これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

ランボルギーニ地獄

2016年10月13日 21時59分11秒 | エッセイ
 横浜そごう10階にあるイタリアンレストラン「アルポルト・クラシコ」に行った。目当てはワインディナーである。
「お料理は美味しいし、グラスワインが5杯もついていて9800円よ。ここはおススメ」
 以前に横浜在住のブロ友さんが絶賛していたので、「いつか行くぞ」と決めていた。ようやく、呑兵衛の姉と都合が合い、めでたく予約を完了したというわけだ。
「いらっしゃいませ」
 丁寧な挨拶の後に案内された席が、お見合いをするテーブルのように立派なことに驚いた。



 テーブルの隅には、ワインと料理の資料が目立たぬように用意されていて、向学心をそそられる。もちろん、それ以上に食欲もそそられた。
「乾杯のスパークリングです」
「きゃあっ」
 シュワシュワッと弾けるグラスが、いいタイミングで運ばれてきた。これは含めれば、ワインは6杯飲める計算となり、「元がとれるのかしら」といらぬ心配をした。
 前菜盛り合わせ。



 ワインはチウチウ社の「エヴォエ」である。



「チウチウだって、クスクス」
 姉は社名がツボにはまったらしく、なかなか笑いが止まらない。
 そんなにおかしいかしら?
 どの前菜も美味しかったが、鶏レバーのペーストとローストビーフが気に入った。やはり私は肉食なのだ。
 品種パッセリーナ100%のワインは、さっぱりしていて飲みやすかった。
 秋刀魚の炭火焼き ブラウンマッシュのタリオリーニ。



 え、秋刀魚のパスタ? と戸惑ったのだが、信じられないくらいタリオリーニと一体化している。塩味といい脂の載り方といい、おしどり夫婦のような相性であった。
 次もワインは白で、アンティノリ社の「ブラミート・デルチェルヴォ・シャルドネ」。



 味は忘れてしまった……。
 伊産栗と4種チーズのリゾット 自家製サルシッチャと共に。



 栗の甘みとチーズの塩気が、やじろべえのように釣り合っているリゾットであった。
 ワインは、ここから赤になり、コンティ ディ ブスカレート社の「ラクリマ ディ モッロ ダルバ」が登場する。ラクリマは涙の意味らしい。
 正直いって、今までのワインはどうでもいい。4杯目のワインが私にとっては重要であった。
 何と、あのスーパーカーで有名なランボルギーニ社の「カンポレオーネ」というワインなのだ。





 小学生のとき、カウンタックが「速くてカッコいい憧れの車」として、しばしば話題に上った。


  (Wikipediaより)
 
 まさか、ワインも作っているとは。
 カウンタックにはご縁があるはずもなく、片思いで終わったけれども、ワインならば手が届きそうだ。



 お味のほうも、深みがあってオーソドックスな印象を受ける。
 お料理は、エゾ鹿のポワレ 森の果実ソースが登場した。



 さて、最後のデザートは、ブドウのマチュドニア 巨峰のソルベ ミントのエスプーマ添えである。



 これに合わせたワインが、相当な曲者であった。
 マラミエーロ社の「インフェリ」なのだが、「地獄」の意味というから思わず身構える。
 そういえば、わが国にも「魔王」や「閻魔」という名の焼酎があった気がする。
 口に含んでみると、甘いような辛いような、苦いような酸っぱいような、いくつもの味覚が混在しているものだから、目を白黒させて飲んだ。人間の持ついくつもの欲望が凝縮されている味、という気がして、ネーミングの妙に感心するばかり。決して美味しいとは思わないけれど不味くもない。好きとはいえないのに気になって仕方ない。こんなワインは初めてだ。
「美味しかったぁ」
「満足、満足」
 姉が「足りないッ」と暴れることもなく、私が「飲み過ぎた~」とつぶれることもなく終わったのは、お料理のインターバルがちょうどよかったからだろう。
 横浜は遠いけれど、もっといろいろなイタリアワインを飲んでみたい。
 また行きま~す!


    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする