これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

コロナのせいで買えません

2020年05月24日 16時13分13秒 | エッセイ
 新型コロナのせいで、買えなくなったものがいくつかある。
 何といっても、まずはマスク。
 店先に出回ってきてはいるが、安易に購入せぬようにと、職場の産業医から注意を受けた。中には、防水スプレーを吹き付けただけの粗悪品もあるそうだ。ためしに、スーパーに並んでいる商品を手に取ってみたら、「ウイルス検査は実施しておりません」と書いてあり、買うのをやめた。手間はかかるけれど、手作りでしのげばよい。
 次に小麦粉。
 フライの衣やホワイトソース作りに必要なのに、このところずっとお見かけしない。冷蔵庫には400gほど残っているから、大事に使っていくしかない。から揚げやムニエルであれば片栗粉でもオーケーだ。カリッと軽快な歯触りが、鬱になりそうな自粛生活を明るくしてくれる。
 意外なところで、ゼラチンも手に入らない。
 私は美容と健康のためにゼラチンを飲んでいる。小さじ1/2を、モーニング紅茶に溶かして飲むのが日課だ。肌はキレイに、血管も丈夫になり、年々多忙になっていく仕事にも対応できる。私にとっては「元気の源」なのだ。
 買うのはもっぱら、マルハニチロの「ゼライス」。



 ところが、これが先月あたりから消えてしまった。店頭がダメならネットでと通販にアクセスしても、同様に品切れとなっている。家にあるのはあと4袋。ほとほと弱っていた。
「森永のクックゼラチンでもいいから、売っていないかなぁ」
 スーパーを3軒回った。どの店も棚はからっぽ。空気しかない。空きスペースの手前にある「ゼライス」「クックゼラチン」の文字が、商品の定位置であることを示しているというのに。
 ネットで口コミを見ると「品薄」となっているから、製造はされているのだろう。陳列されるタイミングと、私が買いにいくタイミングが一致しないと、いつまでたっても買えなさそうだ。
「よし、仕事帰りに、毎日スーパーに通うぞ」
 ちょっと面倒だけど、それしか選択肢がない。何度も何度も足を運べば、いつかは出会えるはず。決めたはいいが、先週は雨ばかりで、自転車通いの身には行くだけでも難儀した。3日たっても4日たっても成果はない。しかし、ここであきらめるわけにはいかないから、しつこく通い続ける。
 ついに、思いが通じる日がやってきた。
「あ、あった~!」
 ゼライスではないが、クックゼラチンが恥ずかしそうに、定位置で待っているではないか。これでひと安心。しばらく探さなくてすむ。



 そういえば、この日は母方の祖母の命日だった。優しかった祖母が、私を助けてくれたのかもしれない。
 嬉しくなって、同じくゼラチン愛好家の姉にメールをした。だが、文京区に住む姉は、ゼラチン入手に困っていなかった。
「へー、品薄なのか。こっちは、クックゼラチンならだいたい置いてあるし、ゼライスも待てば買えるよ。でも念のため、もう一箱買っておこうかな」
 なんと!
 長引く品切れには地域差があるらしい。我が練馬区は、東京23区で2番目に人口が多い。対する文京区の人口は19番目。そりゃあ、争奪戦も激しくなるわな……。
 近々、首都圏の緊急事態宣言も解除される見込みだ。
 マスクも小麦粉もゼラチンも、ストレスなく手に入る世の中に戻ってほしい。


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コメント (12)
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