これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

能登紀行2 カニの名は

2018年01月11日 20時25分33秒 | エッセイ
 旅行の楽しみは、何といってもグルメである。
「のどぐろ、のどぐろ~!」
 大学3年の娘は、のどぐろ目当てで北陸を選んだ。
 寿司屋に入り、まずは、のどぐろ以外のにぎりをいただく。




 最後に、のどぐろの手巻きを食べて、「うまい!」を連発していた。



 和倉の宿でも、のどぐろの棚板焼きがお目見えする。



 やわらかくて甘味があり、適度に脂がのっていて、とても美味しかった。
 せっかくだから、関東では見かけない能登牛もいただきたいと、鉄板焼きの店に入る。




 これはなかなか。でも、もうちょっと、脂が乗っていた方がいいかな。
 カニも外せない。
 しかし、カニは種類が多い。北陸といえばカニ、という言葉もあるようで、いわゆるブランドガニがいくつもある。ネットを見ると、越前ガニ、加能(かのう)ガニ、間人(たいざ)ガニなどがヒットし、どこで何を食べるか迷った。実は、陸揚げ地が異なるだけで、どれも同じ本ズワイガニとも書いてあり、「名前つけすぎじゃね?」と首を傾げる。
「夜は寒いから、カニはホテルのレストランで食べようよ」
 夫が食べ歩きを拒否した。それも一理ある。ならば、ホテルのメニューからカニ料理をチョイスしようではないか。
「えーと、ズワイガニ会席と、香箱(こうばこ)ガニ会席っていうのがあるけど」
「ああ、香箱ガニか。あれは量が少ないんだよな」
 金沢では、メスのズワイガニを香箱ガニと呼ぶそうだ。あらたなカニの出現に、私はさらに混乱した。
 夫は以前に食べたことがあるらしく、あまりいい顔をしなかった。きっと、もの足りなかったのだろう。だが、メニューには「サイズが小さいため、足の身も少ないですが、 味はズワイガニよりも濃厚で甘みがたっぷりあります。ぜひご賞味くださいませ」とのセールストークもあり、ますます迷った。
 こういうときは、直接電話で聞くのがいいだろう。ホテルに問い合わせると、一般的なカニとしてはズワイガニ会席がよいのでは、という答えであった。夫が「もっと食べたいよう」と騒いでもいけないから、素直にズワイガニ会席を予約した。
 前菜「ズワイガニ」から驚かされる。



 生きているカニは1匹、2匹と数えるそうだが、食用のカニは1杯、2杯と数えるらしい。
 おそらく、前菜では、1人分がまるまる1杯あったと思われる。「お父さん、もう食べられないからあげるよ」と娘が根を上げていた。
 お腹が苦しいというより、カニをほじくるのに疲れたというのが本音であろう。私だって、40分間カニと格闘し、手先はカニの身だらけになるし、指はふやけるしで、すっかり消耗した。
 その後は、食べやすいメニューが続くのだが……。




「焼きガニ」で、またしてもホジホジに励むことになる。



 もちろん、美味かった。しかし、6時開始のディナーが終了したのは8時半だ。お腹はパンパンに膨れ上がり、苦しくてなかなかお風呂に入れなかった。あとから知ったことだが、紅ズワイガニという種類のカニもいるという。本ズワイガニとは別の種類で、値段が安いというから、私たちが食べたのはこちらだったのかもしれない。今となってはどうでもいいけれど。
 一年分のカニを食べた気がする。
 2018年は始まったばかりだけれど、今年はもうカニなしでいいや~。


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コメント (13)
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