは、シャトルバスを利用することもできるが、食べ物や土産物で賑わっているのはふもとの表参道である。美味しいものにありつくためにも、ズルしちゃいかん。
「あはは、かまたまソフトだって! ネギまでついてる。ウケる~」
 娘は、かまたまうどんをデザインしたソフトクリームを買った。



「お母さんは金箔ソフトにしようっと」
 私はキンキラキンのリッチなものを選ぶ。



 夫は、はちみつソフトなるものを平らげたあと、「階段ヤダヤダ」と駄々をこね、大きな腹を揺すりながらホテルに戻ってしまった。途中で倒れられても困るから、別にいいけど。
 土産物を見ながら、娘が言った。
「友達から『おいり』を買ってきてと頼まれたんだよね。売ってるかな」
 おいりとは、香川県で結婚式の引き出物に用いられる、ひなあられに似た菓子をいう。淡いパステルカラーと、ビー玉のような丸い形が特徴で、とても可愛らしい。
「あ、あれはどう?」
「いいね」
 たまたま、通りかかった店先に、ポップなおいりが並んでいた。



「いらっしゃい」
 貫禄のあるおかみさんが声をかけてくる。
 最初、娘は荷物になることを嫌がり、帰りに買おうとした。でも、おかみさんから「こんぴらさんに持っていくと縁起がいいよ」と教わり、「それもそうだ」と納得していた。もらった人も、絶対その方がうれしいだろう。
「お姉さんたち、杖ある?」
「杖?」
「よかったら、うちのを貸すよ。レンタル料はいらないから」
「じゃあ、借りまーす」
 ここでは若い人も年配の人も、杖をついて歩くことが多い。そういえば『るるぶ』にも、あったほうがよいと書いてあったのに、すっかり忘れていた。右手にはバッグと日傘を、左手には杖を持って、長い階段を上り始める。
「おっ、これはなかなか」
 杖に体重をかけると、ひょいと足が上がるようになる。体も軽く感じられ、たしかに楽だ。素直に借りておいてよかった。
 この日、香川県の気温は36度。もちろん暑かったし、たっぷり汗もかいたが、高知城蒸し焼き地獄に比べたらどうってこたあない。杖の力を借りながら、気合いを入れずに上ることができた。
 628段目の旭社。



 帰路に参拝するとは知らず、先にお参りしてしまった。
 この辺りも、まだまだ長い階段が続いている。



 785段でようやく御本宮に到着だ。



 何をお祈りしたかは、ヒ・ミ・ツ!
 幸せの黄色いお守りが、金刀比羅宮の一番人気なのだとか。来られなかった夫の分も買い求めた。



 歩き足りない人は、奥社に進むとよい。1368段目の厳魂神社がゴール地点だ。私たちは、夕食の時間が迫っていたので、御本宮で引き返した。
「杖をありがとうございました。すごく役に立ちました」
 おかみさんの店に寄り、礼を言ってお返しする。
「ああ、おかえり。ほな、お茶持ってくるわ」
 おかみさんが、にっこり笑って冷たい麦茶を出してくれた。ほてった顔が引き締まる冷たさなのに、心の中は温かい。麦茶は、風呂上がりのビールのような美味しさだった。
 おみやげに、名物の灸まんと船々せんべいを買ったら、値引きしてくれたのもまた嬉しい。
 金刀比羅宮には、出会いや縁結びの御利益があるという。
 間違いなく、いい出会いはあったな。


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四万十川カヌーツーリング

2017年08月27日 23時01分52秒 | エッセイ
 私の本棚には『日本の絶景、癒しの旅100』という本がある。



 ここに、四万十川が載っているのだ。佐田の沈下橋とともに。



「四万十川は最後の清流といわれているんだって。すごくキレイよね。ここにも行こう」
 るるぶと絶景本を見比べながら、娘に話しかけた。タクシーで回って写真を撮り、美味しい魚料理をいただく計画が浮かんでくる。
 ところが、彼女は別のページを見ていた。
「四万十川でカヌーができるって書いてある。やってみようよ」
「ええ~、カヌー?」
 暇さえあればスマホを触ってばかりで、内臓脂肪をためこんでいる娘が、まさかアウトドアに目覚めるとは。
「よし、せっかくだから行くか」
 体験施設に電話をかけたら、希望日の午後に、すんなり3人分の予約も取れた。カヌーに必要なものをキャリーに詰める。
「えーと、水着とクロックスとTシャツ、帽子にサングラスだね」
 お尻は絶対濡れるので、最初から水着を着ていたほうがいいのだとか。上からはおるTシャツは、乾きにくい綿を避けるそうだが、私は綿以外持っていない。
「あっ、これどう?」



「やだ、それ、ミキの高校時代の体操着じゃない。袖に名前も入ってるよ。恥ずかしいな」
「だって、デサントだよ。着心地いいし乾きやすくて最高。これにする」
「勝手にして」
 ふと、母が私の高校時代のジャージを履いて、農作業をしていたことを思い出した。しょうもない母親だと呆れていたが、私も同じことをしているではないか。まぎれもない親子である。
 今年は、やたらと雨が多い。幸い、カヌー当日は昼過ぎから晴れて暑くなった。
 ラッキー! 半袖から伸びる腕には、しっかりと日焼け止めを塗った。
「帽子の上からヘルメットをかぶってください。ライフジャケットはすき間のできないように、ひもを引っ張って」
 2人乗りのカヌーは、めったに転覆しない構造になっている。しかし、1人乗りは違う。岩などに頭を打ちつける危険性があるから、ヘルメット着用が必須のようだ。心配になって、インストラクターに聞いてみた。
「どのくらいの割合で転覆するんですか」
「そうですね、午前に1人、午後に1人といったところですよ」
 思ったよりは少ない。転覆するのは、ほとんどが大人の男性と聞いて驚いた。
「重いからでしょうね。バランスを崩すとひっくり返ります。子どもは軽いから、まず大丈夫」
 午後の部は1時開始だが、最初の1時間はパドルに慣れるため、施設近くの浅瀬で練習する。その後、四万十川を3kmほど下り、ツーリングに出発する。川から上がったらバスに乗り、3時半ごろ施設に戻ってくるという段取りだ。
 手漕ぎボートの経験があれば、カヌーにもすぐ慣れる。進むのは簡単だからナメていたら、止まったり、方向転換をしたりするのが難しく、他のカヌーにぶつかってしまった。思った以上に力がいる。始めて15分後には、腕が疲れてきた。
 スタッフが体験中の写真を撮ってくれるので、終了後に購入したのだが、仏頂面の写真ばかりでガッカリした。夫と娘は笑顔が多い。カメラ写りを考えて、作り笑いぐらいすればよかったと反省する。
 人物だけでなく、風景もしっかり写っていた。



 目で見た景色が一番とはいえ、砂利まで見える四万十の澄んだ水、濃い緑、青い空、綿菓子を散らしたような白い雲は忘れがたく、写真に残ったことが嬉しい。



 平成17年9月には、台風による大雨で四万十川も氾濫したという。当時の水位を記録した杭は、背丈よりもはるかに高かった。
 さて、ツーリングには一か所、水流の速いスリリングな場所がある。
「じゃあ、ここから1列に並んで下りましょう。あまり間隔を空け過ぎないようにお願いします」
 水面にも段差ができていて、吸い込まれそうな勢いで水が流れている。転覆するならここだなと思っていたら、前を行く夫が早速やらかした。一瞬のうちに体が沈み、ひっくり返ったカヌーの船底が見えたところで、再度、ライフジャケットの力を得て浮上してきた。
 私は「大丈夫かしら」と顔を曇らせたのに、薄情な娘は「うわっはははは」と大口を開けてバカ笑いをしている。まったくのセオリー通り。一番横幅の大きな男が、午後の回では1人だけ転覆した。おそらく、インストラクターには、未来が見えるに違いない。
「ひっくり返っちゃったけど、楽しい!」
 全身ずぶ濡れになった夫は、予想に反して喜んでいた。暑いから、水遊びができてよかったのかもしれない。残りは穏やかな流れの中を、のんびりとパドルを動かし進んでいった。
「ねえ、この写真、facebookにいいと思わない?」
 東京に帰ってから、購入した写真をチェックし、どれをアップするか決める。
「ダメダメ。ミキの体操着だってすぐわかるじゃない。別のにして」
「ああ、そうだ~、忘れてた……」
 これなんかどうでしょうね。




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灼熱 高知城

2017年08月25日 23時21分36秒 | エッセイ
 今年の家族旅行は高知・香川である。
 まずは高知駅で降りる。



 龍馬は特に好きではないが、一応カメラに収めておいた。
 ここでどうしても外せないのは高知城である。



 ずいぶん高い場所にあるな、というのが第一印象だ。空はどこまでも青く、8月の日差しは遠慮というものを知らない。日傘を差しても暑いことに変わりはなく、足元からも熱気が立ち昇ってきた。
「いちに、さんし、ごーろくしちはち」
 ふうふう言いながら石段を上っていたら、さほど遠くない場所から、準備運動と思しきかけ声が聞こえてくる。
「ウソでしょ、こんなところで部活?」
 3人で顔を見合わせた。しかし、彼らの姿はどこにも見えない。きっと遠くなのだろうと思い、すぐに忘れてしまった。
 高知県は雨が多いらしい。石樋なるものを作り、排水を工夫していたようだ。



 見上げると、天守が「ここまでおーいで」と挑発してくる。



「おしっ、待っとれよ!」と応えたものの、石段は延々と続いている。軽かった足取りが徐々に重くなり、腕にも背中にも汗がにじんできた。額からは汗が流れ落ち、タオルでふきふき入口を目指す。
「はー、はー、やっと着いた……」



 近くで見ると、なかなかの迫力だ。この城は、1611年に完成したそうだが、火事で焼け落ちている。その後、1753年に復元したものが残っているので、長い歴史を読み取ることができる。
 入口には「功名が辻」のワンシーンが飾られていた。しかし、暑さで意識もうろうとしていたから、上手く撮れなかった……。



「こちらに冷たいおしぼりがありますよ。どうぞお使いください」
「わーい」
 お城には冷房がない。凍ってバリバリになったおしぼりを顔に当てると、あっという間に溶けていく。このわずかの時間の心地よさといったらない。
「おや、この部屋は何だろう」



 何気なくつぶやくと、近くにいたガイドボランティアの女性が答えてくれた。
「ここはお城の中で一番格式の高い部屋なんですよ。左手の武者隠という場所に、お殿様をお守りするためのSPが控えていたんです」
「へー」



 ちなみに、扉の裏側はこうなっている。ここにSPが、刀を構えてスタンバっていたのか。
 畳はなしでいいと思う。



「ここは、石を落として敵を攻撃する場所です」



 ガイドさんが自然に家族に加わり、4人で城内を回った。説明つきだとわかりやすくて面白い。
「忍び返しが残っているお城はここだけです」
「そうなんですか」
 ちょっと歩いただけで、おしぼり効果は消え失せる。たちまち汗が噴き出し、サウナに入っているかのようだ。決して暑がりではないのだけれど、服も下着も汗を吸って重くなっていた。
「ここから銃で狙ったんですよ」



 ガイドさんと話していると、多少なりとも暑さから逃れられる気がした。ぜひ、ここでは、ガイドさんを探すべきであろう。
「戦があったんですか」
「いいえ、攻め込まれたことはありません」
 それで、古いお城が残っているというわけか。
「これを見てください。ハート型がついていますが、『好き』という意味じゃないんですよ」



 でも、暑さのあまり、どんな意味だったのか忘れてしまった……。
「天守閣は風が通って涼しいですよ」
 階段というよりはしごに近い段を上ると、景色が開けていた。
「わあ、すごい」





 ガイドさんからお城がキレイに撮れる場所を教わり、礼を言って段を下りる。
 ここがその場所だ。



 高知城は別名「鷹城」というそうで、ここからだと鷹が羽を広げているように見えるのだとか。
 なるほど。
 あとから知ったことだが、この日の高知市の気温は37.9度であった。石段を下りるときも、力が入らなくてダラダラしてしまう。2020年の東京オリンピック・パラリンピックは暑さが心配されているが、高知オリンピックじゃなくてよかったと思ったくらいだ。
 そのとき、左側からドドドドドドと地響きが聞こえてきた。
 信じられない! 陸上部らしき学生が、ランニングシャツに短パン姿で、一列になって走っている! さっきの準備運動は彼らだったのか。
 30人くらいいるようだが、この暑さの中、激しい運動をするぅ~?
 あんぐりと口を開けている私たちを見向きもせず、陸上部集団は結構なハイペースで通り抜けていった。高知の学生は、何度から暑いと感じるのだろう。
 しょうもない句が浮かんできた。

 炎天下 汗がとぶとぶ 高知城

 失礼いたしました。


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スマホ ボランティア

2017年08月20日 21時16分44秒 | エッセイ
 ついにガラケーを卒業し、アイフォンに変えた。
 通信料は高くなるが、きれいな写真が撮れるし、いつでもSNSができるようになるから利便性が勝ったわけだ。
「スマホはね、子どもと同じ機種にするのよ。そうすれば、教えてもらえるじゃない」
 同僚の入れ知恵は大きい。新しいメカに弱く、操作に不安を感じていたところである。大学3年の娘に相談したら、頼りにされて気をよくしたのか、快くドコモショップについてきてくれることになった。
「ミキも、お母さんがラインを使ってくれたほうが便利だし、手伝うよ」
 娘のアイフォンは2年前に買った6Sである。かなり古い機種になってしまい、店頭にも残りわずかしかないそうだ。
「色はピンクか黒で、32ギガだけになりますが、よろしいでしょうか」
 色はわかるが、32ギガでいいかどうかはわからない。しかし、選ぶ余地はないから、いいことにする。
「料金プランはいかがいたしましょう」
「通話は一番下のにします。めったにありませんので」
「データパックはどれにしますか」
 きたきた。こういうときのために娘を連れてきたのだ。じっと顔を見て、指示を仰いだ。
「最初は標準の5ギガにしておきなよ。あとから変えられるから」
「ふーん、じゃあ標準で」
「あんしんパックにご加入されますか」
「入っておきな」
「はい」
 お値段は、dポイント分値引きされ、一括で15000円程度だった。
「安ッ! 2年前に買ったときは10万したのに」
 娘が、詐欺にあったような顔をした。新しいものは高いのだ。間違いなく、私には使いこなせないので、安い機種で十分である。手続き中のスタッフに、娘が思い出したように声をかけた。
「あ、それから画面の保護シートも買いたいんですけど。貼ってもらえますか」
「はい、かしこまりました」
 保護シートを貼っておくと、万一落としても、画面の割れを防ぐことができる。でも、100均で買ったものを自分で貼ると、気泡が入ることが多く、プロに頼むのが一番なのだとか。
 家に帰ってからがまた大変だった。
「使っていないケースがあるから、これあげるね」



 もらったケースにアイフォンを入れ、娘に預けて各種の設定をしてもらう。



 画面の表示、着信音の選択、画面ロック、ラインのインストール……。何をしているのか、わからない設定もあった。とてもついていけない。
「ね、これ見て。下に丸いボタンがあるでしょ。押す回数が多いんだけど、壊れやすいから、画面に同じボタンを作っておいたよ。画面の方を使って」
「はあ……」
「それから、アプリは重なって見えないだけだから、右下のアイコン押して消さないと、電池が早くなくなるよ。あっ、誰かラインをしてきた。ヒロって人知ってる?」
「知らない……」
「長押しすると既読がつかないんだよ。えーと、ムライですって書いてある」
「ああ、ムライちゃんか」
「ブロックしていい?」
「いやいや、ダメだよ」
「じゃあ、友達に追加しておくね」
 という具合に、何が何だかわけのわからないまま進んでいった。
 一番困ったのはラインの返信だ。入力方法がキーボードと違っているので、文字を探す時間がかかる。ナメクジだって、もっと速いんじゃないかと思うくらい、私の入力は遅かった。
「ああほら、話題が変わっちゃったよ」
「えー、やっと打てたのに」
「スタンプで誤魔化しなよ」
「スタンプ、スタンプ……どこ?」
「ああもう、打ってあげるから貸して」
 結局、返信まで娘に頼む始末。まったく、どうしようもない。でも、これが実力なのである。
「ネットワーク暗証番号は何? dアカウントをとるのに必要なんだけど」
「なにそれ、知らない」
「じゃあ、今日はここまで。明日、この番号に電話してあげるから」
「はーい」
 疲れた……。ぬるめの風呂にゆっくり浸かり、新しい知識でパンクしそうな頭を整理した。ひとまず、やってみないことにはおぼえられない。明日から頑張らねば。
 娘の部屋がやけに静かだ。そっと中を覗いてみたら、うつぶせになって爆睡していた。出来の悪い母親の世話をして、相当体力を消耗したらしい。
 翌日、ドコモから、購入時の対応に関するアンケートが送られてきた。回答して返信すると、もれなく20ポイントもらえると書いてある。「よし、20ポイントゲットだ」と抜け目なく送信した。
 娘は「ミキのポイントはないのか」と不満げだったが、スマホを受け取り、ネットワーク暗証番号を問い合わせてくれた。設定が進み、ようやくメールが使えるところまで来た。
 しばらくすると、またドコモからアンケートが届く。どうやら、今度は、先ほどの問い合わせ電話の応対に関する回答らしい。私が電話をしたわけではないが、娘が「とてもよかった」と満足していたので、その通りに答えた。これで、さらに20ポイント追加だ。
「お母さんばっかりポイントもらって、ずるいよ~! ミキがやってるのに」
 キイキイわめく娘を無視して、母にメールを打つ。来月の墓参りの日程を決めなくては。
 トホホ、このナメクジ入力、いつになったら直るのかなぁ……。


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これは必見!「吉田博展」

2017年08月17日 23時38分10秒 | エッセイ
 とても自分には描けない、素敵な絵を見たとき、人は何と言うだろうか。
「上手ね」
 かつて、私もそう言ったことがあった。しかし、画家への賞賛としてはまだまだだ。
「なんて素敵なの」
 もちろん本心からの言葉であっても、上から目線になっていないだろうか。
 こんな絵は見たことがない、お目にかかれて幸せだ、といった気持ちを表すとどうなるか。
「すげえぇ~」
「うめえぇ~」
 私の場合、なぜかこんな調子になってしまった。若い子ならいざ知らず、もうじき50歳になるオバさんが、東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館で開催中の「生誕140年 吉田博展」を見に行き、意識しないままに口から転がり出してきた言葉である。



 そもそも、吉田博とは何者か、私は知らなかった。
「聞いたことないけど、ちょうど新宿に行くし、時間も余るから寄ってみるか」くらいの軽い気持ちだったのだ。平日の3時にしては、結構人が集まっているなぁと思ったら、それもそのはず、どの絵も仰天するような画力で描かれているではないか。



「へー」
「はー」
「ほー」
 私の前で鑑賞していたおじいさんは、ぽかんと口を開けて、ひたすら感嘆の言葉を漏らしている。そのうち、「どうなってんだ、この絵は」とうつろな目をしてブツブツ言い始めた。チョロチョロと頭を動かし、角度を変えて何度も眺めている。
 わかるわかる。
 画家は、水彩画、油彩画、木版画といったジャンルでたくさんの絵を残しているが、どの絵も普通ではない。迷いのないタッチで山や水を捉え、鮮やかな色彩を加えて質感たっぷりに仕上げている。生真面目な性格そのままに、小さな窓枠や木の葉1枚1枚まで、息を吹き込む丁寧ぶりだ。



 ときには、人間離れした細かい作業に両目が吸い寄せられ、前を歩く人にぶつかってしまった。こんなことは今までなかったし、私も周りの人にぶつかられたりした。
 わかるわかる。
 見れば見るほど、絵に酔ってしまうのだ。足早に歩く人はおらず、時間をかけて細部まで鑑賞している人が多かった。だから、全部見るのに90分はかかる。そして、それくらいの価値はある。酒を飲むより、ずっといい気分になれた。
 個人的には水彩画が好きだ。しかし、ポストカードは木版画ばかり。それでも構わないと購入した。







 版画のいいところは、色の置き方で印象がまったく変わることだ。朝、昼、夜、霧などのバリエーションを広げ、「この手があったか」と驚かせる技術が憎い。なんというハイレベルな画家であろう。
 今日は、吉田博展ではなく、別の記事をアップしようと考えていた。でも、海外では有名だが日本では知られていないこと、8月27日までしか公開されないことなどから、「もっとたくさんの人に見てもらわなくては!」との使命感に駆られて、急遽変更することにした。
 こんな稚拙な文章では、絵の魅力が一割も伝わらないかもしれない。
 それでも、何かをせずにはいられない。
 行こうかどうしようか迷っている人の、背中を押すお手伝いができればうれしい。


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まさかの稲田朋美

2017年08月13日 20時00分00秒 | エッセイ
 そういえば、6月中旬以降、美容院に行っていない。
 予約をしようと電話のダイヤルをプッシュしたら、3回かけて全て話し中だった。受話器の向こうの「ツー、ツー、ツー」という音にイラッとする。様子を横目で見た、大学3年の娘が口を挟んできた。
「ねえ、ミキの行ってる美容院にしたら? マツザカさんって人が上手だから」
「そうねえ……」
 20年間、同じ美容師さんを指名しているが、このところ、仕上がりに不満を感じることが多い。いつも同じ髪型になってしまうので、「今日はここを変えてほしい」と注文をつけたら、なんともヘンテコなスタイルにされた。センスが古いと感じることもあり、ちょっと考えてしまう。
「ミキの美容院は、ネットで予約できるよ~」
「よし、またかけるのも面倒だし、そこにしよう」
 きっと、これは「あの美容師はやめておきなさい」という警告に違いない。パソコンを起動させ、娘のひいきの美容院にアクセスして予約をとった。指名はもちろん、マツザカさんだ。
「いらっしゃいませ、お待ちしておりました」
 店内に足を踏み入れた途端、客層の違いに驚く。このサロンには、20代から30代の客が多く、男性客も目立つ。私の通っていたところは、50代以上の女性客しかいなかった。
「親子でのご利用ありがとうございます。今日はどのようにいたしましょうか」
「カットとパーマでお願いします」
「どんな感じがご希望ですか? たとえば、この人みたいなというイメージがあれば」
「そうですね……」
 仕事中、私はメガネをかけている。クルッとしたカールを組み合わせてイメージしたら、思いついた人は一人だった。
「じゃあ、稲田朋美さんみたいにしてください」
「ええっ、稲田さんですか!?」
 防衛相の辞任劇は記憶に新しい。都議選での応援演説での失言や、日報問題などでずいぶん叩かれていたが、髪型に罪はない。むしろ、メガネ女子に合うスタイルなのではと、ひそかにチェックしていた。もっとも、グッドルッキング発言というのも話題に上ったが。
 しかし、まさかのレアな注文に、マツザカさんは目を大きく見開いていた。
「えーと、稲田さん、どんな髪型でしたっけ……」
「今まで、そういうリクエストはなかったんですか」
「いやあ、初めてですね。すみません、ちょっとケータイ見ていいですか」
 あくまでも笑顔を保ちながら、レアな要望に応えるため、彼は素早く画像検索をしたようだ。
「ありました。どれにしますか」
 スマホ画面をのぞき込むと、パッチワーク状の稲田氏がいくつも並んでいた。初当選時代から現在まで、かなりのバリエーションがある。
「これかな? あ、こっちの方が近いですね」
「なるほど、これですか……」
 うーむ、という表情で、マツザカさんが画像をにらむ。さすがはプロ。一瞬にして、カットの方法を分析していたようだ。
「あの、笹木さんはこの部分が短いので、今はこの通りにできません。今回は、稲田さんに近づけつつ、短いところを伸ばしていきませんか」
「なるほど。じゃあ、そうします」
 できないことはできないと、ハッキリ言ってもらった方がいい。メガネに似合うスタイルは守ってもらい、あとは任せることにした。
 完成したものがこれだ。



 落ち着くまでブローに苦戦しそうだが、フワッとした仕上がりは気に入っている。毛先も傷んだ感じがせず、指の通りがよい。サボっていたムースもつけるようにして、女子力をアップさせよう。
 どうやら、マツザカさんは相当な売れっ子らしい。次から次へと指名が入り、昼食はおろか、トイレに行く暇もなさそうに見えた。よほど、評判がいいのだろう。
「もし、僕に全部任せていただけるのなら、ショートにすると思います」
 話の途中で、私は短い髪のほうがスッキリ見えると指摘された。
 おもしろい。その話、乗ってみたい。
 稲田さんはやめて、次はショートにしようかしら。


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金運アップは鎌倉で

2017年08月10日 23時04分49秒 | エッセイ
 なぜ鎌倉に行ったのかって?
 吉兆庵美術館で、大好きな宮川香山展をやっていたからだよ。(宮川香山展の記事はこちらから)
 うん、遠かった。うちからだと、私鉄と湘南新宿ラインを乗り継いで、2時間近くかかるからね。
 美術館だけじゃもったいないって思うでしょ。
 だから、鎌倉駅から歩いて銭洗弁財天に行ったの。
 歩けるよ。18分って書いてあったけど、アタシは歩くの速いから、15分くらいだったかな。
 今まで、何度も鎌倉に行ったことあるのに、ここに行くのは初めて。
 今年は出費が多くてさ。
 貧乏神に憑かれてるんじゃ困るから、金運アップさせようと思ったんだ。
 入口の坂が、予想外に激しくて驚いた。



 アタシの大学は、もっと急で長い坂が続いていたから、鼻で「ヘッ」と笑ったけどね。
 上り切ったところに「宇賀福神社」と書かれた石があったよ。



 そっか、ここ、神社なんだ。
 洞窟のような通路を抜けたら、まずは手を洗って、社務所に行くんだって。
 100円払って線香とロウソクを買い、ザルを借りるんだよ。
 でも、神社でロウソクとか線香とか、珍しくね?
 お寺だったらわかるんだけど。
 まあ、アタシはO型だから、「何でもいいや」と流しちゃう。
 で、そのロウソクと線香は、火をつけてお供えするんだよ。
 火傷しないように気をつけて。
 線香の煙で体を清めたら、本社でお参り。
 前の人は、ザルを荷物置き場に置いたまま、忘れそうになっていたよ。
 いよいよお金を洗うんだから、しっかりザルを手に持っていかないとね。
 奥宮に移動したら、ひしゃくですくった神水を、ザルに入れたお札や硬貨にゆっくりかけるの。
 水をかけると、お札は透けて見えるんだね。
 「大丈夫? 使える?」って、心配になった。
 タオルでお札をふくと、すぐ元通りになるから気にすることなかったよ。
 で、乾いたお札はつかったほうがいいんだって。
 知らなかったよ。
 前にさあ、高尾山の薬王院でもお札を洗ったんだけど、いまだにとってあるからね。
 だから、お金がたまらなかったのかも。
 ん、これ?
 蚊に刺されたの。どうも、奥宮でお札を洗っているときみたい。
 水場で日陰だからさ、蚊も居心地いいんじゃない。
 夏はさ、ロウソクと蚊取り線香を売ってくれればいいのに。
 え? バカかって? 失礼な。
 このあと、お守りを買って、鎌倉駅からすぐのイワタコーヒーに行ったんだ。
 午前中は混んでて大変らしいけど、4時とか5時だったら空いているから正解だね。



 注文? そりゃ、やっぱりホットケーキでしょ。



 フルーツサンドも美味しいらしいけど、一人だったから、そんなに食べられない。
 スフレパンケーキと違って、中までズッシリ詰まっているところがいいよ。



 あとね、カフェオレもコクがあってグーだった。
 もともと、コーヒー店なんだから、もっとコーヒーに注目しなきゃいけないね。
 支払いは、さっきの洗ったお札にしたよ。
 これで、金運アップできるんじゃない?
 イワタコーヒーも、さらにさらに、商売繁盛しちゃったりして~!


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「ザ・マミー 呪われた砂漠の王女」4DX

2017年08月06日 20時34分08秒 | エッセイ
 以前から、古代エジプトの神秘的に憧れを持っていた。先月、新聞に掲載されていた新着映画情報を読み、惹かれる作品を見つけた。
「わっ、トム・クルーズ主演の『ザ・マミー』だって。エジプトのミイラの映画みたいだよ」
 高校時代は世界史を専攻し、同じくエジプト好きの娘に声をかけてみた。
「おもしろそう。行こう行こう」
「行こう行こう」
 ネットでのレビューはイマイチだったが、他のキャストにラッセル・クロウの名を見つけ、ピピッと来た。これは私のストライクゾーンである。直感は大事だ。チャチャッと映画館の上映スケジュールを検索し、都合のつく時間帯を調べてみる。
「IMAX 3Dと4DXもある。どれにしようか」
 スマホを手放さない娘に話しかけ、相談した。
「4DXだよ、絶対。3Dメガネかけるのダルい」
「そうねえ、耳も痛くなるし」
 見たかった映画でも、疲れていると上映中に寝てしまうことがある。しかし、座席が揺れる4Dなら大丈夫だろう。だが、娘に大事なことを言い忘れたまま、チケット予約をしてしまった。



 当日、ポップコーンを買って座席に着いた。揺れてもこぼれないように、トレイではなくビニール袋に入れてくれる。いざ、4DXにGO!
 映画が始まると、中東風のターバンを巻いたトム・クルーズが登場した。ビックリするくらい似合わず、苦笑しながら見る。会話が始まると、何かがおかしいことに気づく。
「お母さん、トムが日本語しゃべってるよ」
「あ、思い出した。4DXは日本語吹き替え版だったんだ……」
「ええー!」
 私たちが行く映画館は、IMAX 3Dだと字幕、4DXだと吹き替えだよ……その確認をするつもりだったのに、ヤバッ! 「トムは日本語を話せるようになったらしい」ととぼけたところで、すぐバレる嘘には意味がない。完全に手遅れだ。焦ったところで銃撃戦が始まり、座席がガタガタ揺れ出した。
「トム・クルーズの声が聞けない……」
 ガッタンガッタン。
 娘は残念そうだ。
「ラッセル・クロウも、レミゼで歌が上手かったのに」
「たまにはいいんじゃない? 漢字が読めなくて困るってこともないから」
「……」
 グラグラグラッ。
 私だって字幕の方がよかったが、もはや開き直るしかない。「字を読まなくてすむわ~」と考え方を変え、吹き替え版を満喫するのだ。娘は不満そうに鼻にシワを寄せていたが、「この人には何を言っても無駄だ」と諦めたようだった。
 レビューに「ホラー」と書いてあった通り、私にとっては怖いストーリーだった。追いかけられるのは苦手だ。しかも、ミイラが多数になったり、蜘蛛やネズミが大量にわき出てきたりして、かなり気味悪い。
 ラッセル・クロウのキチガイじみた演技もすさまじかった。本当に、頭おかしいのかもと納得するくらいである。ジキルとハイドの役だから、遠慮していてはいかんのだ。トム・クルーズ演じるニックは、ミイラだけでなく二重人格の狂人とも戦わなければならない。
 展開にケチをつけるのは簡単である。ちょっと無理があるんじゃない? という場面もないわけではなかったが、アトラクション並みに動くシートに揺られ、劇場に煙が上がり、ときおり水しぶきが飛んでくれば、細かいことはどうでもよくなる。あとは、ポップコーンが濡れないように水滴からガード。あっという間の110分であった。
 エンドロールの最後に、吹き替え版の声優が紹介された。ミイラである悪役・アマネットは、ベッキーが吹き替えたらしい。他の声優さんたちも、みんな上手だった。最初は字幕でないことを後悔したが、吹き替え版も悪くない。好演に感謝する。
「……疲れたね」
「疲れた」
「だいぶ揺れたけど、ポップコーン、鼻に入らなかった?」
「入るわけないでしょ」
 俳優たちと一緒に走り、泳ぎ、戦ったかのような疲労感が楽しい。
 4DXは、映画の世界に入り込めた気がしていいわぁ~。


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食中毒の危機

2017年08月03日 21時38分34秒 | エッセイ
 たしか、クリスマスだった気がする。
 ステーキ用の肉を買いに行ったら、「1500円以上お買い上げのお客様に、ステーキソースとエコバッグをプレゼントしています」と言われ、青い袋を渡された。開けてみると、中が保冷仕様になっていて、夏場は重宝しそうだ。「しめしめ」と押し入れにしまい込み、暑くなった先月から使い始めた。



 これは本当に便利だ。布のエコバッグでは、猛暑にやられて肉も魚も温まってしまうのに、クーラーバッグだと熱をシャットアウトしてくれる。以前、炎天下を10分歩いたら、もやしが腐ってしまったことがあるけれど、このバッグなら心配ない。ついでに冷凍ホタテも買って、保冷剤代わりにすれば完璧であろう。いいものをもらったとホクホクしていた。
 ところが、意外なところから食中毒の危機が迫る。
「お母さん、今日のおにぎり、腐っていたよ」
「え、マジッ?」
 娘の大学は7月いっぱいまでテストがある。2限、3限のあるときは、おにぎりプラス、肉料理や煮物を入れた弁当を作り、持たせていた。
「いつもより、ご飯がベチャッとしていて、糸引いてたもん」
「それはアウトだ。ゴメンね」
 何がいけなかったのか。ない頭を無理やり働かせ、献立を思い出した。
「わかった! わかめだ」
 乾燥わかめを炊き立てご飯に混ぜて、おにぎりにしたのが間違いだったようだ。都立小岩高校では、宿泊防災訓練で作ったわかめの炊き込みご飯で、集団食中毒が起きている。単純に比較するのは間違いかもしれないが、わかめは夏場の弁当には向かないのではないか。
「明日から、梅干しのおにぎりにしよう」
 きっぱり宣言したら、娘の顔がみるみる歪んでいった。
「えー、梅干し……。イヤだよ、梅干し」
 どうも、あの酸味が好きではないらしい。毛嫌いされて、なんて可哀想な梅干しちゃん。
「じゃあ、梅入りゆかりはどう?」
「あ、あれならいいよ」



 これにて一件落着。梅入りゆかりは、猛暑日でもご飯を守り、食中毒を防いでくれる。夏場はずっとこれにしよう。
 仕事が休みの日は、スーパーで買い物をする。梅入りゆかりを補充せねば。生ものは保冷エコバッグに詰めるが、ファスナーをしないと意味がない。その日は滑りが悪くて、ファスナーの持ち手を強引に引っ張ったのがいけなかった。「ブチッ」という不吉な手ごたえとともに、不幸が起きた。
「キャー、持ち手が取れちゃった!」



 今度は、ファスナーの危機……。
 直せ、直すんだ、ジョー!


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さらば、飲み放題

2017年08月01日 20時13分46秒 | エッセイ
 ブログサービスのseesaaを利用して「いとをかし」というブログも書いているが、先月から少々困ったことになっている。
 アクセスすると、必ず「seesaa.jpは応答していません。」というメッセージが出てきて、新規投稿はおろか、訪問者の確認すらできない。「Webページの回復」ボタンをクリックしても、同じことの繰り返しだ。書きたい記事はあるのに、アップすることができず、何とももどかしい。
 悔しいから、こちらに投稿することにした。さあ、気を取り直して書こう。
 毎年、パークハイアット東京のパークブリュワリーを楽しんでいる。今年は7月最後の日に行ってきた。
「わーい、わーい、ビールだぁ!」
 子どものように喜んでいるのは、親友の幸枝である。3年前に一緒に行って以来、ここのオリジナルである「パーク ブリュワリー エール」のとりこになったのだとか。
「白濁って缶ビールが近いと思うのよ。最近、あればっかり飲んでる」
 パーク ブリュワリー エールの売りは、爽快な喉越しと豊かな風味だ。程よく苦くて香ばしく、ホップがグラスの中で組体操をしているようなチャキチャキ感が楽しめる。



 最初はこの定番ビールが運ばれてきた。
「これよこれ。くう~、ウマい!」
 お待ちかねのビールにありつけ、幸枝はご機嫌だ。今なら、「30万円貸してもらえない?」と頼んでも、「いいよ~」と軽く返ってくる気がする。言わなかったけど。
 軽食はこんな感じ。



 パンのようなスナックは中央に切れ目が入っていて、小鉢に盛られた「茄子のペースト」や「トマトソース」を挟んでいただく。私は断然茄子がいいと思ったのだが、幸枝は「トマトが美味しい」と軍配を上げた。結局、どっちもイケるということか。
 今年の新ビールは「ブラッドオレンジ エール」である。



 2杯目はこちらが運ばれてくる。何でも、「希少な国内産ブラッドオレンジを使用し、柑橘のアロマを生かした心地よく華やかなテイストに仕上げた」というから、期待が高まる。
 しかし、まさにブラッドオレンジそのものなので、ビールとしては賛否が分かれそうだ。
「甘ッ! これはちょっと……」
 幸枝は渋い顔になった。でも、私はビールらしからぬ丸い味に好感を持ち、こちらをおかわりした。
 つまり、私たちの味覚は真逆だったのだ。取り合いにならないから、ちょうどいいかも?
 どちらのビールも、2時間は好きなだけ飲めるが、私は今年で最後にしようと思っている。飲み放題に行くと、翌朝がツラくていけない。もはや、量を楽しむ年齢ではなくなった。美味しいものを少しだけ、量より質を守らないと、内臓が疲れてしまう。
 もっとも、体育会系の幸枝は、そんな心配はなさそうだが……。
「あー、美味しかった。さて帰ろう」
 今回は、行きも帰りも、新宿からのシャトルバスを利用した。早くて便利である。まだ8時前だったので、甘いものでも食べて帰ろうということになった。
「あっ、かき氷」
「いいね、かき氷」
 初めて意見が一致した。しかも、抹茶プラス、アイスのトッピングまで一緒である。



 これまで、飲酒後はコーヒーとケーキ、アイスというスイーツが多く、かき氷は初めてだ。でも、アルコールの分解に水は不可欠である。甘いものが欲しいという欲求が満たされる上、水分補給もできるのだから、飲み放題のあとはかき氷が一番、理にかなっているのではないか。
 実際、眠気に襲われることもなく家に到着したし、お風呂の順番が最後になっても、ストレッチをしながら待つことができた。飲んだあとは眠気に負けて、歯磨きと洗顔のみで布団にもぐり込むこともある。ちょっと、ちょっと、かき氷さん、アンタすごいんじゃない?
 ふと、この方法でいけば、飲み放題でも大丈夫という気持ちになってきた。
 うっ、ダメダメ。
 卒業……卒業するんだから!


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