これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

かまちょ猫と伊江島

2014年05月29日 20時06分40秒 | エッセイ
 那覇から伊江島に行くには、本部(もとぶ)港から出ているフェリーに乗らねばならない。本部に行くには、まず名護に出て、そこからバスを乗り継いでいく。
 那覇から名護まで、高速バスでも90分かかる。名護で車外に降りたときには、靴を脱いで裸足になったような解放感があり、気分もよかった。

 次のバスは、15分後か。

 両腕を高く上げ、伸びの姿勢をしたあとは、バス停前のベンチで待つ。人はまばらだ。平日とはいえ、こんなに利用客が少なくて大丈夫なのだろうか。採算面を心配していたら、どこからともなく猫がやってきた。
 名護の猫とはいえ、「ナ~ゴ」と鳴くわけでもなく、黙って私と隣に座った若者を見比べている。こちらも猫を見て、「毛並みがよくないな」と値踏みした。その思いが伝わったのか、プイと顔をそむけて、私のもとから離れて行った。
 猫は隣の若者の前まで来ると、軽やかにジャンプして膝に飛び乗った。拒否されないと見ると、安心したように目を細め、眠り猫と化している。



「かまちょ」という若者言葉をご存じだろうか。「かまってちょうだい」を短縮した言い方なのだが、これはまさに「かまちょ猫」。遊んでもらって幸せそうだ。
 まもなくバスが来て、若者が立ち上がると、猫もしぶしぶ膝から降りた。また次のターゲットを探すにちがいない。
 本部港につくと、フェリーが停まっていた。



 伊江島まで30分。ここにも修学旅行生がわんさといて、沖縄がいかに人気なのか、痛いほどわかった。
「キャーッ、島が見えるぅ」
「はいっ、チーズ!」
 デッキは子どもたちに占領され、写真が撮れない……。まあいいや。
 伊江島に着くと、まずは自転車を借り、ニャティア洞に向かう。車はほとんど通らず、せわしない東京とはまったく違うのどかさがあった。



 15分ほど走ると、ニャティア洞だ。この洞窟には、「ビジル石」という子授け神が崇められているそうだ。この石を持ち上げ、軽いと感じたら女の子、重いと感じたら男の子に恵まれるという言い伝えがあるらしい。
 中に入ってみると、たしかに神がいそうな気配である。



 天井から滴る水が、カメラを濡らすこともあるのでご注意を。
 洞窟から見える海の素晴らしいこと。



 そして、これがビジル石である。



 実際に持ち上げたりはしなかったが、やってみればよかったかもしれない。
 ちょっと前までは、その先の米軍補助飛行場でオスプレイが見られたそうだ。一度くらいはお目にかかりたかったのに、最近は飛んでこないとか。
 お次は島の見どころ、城山(タッチュー)を目指す。むきだしの岩肌が、パワースポットの雰囲気を醸し出している。ここには、神が住んでいるような気配が感じられる。



 この神秘的な城山に、オスプレイは似合わない。また、飛行を再開するのだろうか。
 左側の登山口から、山に登ることができるという。もし時間があれば、私も登りたかったが、午後のフェリーで帰らなければならない。次の機会を作りたいものだ。
 短時間の滞在で、帰りのフェリーに乗った。伊江島の民家では、修学旅行生の受け入れを行っており、農業や料理などの体験学習をしているという。それも楽しそうな気がする。
 名護に戻り、今度は帰りのバスを待つ。近くを探してみたが、あの猫はいなかった。十分かまってもらえて、満足したのかもしれない。
 ホテルの近くには万座毛があった。



 ここは、とても好きな場所。到着時、不思議と雨も上がり、景色を楽しむことができた。
 沖縄はいいところだ。
 来年、また仕事で来るのでよろしく~!


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沖縄グルメ

2014年05月25日 20時52分51秒 | エッセイ
 先日、6回目の沖縄旅行に出かけた。
 この日の東京は雨で、飛行機の写真が台無し……。



 くっそ~。
 だが、那覇空港に着くと、梅雨入りしているにもかかわらず、太陽が顔を出している。がぜん、明るい気分になれた。
 まずは昼食。沖縄そばに豆腐チャンプルーの定食をいただいた。



 沖縄そばには蕎麦粉が入っていないそうだ。蕎麦アレルギーの人も安心して食べられる。薄味なので、七味や島とうがらしを加えて、さらに美味しくいただいた。
 昼食後は、ひめゆりの塔に向かう。



 ちょうど、修学旅行中の中学生がいて、真剣な顔で手記を読んでいた。「手記を3つ以上読んで、感想を書きなさい」という課題が出ていたようで、一生懸命自分の気持ちを書きこむ姿が見えた。若い世代には、特に見てほしいスポットなので、ひと安心する。
 お次は、平和記念資料館。



 ここでも、別の中学生に会った。悲惨な写真に悲鳴を漏らしながらも、正面から向き合って、戦争が奪ったものを理解しているらしい。楽しい毎日が送れるのも、平和だからこそとわかってほしい。
 私は、この建物が好きだ。



 そして海。



 沖縄戦で亡くなった方を慰めるのに、最適の場所だと思う。
 那覇に戻ると、首里城が待っている。



 いつ見ても、この色彩は素晴らしい。



 正殿には、写真可のフロアがある。
 唐玻豊(からはふ)と呼ばれるこの部屋は、「また来たい」と思わせる魅力満載である。



 鎖之間(さすのま)では、琉球王国のお菓子が食べられる。



 花ぼうる、くんぺん、ちいるんこう、ちんすこうの4種の菓子とともに、さんぴん茶がセットになっていた。異国情緒たっぷりで、ぜひおすすめしたいスポットだ。
 出口からすぐの場所に、レストランがあった。私は、タコライスが食べたくなった。

 あった~!

 

 これに、トマトソースをかけていただく。レタスとひき肉との相性もバッチリで、修学旅行などの食事にもひっぱりだこと聞く。子どもには、沖縄そばよりウケそうだ。
 さて、もうひとつ、沖縄と聞いて連想する食べ物はないだろうか。
 そう、サーターアンダギー。
 店によって少しずつ味が違うが、私は優美堂の「かぼちゃ入り」が気に入った。油がしつこくないし、しっとりしていてやわらかい。
 ジャンボな13個入りをゲットする。
 


 結構な重さがあるけれど、これは家族にも好評だった。
 次回は、伊江島の写真をお届けしまっす!


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人生最大のピンチ

2014年05月22日 20時32分06秒 | エッセイ
 勤務先の高校では、修学旅行先に沖縄を選ぶことが多い。3年前のそのときも、私は引率者の一人として沖縄にいた。
「これからバスは恩納村に向かいます。そこで皆さんは、粘土を使ってシーサーを作りますから、楽しみにしていてくださいっ」
「はーい!」
 ガイドの説明に、生徒が元気に答えた。美ら海水族館から恩納村まで、バスで1時間半ほどかかる。鉄道のない沖縄ならではだ。隣に座ったもう一人の先生は、昼食後ということもあり、すでに眠りに落ちていた。



 私も目を閉じ、うつらうつらしていたが、不意にお腹に異変を感じて目が覚めた。

 ゴロゴロゴロ……。

 弁当に入っていた唐揚げが、やけに油っこかったことを思い出す。時計を見ると、まだ30分も経っていない。到着まであと1時間もあるのに、お腹の方は赤ちゃんではないものを「出産」したがっている。これはまずい。
 まだ平気。気をそらして我慢しなきゃ。
 本を取り出してみたが、活字がまったく頭に入らない。お腹の痛みが強まってきて、気がまぎれるどころか、逆に集中してしまった。
 まさか、教員が「トイレに行きたいからバスを停めてください」などと頼むわけにはいかない。チラリと後ろを見たが、生徒の中にも切羽詰まった様子は見られない。ならば、一刻も早く到着することを祈るばかりだ。
「今日はちょっと混んでいますね」
 タイミングよく、ガイドがマイクを持った。1時間半でも気が遠くなりそうなのに、2時間近くかかるかもしれないと聞き、私はあまりの運の悪さに気絶しそうになった。

 もし、我慢できなかったら……。

 恐ろしい想像が脳裏をかすめた。もしそうなったら、退職するしかない。ここは、何が何でも耐えるのだ。変わらず、お腹は唸っている。脂汗は出ない。だが、背筋が妙に寒かった。
 ふと、痛みが遠のいた。陣痛と同じで波があるらしい。どうにか乗り切れそうだと思うと、また産まれそうになる。「待て、待て」と説得していれば、やがては軽くなっていく。その繰り返しだった。
「はい、みなさん、お待たせしました。バスはただいま、高速を下りて恩納村に入りました。目的地まではあと5分ほどです」
 ガイドの声が、これほど弾んで聞こえたことはない。登山でいえば、どうにか9合目まで来たようだ。あとちょっとの辛抱である。
 バスが駐車場に入ると、まずは生徒を誘導する。本音としては、一番にトイレに駆け込みたいのだが、あとから何を言われるかわからないので、澄ました顔で必死に耐えた。
 女子生徒の最後尾につき、ようやく個室に入れたときには、すべてのことを許せる寛大な気持ちになった。人生最大のピンチは、人として成長するための試練なのだろうか?

 実は今、懲りずに沖縄にいま~す!
 飲食は控えめにしなくっちゃ。


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モーツァルト効果

2014年05月18日 20時07分53秒 | エッセイ
 BGMにモーツァルトをかけて仕事をすると、作業能率が上がるという話を聞いた。モーツァルトの曲は持っていないので、早速CDを買ってみた。



 中学生のとき、国語の先生に「成績が上がる勉強法」を教わったことがある。
「作家の書いた小説を、自分のノートに写しなさい。それだけで、国語の力がアップするよ」
 半信半疑でやってみると、漢字力も上がるし、文の構成や表現の仕方も見えてきた。まずは真似をすることが基本なのだろう。今でも、時間があるとやっている。
 今回は、無音状態で小説を書き写した場合と、モーツァルトを流して書き写した場合との比較をしてみた。
 まずは無音で。
 静かだと、結構気が散る。今にもタイマーが鳴るのではないかと、気にしながら作業をした。
「ジカン デス、ジカン デス」
 タイマーが、事務的に終了を告げた。字数を数えると、10分間で677字である。まずまずだ。
 次に、モーツァルトをかけて書き写す。
 交響曲第40番ト短調K.550第1楽章から始まり、クラリネット協奏曲イ長調K.622第2楽章、交響曲第25番ト短調K.183第1楽章と続く。
「ジカン デス、ジカン デス」
 字数は、724字であった。
 能率アップするという話は本当だったようだ。ちょっとビックリした。
 他の曲はどうだろうと、余計な企画を思いつく。
 今度は、私の好きなB'Zをかけてみた。
 モーツァルトのあとだと、かなりのアップテンポである。稲葉さんに、「早よせい、早よせい」と急かされているようで、相当なストレスを感じる。しかも、あわてるから字が乱れる。ひとつとして、きれいな字がない。
「ジカン デス、ジカン デス」
 数えてみたら、何と766字であった。
 モーツァルト超えとはいえ、10分勝負だからできたことで、5時間、6時間といった長丁場では無理だろう。
 最後を飾るのはマドンナだ。英語だから歌詞を聞き流せるし、ダンサブルなリズムに乗って、ストレスもなくスイスイ書けた。字もきれい。
「ジカン デス、ジカン デス」
 こちらは、驚きの785字である。つまり、この作業には、モーツァルトよりもマドンナが向いているらしい。
 じゃあ、このCDはいつ使う?
 モーツァルトの6枚組CDが、心なしか、うつむいているように見えた。
 そうだ、中間テストの採点をするときに、比較してみよう。
 モーツァルトさん、ちょっと待っててね。


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上杉神社と上杉博物館

2014年05月15日 21時34分18秒 | エッセイ
 米沢では、添乗員と化した義兄が、3世代11人を上杉神社に連れて行ってくれた。



 左には「毘」、右には「龍」の幟がはためいている。
 参道を行くと、上杉謙信公に会うことができる。さすがに貫禄たっぷりだ。



「上杉謙信はな、上越で亡くなったんだよ」
 新潟出身の父が、突如として誇らしげに語り出した。
 そして、上杉鷹山公も控えめにお出迎えしてくれる。



 謙信公は、誰もが知っている。だが、恥ずかしながら、私は上杉鷹山なる人物を知らなかった。

 何をした人なんだろう。上杉謙信のお父さんかな?

 日本史は取っていないし、山形に来るのも初めてだから、見た目で判断する。
 もし、このつぶやきを声に出していたら、米沢市民から石をぶつけられたかもしれない。
 先に進み、本殿でお参りをした。



 毘沙門天の転生といわれた、謙信公の強さにあやかりたいものである。
「せっかくだから、上杉博物館も見ていくでしょ」
 義兄が、併設されたモダンな建物を指さした。



 博物館の手前には、こんもりと土が盛られており、山の写真が撮れる。



 私は海派ではなく、山派のようだ。青い空を遮るようにそびえる雄姿を見ると、なぜか落ち着く。
 博物館に入ると、度肝を抜かれるような人形が舞っていた。



 フェイスブックのプロフィール画像にしようかしら……。

 ちょうど、「上杉家伝来絵図」という特別展が開催されており、珍しい展示を見ることができた。
「12時から鷹山シアターで上映があるから見ようよ」
 姉に誘われ、シートに腰を下ろす。
 上映された映像は、借金大国となった米沢藩を立て直すため、上杉鷹山がどのように改革の手を打ったかという内容だった。ドラマ仕立てとなっており、若くして藩主の座に着いた鷹山が、改革を阻む家臣に悩まされたときは、謙信公に祈る場面があった。

 なんだ、謙信公のほうが、先に亡くなっていたんだ……。

 暗いシアターの中で、己の無知ぶりに赤面する。
 その後、迷いを断ち切った鷹山は、まっしぐらに改革を推し進めていく。飢饉とも戦い、見事に米沢藩を再生させたのだから、あっぱれとしかいいようがない。
「のどが渇いた」
「座りたい」
 シアターを出たら、娘と夫がカフェに入りたがる。私はもっと見たかったのだが、ひとまずお茶することにした。
 
 カフェで調べてみたら、上杉謙信は1530年生まれ、鷹山は1751年生まれとあった。
 だが、亡くなった年齢が違う。謙信は49歳だが、鷹山は70歳なのだ。そこで、肖像画に年齢差がついたようである。


 謙信公。(Wikipediaより)


 鷹山公。(Wikipediaより)

 もうちょっと、若いころの顔にすればよかったのに。
 私のように、上杉謙信より年上だと勘違いする者が、他にもいるかもしれない。
「飲み終わった? じゃあ、もう一回入ろうか」
「うん」
 私は2人を連れて、展示室に戻った。半券があれば、再入場できるのだ。ジオラマは精密で立派だったし、見ごたえのある収蔵物が多かった。
 米沢には、食べるほかにも楽しみがある。


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米沢牛で金婚式祝い

2014年05月12日 20時33分04秒 | エッセイ
 5月8日は、私の両親の結婚記念日である。
 今年で実に50年目。つまり、金婚式を迎えるわけなので、盛大にお祝いすることになった。
「旅行も兼ねて、どこかの温泉でやらない?」
「いいね!」
 鉄道マニアの義兄がプランを練り、切符を手配してくれて、この週末は総勢11人で山形に行ってきた。
 天気もよく、山の稜線もくっきりと見えている。



「あれが〇〇山で、こっちが△△山」
 義兄が解説してくれたのに、まったく頭に入らなかったのが残念だ……。
 泊まったホテルで、私たちの荷物を運んだ中年のホテルマンが、「うっ、重い」などと聞こえるようにつぶやいたのも残念だった。別に、漬物石を入れているわけでもなく、衣類しか入っていなかったのだが。
 仲居さんが「全員乗れませんよ」と言って、強引にエレベーターのドアを閉めたのにも興ざめだったけれど、温泉は気持ちよかったし、料理も美味しかったから、よしとしよう。



 ホテルをチェックアウトしてから、本当のお祝いが始まった。
 赤湯から米沢に出て、グルメプラザ金剛閣に向かう。4階の明星というレストランで、米沢牛づくしのコースを注文する。
 料理が出てくる前に、スパークリングワインで乾杯した。
「金婚式、おめでとう!」
「おめでとう」
 父も母も、はにかんだように口を開く。
「ありがとう」
「50年って、長かった?」
 高3の娘が興味津々で尋ねると、「あっという間だった」と母が答えた。子育てに、親の介護、自身の仕事、孫の世話などをしていたら、時の流れを感じないのかもしれない。
 そうこうするうちに料理がやってきた。
 パプリカのムース。
 ここにも米沢牛が隠されており、口当たりのよさに驚いた。



 米沢牛モモ肉の冷しゃぶ サラダ仕立て。
 これは、さっぱりといただけた。



 米沢牛大トロの炙り寿司2貫。
「うまッ」という感嘆の声があちこちで上がる。加えて「おかわり」などという不埒な声も……。



 カブのポタージュ。
 素材の味が生きていて、いい味だったのに、写真が暗くて伝わらない。これは申し訳ない。



 米沢牛フィレステーキ130g。
 さきほどから思ったのだが、米沢牛は脂が多い。美味しいけれど、がっつり食べるのはこの量が限界かもしれない。



 デザート。



 極楽、極楽♪
「どうもありがとう。これからも仲よく暮らします」
「ありがとね」
 私たちも楽しかったし、両親も喜んでくれたようで、何度も礼を言われた。
 企画者である姉夫婦には、感謝するばかりだ。
 食事が終わったら、午後4時を回っていた。
「夕飯、いらないよね」
「いらない」
 実際、私も娘も、夜中までお腹が空かなかった。米沢牛は、腹持ちがいい。
 かくして、金婚式旅行はにぎやかに幕を閉じた。


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くじ運アップ作戦

2014年05月08日 21時12分42秒 | エッセイ
 夫が近所のショッピングビルに行くという。ちょうど、私も買い物がしたかったので、一緒に車に乗せてもらうことにした。
「今日まで、福引きやってたよね」
 さすがは専業主夫。スーパーでせっせと買い物をして、福引券をためていたらしい。
 しかし、同じことを考える人間は多かったようで、駐車場はいっぱいだった。
「だめだ、停められない。この福引券あげるから、ママが代わりに引いてきてよ」
「えっ、アタシが!?」
 これは責任重大だ……。
 福引きには何十回も挑戦しているが、一度たりとも当たったためしがない。これに対して、夫はくじ運がよく、何等が当たったとか、何をもらったとか、繰り返し繰り返し聞かされている。福引きは11回できるようだが、まったく当たりそうな気がしない。
「全部ハズレかもしれないけど、文句言わないでよ」
「うん」
 バッグに抽選券をしまい込み、私はショッピングビルに入っていった。
 カランカランカラーン。
 ジャラジャラジャラ……。
 4階の福引会場から、景気のいい音が聞こえてきた。長蛇の列ができていたら顔をしかめるところだが、幸いにして空いている。最後尾につくと、すぐに順番がきた。
「7番にどうぞ」
 案内されて行ってみると、20代そこそこの若いお姉さんがにっこり笑いながら立っており、いい雰囲気だった。
「こんにちは。では、矢印の方向に11回、ゆっくり回してくださ~い」
「えい」
 ぐるっとひと回り。
 穴からポトリと落ちた玉は白かった。ハズレだ。
 2回目も、3回目も白。私は、白い玉しか見たことがない。
 だが、4回目は、赤い玉が飛び出してきた。
 私の目の玉も飛び出しそうだった。こんな色を見るのは初めてだ!
「あっ、4等ですよ!」
 お姉さんは、素早くベルを取り、左右に小刻みに振った。
 カランカランカラーン。
 続けて5回目を回すと、また白。一度当たったからいいやと思っていたら、6回目は黒い玉が落ちてきた。
「5等ですっ!」
 カランカランカラーン。
 お姉さんが、自分のことのように喜んでくれるので、こちらも気分がよかった。
 残りは全部白だったが、まさか2つも当たりが出るとは思わず、現実感がなかった。地面がやけに軟らかく感じられ、雲の上を歩くような足取りで帰った。
 家では夫が洗い物をして待っていた。
「ただいま」
「おかえり」
「福引きで、初めて当たった」
「へー」
 5等のアニマルスポンジ。



 4等の入浴用化粧品。



 高価なものではないが、実用的でありがたい。
 勢いで、宝くじでも買いに行けばよかったのかもしれないが、私はそうしなかった。
 おそらく、ツキは私にあったのではなく、夫の抽選券にくっついていたのだ。身のほどは、十分わきまえている。
 今度から、抽選券を手に入れたら、夫に持っていてもらおうっと。


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2014 お誕生会

2014年05月04日 21時01分04秒 | エッセイ
 昨日は娘の誕生日だった。
「LINEってさ、18歳未満はID検索ができないの。でも、5月3日になったとたん、できるようになったから、ああ18歳になったんだなって実感した!」
 ピントがずれている感じだが、それはさておき、誕生会の準備にとりかかる。今年も、私の両親に妹一家、姉夫婦が来てくれることになっている。美味しいものを作って迎えなければ。宅配寿司をとり、野菜たっぷりのみそ汁を合わせる。スモークサーモン、ローストビーフ、チーズは買ってこよう。焼き物は、一口サイズのエビグラタンだ。カニクリームコロッケの応用で、ホワイトソースはすぐできる。
 揚げ物は、スコッチエッグにした。といっても鶏卵ではなく、水煮のうずら玉子を使い、外側をハンバーグのタネで包んだものに、小麦粉、溶き卵、パン粉の順で衣をつければよい。メニューが決まったところで、スーパーまで買い出しに行った。
「プチトマト298円 先着50名様」
 仰天するほど大きなパックが、安い値段で売られていた。左が通常のパック、右が特売のパックである。



 小6の姪は、プチトマトが大好きだ。迷わず購入した。食材にソフトドリンク、ビールなどを加えたら、買い物袋が3個になったが、プチトマトに目がくらんだせいでもある。自宅まで、えっちらおっちらと運んだ。
 帰宅後、まずは、スコッチエッグの仕込みをする。うずら玉子は24個あったので、衣をつけたものも24個完成し、バットの中にきっちり収まった。なんだか気分がいい。



 みそ汁を作り、フルーツを切って、最後はグラタンにとりかかる。
「ピンポーン」
 佳境に入ったところで、両親がやってきた。思ったより道が空いていて、早く着いたのだという。お茶も出さずに、料理を続けた。寿司も届き、あとは客が揃うだけになったら、スコッチエッグを揚げる。
「ピンポーン」
 全員揃ったところで、料理もでき上がった。



「ミキちゃん、お誕生日おめでとう!」
 乾杯をして宴会がスタートした。
 来週は両親が金婚式を迎えるため、親族全員で一泊旅行の予定があり、その打ち合わせも兼ねている。近況報告のあとは、乗車券・特急券の受け渡しと、食事のチョイスをしなければならない。
「宿のホームページ見た?」
「見た見た。お風呂がたくさんあるからビックリしたよ」
「卓球あるかな?」
「えー、なくていいよ。お風呂のあと、また汗かくじゃん」
「入る前にやればいいでしょ」
「ははは」
「夕飯の時間は6時でいい?」
「うちは着くのが5時半だから7時がいいな~」
「コースはどれにする?」
 などとワイワイやっていたら、娘が私を呼んだ。
「お母さん、このスコッチエッグ、生なんじゃない?」
「ええっ!?」
 まさかと思ったが、肉の部分が赤い。どうやら、裏返すのを忘れたようである。完全に火の通っていない料理を食卓に載せるとは、料理人失格だ。かなりショックだった。
「レンジ、レンジ」
 姉と妹が口を揃えて言う。20秒チンすると、あっという間に加熱できた。安全性には、もっと気をつかわなければいけないと反省した。
 料理がなくなったところで、カットフルーツを並べる。30代の義弟は、なぜかグレープフルーツに固執していた。
「血圧が高いんですよ。グレープフルーツがいいって聞いたから、もらいます」
「あらまあ、太ってないのにね」
「下が100もあって」
「げっ。たまねぎ氷が効くってよ」
 妻である妹を見ると、他人事のように冷たく答えた。
「うち、ミキサーないから無理~」
 姉の夫も参戦する。
「秋田のなまはげは、『泣く子はいねえが』に続いて『働かない嫁ごはいねえが』って聞くんだよ」
「あっはっはっは」 
 フルーツのあとはケーキである。今回は、妹と義弟が、シーキューブのチーズケーキを買ってきてくれた。



「ゼリーもあるからね」
「わあい」
 
 お開きとなり、みんなが帰ったあと、片づけものをする。台所に、母が持ってきた大皿が4枚置いてあった。料理に気を取られ、放置したまますっかり忘れていた。
 中を開けると、パーティー料理にちょうどよさそうな皿が出てきた。



 これはいい。そういえば、母はこんなことを言っていた気がする。
「近所のおばあちゃんがね、うちはもう大勢で集まることがないから、よかったら使ってくださいだって」
 黄色の花柄を見ていたら、ひっそりと暮らすお年寄りの姿が浮かんできて、胸が苦しくなった。親族が集まるときは、大皿は多ければ多いほど助かる。かつては、その家でも、大皿の出番があったのだろう。
 賑やかな、大家族のバトンを受け継いだような気持ちになった。
 大事に使わせてもらいます!


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受験生を持つ親の心がまえ

2014年05月01日 20時42分43秒 | エッセイ
 早いもので、この春から娘のミキが高校3年生になった。
「今年はいよいよ、受験という大イベントがあります。本校としては、お父様、お母様としっかり協力して、一人でも多くの生徒が第一志望の大学に合格できるよう指導していきます」
 先月、娘の高校で実施された保護者会に行ってきた。まずは、校長、学年主任の順番で、受験に対する説明がある。続いて、進路指導部長の話が始まったが、これがなかなか興味深かった。
「昨年の進路実績をご説明いたします。国公立クラスには1人、早慶上理クラスは3人、GMARCHは42人……」
 早慶に加えて、上智、東京理科は私学の難関である。GMARCHとは、学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政といった大学グループを指すが、統一入試内併願を導入した法政が人気を上げた反面、都心回帰しない中央文系は、法科の名門であるにも関わらず、この10年間でかなり偏差値を落としたそうだ。
 この下には「日東駒専」(日本、東洋、駒澤、専修)、「大東亜帝国」(大東文化、東海、亜細亜、帝京、国士舘)といった大学が続く。
「先日、志望校調査を実施したところ、模試の平均点は過去5年間で一番よかったのに、GMARCH以上の希望者が少なかったので、もっと上を目指してほしいと感じました」
 ちなみに、一番人気は日本大学だったとか。受験生の安全志向は、受験料の節約や浪人の回避が背景にあるのかもしれない。
 進路指導部長は、校内での指導スケジュールを詳しく説明したあと、「受験生を持つ親の心がまえ」で締めくくった。
「受験生を持つ保護者の方は、ぜひ『かきくけこ』を心がけてください」
「か」、過去にとらわれない。
「き」、キレない。
「く」、比べない。
「け」、健康管理に気をつける。
「こ」、困ったら相談する。
 キレない、のところでドッと笑いが起きた。子どもがストレスを抱えているのだから、親がキレては元も子もない。また、子の健康管理は親の仕事という点には、大いに共感した。
 違和感をおぼえたのは、「困ったら相談する」のくだりだ。少々こじつけ感があり、もっと別の言葉に置き換えられないかと考えてみた。

 こきおろさない。

 いや、子をこきおろす親など、私くらいかもしれないから、これはあてはまらないだろう。

 こだわらない。

 うん、これがいいような気がする。〇〇大学じゃなくちゃ、とか、〇〇レベルじゃなくちゃ、といった親のこだわりは捨てるべきだ。
 もうひとつ、浮かんできたワードがあった。

 怖い顔をしない。

 子どもが思うように動かなくても、鬼のような形相はせず、笑顔で温かく見守らねば。
 といっても、何をしても怒らないほうが、怖かったりして……。


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コメント (14)
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