これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

吾輩はネギである

2013年02月28日 21時01分56秒 | エッセイ
 吾輩はネギである。
 名前は「タマ」。



 などと、当の玉ねぎが思っているはずもない。
 実は、最近わが家では、玉ねぎの消費量が激増しているのだ。
 きっかけは、友人に勧められた、この本である。



 料理研究家で栄養管理士の村上祥子氏が書いた『たまねぎ氷健康法』にはまっている。
 玉ねぎを電子レンジで加熱し、ミキサーでピューレ状にして製氷皿で凍らせれば、たまねぎ氷のでき上がりだ。これを1日50g以上、みそ汁やカレーなどに入れて食べることで、血糖値が下がり血管も若返る。ついでにダイエットにもなるらしい。
 私の場合、血糖値には問題はない。しかし、血行が悪い。たまねぎ氷で血行がよくなるから、冷え性が治り体温も高くなるという。お肌もツルツルになると書いてあったので、この効果を期待して始めることにした。
「くっさ~!」
 玉ねぎが嫌いな娘は、加熱調理中に、キッチンから逃げ出してしまった。結構、匂いが出る。
 製氷皿は、100円ショップで買ってきた。これなら、氷1個が25gくらいなので、2個で50gを達成できる。フタ付きだから、重ねて収納でき使い勝手がいい。



 初日は、みそ汁に25g、ヨーグルトに25g、生姜湯に25g入れて飲んでみた。
 ニキビに悩む娘にも勧めた。最初はイヤがっていたが、みそ汁ならば気にならないと言って、一緒に挑戦することになった。
 しかし、特に変化はない。12月から頬に赤い吹き出物ができ、ずっとイチゴのようになっているのだが、すぐに治ると期待してはいけなかったか。2日目、3日目も同じだった。
 だが、娘には、3日で変化が訪れた。
「お母さん、おでこのニキビが減ってるよ!」
 2年前から水玉模様になっていたニキビが、数えられるほど少なくなっているではないか。彼女は、朝晩1杯ずつのみそ汁に1個入れ、きっかり50gしか摂っていないのに、若いぶん反応が早いらしい。4日目にはさらに減り、赤みがキレイになくなった。

 すごい!

 5日たつと、さすがに私のほうにも変化が現れた。イチゴほっぺが解消されてきたのだ。
「やった~!」
 ポツポツがなくなっただけでなく、肌全体に透明感が出て、色白になった気がする。
 40代以上は、10代に比べて2倍の時間が必要だが、必ず効果が出る。1~2週間は続けてみてほしい。体温も徐々に上がってきた。
 そして、こんな効果もあった。
 ストレッチをしたら、以前よりも体が柔らかくなったのだ。床に座って体を前に倒すと、腿にお腹がペタッとつく。
 玉ねぎは、肉を柔らかくする性質を持っているらしい。だから、柔軟性がアップしたのだろうか?
「そんなわけないじゃん」
 娘には相手にされなかったが、私はそれが原因だとにらんでいる。スポーツ選手にはいいかもしれない。
 すっかり気に入った。
 余分に本を買い、健康で長生きしてほしい友人に配るぞぅ!


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出もの腫れもの

2013年02月24日 20時52分19秒 | エッセイ
 昨日は都立高の入試であった。朝早くからたくさんの中学生が集まり、学力検査を受けるのだ。
 どの子も神妙な面持ちで、「早く終わってくれ!」と訴えている。
 緊張していたのは高校側も同じで、何かミスをして受検生に迷惑をかけぬよう必死である。
 何年も前のことだが、忘れられない監督中の出来事がある。その日は1時間目と2時間目の試験監督が入っていた。1時間目の国語が終わり、やっと休憩になった。連続だと結構忙しくて、トイレに行く暇がない。喉も渇いていたので、お茶を飲んでから2時間目の教室に向かった。
 数学が始まり、20分くらい経ったときだ。にわかに尿意を感じ始めた。我慢できないほどではないが、膀胱が重く感じる。お茶を口にしたことを後悔し、「早く終わらないかな。あと30分か……」と恨めしい目で時計を見た。
 それから間もなく、窓際の席で手を挙げている受検生がいた。
「す、すみません。ちょっとお腹の調子が悪くて、トイレに行かせてもらえませんか……?」
 検査中のトイレは禁止されていない。脂汗は見えなかったが、相当つらそうだ。女子の受検生だったので、女性である私がトイレまで付き添うことになった。
「じゃあ、ここで待っていますからね」
「はい、わかりました」
 個室が見える入口付近で、私は受検生が用を足すのを待った。少々時間がかかりそうだ。気が緩んだそのとき、尿意を思い出した。

 あっ、私もトイレに行きたかったんだ……。

 いくつもの個室がドアを開けて、「ようこそ!」と誘ってきたような気がした。これは思案のしどころだ。こちらは監督中だから、便乗するわけにはいかない。
 でも……でもでもでも。
 主婦の悲しい性で、つい待ち時間の有効活用を考えてしまう。もしや、これは神の助け?
 しかし、彼女が出てくる前に終われば支障はないが、万一、先に出られてしまっては大変だ。受検生が一人で戻ったら、「何しについていったんだ!」と咎められるだろう。

 うーん。

 悩んでいるうちに、水を流す音がして、受検生が個室から出てきた。
 むむむ。
「すみませんでした」
「大丈夫ですよ、じゃあ教室に戻りましょう」
 私は、何事もなかったような笑顔で踵を返し、落としかけた肩を無理に張り、受験会場まで案内したのだった……。
 今でも、あの判断は間違っていないと思うが、ちゃっかりしている先生がいても悪くはないかもしれない。
 結局、あの受検生は合格したかどうか謎である。
 私も、昨日の学力検査では、お茶を飲みすぎぬように気をつけたのだった。


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「ライフ・オブ・パイ」が調味料

2013年02月21日 20時53分31秒 | エッセイ
 ※一部ネタバレがありますことをご了承ください。

 公開中の映画「ライフ・オブ・パイ」を観に行くことにした。



 2Dは安いが迫力がない。どうせ観るのなら、最高の画質といわれるIMAX3Dがいい。
 この選択は正解だったようだ。奥行きのある画像に、臨場感たっぷりのサウンドが、映画をさらに印象深いものにしてくれた。
 ストーリーは、パイ青年の漂流記である。
 パイの両親は、インドで動物園を営んでいたが、カナダへ移住することになり、園をたたむことにした。買い手のついた動物と一緒に、一家は貨物船に乗り込む。だが、不幸なことに、船はタイタニックのごとく沈没してしまうのだ。
 タイタニックと違い、救命ボートの数は足りていたのだろう。逃げ遅れた家族は船に取り残されたが、甲板にいたパイはボートに乗ることができた。しかし、一人ではなかった。シマウマ、ハイエナ、オランウータン、そしてベンガルトラが一緒だったのだ。
 小さなボートで繰り広げられる、弱肉強食の世界。周りは果てなき大海原で、どこにも逃げ場がない。生き残ったパイとトラの、227日にも及ぶサバイバル生活が、迫力満点の3D映像で飛び出してくる。
 特に素晴らしかったのが、トラのしなやかでリアルな動きである。ほとんどがCGらしいが、とても作り物とは思えない。のっそりのっそりと、警戒しながら歩くときの毛皮の揺れ方、豪快な咆哮とともに、素早く獲物に飛びかかる瞬発力、媚びない威厳を漂わせた表情、どれも自然でビックリするほどだった。
 私が一番気に入ったシーンは、トラが魚を追って、ボートから海に飛び込むところだ。トラは泳ぎの名人だそうで、顔を出し、ふわふわの毛皮をびしょぬれにして、スイスイと水面を進んでいく。実は、イカダの上のパイを襲うつもりだったのだが、危険を察知した彼に逃げられてしまう。今度は、トラがボートに戻れないというピンチを迎え、形勢が逆転する。必死で前足をボートにかけ、「助けてくれ!」と言わんばかりに吠えまくっていた。
 結局、パイは助けてやるのだが、実際にはCGである。俳優はトラのいないところで、一人芝居をしたそうだ。撮影現場を想像すると、クスッと笑いが込み上げてきた。
 ボートがメキシコに到着したところで、長い長い漂流生活にピリオドが打たれる。パイは海岸に倒れこむが、トラはパイを無視して森へと去っていく。彼は、そこで初めて、トラが生きる希望になっていたことに気づき、別れを惜しんで涙を流すのだ。
 自分の命を脅かすものが、生きる糧となることもある。しかし、このトラ、今度はメキシコ内を震撼させるに違いない。細かいことだが、「野放しで終わらせていいの?」と少々気になった。
 上映時間127分。終わったあとは、私自身が漂流したような疲れを感じた。
 難しいことはなく、誰もがストーリーに入り込める秀作だったと思う。
 夕食の時間が迫っていたので、その日は手軽で簡単な料理を作ったが、やけに美味しく感じられた。
 パイは、乾パンらしきものや生魚を食べ、雨水をためて飲んでいた。スクリーンを通して、疑似体験をした気がする。
 家族みんなで観れば、しばらくは手抜き料理でも許されるかもしれない。


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肩こりにサヨウナラ

2013年02月17日 20時45分51秒 | エッセイ
 年末から肩こりがひどい。
 何かいい方法はないかしらと本屋をうろついていたら、効きそうなものを見つけた。



「首こり・肩こりを一発解消 首らくらくサポーター」
 私は、この手のグッズにめっぽう弱い。手に取り中身を確認すると、速攻レジに向かった。
 本の中には、空気で膨らませるサポーターが入っている。



 首こりや肩こりは、首の異常が原因であり、自律神経にも悪影響を及ぼすそうだ。すると、頭痛やめまい、冷え、うつなどの症状につながっていく。だが、このサポーターで首を支えることで、90%以上は回復するというから、だまされたと思って試す価値はある。
 パソコンをするとき、テレビを見るときなど、気軽に巻くだけでいいらしい。
 しかし……。
 見た目の悪さが問題だ。



 ろくろ首のような外見に、自分でも「ギャッ」となる。オフィスでつけるなど、自殺行為に等しい。
 家の中で密かに巻くのが一番である。
 
 今日は、娘と映画「ライフ・オブ・パイ」を観に行くことになった。
 映画を観ると、翌日の肩こりがハンパではない。2時間以上同じ体勢をとるから、相当負担になるのだろう。覚悟を決めたところで、娘にひらめきがあった。
「お母さん、映画館は暗いから、このサポーターしてても平気じゃない?」
「あっ、そうか。そうしよう」
 娘も肩こりに悩んでいるので、二つ買ったのだ。各自バッグにサポーターをしのばせ、家を出た。
 予告が流れているとき、劇場内はまだ明るい。「3Dメガネをお掛けください」の表示が出て、暗くなったら、つけることにした。
 いよいよ、そのときがきた。娘と目配せして、サポーターをこっそり首にまいたと同時に、隣の親子連れが後から来たカップルに、クレームをつけられていた。座席を一列間違えていたらしい。父親が謝り、立ち上がった瞬間に、ポップコーンをぶちまけてしまった。

 あちゃあ……。

 観客の視線が、私の隣に集中した。何だって、こんな姿になってから、目立つことが起きるのだろう。揉めている人間の近くに、ろくろ首の母娘が座っていたら、誰もが驚くに違いない。
 まもなく、カップルが「じゃあ、僕たちがあちらに座りますからいいです」と譲歩した。まさか、私たちが目に入り、「隣のヤツ変だ! そばに行きたくない」とは思わなかっただろうが……。
 理由はともあれ、あとは静かに鑑賞することができた。
 映画の感想は、また後日。
 サポーターの膨らみにあごを載せ、重みを預けていたら、驚くほど首が楽だった。今度から、映画を観るときには、忘れず持っていこうと思う。
 パソコンを操作している今も、サポーターが欠かせない。案外な、掘り出し物だったのではないかとにらんでいる。
 とはいっても、まだ公衆の面前でつける度胸はないが……。


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チョコがチョコを呼ぶ

2013年02月14日 21時22分37秒 | エッセイ
 今日はバレンタインデー。
 菓子屋の陰謀とわかっていても、つい買ってしまう。
 一種のチョコ祭りと化しているから、職場の同僚も同じだ。出勤したら、机の上にチョコがたくさんあった。



 扇のチョコは京都の和菓子屋が作ったものらしく、ジャポネスクな雰囲気が珍しい。もちろん、お味のほうも見事だった。ビッグサンキューはまだ食べていないが、ホワイトちょこどらもイケる。
 お腹いっぱいだ……。
「チョコ、こんなにあるから、たくさん食べていいよ」
 娘も友達からどっさりもらったようだ。



「ねえ、ホワイトデーにお返ししなきゃならないから、来月クッキー作るの手伝って」
「……」
 ああ、余計な仕事が。
 今年、私が夫に買ったチョコは、この2つだ。
 甘い香りが漂ってきそうな、薔薇。



 見た瞬間、笑ってしまったブタ。



「あはは、何だこれ。ブタじゃないか!」
 でっぷり肥えた夫は、まるで他人事のように笑い、何のためらいもなく共食いを始めた。
「よし、まず尻尾からだ」
 ……好きにしてください。
 盛り上がっているところで、インターホンが鳴った。
「お届け物で~す」
 何と、姉から「猫ラベル」のチョコレートが贈られてきた。「チョコっとだけど食べてね」のメッセージつきである。



 ヘーゼルナッツ(上)とミルク(下)の二種類で、彼女のお気に入りらしい。



 スプーンのような形が愛らしく、とびきりの香ばしさが楽しめる。



「いやあ、これは美味しいわぁ」
 高級チョコだけでなく、実はこんなチョコも用意している。



 ミルクチョコレートの家!



 壁面にクッキーなどをデコレーションすれば、メルヘンなお菓子の家となる。
 出来上がりがかなり大きくなりそうなので、とても食べきれない。来月、甥と姪が来たら、一緒に組み立てていただこう。
 それにしても、一日にして、すごい量のチョコレートが集まった。
 今なら、チョコレート屋さんが開けるかもしれない。


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即席いよかんスイーツ

2013年02月10日 21時10分29秒 | エッセイ
 友人から寒中見舞いとして、いよかんを一箱いただいた。



 我が家は3人家族。とても食べきれない。一階に住む義母、隣の義弟1、そのまた隣の義弟2におすそ分けしたところ、大変喜ばれた。
 それでも、まだ10個ほど残っている。最初はシンプルに皮を剥いて食べていたが、スイーツを作ってみようと思い立つ。お正月に使ったゼラチンが余っているし、ヨーグルトも食べたい。

 よし、いよかんヨーグルトゼリーにしよう!

 クックパッドを参考にして、オリジナルのレシピを考えてみた。
 まず、いよかん3個を用意し、よく洗う。
 


 ヘタの部分から切り、中身をグレープフルーツスプーンでくり抜く。皮は容器にするので、破かないよう注意する。



 くり抜いた果肉は、タネと皮を除き、ミキサーに入れる。飾り用はミキサーに入れず、皿に取っておく。
 ヨーグルトは適当に、砂糖は好きなだけミキサーに加える。
 娘も夫もヨーグルトが好きなので200g、しかし、デブになりたくないので、砂糖は大さじ2に控えた。スイッチを入れる前に、ゼラチンをお湯で溶き、この中に入れねばならない。
 だが、量が問題だ。ゼラチンは適当に、好きなだけというわけにいかない。多いと寒天のようなカチカチゼリーになってしまうし、少ないと固まらない。温泉玉子の白身のように、ふんわりと軟らかい仕上がりにするには、どのくらいにすればいいのだろう。
 説明書を見ると、型抜きをするなら250ccで1袋、しないのなら300ccで1袋となっている。ミキサー内の液体は400cc以上ありそうだが、ヨーグルトも果肉も固まりやすそうだ。何の根拠もなく、直感で1袋と決めた。
 ミキサーのスイッチを入れる。
「ガーガガガガガ……」
 道路工事のような音が響き渡り、かくはんが終わる。あとは、取っておいた皮の器に液体を入れ、冷やすだけだ。



 さて、ちゃんと固まるだろうか。
 心配になり、30分経ったあたりで冷蔵庫をのぞいてみた。器を傾けると、液体も「ドロドロ~」と流れてくる。
 あれれ。
 いよかんの産地・愛媛県では、「いい予感」の語呂合わせで、受験生に贈る果物だという。
 しかし、私の胸をよぎるのは、「やな予感」ばかり。このままでは、ゼリーではなく「いよかんヨーグルトシェイク」ができてしまう。
 少々焦ってきた。
「用意ができたよ。出かけよう」
 その日は娘と出かける約束だった。シェイクになるのかゼリーになるのか、わからないまま家を出た。戻ってくる頃には、答えが出ているだろう。
「ただいま~」
 帰るや否や、冷蔵庫に向かった。冷えたいよかんに手を伸ばし、もう一度傾ける。



 固まった!

 引きつった顔が笑顔に変わる。
 皿によそって娘を呼んだ。



「へー、すっごく美味しいじゃん!」
 ゼリーというよりムースだ。ヨーグルトがいよかんと空気を含み、ふわふわに仕上がっている。



 やはり、ゼラチンは少な目で正解だったらしい。
 今まで、自分はどんぶり勘定だと思っていたが、実は緻密で神経質なのかもしれない。
 ……ちょっと、調子に乗りすぎ?


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ホコリ高き部屋

2013年02月07日 21時33分57秒 | エッセイ
 私が勤務している高校では、学級担任が自分のクラス、担任外は特別教室や階段の掃除監督となる。教員全員が、自分の役割をきっちり果たせば、学校はピカピカだ。
「うっ、汚い!」
 しかし、今年、私が割り当てられたパソコン室は、何年掃除をしていないのかと思うくらい汚れていた。カーペットには髪が散乱し、積もり積もったホコリが苦しそうによじれ、踏み入れた足を引っ込めたくなる。
 さて、どうやって掃除をさせよう。掃除機を使うと、はめ込み式のカーペットが剥がれてしまった。これではダメだ。
「コロコロがあればいいのに」
 生徒がアイデアを出してきた。なるほど、それはよさそうだ。しかし学校にはない。事務室に購入を頼むことになるが、公費を使う立場上、事前に申請していない物品は難しい。
「どうしても必要なら検討しますけど、ひとまず、あるものでやってみて下さい」
 担当から突き放され、ガムテープを一巻与えられる。「何とみみっちい……」と私は苦笑した。20cmほどに切って床に触れると、髪の毛や綿ぼこりがゴッソリくっつき、ウールのセーターのようだ。2、3回繰り返せば、ウールがさらに育ち、もはや粘着力は残らない。
「なにこれ、すごいゴミ。こんな教室で授業やってたんだ」
 生徒も、あまりの惨状に仰天し、まずは自分の席からきれいにしようと考える。掃除をさぼりがちな者でも、かなり真剣になり、ジャンジャンガムテープが減っていく。2巻使い切ったところで、再度事務室にお伺いを立てると、いい返事が返ってきた。
「じゃあ、買いましょう。柄の長いタイプを6個でいいですか?」
「はい、よろしくお願いしま~す!」
 二日後、待ちに待ったコロコロが届けられた。これで、ようやくパソコン室がきれいになるに違いない。
「あれ? 短い……」
 だが、それは、柄の長いものではなかった。担当者が、言い訳がましく付け加える。
「しゃがんだほうが、床がよく見えて掃除しやすいでしょう?」

 ……絶対、値段の安いほうにしたんだ!

 相変わらずのセコさにムッとしたが、贅沢は言えない。買ってもらえただけでも、ありがたく思わなければ。
「わあ、コロコロだ!」
 生徒は喜び、並んで順番に手を伸ばす。ほうきや雑巾は嫌がるのに、遊び感覚で掃除できるものなら受け入れるらしい。転がしながら走り回り、楽しそうに体を動かしていた。
 遊べたのは一瞬で、また問題が発生する。
「先生、髪の毛が邪魔でシートが剥がせない」
 長い髪が何本も取れたはいいが、粘着シートの切れ目を塞ぐように貼りついている。



「えいっ」と無理に剥がしたら、ビリビリになってしまった。
 八方ふさがりとはこのことか。時間をかけた割に、ゴミの量は減っていない。こうして毎年、汚れが蓄積されていくのだろう。
 そして、来年の担当教員が叫ぶのだ。
「わあ、汚い! 何年掃除していないのかしら!?」と。


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食わず嫌い

2013年02月03日 20時53分09秒 | エッセイ
 今日は節分だ。
 数年前から、恵方巻なる商品が登場し、このイベントには不可欠であるかのようにまくし立てる。
「子どものときには、そんなもん、なかったぞ!」と反感をおぼえ、私は一度も買ったことがない。しかし、ブログネタが切れたこともあり、今年は「食べてみるか」と低姿勢になった。
 デパ地下、コンビニ、スーパー……。恵方巻は、あらゆる食品店で取り扱っているようだ。
 同僚はフライングして、1日にコンビニの恵方巻を食べていた。「これ、美味しい」とつぶやきながら、彼女が頬張っていたのは海鮮恵方巻であった。京都の清水寺で、厄除開運のご祈祷を受けた海苔を使用しているらしい。
 だが、大きな口を開けて、太巻きにかぶりつく場面は美しくない。今年の恵方・南南東を向き、阿呆な姿をさらすのは自宅のみにしたい。

 海鮮だったら、手作りにしたほうが美味しいんじゃないかな?

 幸い、手巻きずしのネタは、スーパーなどで売っている。ちょっと奮発して、デパートの鮮魚コーナーで、よさそうなものを調達してきた。



 まきすに海苔を敷き、ご飯とネタを載せる。本を見ると中央に置くようだが、端を使ったほうが上手く丸められるのは、私だけだろうか……。



 ネタの上にご飯を広げる。こうすると、ネタの位置が片寄らないのだ。



 クルッと巻いてでき上がり。



 恵方を向き、願い事をしながら口に頬張る。このとき、おしゃべりをしてはいけないらしい。
 しかし、予想を遥かに超えた恵方巻の味に驚き、心の中で叫んだ。

 美味しい!!!!

 一つひとつのネタは、味も食感も違う。でも、突出して目立つネタがない代わりに、存在感のないネタもない。ホカホカしたご飯の中で、組体操を披露するように、見事に調和している。サーモンの上にイカ、イカの上にイクラが登り、ピラミッドの完成だ。甘エビも、玉子やカンパチ、マグロと手をつなぎ、大きなウエーブが登場した。

 うーん、素晴らしい……。

 こんなに感動的な味になるとは思わなかった。もっと早く作ればよかったと、少々後悔する。
「いやあ、マジうまいよ~」
 食べ終えて、娘に話しかける。しかし、彼女はまだ食べている最中だった。目を閉じ、うっとりとして、口の中のパフォーマンスを楽しんでいる。
「メチャいけるわ」
 夫は5口くらいで平らげ、「こりゃいいや」と喜んだ。
 家族にも大好評である。
 手巻きずしのネタさえあればできるのだから、節分に限らず、年に何度か作ってみようかな……。
 食わず嫌いはいかんね。


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