これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

「すが入らない」玉子豆腐

2021年05月16日 21時40分32秒 | エッセイ
「すが入る」とは、卵や豆腐を使った蒸しもので、火加減が強すぎたり加熱時間が長すぎたりする場合に、表面や内部に細かい泡のような穴が開くことを指す。昨年、蒸し器で玉子豆腐を作ったら、まさにこの状態となり、イチゴのようなブツブツ豆腐になってしまった。
「うえーん、オーブンを使えばよかったよ~」
 終わってから泣き言を言っても仕方ない。オーブンは失敗が少ない反面、天板を出して、お湯を張って、ときどきお湯の補充をして、といった管理が煩わしい。蒸し器は手軽で便利なのだが、フタを開けたら「ギャッ」となるとわかった。
 しかし、今回は強い味方がある。切り取って保管した、令和3年3月24日付読売新聞の記事だ。「茶わん蒸しは、卵の特性を理解すれば失敗なく作れる」との説明があり、「これは使える!」と取っておいた。ようやく、活躍のチャンスがやってきたわけだ。
「さて、器は何にしようか」
 茶わん蒸しだったら、蒸し椀に入れるのだが、玉子豆腐は小鉢の方がよさそうだ。
「でも、失敗したときと同じ器っていうのもヤダね」
 縁起を担いで(?)別の容器を出した。



 ゴージャスなケーキがウリの、ラ・メゾンで買った苺ムースの容器である。何かに使えそうだと思い、取っておいてよかった。
 記事によると、卵は80度程度で固まるそうだ。100度近くになると、卵液が沸騰して気泡が生じ、「す」の原因となるという。これを防ぐには、菜箸が役に立つ。
「なになに、菜箸を蒸し器とフタの間に挟み込み、中の温度を80~90度に維持するってか」
 つまり、こういうことだ。



 加熱しすぎないように、菜箸を挟んで作ったすき間から、余分な熱を逃がすと「す」が防げるという、実に簡単な仕組みであった。これなら誰にでもできるであろう。おっと、箸とフタの間に布巾を挟むのをお忘れなく。
 強火で1分、弱火で10分蒸すのだが、火が弱すぎたらしく15分かかった。
「竹串を刺し、黄色い卵汁が出なければ完成か、よしっ」
 ためらいもなく、ブッス~と竹串を刺してみた。卵汁は出てこなかったが、表面に大きな穴が開いてしまった。
「あーあ」
 めでたく完成したはよいが、この穴はどうする?



「いいよ、いいよ、穴なんて。口に入れれば関係ないから」
「おいし~」
 家族は寛容だった。ホッ。
 この日は「まいたけ牛丼」をメインにし、玉子豆腐は見事にサイドメニューを務めたのであった。
 さて、月末は「あんかけ茶わん蒸し」とやらに挑戦してみようかな。


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コメント (6)
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