これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

キンコン恐怖症

2016年02月04日 21時11分38秒 | エッセイ
 IC定期券は便利でいい。定期区間を乗り越しても、不足分を払ってくれるし、買い物にも使える。加えてチャージも簡単。もう手放せない。
 ところが、最近になって「キンコン」と鳴ることが多くなった。残高は十分あるし、定期も切れていないのに、なぜだろう。手元の青いランプが赤に変わり、自動改札の扉に拒絶されるとギョッとする。後ろの客からは舌打ちされるし、何だかとても悪いことをしたかのようだ。
 隣の機械に移動すると、難なく通れることが多い。もしや、カードが劣化したのかもしれない。
 一週間前に、絶望的なことがあった。
 たまたま時間にゆとりがあり、のんびり改札を通るところだった。読み取り部に定期をかざすと、すかさず赤に切り替わった。「来るぞ」と身構えると、案の定「キンコン」と電子音が響き、ドアが「バターン」と小さな音を立てる。またかとため息をつき、隣の改札に移動すると、そこでも「バターン」。そのまた隣も「バターン」。一人で、3台もの改札機を止めてしまった。
「こりゃダメだ」
 何と迷惑なヤツ、と自分でも呆れた。しかし、それ以上に、改札機に全否定されたような気がして哀しかった。よってたかって、「入れないよ~」と意地悪された気分だったのだ。私は下を向き、トボトボと有人改札に向かった。
「ああ、昨日の帰りに2回読み取っていますね。もう大丈夫です」
 駅員が定期を調べ、チャチャッと直してくれた。
「最近、よく鳴っちゃうんですけど、カードに異常はないですか」
「カードは問題ありません。他のカードと一緒に、パスケースに入れていませんか」
「ええ、セキュリティカードと職員カードが入っています」
「よく鳴るのであれば、1枚にしたほうがいいですよ。他のカードが読み取りを邪魔することがありますから」
「へえ~。じゃあ、そうします」
 言われた通り、セキュリティカードと職員カードを取り出した。これは財布にしまえばよい。
 離ればなれにしたとたん、自動改札のトラブルがなくなりホッとした。思った以上に、ストレスを感じていたらしい。
 今日は上野に行った。公園口の改札を抜けるときも、手元のランプは青のまま。
「うっほほ~い」
 気分がよくなり、上野精養軒でプリンを食べた。



 所用を終えると、またスイーツが欲しくなった。今度は駅に戻り、アトレのブラッスリーレカンでティータイム。喫茶のはしごである。今度は、温かいアップルパイをいただいた。



 もちろん、帰りも自動改札は鳴らなかったけれど、調子に乗り過ぎたかな……。


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コメント (12)
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