これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

カマキリ屋敷

2017年04月06日 21時59分42秒 | エッセイ
 視界に入っていても、見落とすものがある。
 先日、久しぶりに庭を散策したとき、それにようやく気がついた。
「あれっ、これって、カマキリの卵なのでは……」
 1階の応接間の出窓に、楕円形の膨らみができている。



「やっぱりそうだ。いつの間に」
 今は4月である。カマキリが冬を越すとは思えないから、11月あたりに産み付けたものだろう。5カ月も気づかないとは何事か。
「たしか、前にもここに産んでいたような気が……」
 気のせいではなかった。卵の周辺には、去年やその前にも産卵の形跡が残っている。



 親から教わるわけでもないのに、なぜカマキリは同じ場所に卵を産むのだろう。とたんに興味が湧いてきた。パソコンに「カマキリの卵 同じ場所」と入力し、検索してみる。ヒットしたサイトはいくつもあり、「毎年同じ場所に、カマキリが卵を産んでいきます」といった内容が書かれていた。日当たりがよくて、外敵の少ない場所を選ぶと、毎年同じような場所になるのではないかという分析には「うんうん」と強く同意する。
 わが家の応接間は日当たり抜群である。本など置いておこうものなら、ひと月足らずで色が褪せる。加えて人通りが少ない。蜂もいない。何でも、オナガアシブトコバチという蜂は、カマキリの卵に自分の卵を産みつけるものだから、幼虫はカマキリの卵を食べて育つのだとか。悪どいヤツである。
 さらに調べてみると、卵の形状からカマキリの種類がわかるらしい。ヒメカマキリ、ヒナカマキリ、ウスバカマキリ、コカマキリなどの卵が並んで表示されているサイトがあった。
「うーん、どれも違うみたいだな」
 私が一番好きなのは、オオカマキリだ。しかし、これも違っていた。
「あっ、ハラビロカマキリだって。これだ」
 ハラビロカマキリの卵は、木の幹や家の壁などで見られるという。色が濃くてツヤがあり、突起が特徴だから間違いないだろう。


  (wikipediaより)
 ついでに、うちの夫は、ハラビロニンゲンである。肩幅や腰よりも腹の方が太い。類は友を呼ぶというから、カマキリも安心するのかもしれない。
 孵化するのは、4月から5月らしい。
 そういえば、近所でカマキリを見かけることが何度かあったが、うちの庭から巣立った子ではないか。今年も、来年も、再来年も、カマキリだらけになることを期待して、卵を守ってやらねば。
 カマキリ屋敷にしたいので、カマキリ嫌いな人はご遠慮ください。


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コメント (6)
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