これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

狙われた5月17日

2019年05月19日 22時21分05秒 | エッセイ
 3月までお世話になった高校から、歓送迎会の招待状が届いた。
「なになに、5月17日? そういえば、ここはいつなんだろう」
 4月に着任した高校の日程を確認すると……残念なことに同じ日にちであった。
「やだなあ、どっちに行こう」
 そういえば、昨年も日程がかぶり、前半は新しい学校の会場へ、後半は古い学校の会場へとハシゴしたのだっけ。たまたま場所が近かったからできたけれど、今回は30km程度離れているから無理だ。どちらかに絞らなければ。
「えっ送迎バス?」
 なんと、今の職場が使うホテルは、マイクロバスで学校まで迎えに来てくれて、帰りは駅を経由して学校まで送ってくれるらしい。自転車通勤の身にはとてもありがたい。
「やっぱり、これから一緒に働く人たちと親交を深めなくちゃね。こっちにしよっと」
 てことは、交通費もかからないぞ、しめしめ。
 私の前任者は、4月から別の学校に異動している。当然、歓送迎会には呼ばれているが、ここでも日程がバッティングしていて悩んでいると聞いた。
「でもね、新しい方より思い出のある方にしようって決めました。そちらに行きます」
 あれれ? 真逆の判断である。もしかして、私が薄情なのかしら。
 当日は、送迎バスに揺られて、おしゃべりをしているうちに会場に着いた。22階の宴会場から見える景色がキレイだ。



 歓送迎会が始まると、着任者は挨拶を求められる。職場に大変満足していると持ち上げておいて、誰もが嫌がる行事の日が私の誕生日になっていたと話したら、笑いがとれた。といっても、半数はおしゃべりに夢中で聞いちゃいないけれど。
 何といっても、主役は離任した元職員だ。その日は6人ほどが来てくれて、楽しかったエピソードや思い出話を懐かしそうに聞かせてくれた。
「スパークリングワインがないって? ワインにコーラでも混ぜたらどうだ」
 ある職員の挨拶中に、近くにいた校長が話しかけてきた。どうでもいいことを、ああでもない、こうでもないと続けて、いっこうに止まらない。これは黙らせなくては。
「校長先生、まだ挨拶が終わっていませんよ。聞いてあげないと」
「だって、アイツ、話が長くてつまんないんだもん。もう飽きた」
 壇上で話していると、誰が集中していて、誰がそっぽを向いているかがよくわかる。巻き込まれただけなのに、私は「聞いていない」組に分類されたのだろうな。ううう。
 時間が押している中でビンゴゲームをした。このところ、私はくじ運がいい。1等の肉は逃したが、スープジャーとドリップコーヒーのセットが当たった。しめしめ。



 楽しい時間はあっという間に過ぎる。まもなく、お開きとなり、学校行きのバスに乗り込んだ。
 あとからわかったことだが、5月17日はいろいろな高校で歓送迎会を予定していたようだ。おそらく、10連休の影響で、4月26日が校外学習などの行事となり、この日にスライドした学校もあったのだろう。小耳にはさんだ限りでは、「僕も私も5月17日」という状態に見えた。
 来年のカレンダーを見ると、5月の第3金曜日は15日である。
 次はこの日が狙われる?


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コメント (8)
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