これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

開かずの踏切

2017年02月05日 21時35分00秒 | エッセイ
 9月からスポーツクラブに入会したので、今月で5カ月目になる。
 最初の頃は、スカッシュの前に準備体操をして、スカッシュのあとはプールに入ったり、自転車こぎやジョーバなどのマシンにまたがったりしていた。しかし、今では何の準備もせずにスカッシュを始め、終わったらスパで温まって終わり。筋肉痛を防ぐため、多少はマッサージをしてごまかす。手抜きしている自覚は十分あった。
 今日は娘がいないため一人で出かけた。雨が降りそうな雲行きだったが、自転車で行った。一人だと、スカッシュは20分で汗だくになる。あとは汗を流してスパにドボン。1時間以内に戻ってこられるところが魅力だ。
 着替えてクラブを出る。自転車のサドルは濡れているが、雨はやんでいる。ラッキー!
 また降り出さないうちに帰らねば。家に帰るには、私鉄の踏切を越えなければならない。踏切が開いているときと、閉まっているときの確率は五分五分だ。今日はどうかなと自転車を走らせ、異変に気づいた。
「カーンカーンカーン」
 踏切は閉まっていたのだが、通過するはずの場所で、なぜか電車が止まっている。上り電車が通り過ぎるための警報なのに、それが駅でもない場所で立ち往生するとは尋常でない。事故か?


 (写真は本文と関係ありません)
 私は迂回路を探した。右に細い路地があるから、そこに入って別の踏切を探そう。ここから多少離れれば、開いている踏切があるはずだ。だが、周りの歩行者や自転車を見ると、Uターンするのは私しかいない。
 マジ?
 明らかに異常事態が起きているのに、なぜ、この人たちは黙って待つことができるのか。5分待っても踏切が開く保証はない。10分なのか30分なのか、復旧作業が終わる時間はわからない。
 若いカップルが、ニヤニヤしながら遮断機をくぐり抜けてきた。小学生が母親に「危ないからいけないんだよね」と言いつけている。気持ちはわからなくもないが、私は真似しない。渡れる踏切を探せばいいだけの話だ。
 走ってからわかったことだが、すでに電車は上りも下りも運転を見合わせていたらしい。あちこちに電車が止まり、すべての踏切が騒がしくシャットアウトされていた。
 クソ~、踏切がダメなら立体交差まで走る!
 ここは地元だ。どこに何があるかはわかっている。何が何でも雨が降る前に帰る。ペダルをこぐ速度を上げ、立体交差にたどり着いた。線路の下を走り抜ける。上りがキツかったけれど、「これで家に帰れる」という安心感が勢いを取り戻した。
 15分遅れで家に到着した。強制的に、自転車こぎの運動をさせられたから、コートの中には熱気がこもっている。こんなときに限ってフリースを着ていた。暑い暑い、汗だくだ。
「今日はついていなかった」などとは思わない。
 サボりがちの運動ができたし、エッセイのネタもゲットした。雨にも濡れなかった。
 夕飯は麻婆豆腐。さあ、ハイネケンで乾杯しよう。


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コメント (10)
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