これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

お酒いりません!

2015年11月29日 20時10分32秒 | エッセイ
 さて、今月は、11月4日以降2回しかお酒を飲んでいない。休日に、昼間からビールを開ける習慣はやめようと決めたからだ。
 元々、お酒は強くない。ビールだったら、ショート缶1本でほどよくできあがる。それなのに、11月3日は調子に乗って2本続けて飲んだせいか、体調が悪くなった。まず、翌朝の寝起きが最悪。目覚ましが鳴っても、頭がボーッとしてなかなか動けない。ようやく起きても、体が思うように動いてくれない。頭の回転も遅いし、歩くのも立つのもおっくうだ。
 みんな、ビールのせい……。
 何でわざわざお金を払って、体調が悪くなることをしているのだろう。そもそも、ショート缶のビールだったら、小売価格の3分の1が酒税と言われている。余計な出費をしてまで飲む価値があるのだろうか。
 否!
 急にバカバカしくなり、友人や親族と食事するときや、職場の親睦会以外はお酒抜きの生活をしようと決めた。そして、今のところ守れている。
 飲まないと、いいことばかりがやってくる。
 まず、体が軽くなった。内臓への負担が小さくなり、健康になったことに加えて、体重・体脂肪が減ったせいである。食事制限しなくても、職場に通うだけで勝手に痩せてくれるからありがたい。
 それから、肌がきれいになった。以前は口の周りに吹き出物ができたり、頬骨の下あたりがカサカサしたりで悩んでいたが、今ではすっかり解消している。内臓の疲れが影響していたのだろうか。
 もうひとつ、明るく活動的になった。料理をするにも掃除をするにも、鼻歌を歌いたくなるし、青信号が点滅を始めたら「走れぇ~」と頭の中で号令がかかる。何だか、じっとしていられない。
 脱アルコールで得たものが大きいと、もう元には戻れない。この7本のビールは、来客に飲んでもらおう。



 さて、今日は11月29日である。
「いい肉の日だって。肉食べたい」
 家族が肉、肉とうるさいので、夕飯はヒレステーキにした。



 飲み物?
 私は水でいいで~す!


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柿右衛門と松濤ケーキ

2015年11月26日 22時14分12秒 | エッセイ
 松濤美術館のあとは、松濤カフェでランチを楽しむ。Bunkamuraの一角にあるこのカフェは、「松濤ケーキ」でブレイクしたようだ。
「ケーキの前にローストビーフサンドを食べようよ。Sサイズをシェアすれば、ちょうどいいでしょ」
「なになに、シェアは200円増しで、スープとビーフが倍量になるって書いてある」
 簡単に考えていたのだが、思ったよりも量があった。



「美味しい! でも、結構お腹いっぱいになるね」
「このあと、松濤ケーキだよ。こっちが本命なんだから」
 松濤ケーキは、トッピングが種類豊富なことで知られている。私が選んだのは、もりもり生クリームと大納言あずきである。ケーキはプレーンにした。



 娘は生クリームが苦手なので、バニラアイスとバナナ、チョコレートソースを注文した。



 ケーキは信じられないくらいふわふわで、しっとり感があり甘すぎず、口の中でとろけるような舌触りである。
「うま~」
「これはヤバい」
 本当に美味しかったのだが、こちらも量が多い。ローストビーフサンドと同様に、シェアするのがちょうどいいとわかった。次回は欲張らないようにしよう。
「ゲーップ。もう食べられないよ」
「そう? お母さんはまだまだいけるけど」
「この人、お腹がおかしい」
 実は、このあと、戸栗美術館に行きたいと思っていた。ここは、古陶磁専門美術館であり、松濤カフェから歩いてすぐの場所にある。ちょうど、私の好きな柿右衛門が展示されているのだ。
「カキエモンって何?」
「佐賀県の陶芸家一族だよ。今、15代目なんじゃないかなぁ」
「右って漢字が余計じゃね? 興味ないから帰ろうよ」
 娘は腹が重くて歩きたがらない。グズグズ文句を垂れていたが、見る気満々の私には何を言っても無駄と悟り、黙ってついてきた。
 初めて柿右衛門を見たのは、上野で開催された「大英博物館展」である。色鮮やかな象にすっかり魅了され、17世紀にイギリスに渡っていたことを誇らしく思った。



 松濤らしい高級住宅街の中に、美術館は溶け込んでいた。



 開催中の展示は、「柿右衛門・古伊万里金襴手展」である。



「一般1枚と大学生1枚です」
「学生の方にはポストカードをプレゼントしておりますので、お好きなものを1枚選んでこちらにお持ちください」
 おっ、ポストカードがもらえる! ラッキー!
 にやけている私を見て、娘が気を利かせた。
「どれがいい? お母さんの欲しいやつでいいよ」
「じゃあこれ」



 私は「柿右衛門様式」と書かれた瓶を選び、娘に手渡した。
「ふーん。こんな感じなんだ」
 館内は撮影禁止だが、パンフレットやリーフレットから、柿右衛門の素晴らしさが伝わるのではないだろうか。







 本物を目にした娘には、欧州に受け入れられたこの美が理解できたようだ。
「へー。悪くないじゃない。赤が印象的だけど、真っ赤じゃないんだよね。品のある朱色ってところかな。繊細ですごく丁寧に描いてあるし、クオリティが高いよこれは」
 よしよし。
 柿右衛門は、動物や植物、人物が生き生きと描かれており、たしかな画力を感じる。加えて、色づかいが素晴らしい。決して派手ではないけれど、印象に残る色の配置をしているのだ。これはセンスの問題であろう。
 作品の批評をしながら、1時間ほど館内を見て回り、1階のラウンジでコーヒーを飲む。まるで、ホテルにいるような、くつろぎ感のある美術館だ。
「今日は、すごく楽しかったなぁ」
 娘も満足してくれたようだ。もちろん、私だってそう思っている。
 ネットで検索したら、柿右衛門のお皿が販売されているらしい。
 松濤ケーキを載せて食べたら、格別な味がするかもしれない。


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松濤のファラオ

2015年11月22日 21時01分44秒 | エッセイ
 渋谷にある松濤美術館では、明日23日まで「古代エジプト美術の世界展」を開催している。



 エジプトフリークの娘を連れて、見に行ってきた。



「えーと、一般が500円、大学生が400円だって」
「安ッ!」
 しかし、展示品は147品と充実していたし、鉛筆だけでなくクリップつきのボードまで貸してくれるから、ここまで親切な美術館はそうそうないと思う。
 勉強道具があると、がぜんやる気になる。作品リストに、知り得た情報を次々と書きこんでいった。
「えーと、ヒエログリフとは、神聖な彫られた文字……」
「トト神とは、トキの神様のこと……」
「ネコは性と多産のシンボル……」
「ジャッカルは、道を切り開く者の意味……」
 私がちまちまと記入している間に、娘はレリーフの前に移動している。
「ヒエログリフの意味はわからないけど、見ていて飽きない。すごいね~!」
 印象的だったのは、「呪いの人形」という作品である。呪いをかけるには、アラバスターでできているこの人形に、呪いたい人の名前を書いて破壊すると書いてある。のっぺりした頭部には、恨みつらみが込められている気がして怖かった。
 順路通りに2階に行くと、ソファーの並んでいる一角があり、品のいいおじいさんたちが小声で美術品について会話を交わしていた。美術愛好家のサロンのようだ。区立とはいえ、高級感漂う雰囲気は、松濤という地域ならではだろう。
「見て、『死者の書』がある」
 娘は少々興奮気味だ。これは、墓に副葬する物で、死者が来世で復活するため携えるという。ここでは、もっとも有名な「呪文125のビネット」が公開されているらしい。展示のサブタイトルである「魔術と神秘」を彷彿とさせる作品である。館内は空いていたし、2人並んでじっくり眺めることができた。
 他にも、死者が行き来するという「偽扉」や、イブ・サンローランのコレクションだった「ホルエムアケトの人型の棺」、ミイラに被せられた木製の蓋である「マミーボード」などなど、大きな展示品も堪能して出口に向かった。
 1階で、ファラオの衣装が目に入る。
「あ、これは、ファラオに変身できる衣装じゃないかな」
 たしか、ホームページに記念撮影用の貸出衣装があると書いてあったはずだ。コスプレマニアの私が目の色を変えて駆け寄ると、娘は露骨に嫌な顔をした。
「えっ、着るの? 本気?」
「もちろん。こういうの大好きだもん」
 タイミングよく、係の女性が気づいてくれる。
「お召しになりますか。まず、この服を着てくださいね。それから頭にこれを被って……」
 てきぱきと私をファラオに変えてくれる。
「はい、では腕をクロスさせて、お写真どうぞ」
 娘がシャッターを押してくれる。



 なかなか本格的でしょう?
 ちなみに、額には「ウラエウス」という聖なるコブラがついている。これがファラオの証しであるという。
 調子に乗って何枚も撮影していたら、通りかかったカップルが驚いていた。
「えっ、あれ着られるの? ヤバ~」
「あとで撮ろうよ」
 えっへん。どんなもんだい!
 この美術館は花マルでした。


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大逆転

2015年11月19日 20時45分54秒 | エッセイ
 職場近くのパン屋さんは、毎週木曜日に菓子パンセットの配達をしてくれる。
「障がいを持つ子どもたちが作っているパンだから、人助けもできて一石二鳥よ」
 11年前に赴任したとき、隣の席だった女性に誘われて、私もパンを買うことにした。当時は10人くらいいたはずだ。
 ところが、異動で年々メンバーが減り、代わりに入ってくれる人が一向に見つからない。昨年度はついに4人になってしまった。しかも、今年度はさらに2人が異動することとなり、たった2つを配達してもらうのは気が引けた。
「どうします? もう終わりにしますか?」
「うーん、仕方ないですね。2人だけじゃ」
 残された者で相談し、配達をやめようと思ったときに、都合よく救世主が現れた。
「あのう、私も4月からパンを買いたいのですが、お願いできますか」
「僕も買いたいです。美味しそうですよね」
 いつもパンを受け取ってくれる事務室の職員が、2人も仲間に加わってくれた。これでまた4人に戻り、配達を続けることができる。
 パンは3個で425円。白い袋に小分けされ、焼き立ての香ばしい香りを漂わせてやってくる。
 先週はフランス生地に黒こしょうを巻き込み、ゴマをトッピングした「セサミペッパー」と



 てっぺんの白いクリームがうれしい「アメリカンシナモンロール」に



 4種のきのことミートソースを食パン生地で包み焼き上げた「きのこミートソースパン」であった。



 季節のイベントにも敏感で、5月には可愛い「こいのぼりパン」が入っていた。



 12月にはサンタのパン、1月には新年の干支のパンが毎年登場するので、この先も楽しみだ。
 先日、ハロウィンのガイコツパンの写真を撮っていたら、別の職員が興味を示して話しかけてきた。
「面白いパンですね。私も食べてみたいです」
 おや、今度は5人に増えた。
 もし、「一緒にパンを買いませんか」などと誘ったら、押し売りと間違われそうである。でも、実物を見ると「美味しそうだな、食べちゃおうかな」と心が動くものらしい。食べ物の誘惑には誰もが弱い。
 驚いたことに、やがて事務室長までが声を掛けてきた。
「あ、笹木さん。僕もパンを買いたいので、申し込んでもらっていいですか?」
 これで6人。事務室の2人に影響されて管理職までが仲間になってくれた。
 そして、先週は事務室の新採くんが、もじもじしながら話しかけてきた。
「ああの、ぼ僕もパンをお願いしたくて」
 何と7人目ではないか。3月のときは、配達をお断りしようと思っていたくらいだったのに、まさかこんなに増えるとは。
 逆転満塁ホームランを打ったような気持ちである。いやいや、まだ増えるかもしれない。なるべくパンを見せびらかすようにして、「ほうら、食べたくなるでしょう?」とアピールしちゃおうかしら。


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仮面ライダーと同窓会

2015年11月15日 19時55分31秒 | エッセイ
 高校の教員になり、初めて卒業生を送り出したのは12年も前のことである。
「僕たち今年で30歳だから、記念に同窓会を開くんです。よかったら、先生たちも来てくれませんか」
 幹事と仲のよい男子から知らせを受け、喜んで参加することにした。
 一緒に学年を持った元同僚と会場に行くと、すでにたくさんの卒業生が集まっていた。
「えー、誰が誰だかわからない。全然おぼえていないわぁ~」
 元同僚は苦笑していたが、受付ではネームプレートが配られている。名札さえあれば、心強いというものだ。偉いぞ、幹事!
「こんにちはぁ。お久しぶりです」
「こんにちは。今日はありがとうございます。元気でやってる?」
「はい。先生も?」
 こんな会話を繰り返し、何人もの元生徒と言葉を交わした。女子はみんなキレイになっていて、恋に仕事にと充実した毎日を送っているらしい。3分の1ほどがママになったという。子どもの世話を通して、ますます大人になるだろう。
 男子は、仕事がきついのか、ガリガリに痩せてしまった子がいたり、逆に原型をとどめないほど太ってしまった子がいたりと極端だ。
「先生、オレ、20キロ太りましたよ」
「オレも~」
 ……この人たち、病気になっていないかしら。
 実に不安だ。
 中には、高校時代からまったく変わらず、マイペースに生きている男子もいて頼もしい。
「それでは皆さん、記念撮影をしたいと思いますので上座にお集まりください」
 幹事の呼びかけで場所を移動する。ここで、会場の名物ハニートーストが登場した。



「先生方、お世話になりました。本日はお越しくださいましてありがとうございます」
 幹事の挨拶に、会場がドッと沸く。何と、花束贈呈もあるではないか。高校を卒業してからの成長ぶりに、胸が熱くなった。
 撮影が終わると、ようやく周りを見る余裕が生まれた。おやおや、たくさんのフィギュアが所狭しと飾られている。



 ここにも。



 あそこにも。



 あとからわかったことだが、ここは「仮面ライダー ザ ダイナー」という場所だったらしい。マニアだったら大喜びするのに、卒業生たちは一向に興味を示さない。面白がって写真を撮っているのは私だけ。







 特に等身大の「仮面ライダー旧1号」と



「旧2号」には、カメラが向けられそうなものなのだが。もったいないことである。



 旧1号の近くには、ひな人形のように並べられたフィギュアもあり、なかなかの迫力だ。



「何やってんですか、先生。仮面ライダー好きなんですか」
 後ろから男子が2人、怪訝な表情で近づいてきた。変な人だと思ったのかもしれない。
「うーん、特に好きじゃないけど、価値があるよこれは」
「そうですか。じゃあ、ここに座ってください。撮ってあげますよ」
 仮面ライダー旧1号と旧2号の間には、ショッカー首領のイスがある。
「わーい」
 私は男子の1人にカメラを預け、玉座に腰を下ろした。
「もっと偉そうに、肘掛けに腕を置いて、足を組んでください」
「こう?」
「そうそう」
 パシャッ。



「じゃあ、縦でもう1枚」
 パシャッ。
「イエーイ、ありがとう~!」
 すっかりハシャいでしまった。幹事の女の子は、「先生、飲み過ぎていませんか」と声をひそめて話しかけてくるが、飲み過ぎどころか話してばかりいて、料理もお酒もほとんど口にしていない。
 お腹がすいて料理の近くに行くと、別の女の子たちがハニートーストを切り分けている。何とグッドなタイミング。
「アタシにも、アタシにも」
「はーい。先生どうぞ」
 食パンと生クリームはよく合う。フルーツも載っていて、とても美味しいが、フォークやスプーンでは食べづらい。
「先生、これは箸で食べるのが正解だと思います」
「あっはっは」
 あっという間の3時間だった。最後に教員から挨拶をして、幹事をねぎらい、楽しい同窓会は終了した。
「じゃあ、今度は40歳のときにお願いします」
「はーい! 元気でね」
 ブンブン手を振って別れを惜しんでいたら、幹事の女の子がまた声をかけてくる。
「先生、大丈夫ですか。お酒に強くないのでは」
 ……どうも彼女は、私が酔っ払いだと思っていたようだ。
 間違いではない。お酒ではなく、雰囲気に酔った。私の中では未熟な高校生だった子どもたちが、立派な社会人になって、見事な成長ぶりを見せてくれたのだ。こんなに素敵なことはない。
 家に帰って、花束を取り出す。



 今日はどうもありがとうございました。


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ジョンソンタウンでいただきまーす!

2015年11月12日 20時49分43秒 | エッセイ
 入間のコストコで娘と買い物をしたあとは、ジョンソンタウンに向かう。
 以前、ブロ友さんの記事に「ロコモコが美味しい」と書かれていたので、探してみた。
「ここかな。メニューにロコモコって書いてある」
「でも、平日のみだって」
「ダメじゃん」



 すっかりロコモコモードになった娘は、別に店を見つけようとして歩き出した。
「ここは?」
「聞いてみよう。すみませーん」



 結果は同じで、土日はロコモコを作らないという返答である。
「でもさ、ここのランチはよさそうな気がする」
 私の嗅覚は「入れ」と告げている。実のところ、ハンバーガーを食べたかったので、ハンバーグランチにした。



「じゃあ、ミキはバジルチキンにする」



 予想通り、メチャクチャ美味しい。スープも絶品だし、サラダもハンバーグも申し分なし。料理のクオリティはかなり高かった。
 気をよくして店を出たら、雑貨店でおみやげを見る。アメリカっぽいものだけでなく、アジア的なものやブリティッシュなものも売られていた。
 私が気に入ったのは、MADE IN UKのショートブレッドである。



 ワンちゃんが可愛いだけでなく、バターをたっぷり使っていてコクがあり、いい味だ。
 幹線道路に出たら、狭山茶のお店を発見した。
「いらっしゃいませ。ただいま、お茶をいれますね」
 店内で飲んだお茶は、口当たりがまろやかで、誰とでも打ち解けられる女の子のようだった。
「いかがですか。こちらは秋のお茶です」
「うーん、もっと香りが強くて、尖った味のお茶はありませんか」
 私はハッキリとした味が好きなのだ。
「そうですね、好き嫌いは分かれますが、こちらはいかがでしょう」



 これにも嗅覚が働き、買うことを即決した。のちほど、飲んでみたら、渋みと苦みのバランスが期待通りで大満足。ぜひ、おススメしたい。
 30分ほど歩いたせいか、甘いものが欲しくなった。実は、お茶屋さんでソフトクリームを食べたのだが、もっとこってり系のものがいい。
「おやつ食べたい」
「は? お腹いっぱいだけど」
 娘は呆れていたが、私は食後のデザートを求めてカフェを探した。
「あ、クレープ。ここにしよう」
 ケーキもいいけれど、私はクレープがことのほか好きである。
「生クリームとあずきとイチゴのクレープください」
 ジャジャーン!



 これも花マルの味。膨らみからわかるように、あずきもイチゴも生クリームも、たっぷり入っている。黄金色の皮の中で、美味しいものがゴロゴロ集まっているのがうれしい。あっという間に平らげた。
 土曜日の昼下がりとあって、家族連れやペット連れ、若いカップルに老夫婦などが楽しそうに街中を歩いていた。どの顔も微笑み、幸せそうに会話を続ける。ここにいると、平日の喧騒や多忙さを忘れてしまいそうだ。
「ジョンソンタウンって好きかも」
「ミキも。今度はロコモコが食べられる日に来ようよ」
「そうだね」
 平日で来られる日となると、12月か1月。仕事の合間を縫って、時間を作ってみたい。
 食い意地は人を行動的にさせる。
 それとも、私だけ?


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初めてのコストコ

2015年11月08日 21時37分49秒 | エッセイ
 娘のゼミでは、月末に販売実習が予定されている。
「チュロスを売ることになって、ミキは仕入係だよ」
 経済学部らしく、仕入原価に諸費用をプラスして販売原価を計算し、損益分岐点まで求める実習だという。価格を調べたら、業務用スーパーよりもコストコが安いので、買いに行くと言い出した。
「何個買うの?」
「125個。1箱25個入りだから、5箱買ってくる」
「えー、一人じゃ持って帰れないでしょ」
 彼女は、かなりの量と重さになるということがわかっていなかった。ちょうど、その日は私も予定がなかったから、一緒に行くことにする。
「コストコは会員制なんだって。写真部の先輩が会員カードを持っているから、一緒に来てもらうんだ」
 1枚のカードで3名までが入店できるらしい。以前から興味はあったので、これ幸いとばかりについて行った。
 店内はやたらと広い。天井も高くて、5メートルくらいはありそうだ。
「上の方の商品を取るにはどうしたらいいのかな」
 素朴な疑問を口にすると、娘がおどけて答えた。
「3人くらいで肩車すればいいんじゃない」
 先輩も負けていない。
「いやいや、10段ピラミッドを作ればいいのよ」
「ははは」
 それにしても、商品の大きいこと大きいこと。
 こん棒と間違いそうな豚肉や、1ダースのじゃがりこ、876gのキットカットなど、ジャンボサイズの商品ばかりが並んでいる。しかも安い。もちろん、カートもビッグサイズで、大人が3人くらい乗れそうだ。
「えーと、チュロス、チュロス」
「どこかな」
 ウロウロしていると、クリスマスコーナーがあった。ツリーやリース、電飾にオーナメントなどが並んでいる。
「あ」
 ツリーの奥にはお酒がある。その中に、見覚えのあるボトルを見つけた。たしか、以前、姉がクリスマスパーティーに持ってきてくれたヴーヴ・クリコではないか。近寄ってみると、やはり間違いない。
「えっ、これ、4338円で買えるの? 安いんじゃない?」
「…………」
 飲まない先輩と、未成年の娘からは何の反応もない。
「モエ・エ・シャンドン・ロゼも5068円だって! 欲しいなぁ」
 普段はシャンパンなんぞ飲まないが、クリスマスくらいはお金をかけてもいい。せっかくコストコに来たのだから、自分用のおみやげがあるとうれしいではないか。
 私ひとりで盛り上がり、そそくさとボトルをカートに入れる。先輩と娘は無言で顔を見合わせていた。
「あった、あった。チュロスはここだ」
 無事、5箱のチュロスを買い、レジを通過した。運搬用のキャリーにチュロスを入れていたら、見知らぬ奥様が話しかけてきた。
「あら、たくさんね。それ美味しいの?」
「いえいえ、自分用じゃないので」
 まとめ買いをすると、他の客に与える影響があるらしい。もしかして、その日はチュロスの売り上げが上がっていたりして。
 ちょっと重かったけれど、シャンパン2本をエコバッグに入れて帰宅する。並べてみたら、クリスマスが待ち遠しくなった。



 うふふふ~♪

 しかし、2本も持ち歩いたせいで、翌日は見事に筋肉痛である。
 欲張りばあさんになった気分……。


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哀しみのアルテイシア

2015年11月05日 21時23分34秒 | エッセイ
 仕事を早く切り上げ、池袋に向かった。目指すはシネマサンシャイン。ガンダムオタクなら見逃せない、「THE ORIGINⅡ 哀しみのアルテイシア」が上映されているからだ。
 事前に、facebookで情報は仕入れてある。ディープなファンが、何枚も買ったチケットをアップしていた。この人はすべて自分ひとりで観るらしい。
 思った通り、劇場内には男性を中心とした中高年ばかりが集まっていた。
「ブルーレイとプログラムと、〇〇と××にコーラをください」
「はい、13500円になります」
 買い過ぎじゃねと思ったが、商品を受け取ったサラリーマンがうれしそうな顔をしていたので、こちらもクスッと笑いたくなる。きっと、この人はこの日をずっと楽しみに待っていたのだろう。ファン同士は、何となくわかり合える。
 上映時間は58分で、前作より短い。今回の最大の目玉は、キャスバルと同じ年で顔もそっくりな「シャア・アズナブル」という少年が出てくるところだろう。



 違っているのは瞳の色だけ。キャスバルは青だが、シャアはとび色をしている。キャラクターデザインは楽でいい。2人がどのように関わってくるかが重要なポイントである。ファーストで、シャアが仮面をつけている真の理由が見えてきた。
 しかし、キャスバルの凶暴さにはげんなりした。キレやすい子みたいな描かれ方は、よろしくないと思うのだが。
 事前情報によると、プログラムには誤植があるらしい。
 これが問題の箇所だが、最初はどこが間違っているのか気づかなかった。



 この女性は「キシリア・ザビ」という名前なのに、「キリシア・ザビ」になっている。
 ついでに、前作のパンフレットでも、「キリシア」となっていたのには驚いた。



 指摘されるまで、ずっとわからなかったかもしれない。
「人は、最初と最後の字があっていれば、間に間違いがあっても気づかないんだって」などと言われたことを思い出した。
 ラストは、「ここで終わるか!?」という絶妙のタイミングである。「哀しみのアルテイシア」というより、「哀れなアルテイシア」というタイトルのほうが正しい気がした。とはいえ、来春公開の3作目「暁の蜂起」が待ち遠しくて仕方ない。
 公開は11月13日まで。13日なら、多少は時間がとれる。
 最終日で混んでいるかもしれないが、もう一度観に行きたい。


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ハロウィンウインナーパイ

2015年11月01日 17時35分31秒 | エッセイ
 昨日はハロウィンだった。
 仮装するわけではないが、ちょっぴり変わったことをしたくなる。
「はーい、今日のおやつはハロウィン・スイーツですよ~」
 


 これは和菓子で、中にはカボチャ餡が入っている。なかなか好評だった。
 夕食も、多少は手の込んだものを作りたくなる。
 本を見て、ハロウィンの料理を調べてみた。
「よし、これなら簡単にできそう」
 私が選んだのは、ハロウィンウインナーパイである。



 市販のウインナーに、細く切った冷凍パイシートを巻きつけ、オーブントースターで焼くだけ。熱いうちに、チーズと黒ゴマで作った目をセットするのだ。これは手軽でいい。
 ところが、パイシートが曲者だった。
「あれ? 売り切れだ……」
 1軒目のスーパーにはなかった。2軒目も3軒目も棚は空っぽ。「パイシート 348円」という札だけを残して、家族旅行に出かけたような雰囲気だった。
 さて、どうしよう。
 パンプキンパイを作るわけではないので、他のもので代用できないだろうか。
 最初に浮かんできたのがパスタやうどんだった。
「でも、麺類は弾力性があるから、うまく巻きつかないかも……」
 ボツ。
 それから、野菜が候補に上がってきた。
「スライスしたジャガイモをピーラーで薄くそいで、茹でたものを巻きつけたらどうかしら」
 いいアイデアだと思ったのだが、冷蔵庫にジャガイモはなかった。代わりにあったのが大根。でも、大根とウインナーなんて組み合わせはあり得ない。
 これもボツ。
「いっそのこと、スライスチーズを細く切って、目と一緒に巻きつけてみるか……」
 苦しまぎれの策だったが、意外にうまくいった。見本とは少し違うが、ほぼ同じような料理のでき上がり。



「美味しい!」
 チーズとウインナーの相性もバッチリで、これまた好評だった。
 ついでに、カボチャのグラタンも添えて、今年のハロウィンは終了である。



 ここで一句。
 「パイシート 9月のうちに 買っておけ」
 いい教訓になりました……。


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