これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

二度寝をしない方法

2015年09月17日 20時27分28秒 | エッセイ
 ピピピピピ……
 アラームが鳴った。時刻は午前5時20分。自分でセットしておきながら、この音が憎くて仕方ない。
 よっこらしょと体を起こすが、まぶたが開かない。頭も働かずボーッとしたままだ。でも仕事に行かなくては。気合いを入れて布団を抜け出し、キッチンに向かう。フローリングの床には、用意した服がたたんで重なっていた。これを枕がわりにして、ついつい二度寝をする。
「ぐー」
 時間にしてほんの5分だが、お盆以降の悪い習慣である。結局、この5分が命取りとなって、乗りたい電車に間に合わないこともあった。何とか二度寝をやめなければ。
 人は朝一番にやることがあると、スムーズに起きられるものらしい。たとえば、犬を飼っている人なら「ポチを散歩させなくちゃ」でシャキッ、猫を飼っている人なら「タマにエサをやらなくちゃ」でシャキッとなるのだとか。
 残念ながら、うちにはペットがいない。家族はいるが、6時前に起きているのは私だけである。
 そういえば、実家では毎朝ラジオがついていた。睡眠時間の短い母も、寝起きはツラかったに違いない。私も眠い目をこすって起きたとき、ラジオを聴くと自然に目が覚めた。テレビという手もあるが、映像があるとうっかり見てしまい、動きが遅くなる。やはり、音声だけがいい。
 たしか、災害セットの中にラジオがあったはず。私は持ち出しリュックを開けて、ラジオを探し始めた。
 あった、あった。



 ラジオは、買ったときのまま中に押し込められていた。箱を開けてみると、黒いイヤフォンは使えそうだが、乾電池パックは白い粉を噴いている。これでは、本当に災害がきたとき使えなかっただろう。思いついてよかった。



 新しい電池を入れてチューニングしてみる。このラジオはAMだけしか聞けないようだ。NHK第一に周波数を合わせてみると、それらしき放送が聞こえてきた。ノイズがかなり混じっているが、「フランスでは三日月のことをクロワッサンといいます」などと言っている。天気予報や道路交通情報なども流れてきたが、なぜか北海道の情報ばかり。ここは東京だというのにおかしい。
 男性の声が高らかに「NHK札幌第二が午前6時をお知らせします」と告げたとき、私は仰天した。周波数を間違えていたのだ。まさか、北海道の放送が拾えるとは思わなかった。おそるべし、災害ラジオ!
 チューニングし直すと、今度はお目当てのNHK第一につながった。こちらは雑音ひとつない。アナウンサーのなめらかな声が心地よく、眠気が飛んでいく。対話や特集は5分ほどで切り替わり、歌やニュースがいい塩梅に挟まれて、飽きない工夫がされていた。ラジオ番組はよくできている。
 次の日もその次の日も、半分寝ている体でラジオを聴くと、モヤモヤした頭がクリアーになってくる。脳が起きると支度のスピードも上がり、チャチャッと弁当ができる。期待通りだ、これはいい。
 朝イチのラジオで、私は二度寝習慣から脱出することができたのであった。
 しかし、昼食後の眠気は逆に強くなった気がする。
 今日は、一日研修を受けていたのだが、2時台、3時台に眠くなり、ウトウトしてしまった。
 睡魔は、活動時間をずらしただけだったのかな。


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コメント (12)
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