これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

60分限定ランチ

2014年07月31日 20時17分31秒 | エッセイ
 たまには、都心のお店でランチを楽しみたい。
 ミュージカルを観る前に、日比谷の東京會舘まで足を運んだ。
「いらっしゃいませ」
 店内の雰囲気は申し分ないのだが、ランチで混雑しているせいか、店員の対応が妙に遅い。席についてもメニューすら持ってこないし、そもそも、呼んだところですぐには来てくれない。
「どうする? 1時間しかないから、ランチコースにしたら、ミス・サイゴンに間に合わないかもよ」
「絶対遅いでしょ。単品にしよ」
 高3の娘も安全策を勧めるので、早そうなカレーにした。
「すみませーん」
 シーン。
 ダメだ、もう一回。
「すみませーん」
「はい」
「海老フライのカレーとグリルビーフカレー」
「かしこまりました」
 やっと注文できた。いつになったら食べられるかと構えていたら、意外にも、5分後くらいにやってきた。
「お待たせしました」
 これが、海老フライのカレーである。



 有頭海老の立派なこと。しかも新鮮だ。身の弾力性も申し分ないし、カレーの辛さもちょうどよかった。
「うまー」
 そして、こちらが娘の注文したグリルビーフカレー。



 肉は軟らかくて食べやすかったらしい。しかし、女子高生にはボリュームありすぎで、お腹が苦しいとか。
 感動したのは、カレーの添え物だ。



 定番の福神漬け、らっきょうはもちろん、見たことのないものまである。
「あっ、レーズンだぁ~!」
 私はカレーにレーズン派なので、ありがたくいただいた。
「ごちそうさまぁ~」
「ごちそうさまっ」
 カレーは早い。時計を見たら、あと30分残っている。となると、デザートか?
「たしか、隣の店に美味しいケーキがあるはず」
 支払いをすませ、私たちは館内に隣接したカフェに移動した。
「いらっしゃいませ」
 ここには、東京會舘の名物・マロンシャンテリーがあるのだ。カフェのほうは対応もよく、店員さんがすぐに来てくれた。



「うわあ!」
「へへへ、キレイでしょ」
 満腹の娘は呆れていたが、ホームページを見て、絶対にこれを食べて帰ろうと決めていた。
「中はどうなっているのかしら」
 写真を撮ったあと、フォークでつついてみる。



 おやおや、レモン色のマロンが、恥ずかしそうに顔を出すではないか。
 早速パクリ。
 生クリームの甘さ、軟らかさが絶妙である。甘すぎると気持ち悪くなるが、甘さ控えめでもそっけない。これは実にいい塩梅だ。私の幸せそうな顔に刺激されたのか、娘も「ひと口」と催促してくる。
「うん、美味しい。でも、もう食べられない」
「ほほほ、じゃあ、残りは全部お母さんのものね」
 このケーキはクセになるかも……。
 食べ終わってひと息ついたら、ちょうど1時間たっていた。
 60分限定のランチタイムが、こんなに充実するとはね。


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カタカナ過剰エッセイ

2014年07月27日 19時59分00秒 | 過剰エッセイ
 あるエッセイストの作品に、こんなフレーズがあった。
 男性からの贈り物で、「あっ、うれしい、こんなものがずうっと欲しかったの」と、本心から言うようなものに、おめにかかったことはない、と。
 噴き出してしまった。ミートゥーである。開けてビックリ、「なんじゃこりゃ」のプレゼントが実に多い。でも、それを口に出したらジ・エンド。目尻をピクピク、小鼻をヒクヒク痙攣させながら、必殺「その場しのぎ」が炸裂する。
(少しの間)「へ、へえ~、いいじゃな~い」
 そもそも、プレゼントは贈り主の目の前で開けるのがマナーと聞くが、私のような大根役者にとってはリスクが大きすぎる。相手の好意を無にしないためにも、プレゼント選びを男性任せにせず、「これが欲しい」とハッキリ伝えたほうがベターである。
 でも、何が欲しいのか、思いつかないことも多い。プレゼントをもらうプロ、キャバ嬢の手法を見習ってみよう。
 彼女たちは、客が何か贈りたいと言ってきたら、あらかじめ決めておいた時計やブランドバッグなどの型番まで伝えるそうだ。どの客にも同じものを買わせ、ひとつだけ身につけたら、残りは質屋へゴー。
「ほら、これ、あなたからもらった時計よ」
 いつでもどこでも誰にでも、プレゼントを大事にしていると言い切ることができる。
 すごい、すごい、何とブリリアントな作戦!
 その上をいくのが、叶恭子である。
「ワタクシ、お車のプレゼントは一切お断りしております。書類や手続きが大変ですもの。いただくなら、土地や不動産の権利証や株券などの有価証券が一番なのです」
 不思議なことに、こういった類のものはどの国でも茶封筒に入っているという。何ともトラディッショナルな香りがした。
 普通の女性にとってはアンビリーバブルな話だが、有価証券と聞いてピーンとくるものがあった。

 そうだ、前売り券が欲しい!

 映画だったら、8月1日公開の「るろうに剣心 京都大火編」がいい。エネルギッシュで美しい佐藤健くんを見てパワーチャージするのだ。
 美術展だったら、Bunkamura・ザ・ミュージアムで8月9日より始まる「進化するだまし絵」が見たい。ひねりと工夫のある作品に、フィーバーすること間違いなしである。
 ミュージカルだったら「ミス・サイゴン」がウエルカム。市村正親がキャストの日をプリーズ!
 テーマパークだったら、富士急ハイランドのフリーパス。ディズニーリゾートには絶叫系がないので、もらったとしても、キャバ嬢を見習ってオークション行きですな。
 うん、これだけ候補があればノープロブレム。
「うっ、うれしい! こんなものが、ずうぅ~っと欲しかったの!」
 心から言えるようになったけれど、くれる人がいなかった……。
 しょうがない。「ミス・サイゴン」は自分にプレゼント!



 イエ~イ!


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デュフィ展

2014年07月24日 20時21分08秒 | エッセイ
 7月27日(日)まで、渋谷・Bunkamura ザ・ミュージアムでデュフィ展をやっている。
 ラウル・デュフィは、20世紀フランスを代表する芸術家というが、全然聞いたことがなかった。ご縁があったのか、チケットが当たったから行ってみた。
 1900年から1910年代は、セザンヌの影響を受けていたそうだ。私はセザンヌが得意ではないので、特に魅力を感じず、流して見た。初期のせいか、絵にも硬さがあるようだ。
「トゥルーヴィルのポスター」(チラシより)


 木版画とデキスタイル・デザインのコーナーでは、一転して雰囲気が変わる。同じ絵柄の繰り返しが生むリズム感が気に入った。
「たちあおい」(チラシより)


 もっと素敵だったのが「スケートをする人々」と「チャーリー・チャップリン」だったのだが、ポストカードもクリアファイルもなかったようで残念だ。
 1920~1930年代 様式の確率から装飾壁画の制作へ、というコーナーもよかった。
 デュフィは、青を「色調が変化しても、本来の個性を保ち続ける唯一の色彩」と考え、多用したという。
「ニースの窓辺」(チラシより)


 この一角には大作も目立つ。「馬に乗ったケスラー一家」「電気の精」「パリ」といった作品は、その大きさに圧倒される。
「色の塗り方が雑……」
 高3の娘は、血液型A型のせいか、隅から隅まで均等に配色されていないことが不満らしい。私は、「へえ、こういう塗り方もあるんだ!」程度にしか思わなかったが、O型だからだろうか。
 他にも、「カルタジローネ」「突堤-ニースの散歩道」「イエールの広場」「エプソム、ダービーの行進」など、力作が目白押しだった。
 1940-1950年代 評価の確立と画業の集大成、のコーナーでは、軽いタッチの晩年の作品が並んでいた。
「マキシム」(チラシより)


「ヴァイオリンのある静物:バッハへのオマージュ」(チラシより)


「クロード・ドビュッシーへのオマージュ」(チラシより)


 色鮮やかなイラスト、という雰囲気である。どの作品も、気負わずに見ることができる。
 そういえば、パソコン内のクリップアートにも、こんなタッチの画像があったような……。
 帰宅後、パソコンを立ち上げ確認してみた。
 あった、あった。



 どうです?



 デュフィっぽくないですか?



 ぽい、ぽい。
 やはり、ご縁があるような気がする……。
 これからも、お世話になりま~す!


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富士山をキレイに

2014年07月20日 22時00分45秒 | エッセイ
 先日、富士山清掃ツアーに参加してきた。
 途中、談合坂ではぶ厚い雲が空から見下ろしていたが、掃除という目的に配慮したようだ。ポツポツと雨粒を感じたものの、すぐにやんでくれた。



 スペシャルゲストに、アルピニストの野口健さんがいて、地元の環境NPO「富士山クラブ」とともに、作業前の事前学習をしてくれた。
 野口さんは、2000年頃から富士山の清掃活動を始めたそうだ。当時は、産業廃棄物から粗大ゴミ、飲食物の容器などがあふれていたという。樹海には、タイヤ1800本が捨てられ、挙句の果てには自動車までが置き去りにされていた。写真から、予想を超える惨状を知り、驚くばかりである。
「これは、今年の写真です」
 そこには、道路に転がったペットボトルが写っていた。容器のラベルは水であるが、中には黄色の液体が見える。本来は、トイレに流すべきものが入っているのだ。ペットボトルで用を足すのは個人の自由だけれど、それを道端に捨てていくのは問題である。こんなボトルが20本も30本もあると聞き、眉間にシワが寄った。
 富士山は、世界遺産に登録された際、同時に宿題を課せられている。これが果たせないと、登録が取り消される可能性もあるというから、簡単な話ではない。提出期限は2016年2月1日。何とか解決できるとよいのだが。
「では、作業現場に出発します」
 私はてっきり、ハイカーが残した飲食物の容器や、タバコの吸い殻などを拾って歩くのかと思っていた。黄色いペットボトルがあったらどうしようと心配していたが、富士山クラブの方の説明は想定外であった。
「この土の下にはゴミが埋まっています。悪質な業者が、細かく砕いたゴミを捨て、それを隠すために上から土をかぶせています。すでに逮捕されていますが、ゴミはそのままなので、掘り出す作業をお願いします」
 うへえ。なかなか大変そうだ。
 スコップを借りたが、地面は硬い。捨てられてから、かなりの時間が経過しているようで、結構な力が必要だった。どうにか地面に穴が開くと、ガラス片、割れた瓦、陶器の欠片などが出てきた。これを分別して、集積場まで持っていく。
「これはプラスチックだから、燃えるゴミでいいんだよね」
「これはコンクリみたい」
 同行した2歳上の姉と相談しながら、慎重にゴミを分けていく。タイル、変形したカーテンレールなども地面から出てきた。雨どいと思われるものも埋まっている。



 ゴミの種類から、家を取り壊した際の廃棄物なのではと感じた。相当な量がありそうだ。
「おや?」
 スコップが、大き目の白い陶器片を掘り当てた。緩いカーブを描く形状から、洋式便器の一部とわかる。
「…………」
 これは、ちょっとしたショックだった。軍手の上からとはいえ、できれば触りたくない。しかし、神聖な富士山の麓にあるのはもっと悪い。まったくもって、不法投棄はけしからん。
「30分経ちました。休憩してください」
 適宜水分補給をしたら、また続きをやる。徐々に慣れてきて、掘り出すコツや、分別の基準がわかってきた。宝探しのように、大きなゴミが出てくることを期待して、スコップを動かす余裕ができる。
 現場には数十人ほどいたが、和気あいあいとして雰囲気がいい。「富士山をキレイにしたい」という共通の想いがあるからかもしれない。90分ほど作業をしたら、これだけのゴミが回収できた。







「みなさん、お疲れ様でした。今日はどうもありがとうございました」
 残念なことに時間が来てしまった。
 作業は決して楽ではなかったが、もう少し続けたい気持ちがあった。地面の下には、まだまだたくさんのゴミが埋まっているのだろうから。早く元通りになってほしい。
「いい経験ができたね」
「ホントだね」
 姉と言葉を交わし合う。知らない参加者たちも「来てよかった」と話していた。
 ほんのわずかでも、大好きな富士山の役に立てれば幸せだ。


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にわか山ガール

2014年07月17日 22時09分22秒 | エッセイ
 実は、近々、富士山の清掃に行く。
 某旅行誌のイベントに姉と応募したら、めでたく当選したのだ。
「トレッキングシューズは必要よ」
 山男の夫を持つ姉からメールが来た。ときどき、どこぞの山に出かけることもあり、一揃いの装備を持っているのだそうな。
「ふーん、そうなんだ。じゃあ買っておくわ」
 近くにスポーツ用品店はない。こういうときはデパートだ。
「いらっしゃいませ」
 いかにも山ガールという若い女性が応対してくれた。にぎやかに陳列された商品を見ていたら、私も一揃い欲しくなってきた。
「ええと、リュックはどれがいいと思いますか」
「日帰りですか? お泊りですか?」
「日帰りです」
「じゃあ、20リットルから25リットルで十分です。女性用はこの辺りですので、ご覧になってください」
 雨ぶたがついているもの、いないもの、背中の風通しがよいものなど、商品の特徴を説明してもらう。
「じゃあ、これにします」
 


 ためしに背負ってみるよう促され、肩から下げた。山用は腰や胸にもバンドがあり、力を分散する仕組みになっている。はめるだけで5分くらいかかりそうだと驚いた。



「ウエアは、何がいいですか」
「日焼けを防ぐならハイネック、長袖がよろしいかと思います。どのデザインも、速乾性で体を冷やさない生地を使っています。夏でも寒いときがあるので、フリースの上着もあると便利ですよ」
「じゃあ、これとこれ。帽子はありますか」
「こちらです」
 店員さんに手伝ってもらうと、買い物が早い。



 トップスに合うパンツも買った。



 雨具は家にあるので、あとはシューズだけだ。
「足首を保護できるものがおススメと言われたのですが、山ヒルでもいるんでしょうか」
 かねてから、心配していた不安をぶつけてみた。山ヒルは、いつの間にか靴の中に入り込み、足の血を吸うという。ブロ友さんが被害に遭い、流血したと聞いている。
「富士山に山ヒルは聞いたことないから、大丈夫ですよ。足首の保護は捻挫対策です。凸凹道を歩いていると、変なひねり方をすることがありますから」
 よかった、取り越し苦労だったようだ。
 ワンサイズ大きなものがいいと言われ、渋めの色を選んだ。



 山ヒルはいなくても、スズメバチやヤブ蚊、ブヨなどはいるらしい。虫よけスプレーに虫刺されの薬が必需品である。虫が嫌いな人には無理な場所だ。
「ありがとうございました!」
 30分ほどで買い物が終わり、家に帰る。しめて6万6千円。結構投資したので、元をとらねばという計算が働く。

 私も山ガールになろうかしら~!!

 しかし、今日、夫からテンションの下がる話をされた。
「週末は、荒れ模様だって。各地で雷雨になるみたいだよ」
 ガーン!
 そういえば、荒天の場合は中止と書いてあった……。
 こんなに買い込んだのに。
 山ガールの前に、私は雨ガールだったのだ。


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消えたパンダ

2014年07月13日 17時49分06秒 | エッセイ
「ねえお母さん、ミキのパンダ知らない?」
 娘が困った顔で尋ねてきた。それまでテーブルにあった、お気に入りのパンダのコースターが、ある朝こつぜんと姿を消したらしい。
 こういうとき、疑われる者は決まっている。
「パンダ? 知らないなぁ。お父さんじゃないの」
「お父さんも知らないって。昨夜まであったのに、どこ行ったんだろう」
 娘の方が先に疑っていたようだ。夫でなければ私かもしれない。椅子の上を片づけ、新聞袋の中を探してみたが、それらしいものは見当たらない。タオルや布巾にまぎれて洗濯したのではと思い、洗濯機も確認したがハズレだった。
 ということは、私でもなさそうだ。
「まあ、そのうち出てくるんじゃないの」
「適当だな。あればいいけどね」
 早々に捜索を打ち切ったものの、何かスッキリしない。理由のわからないことは、心に引っかかるものだ。普段は忘れているが、テーブルに目をやると不意に思い出し、「早く見つからないかな、気持ち悪い」と顔をしかめていた。
 あれから3週間。ようやく、解決の糸口を見出した。
 本に載っている論文を入力しようと、私はキーボードを叩いていた。ページが閉じないよう、本の上にノートパソコンの隅を置いて気づいた。

 あれ、以前にも、こんなシチュエーションがあったような……。

 既視感とはこういうことか。再現フィルムのように、3週間前の光景がよみがえってきた。
 私はその夜、娘の弁当に入れるロールキャベツを作っていた。ひき肉にパン粉と玉ねぎを混ぜ、茹でたキャベツで包んだら、トマトジュースに調味料を入れて煮るため、レシピを見ようとした。



 本が閉じないように、ページの重石に使ったのは……かのパンダではなかったか。
「まさか!」
 あわてて本棚に駆け寄った。ロールキャベツのページを繰ると、やはり!
 無邪気な顔のパンダが姿を現した。



「あった~~~~!!!」
 まさに、犯人が、犯行現場に戻った瞬間である。
 無事解決してスッキリしたが、人を疑う前に、自分の行動に責任を持たなくては……。


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ぞろ目の魅力

2014年07月10日 21時26分52秒 | エッセイ
 気がつけば、当ブログは今回で「666」回目の更新となる。
 さて、この「666」というぞろ目の数字を見て、何を連想するだろうか。

 やっぱり、「オーメン」でしょっ!

「オーメン」とは、1976年に公開され、大ヒットしたホラー映画である。主人公は、6月6日午前6時に生まれた少年ダミアンで、関わりを持つ者に次々と死をもたらすのだ。髪の下に隠れている頭皮には、悪魔の証拠である「666」のアザがある。新約聖書「ヨハネの黙示録」でも、666を「獣の数字」としていることから、ストーリーに説得力が生まれたところがよかった。
 当時、私は小学生だったので、映画そのものは公開から何年もたってから、テレビ放映されたときに見ている。1作目から3作目まですべて見たが、一番気に入ったのは2作目である「オーメン2」であった。



 思春期を迎えたダミアンは、陸軍士官学校に通うことになる。とても悪魔の子とは思えない、端正な顔立ちの子役を選んだのは正解だった。加えて、私は制服フェチである。士官学校の、禁欲的な制服に惹きつけられた。
 また、ダミアンが自ら「悪魔の子」であることに気づき、悩み苦しむなど、弱い面を見せたことも計算ずくだったのだろう。一緒に見ていた姉や妹も、たちまち、悪魔の子の味方になってしまった。
「ダミアン、かっこいいね」
「うん。周りの人は死んでも仕方ない」
「マークってヤツ、むかつかない?」
「むかつく。ダミアンを泣かせて、まったくもう」
 という具合である。
 もう一度見たくなってきた。夏休みあたりに、DVDをレンタルしたい。
 ぞろ目のタイトルには、結構好きな作品がある。
「仮面ライダー555(ファイズ)」は毎週欠かさず見ていた。主人公を演じた半田健人が、それはそれは素敵だったのだ。子どもと一緒に夢中になり、映画館にも足を運んだ。
 そして、忘れちゃならないのが「銀河鉄道999」である。スケールの大きな宇宙が舞台になっているけれど、テーマは人とのつながりで、出会いや別れを繰り返しながら、たくましく生きていく主人公・鉄郎を描いている。ゴダイゴの主題歌は、吹奏楽でもよく演奏され、聴くと元気が出てくる。

 ぞろ目っていいな~♪

 もし、私が小説デビューしたら、タイトルには「333」か「444」を入れてみたい。


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アドレス変更しました

2014年07月06日 11時48分43秒 | エッセイ
 携帯電話を持つようになって、10年以上経つ。
 使い始めた当初、アドレスには自分の名前しか思いつかなかったが、いただいたメールアドレスを見ると、いかに初心者だったかがわかる。
「pretty_woman」
「TENSAI」
「town-walker」
 なかなかシャレている。センスの違いを見せつけられ、「こんな感じにすればよかったのか」と後悔した。しかし、何十人もの友人に、アドレス変更の通知をするかと思うと気が遠くなり、我慢してそのまま使っていた。
 一方で、「なんじゃこりゃ」のアドレスもある。
 某中年男性は、東証一部上場企業に勤めていることを自慢しており、私的なアドレスも会社名にしていた。自分というものがなかったのか、面白味に欠ける人だった。また、若い独身女性は、そのときつき合っている彼氏の名前を使うのだが、アド変の連続で「また別れたのか」と呆れた。
 先日、電話帳の整理をしていたら、メールをする相手が減っていることに気づいた。疎遠になったら、頃合いを見て、私は電話帳から削除する。新たに知り合った友人は、SNSでメッセージのやり取りをしたり、電話番号からショートメールを送ったりすることが多い。
 つまり、アドレス変更の手間がかからない今、ようやくチャンスが来たのだ。

 ふふふ、どんなアドレスにしようかしら……。

 脈絡はないけれど、夢中で読んだ萩尾望都さんの漫画に使われた曲が浮かんでくる。



「bye_bye_Miss.American_pie」なんてどうかしら。でも、これは明るくないか……。
 リンダ・ロンシュタットの「somewhere out there」は好きだったが、アドレスとしてはちょっと……。
 
 うーん。

 遊び放題だった10代にタイムスリップ、を合言葉にあれこれ悩み、ようやく新アドレスが決まった。
 あとは、アド変メールを送るだけ。送信したそばから返事がくる。
 意外に、誤解もあるようだ。
「オッケー、登録したよ。スマホに替えたの?」
 いや、ガラケーのままですけど……。
 私は流行に敏感ではないので、5歩も6歩も、人の後ろを歩いている人間だったりする。
 手本にしたアドレスの持ち主からも、返信がきた。
「いいアドレスだね。登録したよ」
 ひょっとして合格? ひそかにニンマリした。
 ちょっとしたトラブルで、疎遠になっていた友人にも送ってみたら、ちゃんと返事をくれた。
「ご連絡ありがとうございます。登録しました」
 これを機に、元通りになれそうな気がする。
 年賀状だけの関係になっていた友人と、直接やり取りできる喜びもあった。
「久しぶり! 登録しておいたよ」
「メールありがとう。今年こそ会おうね」
 太陽が布団をかぶって寝ているような天気が続いているが、心の中に煌々と、明るい光が広がってきた。
 アドレス変えて正解~!


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牛の角

2014年07月03日 20時13分13秒 | エッセイ
 目覚まし時計が鳴る前に起きたのに、洗面台の鏡を覗きこんだ瞬間、布団に戻りたくなった。ショートカットの髪が、牛の角のように張り出し、左右に広がっていたからだ。



 なにこれ、サリーちゃんのパパみたい!

 幼いときに見たアニメ「魔法使いサリー」に登場する、サリーちゃんのパパもこんな髪型だった。
 当時、私は中学生である。同性の目も異性の目も気にする年頃だというのに、あまりにも悲惨な寝癖がついていた。水で濡らしてドライヤーをかけても全然直らない。時間切れのまま学校に行ったら、思った通り友達に笑われた。
 もっとも、左右対称ならまだいい。困るのは、右だけ、左だけが外側を向いている寝癖である。そんな日は、授業中に指されるのはごめんだし、人様に意見する気も失せる。とにかく目立ちたくなかった。女子にとって、寝癖の有無は一大事なのだ。
「朝、お風呂に入ればいいのに」
 仲良しのナオミが不思議そうな顔でつぶやいた。うちは、光熱費を気にする母が厳しくて、夜にしか入浴できない。奇妙な寝癖がついても、忍の一字でやり過ごすしかなかった。
 ところが今では、寝癖風に髪をセットする若者がいる。ワックスやジェルをつけて、根元を膨らませたあと、毛先をわざと左右に散らすのだ。この時代に生まれていれば、寝癖を恐れることもなく、もっと自己主張の強い人間になっていたかもしれない。
 あれからウン十年たち、立派にオバさんの仲間入りをしたら、寝癖に悩まされることがなくなった。寝相がよくなったのか、髪にハリがなくなったのかは不明だが、朝は平常心で鏡を見ることができる。
 ところが、珍しく8時間眠った翌朝、久しぶりに牛の角が登場した。今までは、寝癖がつくほど寝ていなかったらしい。寝癖をなくす代償として、睡眠時間を奪われたのだろうか。
 はて、悪魔と取引した覚えはないのだが。


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