これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

大根おろしアート入門

2015年05月31日 20時52分13秒 | エッセイ
 気になる本があると、つい買ってしまうのが私の悪い癖である。



『大根おろしアート』
 中をめくってみると、ゴマフアザラシ、パンダ、アルパカ、クマなど、いろいろな動物が登場し、ほのぼのしている。簡単そうに見えるし楽しそうだから、やってみようと思った。
「今日はメカジキの青さ焼きにしよう。で、ゴマフアザラシを載せたらどうかしら」
 小麦粉と青のりを1対1の割合で混ぜた衣を、メカジキの切り身にまぶして焼くと、青さ焼きができる。これに大根おろしを載せて、醤油をかけて食べると、とても美味しいのだ。
 まずは大根おろしを作る。余分な水気を切らねばならず、10cmほど使った。おろし金と格闘し、筋肉痛になりそうだ。
「えーと、茶こし、茶こし」
 大根おろしを絞るときは、茶こしがあると便利かもしれない。身は網の中にキープ、水分はみそ汁に入れて捨てないようにする。そうこうしている間に魚が焼け、成形のときがやってきた。
 絞ったおろしを手にのせ、楕円形に丸めてみる。紙粘土よりは軟らかく、扱いは難しくない。尾っぽの方を細く薄く伸ばせば、それらしく見えるような見えないような……。
 顔を作るところで明暗が分かれた。本には「焼き海苔を丸く切る」と書いてあったのだが、海苔を出すのが面倒で、いりゴマを使ってしまった。当然、目の大きい方が愛らしくなる。私のアザラシは、何やら人間のような顔立ちになり、思わず苦笑した。



 これは夫に食べさせよう。
 もう1つ作ってみたが、今度は犬に似たアザラシだ。



「目は焼き海苔」を死守しないと、こういうことになるから気をつけねばならない。
 でも、味はよかった。
 さて、次は何に挑戦しようかな。
 ページをめくったら、「オバマ大統領」と



「安倍総理」が出てきて大ウケした。





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蒸しショウガの効用

2015年05月28日 20時11分21秒 | エッセイ
 タマネギ氷にストレッチ、ふくらはぎマッサージは実践中、肉も糖質も控えめ、それでもさらに健康になりたーい!
 そんな私にピッタリの本を見つけた。



『蒸しショウガ健康法』
 そういえば、エッセイ仲間が「生のショウガより、蒸したショウガのほうが効果的なのよ」と発言していたことをおぼえている。これは買う価値があるとレジに持って行った。
 蒸しショウガの作り方は簡単だ。ショウガをスライスして80度のオーブンで50分蒸し焼きにして、ミルサーで粉末状にするだけ。加熱することで体温を上昇させる成分や免疫力をアップさせる成分が増えるという。
これを紅茶に入れたり料理にかけたりして口にすると、あらら不思議、充電を始めた携帯電話のように元気がチャージされて、風邪はひかない、疲れにくい、朝の目覚めがいい、体を動かしたくなるなど、いいことずくめなのだ。
 朝はひじきご飯にかけて、昼はコンソメスープに加えて、夜は納豆に入れていただく。お腹から指先まで熱いエナジーが行き渡り、家事も仕事も趣味までも、フルスロットルで取り組める。
 これはすごい!
 3月から始めたのだが、やたらと仕事量の多い年度末をトラブルなしで乗り切り、年度始めで残業だらけの4月も無事終えることができた。連日の睡眠が4~5時間で白髪が増えたとはいえ、土日が来るまで持ちこたえられたのは蒸しショウガの威力であろう。
 そして迎えた5月では、修学旅行の企画・引率という大きなイベントが待っていた。
「笹木さん、担当だから大変だよね」
「台風が来てるけど大丈夫?」
 ねぎらってくれる職員もいるが、自分がやらねば事務作業は終わらないし、台風6号の進路はなるようにしかならない。結局フタを開けてみたら、台風一過でお天気も交通機関も回復し、「笹木マジック」と驚かれた。
「一日目が無事に終わりました。明日の朝は6時半に点呼です。よろしくお願いします」
 宿泊先で就寝前に教員打ち合わせをした。時間はまもなく日付が変わるところだ。部屋に帰ると、倒れ込むように横になり爆睡した。
 二日目の朝は6時にスッキリと目覚めた。早速紅茶をいれショウガを一振り。パワーを満タンにする。あとはラジオ体操と着替え、洗顔をすませるだけなのだが、メールの返信をしていたら時間が足りなくなった。元々几帳面な性格ではない。「多少遅れてもいっか~」と軽く考えたのが大きな間違いだった。
 5分遅れで生徒の部屋に行ったら「もう別の先生が来ましたよ」と言うではないか。あとからわかったことだが、私の姿が見えないことで「きっと疲れているのだ、代わってあげよう」と誤解した教員がいたためだった。
 くうう~!
 健康オタクにとって不健康扱いされることは一番の屈辱である。
 蒸しショウガの効用に「時間厳守になる」もあればよかったのだが。


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カラスの敵

2015年05月24日 20時45分32秒 | エッセイ
 同僚の小嶋センセイは、昼休みになるとタバコを吸いに門を出る。高校の敷地内では吸えないからだ。
 年はとうに40を越えたが、いまだに独身。外に出たついでに、コンビニで弁当を買うことも日課のひとつになっている。
 しかし、その日はちょっと様子が違っていた。コンビニを目指して右に曲がったところで、頭に「ドスン」と重いものがぶつかってきた。
「グワァ~~ッ!」
 ぶつかってきたのは、気の立ったカラスであった。黒い羽を大きく広げ、けたたましい鳴き声を上げて、頭を狙って攻撃してくる。
「わわっ」
 予期せぬカラスの襲撃に、小嶋センセイは両腕で頭部をかばって走った。しつこくカラスは追ってきたが、30メートルほど逃げたらいなくなった。
「笹木さん、今、外に出たらカラスに襲われました」
「ええっ!」
 弁当の入ったレジ袋を下げ、小嶋センセイは苦笑いをして戻ってきた。生徒からは「怖い先生」で通っているけれど、カラスには勝てなかったようだ。このことを生徒が知ったら、きっと喜ぶに違いない。
「小嶋さんもですか。僕もちょっと前にやられました。他にも被害にあった先生がいますよ」
 同じく愛煙家の若手男性も、門の外で襲撃されたらしい。教員数人に加えて、校医さん、出入りの業者、たまたま通りかかった男性などがカラスの攻撃を受けたと聞く。どうやら学校の近くにカラスが巣を作ったようで、ヒナを守るために敵を追い払っているのだろう。
「どうしよう、ワタシ、そろそろ帰らなくっちゃ」
 ちょうど、その日は午後に用事があり、私は1時半から休暇を取るつもりだった。しかし、カラスが怖い。何とか無事に帰る方法を考えていたら、ピンとひらめいた。
「そうだ、傘を差せばいいんじゃない?」
 すでに雨は上がっていたが、私は雨傘を持っている。これが防具になるのではないか。
「背中はどうするんですか」
「…………」
 完全に防げるかは疑問だったが、ひとまず傘を差し、身を縮めて門を出た。電線にはカラスが見える。羽の音は聞こえてこない。大丈夫かな、大丈夫かなとドキドキしながら歩いて行った。まだ来ない、まだ来ない……。
 傘に隠れていたせいか、弱そうで襲う価値もないと判断したのか、結局、カラスの襲撃はなかった。学校から100メートルも離れれば、もう心配ないだろう。私は傘をたたみ、ひと息ついた。
 ホッ。
 ヒナが巣立ったのか、その後カラスはいなくなったけれど、襲撃を受けたのが男性ばかりだったことに驚く。カラスなりに、敵とみなす判断基準があったのかもしれない。
 今月初めに、皇居東御苑内に行ったことを思い出す。



 御苑内の三の丸尚蔵館では、「鳥の楽園」というテーマで展示を行っていた。



 鷹、鳩、クジャク、鶏、鶴などが描かれた焼き物や彫刻が展示されていたが、たしかカラスもあったはず。
 鳥が好きな人は、襲撃されなかったりして。


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沖縄料理のこれが好き!

2015年05月21日 21時10分53秒 | エッセイ
 沖縄には計7回行った。プライベートではたったの2回だが、仕事で5回訪れたので、箱根の回数よりも多い。
 最初の沖縄旅行では、ソーキそばをいただいた。



 ソーキというのはスペアリブのことで、豚のあばら肉を指す。これが、実に柔らかくてジューシー。いともたやすく、観光客を虜にする味なのだ。そばに、そば粉は使用しないと聞く。薄味のつゆと合わせると、沖縄を代表する味といえるのではないか。
 そんな思いがあるせいか、今回は「豚ソーキのトマト煮定食」なるものを選んだ。



 パッと見はわからないが、こんもりと盛られた赤い山の中に、ソーキが3切れほど潜んでいる。ほじくり出し箸でつついてみると、ポロリと骨から身がほぐれた。トマトとよく合い、ハイレベルな美味しさだった。
「えーっと、名護曲(なぐまがい)か……」
 恩納から北上する間で、タクシーの運転手さんに連れて行ってもらった店の名を記憶する。メニュー豊富で、料理が運ばれてくるまでの待ち時間が非常に短く、観光客にとってはありがたかった。
 旅行回数を重ねるにつれ、沖縄料理が好きになった気がする。
 国際通りでは、ホテルのランチバイキングではなく、沖縄らしい外観の「あんがま」というお店に入った。
「わっ、レディースセットだって。私の好きなものがたくさんあるから、これにしよう」
 行動を共にした原田さんもレディーである。
「あら、私もそれにしようかしら。いいわよね、これ」
 


「沖縄そば」にはソーキではなく、三枚肉と呼ばれる骨なしの豚肉が載っている。これは汁物代わりに出されることが多い。
「もずく」は、酸っぱすぎず甘すぎない酢の物で、あっという間に平らげた。
「ゴーヤーチャンプルー」は、ゴーヤと玉子、豆腐を炒めたものである。沖縄では、いろいろな食材を炒め合わせた料理をチャンプルーといい、豆腐チャンプルー、タマナーチャンプルーといったメニューもあった。
「サーターアンダギー」はデザートだ。東京では冷たいものしか食べられないけれど、これはでき立てなのか、ほかほかと温かく格別な味がした。
「ジューシー」は沖縄風炊き込みご飯である。口当たりはよいが、炭水化物過剰でカロリーが心配……。
「クープイリチー」は豚肉と昆布の炒り煮のことで、昆布(クープ)と炒め物(イリチー)がそのまま合体したようだ。この単純さがよい。
「ジーマーミー豆腐」には、大豆ではなくピーナツが使われている。胡麻豆腐のようなモチモチ感で、万人受けしそうだ。
「ミミガー」は、豚の耳の皮を指す。なかなか食べる機会がないけれど、コラーゲンもカルシウムもたっぷり含まれており、栄養価は高い。
「美味し~い」
「お腹いっぱーい」
 2人のレディーだけでなく、おそらくほとんどのレディーが満足するランチである。
 男性の方、申し訳ありませんねぇ、ふっふっふ。


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一番おいしい「ちんすこう」

2015年05月17日 13時52分53秒 | エッセイ
 那覇・国際通りを歩いていたら、同僚の原田さんが「新垣ちんすこう」と書かれた店の前で立ち止まった。
「ねえ、この店のちんすこうが一番おいしいのよね」
「あっ、そういえば」
 沖縄を代表する銘菓・ちんすこうは、いくつものメーカーで作られているが、特にこの店は美味であることで知られている。舌触りがよくて、甘味のバランスもとれているから、何個でも食べられる。



 でも、不味いちんすこうを食べたことはないから、ハズレはないと思うのだが。
 原田さんは店に体を向けた。
「買っていこうっと」
「…………」
 彼女について自動ドアをくぐったが、私はすでに他の店でちんすこうを買っている。さて、どうしたものか。
 ウインドウには、ちんすこう以外にも琉球菓子が並んでいた。せっかくだから、これにした。

「で、ちんすこうがおいしい店で、ちんすこうじゃないものを買ってきたの?」
「……うん」
 家に帰ると、娘の視線が冷たかった。冷静に考えてみれば、理屈に合わない話である。だが、そんな小さなことを気にしてはいけない。ドンマイ、ドンマーイ!
 私が買ってきたものは、千寿糕(せんじゅこう)と



 闘鶏餃(たうちいちゃう)に



 花ぼうるの3種類である。



 どれも、見た目が琉球っぽくて気に入った。味の方は、月餅を思わせる複雑な組み合わせで、好き嫌いが分かれるかもしれない。花ぼうるは、ソフトサブレーのようでシンプルだ。おいしくいただいた。
 ちんすこうは、御菓子御殿で買ってきた。



 プレーンに黒糖、ココナツ、紅いもの4種類が入っている。



 甘さ控えめで、サクサクっと軽い食感が心地よい。これはこれで、よしとしよう。
 さて、御菓子御殿といえば、一番おいしい「紅いもタルト」の店であるといわれている。
 これは外さずゲット~!



 タルトはソフトで、紅いもは濃厚。実にグッド。



 さてさて、血糖値に気をつけなくては。


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恋島のハートロック

2015年05月16日 22時11分49秒 | エッセイ
 勤務先の高校で、修学旅行の引率をした。目的地は沖縄だ。
 那覇空港から糸満市に入り、ひめゆりの塔や沖縄県平和祈念資料館を見て、まずは平和学習をする。
 


 天候にも恵まれ、平和公園から臨む海もキレイに見えた。
 翌日は、タクシーを利用しての自由行動となり、生徒は数人のグループで好きな場所を回る。教員は、生徒が立ち寄る場所を手分けして巡回し、負けずに楽しむのだ。
 私は、40代女性が1人と20代男性1人ののん気なチームに入った。午前中はマリンスポーツに付き添い、午後は3人で古宇利島に向かうことにした。
「海川さんは、古宇利島に行ったことあるの?」
「はい、学生のとき、野郎ばかりで行きました」
「私は初めてなの。あそこには、ハートロックっていう岩があるんでしょ。嵐のCMで有名になったんだってね」
 2人の会話を聞き、初めて見どころを知る。何しろ忙しくて、全然調べていなかった。
「古宇利島は昔、恋島という名前だったみたいですね」
「そうそう、カップルの聖地って書いてあったわ」
 なるほど。子持ちのオバさん2人と、若いオトコ1人の即席グループで行くところではなかったか。
 でも、もう着いてしまったから仕方ない。
 タクシーは長~い古宇利大橋を渡り、島に到着したところだった。



「ちょうど、この橋の反対側がハートロックですから、そこで降りてください」
 運転手の指示に従って車を降りると、「ハートロック」と書かれた看板が見えた。少々歩けば、そこには海が広がっている。生徒も何人か来ており、日焼けした顔をほころばせて「先生~」と声をかけてきた。
「笹木さん、あれあれ。岩が2つあるでしょ」
 しっかり予習をしてきた山口さんが、カメラ片手に指を指す。



「左のほうは、ひとつだけでもハート型なんだけど、右の岩と重なると、もっときれいなハート型になるんだって」
「へえ~」
 しかし、砂浜を見て躊躇する。ズブズブと足がめり込み、まるで砂場のようではないか。



 砂浜に生徒はおらず、たくさんの観光客が集まっていたが、足が汚れることを気にしている人は少ないようだ。皆はしゃぎ、くるぶしまで砂に埋まって、歩きまわっている。
 海川さんも学生時代に戻ったかのように、海に向かってまっしぐらだ。山口さんも、歓声を上げてあとに続いた。
「ここですよ! ハートに見える場所は」
「あー、本当だ。ハートだねぇ」
 2人のやりとりを聞き、砂浜まで行かないと、ハートロックは見えないことがわかった。靴に砂が入るのはイヤだったが、写真が撮れないのはもっとイヤだ。息を吸い込み、覚悟を決めて進んだ。
 ズブリ、ズブリ。
 さっそく、足首付近から、砂が無遠慮になだれ込んできた。なるべく大股で歩き、砂の侵入を最小限に抑えようと努力する。
「海川さん、撮ってあげるから、そこに立って」
 先に行った2人は、砂だらけの足を嫌がることもなく、笑って楽しんでいる。とても真似できない。
 四苦八苦の末、ようやく私もフォトスポットにたどり着いた。



 おお~!

 ロマンティックな岩である。海の色も幻想的だ。たしかにここは、恋人たちのためにある場所なのかもしれない。
 うっとりした雰囲気に酔い、夢中でシャッターを切った。
「3人で撮ってもらいませんか」
 すっかり気分が盛り上がった海川さんが、スマホを持って手招きする。彼の足元には、水が押し寄せていた。濡れるのはまっぴらだ。急に現実に戻り、ピシャリと断った。
「えー、アタシはいいです」
 撮るものは撮ったし、これ以上汚れたくない。私は岩に背を向け、無言で来た道を引き返した。海川さんと山口さんが、2人で写真を撮ったかどうかには、まったく興味がなかった。
 タクシーに乗る前に、靴を脱いで逆さにし、砂を追い出す。「えいえい」と、しつこく何度も繰り返した。
 恋の御利益は絶対にないだろう。


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2015 母の日

2015年05月10日 21時10分55秒 | エッセイ
 今年も母の日がやってきた。
 プリザーブドフラワーはいくつも持っているので、もういらないと宣言したのが一昨年。それでも、何もないのは気の毒だと思ったのか、夫がガーベラを一輪買ってきてくれた。



 カワイイ~♡

 お菓子もたくさんある。
 娘の誕生日に姉がゴディバのチョコレートを持ってきてくれたし



 姉の夫は、サンフランシスコに出張したときのおみやげで、シーズキャンディのチョコレートをくれた。



 それでも、手ぶらでは気が引けたのか、夫が買ってくれたのは六花亭のマルセイバターサンド。



 私の好物だということをおぼえていたらしい。
 実は、生協で「ステラおばさんのクッキー 母の日バージョン」なるものを注文していた。



 この頃は、妙にクッキーが食べたかったので、たまには自分用にしてみようと考えたのだ。
 包装紙を破り、箱を開けてみると、素朴な焼き菓子があらわれた。



 バターの風味が利いていて、サクサクした歯ごたえに舌鼓を打つ。
 そして、娘からのプレゼントは、私がリクエストしたものである。



 ドトール ドリンクチケット11枚つづり。
 コーヒーはもちろん、差額を払えばカフェラテだって飲める、ありがたいチケットだ。展示や映画の前売券に、大きな価値を感じる身としては、いいプレゼントをもらったと思う。
「肩叩き券とかでもよかったかな」
 娘の冗談はさておき、「夕食作り券」だったら欲しいかもしれない。
 さて、これでしばらく楽しめそうだ。
 母の日バンザイ!


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2015 端午の節句

2015年05月07日 21時39分34秒 | エッセイ
 毎年、妹の家では、5月5日に端午の節句を祝う。男の子のいない我が家では、料理目当てに押し掛け、食い逃げする日でもある。今年もお呼ばれしたので、ウホウホ喜んで出かけて行った。
「こんばんはぁ~」
「いらっしゃい」
 テーブルの上には、すでに料理が並んでいた。端から順に観察していたら、ひときわ目を引く逸品があった。



「おお!」
 これは、かまぼこらしい。薄く切り、バラのように丸めて、実に可愛らしく仕上がっている。こんな器用な芸当ができるのは義弟であろう。
「すごくキレイね。緑の葉っぱは何?」
「水菜」
 彼はわざとそっぽを向いて答えたが、細かく解説しない様子から、自信作であるとわかる。隣の皿も美味しそうだ。



「さすがね」
 姉も感心し、うっとりと眺めていた。他にも、牛ステーキや馬刺しなどが並んでいたが、すべて義弟が作ったものらしい。
 妻である妹は、皿を運んだり、子どもたちを呼んだりして、手伝っているふりをしていた。だが、労働量の違いは明白である。私は彼女に、少々意地悪な質問を投げかけてみた。
「奈津は何を作ったの?」
 私と姉は「何も」という答えを予測していたが、そうではなかった。
「ほら、これだよ」
 奈津は得意気に冷蔵庫を開け、小さなカップを取り出した。中には、キューブ状にカットされた野菜と、ゼラチンで固まったコンソメスープが入っている。



「へええ~、コンソメゼリーだね」
「買ってきたみたいじゃない。そのカップもオシャレ」
 見た目だけでなく味もいい。姉と口を揃えて褒めると、妹は満足そうに微笑んだ。やればできるのだから、もっといろいろな料理に挑戦すればいいのに。
 しかし、水を注したのは甥である。
「うわあ、これ食べたくない。スープならスープでいいのに、何でゼリーにするの?」
「…………」
 ああ、これでまた、妹のやる気が損なわれる。
 酒盛りをしているうちに、注文していた釜飯が到着し、お腹いっぱいになった。あとは、お約束のケーキだ。



 こどもの日ケーキは、チョコレートベースのものが多いけれど、これは生クリームたっぷりで美味しかった。
「ごちそうさまでした」
 時計を見たら、まもなく23時になるところである。
「じゃあ、帰るね。おやすみ」
「おやすみ。気をつけて」
 妹一家や両親に見送られて、夫が車を発進させる。
 やはり、今年も食い逃げだった。


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カブト春巻きの5月

2015年05月04日 15時25分19秒 | エッセイ
 お料理はアイデアが命だと思う。



「なにこれ、可愛いじゃん!」
 カブトの春巻きとはユニークだ。表紙を見て、迷わずこの本を注文した。娘の誕生日は5月3日だから、誕生会に出すお料理にちょうどいい。
 でも、本が届いたときにはガッカリした。とてもレシピとはいえない、アバウトな説明文しか書いていなかったからだ。



『春巻きの皮を折り紙の要領でかぶとに折り、中にえびのすり身などを好みに味つけした具を詰めて、下の皮でふたをする。水で溶いた小麦粉で留めて、色よく揚げる』
「これだけじゃわかんないよ~」
 まずはクックパッドを駆使して、春巻きの作り方を学習する。これで中身はOK。
 次に折り紙を出して、カブトを作ってみる。それから、実際に春巻きの皮を買ってきてリハーサル。



 どうにかこうにか作れることがわかり、誕生日がやってきた。
「ごめんくださ~い」
 先週、ホビークッキングフェアで注文したワインが到着した。アルコールも準備万端だ。



「そういえば……」
 念のため、ノンアルコールビールも冷やしておく。妹のダンナはドライバーだから、お酒が飲めない。でも、妻である妹は、しばしばノンアルコールビールを忘れてくる。しかも、自分はダンナを気遣うどころか、次から次へと酒に手を出し、お構いなしにグビグビ。鬼嫁の名を欲しいままにしている。
 掃除や片づけが終わったところで、春巻きの準備に取りかかる。皮は全部で16枚あるが、カブトを作るのに1個あたり5分かかるから、時間が足りない。カブトは、男性プラス子ども用の6個にして、あとは手のかからない普通の春巻きにした。
「こんばんは~」
 集合時間は6時。まずは、せっかちな老人となった両親がやってきた。次に妹一家。最後に姉夫婦が揃ったところで春巻きを揚げはじめる。
 ジュワ~ッ
 16個を揚げるとなると、かなり忙しい。春巻きが大きいので、一度に2個しか入らない。油に入れて、こんがり色づいたところでひっくり返し、引き上げると同時に次の春巻きを入れる。引き上げた春巻きは、その間に皿に並べるのだが、2列にするとはみ出しそうだ。一番大きな皿を用意したのに、見込みが甘かった。
しかし、迷っている時間はない。そろそろ、ひっくり返すときがきた。
「ひいいい~」
 四苦八苦しながら、どうにか春巻きが完成した。



「わあ、面白いね」
 親族から、カブト春巻きは好評だった。
「じゃあ、乾杯しましょ。奈津、ノンアルコールビールは持ってきた?」
「あ、忘れた」
 妹に尋ねると、案の定の結果である。さっき、冷やしておいてよかった。
 乾杯の音頭を父に頼むと、やけにかしこまってグラスを高く上げた。
「では、ミキさんの19歳のお誕生日を祝って、かんぱーい!」
「かんぱーい」
 ようやく、誕生会が始まった。
「ミキさんだって、クスクス」
「カブトもらうよ」
「グラタンはカニとよく混ぜてね」
「醤油とって」
「それがシャリ小さめのにぎり? 次はアタシも小さめがいいわ」
 食べ物の話題が広がる一方で、大学生となった娘にも質問が振られる。
「外国語は何とったの?」
「ドイツ語。発音をおぼえるのが大変だよ」
「砂希は中国語だったね」
「ドイツのほうが好きだから、ドイツ語にすればよかった」
「サークルは何に入ったの?」
「写真部にした」
「写真かぁ~」
 姉のダンナからは、カブト春巻きの感想も寄せられた。
「カブトは具が少なかった。これは女性陣に有利だね」
「アハハ」
 バイオリンのボトルに入った、甘口のドイツワインを開ける。予想通り、甘いものを好む母が喜んでグラスを出した。これは、冷蔵庫に入れておけば一週間ほど持つそうだ。
 スペイン産の赤ワインも「まろやか」と評判がいい。ドライバーの義弟は「飲めない」と哀しげだったが……。
「そろそろ、ケーキタイムかな」
「ろうそくを19本もらってきたんだよ」
 手先の器用な義弟が、等間隔にろうそくを並べると、ロマンティックな構図が浮かび上がった。



「誕生日おめでとう!」
 
 お開きになったあとは、疲れ切ってブログの更新もせず、布団に直行した。
 翌朝、冷蔵庫を開けてビックリする。
「しまった、プチトマトを出し忘れた」



 急いでいたせいか、春巻きに添えるはずのプチトマトを、すっかり忘れてしまった。野菜庫に押し込められたままのパックが3個、うらめしそうにこちらを見上げている。
 野菜不足の宴会だったみたい……。


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