これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

2021 とんだ母の日?

2021年05月09日 21時44分58秒 | エッセイ
 今年の母の日は、伊坂幸太郎の本がプレゼントだった。



 読んだことのある作品ばかりだが、再読したいリストを作っておいたら、娘が選んで注文してくれたのだ。
「わあ、うれしい! こんなにいっぱい」
 すっかり気をよくして、お返しに何かしたくなる。
「そうだ、久しぶりにパンを焼こうか」
「さんせーい!」
 焼き立てのパンは美味しい。



「お腹いっぱい。ごちそうさま」
 この調子で、素敵な母の日になるはずだったのだが、そうはならなかった。
 娘が花瓶を見ながら、私に話しかけてきた。
「お母さん、お父さんからもらったカーネーション、一輪挿しに移した方がいいんじゃないの」



 夫が気を利かせて花瓶を探してきたはいいが、少々大きかったようだ。
「そうね、前にミキからもらったのがあったし」
 あれは3年前の母の日か。白地に青の模様の入った、洒落た一輪挿しを娘に買ってもらったのだっけ。それを使えと言いたいのだろう。
「えーと、えーと。どこにしまったっけ」
 困ったことに、まったく記憶がない。2年前にもガーベラを活けたおぼえはあるが、その後は行方不明だ。
「なくしたの?」
「いーや、どこかにあるはず」
 娘の機嫌が悪くなってきた。これはまずい。
 しかし、心当たりを探してみてもそれらしいものがない。そもそも、箱に入れておいたのか、箱から出したのか、それすら記憶にない。こんなことで見つけられるとは思えない。
「大丈夫、絶対見つかるから」
 気まずい空気を払拭すべく、夕飯づくりを始めた。
 そういえば、先日、夫が買ったばかりのテレビのリモコンを、不燃ごみに入れたことがあったっけ。間違えて捨てられていたら、もう取り戻せないが、その可能性は低い。おそらく、私がしまった場所を忘れただけなのだ。
 それにしても、あるはずのものが見つからないという状況は、非常に心地悪い。何としても解決したい。さほど大きなものではないから、3階の収納庫、2階の押し入れ等々を本格的に整頓して探し出そう。そう決めた。
 しばらく、週末は一輪挿しの発掘にあてるしかなさそうだ。
 伊坂さんは、そのあとにしよう。
 とんだ母の日?
 いえいえ、片づけの機会をもらってよかった。
 そう考えなくちゃ。


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コメント (8)
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