これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

同棲してもいい?

2017年07月27日 20時46分21秒 | エッセイ
 昭和生まれの私からすると、今の若者たちの結婚観には違和感がある。
「二十代の次女が、彼氏と同棲してもいいかって聞いてきたのよ。どうしようかしら」
 年上の友人である富美さんが、困った声で相談してきた。彼女には3人子どもがいて、長男は子持ちのシングルマザーと熱愛中、長女は彼氏ナシ歴3年で専ら仕事に明け暮れ、末っ子の次女が同棲を希望している。平穏な我が家から見ると、なかなか激しい。
「相手によりますね。どんな男なんですか?」
「真面目で働き者よ。2回くらい会ったことあるけど、悪くないわね」
「つき合って何年くらいなんですか?」
「1年経っていないんじゃないかしら」
「普通、結婚してもいいかと聞きますよね。ずっと籍を入れないつもりでしょうか」
「そこよね。期限つきにしておかないと」
 話している途中で、教え子だったセイナを思い出す。やたらと涙腺が弱く、産休中の先生が無事出産と聞いては泣き、体育祭が成功したときも泣き、卒業式でも号泣するような幼い子だったのに、30歳を迎えてSNSに「同棲中」とアップしていた。高校時代とのギャップが大きすぎて、親でもないのに私が戸惑い「ゲゲッ」とつぶれたカエルのような声を出した。
 あれから2年は経ったと思うが、その後どうなったのだろう。facebookを開き、セイナのタイムラインをのぞいてみた。
「このたび入籍しました」
 花の写真とともに、短い結婚報告がアップされていた。同棲開始からちょうど半年後のことだ。
「セイナちゃん、おめでとう! 結婚っていいものだよ。幸せになってね」
 おや? これは私のコメントではないか。
「笹木先生、ありがとうございます」
 なんと、私は返事のコメントまでもらっていたのに、何ひとつおぼえていなかった。ノリで書いたとはいえ、歳をとるのは恐ろしい……。
 富美さんから、メールが届いた。
「今日、次女の彼氏が挨拶に来ました。結婚前提の同棲にすること、半年で結論を出すことを条件に許可しました。色々とありがとう」
 やはり、半年が一つの目安である。結婚のリハーサルとして相手をよく観察してほしい。
 別の友人から聞いた話だが、あるカップルは派手に結婚式を挙げ、たくさんの親戚を招待したというのに、籍は入れず一緒に暮らしてもいないという……。果たして、それで結婚したといえるのだろうか。
 オバさんの古い頭では、今どきの結婚事情についていけませんわ。


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コメント (4)
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