これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

申し訳あります

2013年11月28日 20時04分23秒 | エッセイ
 高校生のとき、部活の先輩から説教をされたことがある。
「ちょっと、何もしないで、いつまでしゃべっているのよ」
「ごめんなさい。これから始めます」
「目上の人間に『ごめんなさい』? 『申し訳ありません』でしょう」
「はあ……」
 1年先に生まれたからといって、ずいぶん高飛車なものの言い方である。
 少々しゃくにさわり、「申し訳あります」と言ってやりたくなった。

 謝罪の言葉にも、バリエーションがある。
「申し訳ありません」は深く謝るとき。もっと丁寧に「申し訳ございません」などと言う人もいる。
「失礼しました」は軽くお詫びするとき。肩が触れた、食事中に音を出したなどの場面で役立つ。
 何といっても、一番出番が多いのは「すみません」だろう。道を聞くとき、人にぶつかったときなど、パッと口から飛び出してくる。謝るだけでなく、感謝の気持ちを伝える場面でも活用できて、非常に便利だ。
 だが、「すみません」ではなく「すいません」だと思っている人も少なくない。勤務先の高校で、生徒が悪さをした場合は反省文を書かせるのだが、ほとんどの者が「迷惑をかけて、すいませんでした」と書いてくる。
 教員だって負けていない。
「オアシス運動とは挨拶の頭文字をとって、おはようございます、ありがとうございます、失礼します、すいません、を日ごろから言えるように心がける活動のことで……」
 50代のベテラン、某先生のこんな文章を読み、私は椅子からズリ落ちそうになった。ここでも「すいません」がまかり通っている。日本人は一体どうなってしまったのか?
 急に、自分に自信がなくなってきた。

 もしかして、私が間違っているの!?

 非常に気になり、パソコンで検索してみた。
 すると、「すいません」は「すみません」の口語体で、誤りではないらしい。ただし、文章に表すときは、「すみません」としなければならないと書いてあった。

 よかった、間違っていなくて。

 認識不足で、「申し訳ありません」!


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一番のオムライス

2013年11月24日 17時30分14秒 | エッセイ
 学校も仕事も休みの日曜日。お昼は海鮮丼にした。ウニにイクラ、ホタテ、マグロを載せたところで高2の娘を呼ぶ。
「お昼だよ~」
「ほーい」
 しかし、娘は丼を見るなり怒り出した。
「なんでよ~! 昨日、お昼はオムライスにしてって言ったじゃない」
「……そうだった」
 彼女のリクエストを聞きながら、すっかり忘れて別のものを作ってしまったのだ。
 ああ失敗。
「……ムシャムシャ。でも、美味しいからこれはこれでいいや。そのかわり、夜こそオムライスにしてよ」
「ほーい」
 娘はオムライスが大好きだ。あちこちの店を食べ比べては、ここはいい、あそこもよかったとインプットしている。
「でもさ、一番美味しいのはお母さんのオムライスだからね」
 ……リップサービスも忘れないところがうまい。
 昨日は日本橋高島屋に行った。
 入口のクリスマスツリーに目を奪われる。



 ブラブラしたあと、新館6階の資生堂パーラーでお昼にする。
「あっ、オムライスがあるよ。これがいい」
 娘に迷いはなかった。
 ほどなく、料理が運ばれてくる。
「わあ、キレ~」



 ここのオムライスは、玉子が厚くてふんわりしている。何個使っているのか知りたいところだ。
 ちなみに私は、ミートクロケット(コロッケ)にした。



 どちらもデリシャス。味が濃すぎないところがいい。
「満足だけど、もっと美味しいのがあったなぁ」
 娘が感想を漏らす。
 さて、どこの店だろう。
「ラケル?」



「ううん」
「えー、わかんない」
「マルゴ丸の内だよ。ほら、三菱一号館美術館のあとランチしたお店」
「ああ、あそこか」



 マルゴ丸の内には、「昔ながらのオムライスプレート」というランチメニューがあって、2人でそれを注文した。たしかに、ライスの味つけ、玉子の焼き加減なども申し分なかった気がする。
「シンプルなところがよかったんだよね。今のところ、あそこが一番」
 娘の本音に引っかかる。
「……一番はお母さんのじゃなかったの?」
「あ、いやいやいや」
 まあよい。
 じゃあ、また行きましょうかね~。


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美味しい結婚式

2013年11月21日 21時29分38秒 | エッセイ
 先日、教え子のみぃ♪ちゃんが結婚式を挙げた。
 お相手である新郎のタケちゃんは、うちの夫と同じ誕生日である。しかも、結婚式場も私と同じ。赤い糸ではなく、群青色かうぐいす色あたりで結ばれたお嬢さんの晴れ姿を楽しみに、身支度をした。
「さ、寒い!」
 式場は暖かいとはいえ、そこにたどり着く前に凍死しそうな寒さだった。チャイナドレスをあきらめ、長袖のスーツに変更して家を出る。「根性なし」という言葉が浮かんできた。
「こんにちは~! お久しぶりですっ」
 みぃ♪ちゃんの友達も教え子なので、いろいろな子たちが私に声をかけてくれた。昔に戻ったようで楽しい。
 まずは、チャペルでの結婚式からだ。
 キリスト教式のプログラムはこのようになっている。



 純白のウエディングドレスに身を包んだみぃ♪ちゃんは、まぶしいほど美しかった。
 次に披露宴。
 高砂の座には、新郎新婦しかいない。私の時代には仲人がいて、4人で並ぶのが当然だったから、時代の移り変わりを実感する。仲人の代わりに、新郎が自ら挨拶して宴が始まった。
 この式場の厨房では、夫となるタケちゃんの親戚が働いているそうだ。豪華な中華料理が続々と出てきて驚いた。
 特製フカヒレ姿煮オイスターソース煮込みと鮑の柔らか煮 温野菜添え



 鮃(ひらめ)と海鮮二種盛り中華風サラダ造り特製ソース



 広東風牛フィレ肉のステーキと海鮮多種合わせ焼き温野菜添え



 海老の塩味炒めとタラバ蟹のウニ衣フリッター添え



 カニ玉子入りフカヒレあんかけの特製チャーハン ウニ添え



 うま~ッ!!

 デザート



 私のときも、式場の食事は美味しかったし、今回も花丸である。両家からのもてなしの気持ちが伝わってきて、ありがたいと感じた。
 ちなみに、ウエディングケーキも凝っている。野球命のタケちゃんに、フルート奏者のみぃ♪ちゃんだから、こんなに微笑ましいデザインとなっていた。



「笹木様、新郎新婦様お色直しのあとスピーチとなりますので、ご用意をお願いいたします」
「は、はいっ」
 司会の女性に予告され、心の準備に取りかかった。食べてばかりではいけない。私も2人に、お祝いの言葉を考えてきたのだ。練習する時間がなかったので、上手に言える自信はないが、きっと気持ちは伝わる。
 深紅のドレスに着替えたみぃ♪ちゃんが、タケちゃんと仲よく入場してきた。あでやか、のひと言に尽きる。各テーブルで記念撮影をしたあと着席すると、いよいよ私の出番だ。
「ただいまご紹介にあずかりました、笹木と申します」
「ザワザワザワ~」
「…………」
 中盤でのスピーチは騒がしい。お酒が回り、会話も弾む頃合いだから、これが普通であろう。かえって、シーンとされていたほうが緊張するものだ。新郎新婦とご親族は聞いてくれるだろうと思いながら、短いスピーチを終えた。
 それにしても、盛り上がった披露宴だった。新郎の両親にインタビューしたDVDは笑えたし、新婦と仲間のフルート演奏は素晴らしかった。あっという間に2時間半の披露宴がお開きとなり、式場をあとにした。
 余談だが、久しぶりに祝儀袋を買いに行ったら、カラフルなものが多くてビックリした。チェック柄やレース仕立ての袋もあったが、私が選んだのはこれである。



 富士山~!

 老後は富士山のふもとに引っ越したいくらい、私はこの山が好きだ。
 若い2人には、山あり谷ありの毎日が待っていることだろう。
 でも、その山はきっと富士山である。試練を乗り越えたあとは、その雄姿を現して、勇気やパワーを与えてくれるに違いない。つらいこと、厳しいことがあっても、逃げずに立ち向かっていってほしい。
 どうか、お幸せに。

 読者のみなさまへ。
 今回は、600回目の記念更新となります。
 足かけ5年半、おつきあいくださり、ありがとうございました。
 また、記念更新に相応しい大ネタを提供してくださった、みぃ♪ちゃん、タケちゃんご夫婦にも御礼申し上げます。
 これからもよろしくお願いいたします。


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検印ぺったん

2013年11月17日 21時04分02秒 | エッセイ
 私が教えている高校生たちは、勉強が嫌いだ。
「じゃあ、○ページの問題をやってみましょう」
 指示を出しても、すぐにページを開ける生徒は半分くらい。あとは、少々間を置いてから、しぶしぶ問題集をめくるような状態だ。隙あらばサボろうとして、様子をうかがっている。
 どうにかして、やる気を出させなければならない。
 たとえば、検印表を作るという方法がある。升目の入った用紙を用意して、ひとつの課題が終わったら教員がハンコを押すようにすると、結構がんばったりする。努力が目に見えて、達成感を感じるのだろう。
 どうせなら、ユニークな検印表を作りたいという気持ちになった。
 そこで、できたのがこれである。



「ファイトって書いてあるよ」
「ふーん」
 生徒は、ひと味違ったものが好きだ。すぐに受け入れられて、課題の提出率が一気に上がった。

 よしよし♪

 FIGHTばかりでは芸がないので、先日、検印表もリニューアルした。



「ウィン? 優勝って意味だっけ」
「何か楽しそう」
 こちらも気に入ったらしく、競って課題を出してくる。
 2学期は、これで大丈夫だろう。
 さて、3学期は何にしようかな……。
 英単語が続いたから、今度は日本語にしたいところだ。
 漢字は、枠を作るのが難しい。ひらがなで「ごうかく」「せいかい」などとしたら、幼すぎるだろうか。
 何か、いいアイデアないですか~?


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お手々ぶらぶら

2013年11月14日 21時11分21秒 | エッセイ
 大き目のバッグを持っていると、荷物が多くなっていけない。
 職場と往復するだけでも、お弁当に化粧品、手帳、本、財布、定期、折りたたみ傘、タオルにティッシュなどが入り、かなり膨らんで重い。
 しかし、中には身軽な人もいる。
「あ、笹木さん、今帰るところ? 僕もなんだよね。じゃあ、一緒に行きましょう」
 ダウンジャケットを着た井川氏と、玄関で合流した。しかし、彼はペットボトルを1本持っているだけで、他には持ち物がない。
「手ぶらなんですか?」
 不思議に思って尋ねてみた。
「うん、カバンは持たない主義。だって、財布は上着の内ポケットに入るでしょ。定期は反対のポケットに入れてるし」
 彼は襟元を広げ、財布の場所を指さした。まあ、男性はそうかもしれない。
「お弁当は?」
「うちのカミさん、僕が出かけてから起きるもん。作ってくれないよ。いつもパンを買ってる」
「じゃあ、朝はパンの袋を持っているとか」
「それがね、パンは上着の外ポケットに入っちゃう。2個買って、左右に1個ずつ入れてるんだ」
 これには、ちょっと驚いた。
「満員電車でつぶれたらどうするんですか?」
「いや、つぶれたことない。へーき、へーき」
 そういうものだろうか。
 さらにしつこく聞いてみる。
「電車の中で本を読んだりしないんですか」
 私はてっきり、パンと一緒に文庫本をしのばせているのだと予想したのだが、そうではなかった。
「あ、僕はね、新聞なんだ。片道90分かかるから、隅から隅まで読めるんだよ」
「さすがに、新聞はポケットに入りませんよね」
「そう。だから別のところに入れてる」
 井川氏は背中を向け、ダウンジャケットと上着をめくってベルトを見せた。ズボンとワイシャツの間には、なんと4つ折りにされた新聞紙がはさまっていた。
 ここまで徹底して「手ぶら」を追求するとは恐れ入る。
 自分と真逆のタイプが珍しくて、思わず感心した。
 さすがに、ペットボトルは収納しきれなかったのかもしれない。
 肩からさげられる、ペットボトルホルダーをプレゼントしようかしら。


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歳をとるのもまた愉し

2013年11月10日 20時53分55秒 | エッセイ
 2013年も残り8週足らずとなった。
 今年もいろいろな本を読んだ。文学はもちろんだが、ハウツーものも好きなので、睡眠や発達障害に関する本なども読んでいる。
 その中で一番よかったのは、これである。



 伊東まり子著『まり子教授のサクセスフル・エイジング講座』
 最初は、表紙のまり子先生に惹かれて買った。とても62歳には見えない美しさだからだ。
 中身にはもっと魅力があった。アンチエイジングを超える、サクセスフル・エイジングは、「人は死ぬまで成長を続ける」という前向きな考え方であり、これから晩年を迎える人間を安心させてくれる。
 実際、私も今の自分が一番幸せだと思う。若さにあふれた10代、社会で自己実現を始めた20代よりもだ。安定した交友関係を築き、他人との接し方も心得て、仕事に趣味に効率よく時間を割く。毎日が充実していて、素直に感謝の気持ちがわいてくる。
「40代っていいな」と思っていたところに読んだ本だから、なおさら説得力があった。
 まり子先生の教えを守ると、「老いる」のではなく、「美しく歳を重ねる」ことができるらしい。メイクから服装、エクササイズ、食事法など、役に立ちそうな内容はたくさんあるが、その中でも、「朝パック」が衝撃的であった。
 見出しには、「シートパックにラップとタオル1枚で、しっとりシワなし肌のできあがり!」と書いてある。最初は半信半疑で、時間のある土曜日に試してみた。まり子先生は、夜のパックを勧めない。パックは朝に限るという。
 洗顔後、化粧水のついたシートパックをつけ、上からラップで覆う。このとき、鼻の部分は切れ目を入れて、息ができるようにしておくのがポイントだ。フェイスタオルを濡らしてレンジで加熱し、ホットタオルになったら目の上に載せる。20秒たったら、頬やあごのフェイスラインに移動させ、こちらも温める。
 そしてパックを外すと、肌が赤みを帯びていたが、熱が引いたあとは本当にシワがなくなっていた。まるで、ホットタオルがアイロンの役目をしたように、ツルリとした餅肌が登場したのだ。

 えーっ、何のマジック!?

 非常に驚いたが、実に化粧のりがよくていい。今ではパックをするために、15分早起きしている。
 だまされたと思って、一度チャレンジしてはいかがだろうか。
 楽しく歳をとる仲間、募集中でーす!


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印象派を追いかけて

2013年11月07日 20時29分30秒 | エッセイ
 高2の娘は印象派が大好き。
「必ず絵に光が入っているでしょ。表情も豊かだし、きれいだと思う」
 とりわけ、ルノワールが気に入っている。
「ラファエロとか、ぜったい無理~」
 ……しかし、他の画家をけなすのはやめようか。
 先日、新聞広告を見て、東京富士美術館というところで「光の賛歌 印象派展」なる催しをやっていると知った。
「八王子は遠いけど、ちょうど3連休だから行こうよ」
「そうだね」
 というわけで、やってきました!



 この絵は、ルノワールの「ブージヴァルのダンス」だ。
 絵の女性は、のちの画家ユトリロを生んでおり、やがては、自分も絵筆を持つようになったそうだ。彼女が身につけている淡いピンク色のコットンのアンサンブルは、1880年代前半に人気のあった夏の服だという。シュリンプピンクで縁取られた布地が、ファッションの最先端をいくものだったのだろう。
 入ってすぐのところにカフェがある。ひと休みしようと、絵を見る前に立ち寄った。

 見終わったときには、1時間半ほど経っていた。
 ショップで印象に残った絵画のポストカードを買い、余韻にひたる。
 まずは、ジュール・ジェーム・ルージュロンの「鏡の前の装い」。



 単純に、「こんな服を着たい!」という憧れが凝縮された一枚だ。
 ヤン・フォン・ホイエンの「釣り人のいる川の風景」。



 果てしない水平線と、セピア色に焼かれた景色が郷愁を感じさせる。
 クロード・モネ「海辺の船」。
 


 青い空に黒い船。傾いた船体が何とも印象的だ。
 モネは、これ以外にも、「睡蓮」シリーズが大変よかった。



 彼は自邸の庭を拡張し、池のある日本庭園を造成していたそうだ。池に睡蓮を浮かべ、日本情緒漂う空間を演出した上で、何枚か連作に取り組んだとあった。
 何と明るい色づかいなのだろう。極楽浄土を思わせる画風に魅了される。
 絵を堪能したあとは、おみやげを買う。
「やっぱり、クリアファイルかな」
 娘は、予想通りルノワールを選んだ。



 私はブックマーカーにした。本を読むのが楽しくなりそうだ。



 もっとも、今読んでいるのは、妹から借りた『うしろの百太郎』と『新・うしろの百太郎』だ。



 ギャップもまた愉し。
 印象派の絵を見ると、明るい気持ちになれる。
 おかげで、いい気分転換ができた。
 さて、次はどこまで追いかけていこうかな。


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男子禁制の話

2013年11月03日 16時51分46秒 | エッセイ
 この3連休は、ひさびさに仕事抜きでゆっくりできる。
 精神的なゆとりから、つい通販のカタログを開いたのが間違いだった。
「ああっ、これ欲しい~!」
 ちょうどハロウィンが終わり、クリスマス商戦がスタートしている。実にタイムリーな商品ではないか。



 ブローチ兼ペンダントトップと書かれたこのジュエリーは、アコヤパールが2個ついたシルバー製である。葉や実、ベルは七宝焼らしい。職場で着る白衣の襟につけたら、きっと映えるに違いない。
 だが、お値段は32000円。決して安くはない。
「いいよ、買っちゃおう。たまには、自分へのプレゼントがあったっていいじゃない」
 浪費家砂希が、注文の電話をかけようとしたときだ。
「待ちなさい! それは、クリスマスが終わったら使えないのよ。無駄な買い物でしょ」
 倹約家砂希が止めに入った。
「クリスマスまで使えれば十分じゃない。また来年の11月に出せばいいんだから」
「いーえ、来年は絶対使いません! 引き出しの中を見てごらん。買うだけ買って、ほっぽらかしてるジュエリーがいくつあると思ってるの?」
「ううっ」
 痛いところを突かれた。
 確認してみると、ネックレスだけでもパールが4本あり、ムーンストーン、母からもらったルビーやプラチナ、夫からもらった18金など、ぞろぞろ出てきた。決して高級品ではないが、数だけは揃っている。中には、「そういえば、こんなもの、持っていたんだな」とようやく思い出す、影の薄いジュエリーもある。ここは、倹約家の意見を聞き入れたほうがよさそうだ。
「じゃあ、やめとくね」
「よろしい」
 きっぱり、あきらめようっと!
 引き出しを整理していたら、年代物の小さな箱が見つかった。



 何だっけ、これ。

 箱の「ジュエリークリーナー」という文字を見て、記憶がよみがえってきた。
 おそらく、26年ほど昔のものだ。初めて男の子から指輪を買ってもらったとき、店員さんに勧められて、セットでいただいたのだっけ。といっても、彼氏とは3年後に別れ、指輪も不燃ゴミにしてしまったが、クリーナーだけは保管しておいたようだ。
 おおかた、新しい出会いでゲットするであろう指輪を考えたのだろう。「ちゃっかりしてるなぁ、さすがワタシ」と苦笑した。
 しかし、世の男性諸君にお知らせるのは、さすがに申し訳ない。
 男子禁制の内緒話にしておこう。


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