これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

わが家の主権者教育

2016年07月10日 22時20分03秒 | エッセイ
 今日は第24回参院選の投票日である。
 今回から投票権が18歳に引き下げられ、どの高校でも主権者教育に熱を入れている。同僚の公民科教員は、先週、一人で3年生の全クラスを指導したばかりだ。果たして成果はあったのだろうか。
「ミキにも投票のお知らせが来たよ」
 5月に20歳を迎えた娘も、初の選挙を迎える。高校生は学校で選挙の仕組みや歴史を教えてもらえるが、大学生は違う。多少は親が教えてあげなければいけないと気づいた。
「10日は朝から晩までバイトなんだよね」
「お母さんも仕事だから、不在者投票に行こうか」
「そうしよう」
 投票所の緊張感を見せられないのは残念だ。次回の知事選に期待しよう。
 私と娘の都合を合わせ、午後7時に駅前で落ち合うことにした。
「投票する前に、誰に入れるかと、どの政党に入れるかを決めておきなよ」
「2つも?」
「そう。最初に選挙区選で個人の名前を書いて、次に比例選で政党の名前を書くの」
「ふーん」
 十分理解してるとは思えず、少々不安だったが、待ち合わせ時間はやってくる。
「お待たせ。さあ行こう」
 投票所の看板を見て、新たな発見があった。
「きじつぜん、ってフリガナが振ってある。ずっと、きじつまえだと思ってた」
「ミキも」
「音読みで統一するんだね」
 警備員が「こんばんは」と笑顔であいさつしてきた。若者が一緒のせいか愛想がいい。
「ところで、どの候補者にするか決めたの?」
「うん。ずっと演説の動画を見てて、この人いいな~って思った」
「ならいいけど」
 ところが、いざ候補者名を書く段になると、なぜか鉛筆が動かない。
「なんて名前だったかな……。忘れちゃったよ」
「えーっ」
「スマホ見てもいい?」
「禁止だよ。候補者の一覧から選びなさい」
「うーん」
 投票所での会話もご法度だが、どうやら初の選挙であるとわかってもらえたようで、大目に見てくれた。私は心の中で「早く早く」と念じるばかりである。願いが通じたのか、まもなく「あった」という声がして鉛筆が動き始めた。2人そろって投票箱に入れたあと、次は比例選の投票用紙を受け取る。
「政党名または候補者名って書いてある」
「どっちでもいいんだよ」
 こちらはスムーズに記入でき、娘は人生初の投票を終えた。
「これだけ?」
「そう」
「あっけないんだね」
 あとからわかったことだが、娘と私は同じ候補者に投票したようだ。
「ひらがなで書いてあったから、全然見つけられなかった」
「画数の多い名前は誤字の原因になるから、ひらがなにしたんでしょ」
「漢字が間違っていたらどうなるの?」
「無効になる場合もあるらしいよ」
「そうなんだ」
 2人で選んだ候補者が、当選するといいな。


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