これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

いま何時?

2017年06月29日 21時36分18秒 | エッセイ
 夜中に目が覚めた。
 時計を見ると、まだ2時台。もうひと眠り、と布団を引き上げた。
 もう一度目が覚めた。今度は部屋が明るい。時計を見ると……あれれ、やっぱり2時台のままだ。
「うっそ! この時計、止まっているじゃん」
 なんと、目覚まし時計が眠っていた。人間に起こされるとはどういうことだ。電波時計なのに、信じられん!
 置時計の針は6時を回っている。
「ひいぃぃぃ」
 急げ! 高速で動けば、お弁当も作れる! まだ間に合うから諦めるな!
 ちょうど3年前だったろうか。この事件のあと、私は電波時計が信用できなくなり、携帯電話のアラームで起きるようにした。以来、大幅な寝坊はしていない。
 電波時計のほうは、少なくとも年に2回は寝坊するようで、5時を回っているのに3時台のまま、なんてことがあった。そのたびに、私は時計を窓際に連れて行き、「起きろ起きろ」と揺さぶるのだ。しばらくすると、時計は何事もなかったかのように「5:38」などと数字を合わせ、すましている。
 ところが一昨日、理屈に合わないことが起きた。
 いつものように、5:20に起きて、私は紅茶をいれていた。NHKラジオからは「6月27日 今日は何の日」が流れてくる。ふと、電波時計に目をやると、むむむ、何かおかしいぞ……。



 3:84って何ですか……?

 一体何が起きたのだろう。
 てっきり、何らかの原因で時計が止まり、真夜中の時間が続いているのだと思っていたのだが、84分なんてあり得ない。首を傾げながらも、時計を窓際に持っていき、標準電波を受信させる。まもなく「5:42」に直っていた。
 退屈しないヤツじゃのう。
 ワタクシ、この時計を買ってよかったと思います。


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活字中毒患者の悩み

2017年06月25日 21時42分25秒 | エッセイ
 通勤電車の中では、常に何かを読んでいる。いわゆる「活字中毒患者」なのだろう。うっかり、雑誌も本も持たずに家を出たときには、駅でバッグの中を見て悲鳴を上げそうになるのだ。
 昨日は横浜に行った。みなとみらい線直通の副都心線に乗り、約70分間、ひたすら何かを読むか、疲れて居眠りするかを繰り返すつもりだった。まず、取り出したのは、あと少しで読み終える『多摩湖畔殺人事件』である。



 これは、1984年出版の作品だから、まだ浅見光彦は誕生していないようだ。鬼の河内と呼ばれる刑事が、犯人の度肝を抜く必殺技? で事件を解決する件が新鮮だった。
 次は、6月26日発売の日経ビジネスである。定期購読者には、23日に届けられるのが嬉しい。



 30分も読めば目が疲れる。雑誌を閉じて、目を休めると自然に眠くなるはずなのだが……。
 最近、乗り物の中で寝られなくなった。疲れていないせいもあるが、横になって暗くならないと、睡魔がやってこない。これも老化現象なのだろうか。若いときは、もっと寝られた気がする。
 ボーっとしていても仕方ないので、また日経ビジネスを開く。電車はまだ自由が丘付近を走っている。まだまだ着かない。結局、横浜に着いたときには、半分近くまで読み進んだ。
 娘との待ち合わせまで時間があった。ベンチに座り、また日経ビジネスを読みふける。買い物をすませて、帰りの電車に乗ったときも、眠れず続きを読んでいたら、残り3ページとなってしまった。
 これはまずい。
 日経ビジネスが終わってしまったら、月曜日の通勤電車で何を読めばいいのだろう。本棚を見ると、読みかけの本がないわけではい。



 しかし、朝から英語の勉強をするのは苦痛だ……。
 他には何もない。消去法で、やはりこれか?
 重度の活字中毒患者は、薬の「使用上の注意」やら、家電製品の「取扱説明書」やらも読むようだが、ストーリー性のないものは面白くない。将来、役に立つものや、明るい気分になるものを私は読みたい。
「そうだ、ヨドバシドットコムで防虫シートを買わなきゃ。ついでに、本も注文しよう♪」
 幸運にも、ヨドバシのポイントが5000円分ほどたまっていた。全額ポイントでの支払いにしたら、今日の正午に注文したのに19時に配達。お目当ての本が、嘘のように簡単に手に入った。



 受け取ったあと、ポストをのぞくと、定期購読中の『旅行読売』8月号が届いていた。



「やったあ! 読むものが増えた」
 さてさて、明日はどちらを持っていきましょうかね。
 ブルーマンデイのささやかな楽しみ。


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ズルして登る 立山黒部アルペンルート

2017年06月22日 22時34分01秒 | エッセイ
 安曇野で一泊したら、翌朝は立山黒部アルペンルートを目指す。
 バスの車窓から、雪の残る山が近づいて見えるので、どんどん気分が高揚してくる。



「ぐう」
 ……盛り上がっているのは私だけ。隣の娘は口を開けて寝ていた。
 立山黒部アルペンルートとは、苦しくツラい登山をせずとも、交通機関を乗り継いで標高2450mの室堂まで行くことのできる画期的な道である。



 お金を払う反面、楽してズルして、高い場所の別世界までひとっ飛び、というコンセプトに魅力を感じた。
 私たちは、長野側の扇沢からトロリーバス、ケーブルカー、ロープウェイ、もう一度トロリーバスで室堂に到着し、60分散策したら来た道を引き返して、扇沢に戻るというコースとなる。
 まずは扇沢。ここでは、トロリーバスの運転士になった気分で記念撮影ができた。



 ついでに、黒部ダムカードをいただく。



 ダムマニアと呼ばれる人たちは、全国のダムを訪れてはカードを集めているのだとか。クレジットカード並みのサイズだから、かさばらなくてよさそうだ。私はたぶん、この1枚で終わるだろう。
 トロリーバスの車内では、黒部ダムが完成するまでの困難が映像で紹介されていた。ダムの建築中、破砕帯と呼ばれる地下水を大量に含んだ軟弱な地層に当たり、工期が大幅に延びたという。掘っても掘っても天井から崩れ、冷たい地下水が大量にあふれて前へ進めない状態が続いた。建設に携わった人もたくさん亡くなった。だが、水を抜いたり地盤を固めたりして、7か月後には突破したのだからお見事というしかない。
 そんな苦労談が信じられないくらい、陽を浴びた黒部ダムは美しかった。



 まさか、水面がエメラルドグリーンに輝いているなんて。



 青い空や新緑の山との相性もバッチリ。これはいい。
 ケーブルカーでは運転席の後ろに乗れたので、前が見えて楽しい。



 お次はロープウェイ。すし詰め状態だったが、大観峰駅に着くと、素晴らしい景色が待っている。



「すご~い、キレイ!」
 展望台まで階段を上り、夢中でカシャカシャとシャッターを切った。



 この景色は、やはりパノラマでしょう!



 後日談だが、前日にレンズを交換した際、水滴がついてしまったようで、絶景を収めたはずの多くの写真に黒い点が入っていた。バカなことをしたものだ。
 悔しいから、また行かなくちゃ!
 正直いって、ここの写真が一番気に入った。時期が悪かったのか、肝心の室堂はイマイチだったからだ。
 一応、雪の大谷ウォークにも足を運んだ。



 しかし、何だか雪が黒ずんでいる。



 排気ガスなどで色がついてしまうのだろうか。
 4月の開通当初、雪の壁は19mあったそうだ。しかし、強い日差しで溶けてしまい、私が行ったときは12mしかなかった。これがお目当てならば、4月に行くことをおススメする。
「せめて、ミクリガ池さえ見られれば……」
 室堂の気温は、晴れていても10度未満である。足元の雪が、中途半端に溶けたまま積もっているから、ツルツル滑って危なっかしい。ミクリガ池まで500mとあるが、こんなペースでは時間内に戻ってこれないだろう。
「ちぇ~。もういいや。休憩しようっと」
 レジ袋からビールと



 おこわを取り出した。



 イスに座って飲み食いし、のんびりくつろぐ。室堂のハイキングを楽しむなら、雪のない7~9月がよさそうだ。ライチョウにも会えるかもしれない。こればかりは、行ってみないとわからないことだから勉強になった。
「さて、時間だ。行くか」
 集合場所に戻り、扇沢まで戻るルートをとる。行きにも感じたことだが、このルートには階段が多い。乗り場まで下るとか、乗り場から上るとか、展望台まで上るとか……。キレイな景色に惹かれ、室堂までは元気に昇降できたのに、帰りはやたらと足が重くなってきた。
「ふうふう、また上るのか……」
 黒部湖から黒部ダムに戻るときに、疲れが最高潮に達したようだ。
「階段は、ゆっくり上るとかえって疲れるよね。一気に上がったほうがいいんじゃない?」
 などとほざく、20代前半の娘について歩いたのが間違いだった。ハイペースで階段を上り切ったら、息は絶え絶え、目の前には星が飛び、とても立っていられない。酸欠か? ついでに話もできない。心臓は大きくなったり、小さくなったりを繰り返すかのように、皮膚の下でドッキンドッキンと音を立てている。 
「……お母さん、大丈夫?」
 グッタリしている私を見て、娘の方が驚いていた。年寄りに無理をさせると、こうなるのだと初めてわかったらしい。標高の高い場所だし、山登りと同じく小股でゆっくり上ればよかった。次回は気をつけよう。
 立山黒部アルペンルートに行かれる皆さん、階段は落とし穴ですよ~!


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わさび愛

2017年06月18日 22時19分28秒 | エッセイ
 はとバスの立山黒部アルペンルートのツアーは、安曇野で一泊する。
 この日の宿は、ホテルアンビエント安曇野。施設は少々古いが、部屋は広いし、温泉ありで満足した。





 旅行前までにやらなければならないことが多く、前日の睡眠時間はたったの3時間である。夕食後は、カラオケルームで歌ってカロリーを消費し



ゆっくり温泉に浸かってから寝た。パソコンがないとブログもSNSもできないし、家事からも解放されているし、本も持ってきていないから、ひたすら寝ようと決めていた。
「ぐうぅぅ~」
 翌朝は、すっきり目覚めることができた。睡眠時間7時間。何て幸せなのだろう。これからは、体力の限界が近づいてきたら、家ではなくどこぞのホテルに籠って、死んだように寝るのが一番である。
「さあ、朝食だ、朝食♪」
 私はパン党なので、焼き立てのクロワッサンをいただいた。ホカホカで幸せが倍増する。娘はご飯党だから、なめ茸や煮しめなどをお皿によそっていた。
「うっ、辛ッ!」
 娘が顔を歪めて叫ぶ。
「何食べたの?」
「わさび海苔ってやつ。佃煮なのに、すごく辛い」
「ああ、安曇野のわさびは有名だね。水がキレイだから栽培に適しているんだって」
「でも、辛すぎだよ」
 海苔だけではない。このホテルで購入したわさび漬けを夫に食べさせたら、「こんなに辛いの食べたことない」と涙ぐんでいた。伊豆のわさび漬けもよく食べたが、あちらは多少手心を加えて「苦手な人でも食べられる」辛さだった気がする。そのほうが売れ行きも伸びるのかもしれない。
 だが、安曇野や黒部あたりは遠慮なし、情け容赦なしの真っ向勝負のようだ。
 たとえば、アルペンルートの途中で買ったこの「わさび豚まん」。



 色や匂いがすでに、わさびである。一口、二口なら大丈夫だが、それ以上食べると咳が出て、鼻水が垂れてきて、涙がじんわりにじんでくる。額や口の下、わきの下に汗をかき、ハーハーヒーヒーしながら食べた。
 しかし、わさびの美容効果は大きいらしい。
「あれ、痩せてる……」
 帰宅後、体重計に乗ったら、1kg落ちているのには驚いた。さんざん食べていたのに。
「吹き出物が治ってる……」
 鼻の左側にできていた、しつこい吹き出物も全然目立たなくなっていた。もし、これがわさびの効果だとしたら、毎日大泣きしてでも食べるのだが。
 おススメは、このおみやげだ。



 ちょっと辛いかな? という程度の柿の種なのに、ある程度お腹も膨れるし、チーズともマッチしてなかなか美味しい。同僚に配ったら好評だった。これで美容効果もあったら、最強なのではないか。
 聞くところによると、安曇野には「大王わさび農場」なる施設があるらしい。
 辛党じゃないけど興味あるわぁ。


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上高地でこんにちは

2017年06月15日 21時22分26秒 | エッセイ
 週末を利用して、はとバスのツアーに娘と参加した。



 初日は、新宿から中央高速を経由して上高地へ。安曇野で一泊し、2日めは立山黒部アルペンルートから雪の大谷ウォークを楽しむコースである。
「バスなんだから、ソフトクリームはダメだよ。飲み物もちょっとにしておきなさい」
 釘を刺したのは私ではない。大学生の娘である。たたみかけるように、とどめの言葉が突き刺さる。
「いつも勝手に飲んで、勝手にトイレに行きたくなるんだから」
 しょんぼり……。否定はしないが、飲食を制限されると、ちとツライ。
 早めに申し込んだおかげか、バスの座席は最前列だった。だが、この日は、東名高速を走行中の観光バスを目がけて、乗用車が飛んでくるといった信じられない事故が起きている。景色よりも安全性を優先するなら、中ほどの席が一番いいのかもしれない。
 バスが走り始めて1時間半。早速、談合坂SAで休憩をした。時間はたっぷりあるし、そろそろ口さみしくなってきた。
「コーヒー飲みたいな」
「飲めばいいじゃない」
「でも、トイレが心配」
「じゃあ、やめれば」
「半分こしない?」
「いいよ」
「でも、お店に行列ができてる」
「あっちの機械は空いてるよ」
「機械じゃイヤ~」
「ケッ」
 結局、何も買わずにバスに戻った。あとから、これが正解だとわかった。可愛いバスガイドさんが、温かいお茶を振舞ってくれたからだ。



「おいし~」
 上高地はの気温は、27度のときもあれば、14度のときもあるらしい。どこかのサイトで、「この時期の平均気温は21度」と書いてあったような気がして、私は長袖2枚を着込んでいた。東京では少々暑かったが、上高地ではちょうどいいはずだったのだが……。
「皆さま、上高地は雨の模様です」
 松本インターを下りてしばらく走ると、フロントガラスに水滴が叩きつけられる天気に変わった。自由散策の時間が2時間半あるというのに、なんという不運。しかも、だんだん雨脚が強まっている。
「お母さん、どうするの? こんな雨の中、歩きたくないよ」
「同じく。上高地帝国ホテルでまったりしよう」
 元気なグループは合羽を着て傘を差し、大正池からハイキングに出発したようだが、すっかりやる気を失った私たちは、帝国ホテルでのんびりランチを楽しむことにした。



 天気が悪いせいか、ランチタイムでも満席ではなく、待ち時間なしで食事にありつけラッキー!



 食後にホテルを出たら、先ほどまでの攻撃的な雨が、小雨に変わっている。
「よし、河童橋まで歩こう」
「うん」
 残念ながら、穂高連邦は見えない。



 それでも、並んだ白樺がリゾート感を漂わせ



 都内の日常生活では味わえない爽快さが感じられた。
 雨だけど、来てよかった。
 それにしても寒い。寒すぎる。ほんの10分歩いただけで、指先が固まってしまったし、体が縮こまって背筋を伸ばせない。21度などという情報を信じた私がアホだった。
「河童橋ってアレじゃね?」



 バスターミナルは橋の手前にある。とても橋まで行く気にはなれず、離れた場所から写真だけ撮って、そそくさとバスに乗り込んだ。
「あったか~い」
「お帰りなさいませ」
 添乗員さんとバスガイドさんが笑顔で迎え入れてくれた。
「さきほど、現地の方と話をしていたら、今日の気温は9度とおっしゃっていました」
 ガイドさんの言葉に耳を疑った。
「きゅうどぉ?!」
 そりゃ、寒いわけだ。
 立山黒部アルペンルートの室堂では、6月でも最高気温が10度に届かないというから、中綿入りのコートをキャリーに入れてある。まさか、上高地でも必要になるとは思わなかった。
 さんざん飲み食いしたので、念のため、バスが出発する前にトイレに寄ることにした。
 ここはチップ制となっている。環境保全を願い、100円玉を料金箱に入れた。ついでに、「次の機会があったら晴れますように」と念じてみる。
 賽銭箱じゃないっつーの。


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食べる東京駅

2017年06月11日 23時23分59秒 | エッセイ
 煉瓦造りの東京駅丸の内駅舎が好きだ。
「えっ、あわ家惣兵衛が東京駅最中を作っているの? マジ?」
 ネットでレトロな駅舎をかたどった最中を発見し、これは買いにいかねばと決心する。
「ちょうど、東京駅に行く用事があるし」
 渡りに舟とばかりに、外勤の仕事が入ってきた。何て運がいいのだろう。本人は「日頃の行いの賜物」と思っているが、友人に言わせれば「単に悪運が強いだけ」。……どっちが正解でもいっか~。
 ところが、店舗の場所を調べてみたら、すでに閉店していることがわかった。
「え~、何で? ホームページには販売中って書いてあるじゃん」
 どうやら、駅舎最中だけは、ニューデイズやキオスクで売られているらしい。しかし、東京駅構内に、いくつあると思っているのか。
「こうなったら、片っ端から探してやる」
 まずは、降車した上野東京ラインホーム上のニューデイズから。
 新幹線のストラップなどは並んでいるが、最中はなし。よし、次に行こう。
 階段を下りて地下1階のグランスタに向かう。ここは期待が持てそうだ。美味しいものに敏感な私の鼻が、「あるぞあるぞ」と興奮し始めた。丸の内南口改札と書いてあっただろうか。脳内が最中に占領され、場所は正確におぼえていないが、カラフルな「KIOSK」の文字が目に入った。「近い近い」と心の発信音が鳴る。棚を探すと、埃をかぶった「東京駅丸の内駅舎最中」の箱にたどり着いた。
「あった~!」



 5個入りだが、ずっしりと重い。めげずに2箱買って、元気に持ち帰った。
 最中は細長い。



 箱から出すと、あらら、まさに東京駅ですわ。



 餡だけでなく、クリームも一緒に入っている。



 この組み合わせがイケてるぜ。美味しい!
 私が食べたのはこの1個だけである。5個は職場の同僚に配り、残りは夫と娘へのおみやげにした。
 ところが、娘がモタモタしているうちに、夫がひとつ残らず食べてしまったらしい。
「ああ、あれね。うまかったよ」
「…………」
 じゃあ、東京駅に行くたびに、買ってきてあげましょうか。


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ブラッド・ファーザー ~メル様へのファンレター

2017年06月08日 21時32分16秒 | エッセイ


拝啓 梅雨の候 メル様におかれましては、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
 さて、先日、新宿にて「ブラッド・ファーザー」を鑑賞させていただきました。貴男の度重なる問題行動に辟易させられた一ファンとしては、観ないという選択肢もありました。でも、無名時代の「青春グラフティ」や「ティム」、「誓い」などはレンタルしましたし、「バウンティ」「燃えつきるまで」「ミリオンダラー・ホテル」などは、数少ない上映劇場まで足を運んで観たものです。これを見逃すと、あとから後悔するような気がして、一応劇場まで駆けつけた次第です。
 ちゃっかり映画ファン感謝デーを選んだことで、たとえ作品に不満があっても、財布への打撃が最小限になる工夫もしました。武蔵野館に行くのは初めてでしたが、座席の座り心地はよかったし、館内の昭和らしい雰囲気も気に入りました。いい映画館で何よりです。
 今回は、酒とクスリに溺れ、家族に迷惑をかけたダメ親父の役でしたね。正直いって、お肌の曲がり加減には驚きました。「フォエバー・ヤング」のときにも、ずいぶん老けたと感じましたが、それ以上です。一体おいくつになったのかと調べてみたら、1956年生まれの61歳じゃないですか。まだまだお若いはずです。若返りのカリスマ、ドクター南雲は1955年生まれですよ。ぜひ、ゴボウを召し上がってはいかがでしょうか。
 しかし、アクションにはキレがあり、往年のままでしたね。連日、睡眠不足のため、暗い場所では眠くなりやすい私ですが、その心配はまったくありませんでした。低予算ながらも、見せ場では握りこぶしに力が入りましたし、車の中での暴れっぷりには惚れ惚れしました。冒頭と輪になったようなラストも、上手にまとまった印象です。
 上映終了後、私の後ろを歩いていた初老サラリーマンが「よかった……」とボソボソひとり言を言っていました。つぶやきが耳に入った瞬間、胸の中に大きなろうそくが灯った気がしたのです。劇場内はほぼ満員でしたが、皆満足げで、昔からのファンなのだろうと察しました。知り合いは誰一人としていないのに、この親近感は何なのか不思議に思いました。
 まずは、完全復活おめでとうございます。
 これからの、ますますのご発展をお祈り申し上げます。                   敬具
                          
 平成29年6月8日                                     笹木 砂希

 メル・ギブソン様


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オー マイ ドット

2017年06月04日 21時19分02秒 | エッセイ
 仲良しの音楽の先生から、美のマストアイテムをいただいた。
「100均で買える割には効果バツグンなの。むくみが取れますよ」
「わあ、うれしい。ありがとうございます!」



 むくみやすいことが私の悩みだ。でも、このローラーをふくらはぎや膝の裏でコロコロ転がせば、足も顔も引き締まるのだとか。今まで弾性ストッキングに頼っていた彼女が、普通のストッキングに替えたと聞き、私も真似することにした。
 ストッキングの上からでも効くようだが、その日はパンツを履いていた。家に帰り、着替えをしながらローラーを素足にコロコロ。ほどよい刺激に、ふくらはぎもすねも目覚めたらしい。血行がよくなり、体がポカポカしてきた。これは効きそうだ。
「わあ、明日が楽しみ。さーて、おやすみなさ~い」
 ぐっすり眠り、目覚めた翌朝、鏡の中の私はいつもより引き締まった顔に見えた。
「おお、やはり効果はあったのね。ちょっと小顔になったような気がする」
 しかし、着替えを始めて驚いた。右のふくらはぎに、ローラーでできたと思われる斑点ができていたからだ。



「うっそ~! 強くやりすぎた?」
 触るとちょっと痛いような……。
「ここでメゲてちゃダメだよね。もっとソフトに当てればいいってことじゃん」
 水玉模様のできた箇所は避け、無傷な場所に再びローラーを滑らせる。今度は軽く軽~く。こんな力で効果が出るのか、はなはだ疑問ではあるが仕方がない。
「ん? 足の裏が気持ちいい」
 うっ血しなさそうな足裏には、グリグリと力を入れて刺激した。蓄積された疲れが取れるような心地よさに、何往復もしてしまった。
 さすがは皮膚の分厚い足の裏。これだけやっても、次の日、内出血のあとはない。
 でも、でも、でも、気をつかって優しくコロコロした両足に、たくさんの水玉模様ができているのは何故だろう……。草間彌生の展示品かと思うようなドット柄が、右のふくらはぎや左の膝周りにくっきり浮き出ており悲しい。
「へ~、これ気持ちいいじゃない。足の疲れも取れるし、肩こりにも効くよ」
 大学3年の娘は力の加減をせず、ゴロゴロ乱暴に扱っているが、内出血とは無縁のようだ。私だけが、水玉模様を量産しているとわかった。
 それでもメゲてはならん。
「水玉がなくなったら、またやってみるか~」
 美の女神は、あきらめの悪い人を見捨てないはずよ。きっと!


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軽いオンナ

2017年06月01日 21時26分32秒 | エッセイ
 最近、仕事帰りに駅から家まで歩くと、やけにバッグが重く感じる。
「お弁当は空になったのに、何でこんなに重いんだろう」
 家に着き、さっそく荷物を仕分けした。加齢により腕力が低下したようだ。こんなに重くては、腰や膝に負担がかかるかもしれない。ただちに軽量化を図らねば。鍵に手帳、定期、眼鏡、日傘は必需品だが、他に不要なものはないだろうか。
「化粧品は持っていくのをやめよう。どうせ化粧直しなんかしないし」
 このところ、すっかりズボラになり、ファンデーションを塗り直したためしがない。リップクリームと口紅以外はポーチから取り出した。
「うう、一番重いのは財布だ……」
 小銭ジャラジャラの財布が元凶のようだが、紙幣だけにしても、ポイントカードやクレジットカード、診察券などがあれば、たいして軽くならない。そもそも、革製の財布自体が重い。
「よし、思い切って、合皮の小さな財布にしよう。現金は最小限だ」



 これには勇気がいった。いつどこで現金が必要になるかわからないが、クレジットカード1枚とパスモ、ドトールバリューカードさえあれば、何とかなるだろう。せめてチャージは多めに。
「小銭は預金すればいっか。保険証は持って、診察券は置いていこう」
 ちょっぴり荷物が減ってきた。
「デニムのバッグもいけないね。鋲までついているから。ビニールの手さげに替えるか」



 これで、かなり軽くなった。
 手持ちの現金がわずかだと、浪費にブレーキがかかる。「あんまりお金持っていないから我慢しよう」となるのだ。買いたいという衝動に勝つと、食べたい、飲みたいなどといった欲望も抑え込めるようになる。物欲や食欲が減退した分、身軽になった気がする。
「よし、いい感じだ。この調子で頑張るぞ」
 いずれは、お弁当が入る程度の小さな手さげで通勤できるといいのだが。
 誰です?
 いつまで続くかな、なんて意地悪なことを言っているのは……。


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