これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

ニキビダニの治療法

2013年04月28日 20時08分15秒 | エッセイ
 3月23日に、皮膚科で「肌荒れの原因はニキビダニです」と診断されてから、はや5週間となる。
(詳細はこちらから)
 だいぶよくなった気もするが、抗生剤は5月中旬まで処方されており、簡単に治るものではないとわかった。
 そもそも、ニキビダニは、大人であれば、ほとんどの人の顔にいるものらしい。私の場合、それが異常繁殖し、肌のトラブルにまで発展したというわけだ。
 5週間経った今では、コヤツらの習性がだいぶわかったので、治療法をまとめておきたい。万一、私と同じ症状が出た場合、参考にしていただければと願う。
 
 ★洗顔料★
・クロロフィル石鹸使用がベスト。夜はクレンジングを使わず、二度洗いする。

 ★化粧水★
・皮膚科でいただいた「VIVIセラミドしっとりローション」はつっぱり、肌に合わなかった。
・P.G.C.Dの「ロシオン エクラ」に替えたところ、しっとりと落ち着いた感じになった。

 ★日焼け止め★
・そもそも、繁殖した原因は、ド○ホルンリンクルの「素肌ドレスクリーム」を塗りすぎたせいらしい。
 パウダーは肌に負担をかけると思い、クリームにしたのに、逆効果となった。
・日焼け止め効果もあるP.G.C.D.の多機能美容液も、ニキビダニを増やす一因となったので、使用を控えた。
・日焼け対策には、パウダーファンデーションを肌に直接はたくのがよいようだ。

 ★硫黄★
・水に溶かした硫黄を直接患部に塗ると、ニキビダニを窒息死させることができる。



 ただし、合わない場合、肌荒れがひどくなるので、上澄みで様子を見てから使用する。
 最初は合わなかったが、徐々に赤みとボツボツが減ってきた。肌も適応するらしい。
・あぶらとり紙で、まめに皮脂を取り除くのも効果的。
・髪は毎晩洗ってから寝る。飲んで遅くなった日、サボって寝たら、翌朝は目も当てられない顔になっていた……。
・マスクは禁止。風邪予防にマスクをつけて寝ていたが、やめたら急激によくなった。

 とにかく、肌の皮脂を減らし、乾燥させることが、ニキビダニ対策のポイントである。そこに、たどりつくまで、ずいぶん回り道をしてしまったけれど、かなりキレイになってきた。あと一歩である。
 赤くなっている肌を見て、グルメ仲間の智恵子さんがいいことを教えてくれた。
「シャンプーは何を使っているの?」
「んー、ド○ホルンリンクルのプレゼント品です」
「うちの娘も、肌荒れしたときがあったんだけど、アクセーヌにしたらすぐ治ったよ」
「アクセーヌ?」
 口コミは信じるほうだ。早速、取り寄せてみた。



 シャンプーは210g入り、リンスは150g入りで、それぞれ1260円する。
「高ッ」
 娘は驚いたが、ニキビで悩んでいるので、一緒に使うことにした。泡立ちは控えめだが、洗ったあとのさっぱり感がある。何より驚いたのは、髪のコシだ。私は髪が細いので、スタイリングしづらいのだが。
「すごい……。ウエーブがしっかり出るし、ぺちゃんこにならない」
 しかも、寝ぐせもつきにくく、ふんわりとボリュームのある仕上がりとなる。これは手放せない。
「ミキも友達から、髪型が決まっていると言われたよ」
 高価なシャンプーは、こうも違うものか。一度で気に入り、追加購入することにした。
「でも、ニキビは治らないね」
「お母さんのニキビダニもね」
 予想と違う展開になったけれども、これはこれでよしとしよう。
 ニキビダニの退治も、先が見えてきた。
 この夏は、女子力アップ間違いなし!


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産みの苦しみ

2013年04月25日 21時24分43秒 | エッセイ
 4月から学級担任を受け持ったが、書くことが大好きな私にしては珍しく、まだ1枚も学級通信を発行していない。
 理由は、タイトルが決まっていないからだ。
「お母さん、学級だよりのタイトルは決まった?」
 入学式の前に、高2の娘に聞かれ、毎度おなじみのタイトルを答えた。
「うん、また『えがお』でいいかと思って」
「えっ、前も同じだったじゃない」
「前の前も同じだよ」
「ダメダメ、高校生向けのタイトルじゃないよ。それじゃ小学生。もっといいのを考えなよ」
 クスン。
 ダメ出しをくらい、計画は頓挫した。
 悩んでいる間に入学式が終わり、オリエンテーションも終わり、授業が始まってしまったというわけだ。
「ただいま。ほら、これ、新しいクラスの学級だよりだよ」
 娘が持ち帰った紙には、「ENGINE」というタイトルが、でかでかと載っている。
「おおっ、エンジン! いいね、お母さんもこれにする」
 安易に真似っこしようとしたら、またもや横やりが入った。
「お母さんのクラスは6組でしょ。ミキはE組だからエンジンなの」
「……そっか、Eから始まりEで終わる単語なんだ」
「そうだよ。D組はDONUTS、B組はBLOOMなんだから」
「てことは、『ろく』のつくタイトルを考えればいいのか」
「そうそう」
 まず、「ろくろ首」が浮かんできた。
 次に、「ろくでなし」。
 どちらも、学級通信には不向きである。
「うーん」
 いいアイデアが生まれず、3週間経った今でも、学級通信は発行できていない……。
 だが、ひらめきは、ふとした瞬間にやってくる。調べもので国語辞典を見ていたら、いい言葉が見つかった。

 すごろく!

 高校生活は、すごろくのようなものである。
 成功したり失敗したり、成長と挫折を繰り返しながら、前へ前へと進んでいく。ふりだしが入学で、ゴールが卒業だ。怒って笑って泣いて、高校生活が終わる。
 これ以上はないタイトルに思えた。
 さっそく、パソコンに向かい、学級通信の冒頭を作り始める。
 凝り性ではないので、適当な雰囲気が出せればよい。



 まあ、こんなもんですな……。

 難産だった。ようやく準備ができたので、来週からは、ぼちぼち発行するつもりだ。
 ところで。
 2年になったら、クラス替えをする。
 もう、タイトルで苦労するのはイヤだ。
 何が何でも、6組の担任になってやる!


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鳩さん怖い

2013年04月21日 20時05分59秒 | エッセイ
 その日、私は娘の保護者会に参加するため駅にいた。
 手早くお昼をすませて、電車に乗らねばならない。昼食時はどこも混んでいるが、ミスタードーナツは空いていたので、「肉そばにしよっかな~」と考えながらドアをくぐった。
 好物のエビグラタンパイを半分食べたところで、注文した肉そばが運ばれてくる。この手早さがありがたい。早速、「いっただきま~す」と箸をつけた。男性には少々物足りないだろうが、細い麺と控えめな量が気に入っている。
 しかし、そこからがいけない。
 入口近くの家族連れが、大きな声で店員を呼んだ。
「すみませーん、鳩が入ってきたんですけどー!」



 見ると、一羽の土鳩が、店内の端を歩いている。「あれっ、変なとこに入ってきちゃったぞ」と気づいたようで、かなり焦り気味だ。
 カウンターから、若い男性店員が歩いてきた。が、「俺に任せろ!」という様子はみじんもなく、目はオドオドとせわしなく動き、足取りも重い。いかにも頼りない雰囲気である。
 鳩は危険を察知したようで、羽を広げるやいなや、バサバサバサと飛び始めた。
「ああっ!」
 食べ物の上を、鳩が飛び回っている……。
 何とも、非衛生的な光景である。だが、私は急いでいたので、「こっちに来るなよ」と念じながら、ひたすら食べ続けていた。
 店員は、バックヤードに戻り、段ボールを持ってきた。さきほどよりは、やる気が感じられる。しかし、狼狽した鳩はやみくもに飛び回り、段ボールに収まる気配はない。
「怖いよ~!!」
 小学生低学年とおぼしき少女が、母親にすがって泣き叫んでいる。これには驚いた。
 男性店員もこの少女も、なぜか鳩を恐れているのだ。もし、私の子どもだったら、「鳩ごときで泣くなッ!!」と一喝するところだが、そうではなかった。この母親は、「○○ちゃん、大丈夫よ」などと背中をさすっている。
 イライラする……。
 若者の弱さに、日本の将来を悲観した。
 鳩は疲れ、だんだん飛べなくなってきた。ゼイゼイと肩で息をしている。今がチャンスだ。しかし、手づかみという発想はないようで、店員は段ボールを離さない。ようやく鳩の上からかぶせ、そのままドアまでひきずって、何とか外に出すことができた。
 これにて一件落着。
 あとは店員が、鳩が飛び回っていた間、食べられなかったドーナツや麺類の交換を申し出ていた。まあ、妥当な判断だろう。
 そんなこんなで、タッチの差で電車に乗り遅れ、保護者会に遅刻したことが悔しい……。


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カラオケ闇練

2013年04月18日 20時39分40秒 | エッセイ
 久しぶりに、高2の娘とカラオケに行った。
 年度末はお互いに忙しく、2カ月ぶりである。AKB48の「フライングゲット」を気持ちよく歌っていると、娘が天を仰ぎ難癖をつけてくる。
「違う違う。だれといても~じゃなくって、だーれといても、だよ」
「へっ?」
「音もいっぱい外れてるし」
「そんなの、だいたいでいいじゃん」
「ダメだよ、ちゃんと歌わないと」
 ただでさえ、うろおぼえの部分は、空白の2カ月で完璧に忘れた。歌えば思い出すかもという、甘い考えは通用しない。娘は、自分の好きな曲が適当に歌われることに我慢できなかったらしい。
「ウォークマン貸してあげるから、毎日聞いておぼえなよ」
「うん」



 今のウォークマンは、こういう形をしているのか……。アイフォンかと思った。
 自慢ではないが、私はいまだかつて、ポータブルプレイヤーなるもののお世話になったことがない。移動中はもっぱら読書。音楽にはほとんど興味がないのだ。
「プレイリストを作らなくちゃね。友達に見られてもいいように、『母カラオケ練習用』にしておこうかな」
「……」
 娘が勧めるAKBはともかく、私がチョイスした曲は、友達に見せられないとでも言いたいのか。
 工藤静香や槙原敬之のどこが悪い! キーッ!!
「じゃあ、操作の仕方を教えてあげるから」
 かくして、電車を降りてから職場に向かって歩く区間で、私はカラオケ対策に励むこととなった。もたもたとイヤホンを取り出し、耳にはめる。周りの音が聞こえるよう音量は控えめにして、メロディを確認する。
「だーれといても~♪」
 ああ、なるほど。これが正しいリズムだったのか。次に行ったときは、ちゃんと歌えそうだと自信をつけたとき、後から呼び止められた。
「笹木さん、おはようございます」
 振り返ると、同僚のシノさんが立っていた。イヤホンをつけたままでは悪いので、闇練は切り上げ、職場まで一緒に歩いて行った。
 翌日も、1曲終わったあたりで、今度はミエさんに声をかけられた。またまた練習は中断した。
 その翌日は、マサトさんである。いつになったら、練習できるのだろうか。
「今日こそ練習しなきゃ」と焦り、ちょっと早めに家を出た。これなら大丈夫だろう。余裕を持って出勤すると、周りの景色を見るゆとりがある。



 のんびり歩いていたら、まさかまさか。またもや「おはようございまーす」の挨拶が聞こえてきた。
 振り返ると、シノさん、ミエさん、マサトさんのフルメンバーが勢ぞろいしているではないか。
 もう知らん……。


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風のいたずら

2013年04月14日 20時18分28秒 | エッセイ
 風の強い日が多い。
 ゴミのポリバケツが飛ばされ、フタが見当たらなかったり、コンビニの買い物袋が宙を舞ったりするから、いいことはほとんどない。
 一方で、ミニスカートの女性や、制服の女子高生のスカートが強風にあおられ、チラッと中が見えてしまったときには、「今日はいい日だ」と思う男性がいるかもしれない。
 強風とセットで思い出すものがある。
 小学6年の社会科見学だ。春だったのか、冬だったのか。よくおぼえていないが、その日は日傘が壊れそうなほどの強い風が吹いていた。
「国会議事堂に着きました。バスから降りなさい」
 担任は、30代後半から40代前半くらいの男性だったが、いつも髪を九一分けにしていた。
「七三分けならわかるけど、何であんなに極端なのかなぁ」
「ハゲてるんじゃない?」
「髪の下はどうなっているんだろうね」
 口の達者な女子たちは、よくそんなことを言っていたものだ。
 生徒が全員下車し、担任も降りてきた。国会前の、キレイに整備された歩道は、入口まで結構な距離がある。



 先頭を行く担任のあとをついていったら、ひときわ強い風が吹いてきた。おそらく、背の高い建物が多いからだろう。
「ねえ……見て」
 隣の友達が、担任の頭を指さしている。指の先に目をやると、いつもガッチリ固められている九一分けのてっぺんが、風の力で揺らぎ始めていた。もしやもしやと期待していたら、少女たちの願いを叶えるように、ビュウッと大きな音がした。
「ああっ!!」
 一陣の風が、特攻隊のごとく担任の頭上に襲いかかる。刹那、ポットのフタのように、髪がパカッと持ち上がった。
「キャーッ」
 女の子たちの悲鳴と、けたたましい笑い声が同時に起きる。フタの下は、思った通り髪がなかった。しかも、地肌が見えることを恐れてか、てっぺんが黒く塗られていた。まさか、靴墨ではないと思うけれども、何を使っていたのだろう。
 まもなく風のいたずらが終わり、パタンとフタが閉じられる。担任は、頭上の問題にまったく気づかなかったのか、終始、涼しい顔をしていた。加齢とともに、髪が後退するのは仕方ないのだから、隠す必要はないと感じるのだが。
 以来、強い風が吹くと、私は国会議事堂を思い出してしまうのだ。
 昨日は、スライスしたゴボウを天日に干していた。夕方、取り込みに行くと、半分ほどに減っている。乾燥し、軽くなったゴボウが、強風に飛ばされたらしい。
 まったく、風が強いとろくなことがない。


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疲労回復剤

2013年04月11日 21時21分02秒 | エッセイ
 4月から、4年ぶりにクラス担任を受け持っている。
 3月までと違って、毎日退屈している暇がない。
 何しろ、入学前から、保護者からの問い合わせが多い。
「教科書代の払込用紙をなくしたのですが、どうしたらいいですか」
「祖母が危篤で、入学者説明会に行かれません」
「入学前に部活の体験に行きたいのですが、中学の制服でいいですか」
「再婚したので、子どもの苗字を変えてもらえますか」
 内容は、どうでもいいものから重要なものまで、実にさまざまだ。今や学校はサービス業なので、できるかぎり丁寧な対応を心がける。
 入学式でも、直接親からあれこれと質問が寄せられた。
「朝のお弁当が間に合わないときは、学校に届けに来てもいいですか」
「家が遠いので、祖母の家から通わせてもいいですか」
「この前、保険には入らないと言ったんですが、今から入ることはできますか」
 などなど。
 一人ひとりに答えていたら、終わる頃にはすっかり疲れてしまった。
 入学式の翌日からは、学校生活のガイダンスが続き、さらに忙しい。
「体育館で対面式です。一年生は二、三年生が並んでから入場してください」
 しかし、並ぶ場所が予定と違っていて、会場が混乱した。
「午後はクラブ紹介です。2時に終了予定です」
 予定よりも長引き、終わったのは2時半だった。
「結核健診でレントゲンを撮ります。Tシャツに着替えて並んでください」
 何と、私のクラスで急に機械が壊れ、復旧まで20分も待たされた……。生徒も私も昼休みが短くなり、あわててお昼をかき込む破目になる。
 ただでさえ、やることがたくさんあるのに、思うように進まないと本当に疲れる。遅くまで仕事を続け、家に帰ったときには、かなりグロッキーになっていた。
「ただいま」
「おかえり。今日のご飯はホワイトシチューだよ」
 おおっ!
 ホワイトシチューは私の好物だ。パンを添えるのが普通かもしれないが、我が家では、あえてご飯にかけて、シチューライスにする。



 これが美味しいのだ♪
「わあい! いっただきま~す!」
 グラタン、ドリアといった、ホワイトソース系を好む人には、絶対気に入ってもらえる自信がある。
 ひとさじ食べたら、疲れ切った体に力が戻ってきた。
「おいしい」
 もうひとさじで、気持ちも明るくなる。重い足腰も軽くなり、エネルギーがたまっていく感じである。夢中でスプーンを動かし、食べ終わる頃には、すっかり元気になっていた。
「ごちそうさまでした」
 よしっ、また明日から頑張ろうっと!
 単純な私には、好物が一番の疲労回復剤である。


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「レペトワ」お別れディナー

2013年04月07日 20時05分50秒 | エッセイ
 ホテル西洋銀座は、5月31日を最後に閉館するそうだ。
 泊まったことはないが、フレンチレストランのレペトワには何度かお世話になっている。グルメのいつめん(いつものメンバーの略)で、記念のディナーをすることにした。
 セピアの内装が、大人の落ち着いた雰囲気を感じる。



「お飲み物はいかがなさいますか。ドンペリフェア開催中ですので、お得な価格でご提供できますが」
 ドンペリか。
 私は俄然興味を引かれた。
「お得って、おいくらなんですか」
「グラスで2100円です」
 普通のシャンパンでも、そのくらいはする。となれば、滅多に飲めないドンペリを選ぶのが得策であろう。
 しかし、ドンペリにもランクがあるから、なおもしつこく聞いてみる。
「ロゼ?」
 ウエイターは、苦笑して答えた。
「いえ、ロゼではございません。ロゼですと、5倍ほどのお値段になりますので……」
「まあ、そうですよねぇ」
「はい」
 残念、白か。
 炭酸が強いので、ウエイターがゆっくり、ゆっくりとグラスに注いでいた。



 グラスにも「ドン ペリニヨン」の文字があり、特別感をかもし出す。



「乾ぱーい」
 本当は、3月に集まる予定だったのだが、不運なことに、その日は予約が取れなかった。何としても、ここで最後のディナーを楽しみたかったから、4月にスライドして、この日を迎えたというわけだ。予約は、智恵子さんが手早くしてくれた。
「私は、先週、宿泊もしてきたわよ」
 涼子さんは、古くからの贔屓客だったようで、とりわけフィナーレを惜しんでいた。
「お待たせいたしました」
 レペトワのいいところは、ほとんど待ち時間を感じないことだ。接客も丁寧で品がある。
 まずは、ウニ。



 オマールエビ。左のボールがソースになっていて、素晴らしい組み合わせだった。



 フォアグラ。ハチミツの甘さが、こってり感にマッチしている。



 白身魚。蒸してあるので、実にシンプル。



 メインは羊にしたが、脂が強すぎる。和牛にすればよかったかも……。



 デザートの前にデジカメを取り出し、ウエイターさんに記念写真を撮ってもらった。
 私は肌トラブルが続いており、顔の赤みが目立っていたが、智恵子さんが「美肌アプリ」なるもので写真を修整してくれた。今では、お気に入りの一枚になっている。
 そして、選び放題のデザート。モンブランもオペラもアイスクリームも美味しかったが、名物のマカロンは絶対外せない!



 満腹になったところで、お開きだ。
 すでに、銀座一丁目駅の出口案内から、ホテル西洋銀座は消えていた……。なんとも哀しいことである。
 さようなら、レペトワ。
 今まで、どうもありがとう。


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携帯不携帯

2013年04月04日 20時59分18秒 | エッセイ
 4月1日から新年度が始まった。今年度は4年ぶりに担任を持つので、新入生を迎える準備に忙しい。
「はじめまして」
 担任団には、他校から異動したばかりの先生も加わることになっている。親交を深めようと、早速みんなで居酒屋に出かけた。
 歓迎会には、花束がつきものだ。若手には先に出発してもらい、買い物を頼んだ。
「じゃあ、学校を出るときメールするから、アドレス教えて」
 彼女と赤外線通信をして、メアドを交換する。あとは、居酒屋で合流する予定だった。
 ところが、バスに乗り込んだあと、バッグを探しても携帯が見つからない。

 しまった、机の中に入れっぱなしだ!!

 ……わざわざアドレスを聞いておいて、肝心の携帯を忘れるとは大バカ者である。他の先生が連絡先を知っていたので、その場はどうにかなったが、アホなことをしたものだと反省した。



 翌日は大雨であった。
 靴を選んでいたら出発が遅くなり、ゆとりのない電車になってしまった。「でもまだ大丈夫」とのんびりしていたら、途中で信号トラブルに見舞われ、結局10分も遅れる破目になった。時計を見ると、もはや間に合わない時間である。

 ダメだ、遅刻する~!!

 ひとまず、学校に電話をかけようとして思い出した。私は携帯を持っていないのだと……。
 近くに、公衆電話も見当たらないが、無断で遅刻するわけにはいかない。

 仕方ない、走ろう……。

 雨の中、傘を差し、私はエッホエッホと走り出した。歩いていたら遅刻だが、駆ければどうにか間に合う。疲れたら歩き、回復したらまた走る。傘からはみ出したバッグが濡れ、スカートの色も変わってしまったが、足を止めるわけにはいかなかった。
 職場に飛び込み、職員カードをリーダーに通す。
 ピッ。
 努力の甲斐あって、ギリギリ間に合ったものの、朝から体力を使い果たした一日であった……。
 平成25年度は、波乱の幕開けだ!


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