これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

小松菜愛

2017年12月17日 18時46分21秒 | エッセイ
 弁当の中には、いつも茹でた小松菜を入れる。
 20代の頃は貧血に悩んでいた。小松菜は鉄分やカルシウムが豊富だし、ほうれん草に比べて吸収がよいという話なので食べてみたら、さっぱりしていて美味しい。毎日続けているうちに、貧血も治ってしまった。以来、50代に突入した今も食べているのだ。
「これは硬そうだな」
 小松菜なら何でもいいというわけではない。繊維質が歯にはさまるほど太いものはいらない。かといって、ガリガリの貧相な葉もいやだから、中肉中背のものを探す。残念ながら、関東近郊の小松菜はゴツゴツしていて好みではない。一時、鹿児島産に凝っていたのに、最近はまったく見かけなくなった。
「よし、自然食品の店に行ってみよう」
 あった、あった。



 奈良産の小松菜も、なかなかよさそうだ。2束買って、早速茹でようとした。
「ありりり?」
 袋を開けると、何やら奇妙なものがついている。



 かたつむりである。



 アオムシやナメクジだったら何度もいたが、カタツムリは初めてだ。
「あっ、こんなところにフンをして!」



 フンがあるということは……。



 やはり、ムシャムシャと遠慮なく食べられていた!
「えーん、アタシの小松菜がぁ~」
 私が知らなかっただけで、カタツムリも立派な害虫らしい。調べてみたら、住血線虫に寄生されている可能性もあり、葉はよく洗い加熱して食べるべしとあった。そうだったのか!
「さあさあ、アンタは外に行きなさい」
 殻をつまんで庭の木に放す。カタツムリは元気よくツノを出し、葉の上をすべっていった。
 GOOD LUCK!
 ところで、私は茹でた小松菜に味付けをしない。妊婦時代に妊娠中毒症となり、塩分を控えるため、醤油をかけずに食べる習慣がついた。
「アタシも、カタツムリやアオムシと同類かもね~」
 今日も小松菜を買ってきた。葉には虫食いの穴が開いている。「今度は何が出てくるのか」と構えていたが、何も見つからなかった。
 虫にゃあ負けないよ!


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コメント (8)
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