これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

朝食の友

2018年10月04日 21時48分37秒 | エッセイ
 毎朝、オーブントースターの世話になっている。
 このグラタン皿に、「くっつかないホイル」を敷き、



 卵を割り入れ、ピーマンやウインナーを添えて、とろけるチーズをかけたら6分間焼く。ほどよく焦げ目のついた、お手軽玉子料理のでき上がりだ。玉子以外にも餅を焼いたり、グラタンを作ったりするとき、非常に頼りにしている。もう手放せないと思っていた。
 だが、別れはあっさりやってきた。日曜日のことだ。
「お昼はステーキにしよう」
「いいね」
 一人だと、ろくなものを食べない夫が喜んでいた。ステーキのつけ合わせは野菜がいい。プチトマトを洗い、茹でた小松菜を切る。さらに、カボチャを添えるつもりで薄く切り、バターを載せてオーブントースターに入れた。8分後、「チーン」という音とともにフタを開けたら、バターが溶けていなかった。
「ありり。焼けてないや。どうしたんだろう」
 まさか、オーブントースターが夫のために働くことを拒否したわけではないだろう。そっと本体を触ってみると、ひんやり冷たい。どうやら、熱が伝わらないようだ。壊れたか。
「あ、わかった。原因はこれだな」
 見ると、コードの一部がまな板の下敷きになっており、つぶれていた。おそらく、接触不良を起こしたのだろう。すでに20年以上使っているから買い替え時か。
「グラタンと玉子料理が作れれば何でもいいや。今日にでも欲しい」
 急ぎのときはスーパーに行く。タイガー製のオーブントースターが2500円ほどで売られていたから、すかさず買った。



 この値段だと特別な機能はついていない。幅は以前のものより狭いけれど、奥行きがある。ひとまず、新しいものに慣れて、しっかり使いこなせるようになりたい。
「さあ、焼くよ」
 翌朝、オーブントースターにグラタン皿を入れてみたが、困ったことも起きた。横向きに入れた皿の取っ手をつかむとき、邪魔な突起があるのだ。



 うっかり小指が触れて、火傷しそうだった。
「うわ、あちちち」
 こんなところにトラップがあるとは。使う人の身になって欲しいなぁ。
「待てよ、奥行きがあるんだから……」
 皿を縦向きに入れたらどうだろう?
「わあ、入った入った、うっほほーい」



 こうやって焼けば、指が「ジュッ」となる心配もなく、美味しい玉子料理が楽しめる。
 さて、また20年間は、お世話になりましょうかね。


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コメント (10)
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