夏休み最後を飾る映画は「ミッション・インポッシブル ローグ・ネイション」だ。
このシリーズはしばらく観ていない。おそらく、2が最後であろう。ちょうど誕生日に観たのだが、にぎやかで派手なアクションが続き、出費以上の満足感があった。とびきりのプレゼントをちょうだいした気分になったことをおぼえている。
5作目も、期待を裏切らない展開だった。
のっけから、予告でおなじみの飛行機アクションが飛び出す。
この飛行機にはある兵器が積まれており、イーサンたちは運搬を阻止しようと必死なのだ。トム・クルーズ自らが、スタントマンなしで危険なアクションに挑戦したという。
冒頭からスケールの大きさに圧倒され、スクリーンに飲み込まれた。
スタントマンを使わないスターの筆頭に、ジャッキー・チェンがいる。すべての指を骨折し、ほとんどの関節を脱臼したという彼は、「サンダーアーム」で頭蓋骨骨折の大けがをした。
離陸する飛行機にしがみつく姿を見て、「ジャッキーだってケガしたのに、大丈夫かしら……」と気が気でなかった。トム・クルーズのプロ意識はスカイツリー並みの高さらしいが、運動神経はどの程度なのか。命はひとつしかないのだから、ファンとしては、あえて危険なことに挑戦してほしくない。
さて、飛行機のあとは、IMFという略語が登場してくる。
「IMF? 国際通貨基金じゃね?」
久しぶりすぎて、話についていけなかった。どうやら、ここでは「Impossible Mission Force」を指すらしい。なるほど。
スパイ映画ではおなじみの、裏切りやダブルスパイも登場し、「誰も信じられない」という不信感渦巻くストーリーのはじまりだ。価値のある情報を奪うため、何人もの命が驚くべき軽さで失われるところは、いつも通りである。
今回は、ウイーンの国立歌劇場で上演される「トゥーランドット」が見どころの一つになっている。繊細な外観に豪華な内装の建物、きらびやかなドレス、オーケストラの優雅な演奏、歌手の豊かな声量などなど、本場のオペラを見たい私にとって、刺激的な場面であった。
だが、首相暗殺をもくろむ狙撃手に気づいたトムが、戦い始めるものだから、舞台が映らなくなる。カメラは舞台裏に移動し、殴る蹴るの場面に切り替わる。ボコッ、ガツン、ドゴンなどの効果音に歌声が遮られ、ほとんど聞こえない。
「ちょっと、どいてよ! 見えないじゃないの」と叫びたくなった。
そのあとは、お約束のカーチェイスだ。「マッドマックス」と違って、この追いかけっこは華やかだ。砂ぼこりにまみれることもなく、都会の美しい街並みをムチャクチャに走るギャップに、思わずクスリと笑う。
しかし、このあとに予想外の問題が起きた。アクションのない静かな場面で、猛烈に眠くなってきた。いくらレディースディで1100円とはいえ、劇場まで寝に来たのではない。「ダメダメ、起きなきゃ」と思っても、まぶたは「閉店で~す」とシャッターを下ろしかけている。何とかせねばと焦っていたら、次のアクションに移った。今度は高所から、滝つぼ並みの落差がある水中に飛び込むらしい。
「また危ないことをして!」と心配になり、目が覚めた。あとは、ウトウトすることもなく最後まで観られてホッとする。
一番の見どころは、オートバイの疾走シーンであろう。エンジンの轟音に比例して、迫りくるスピード感に酔った。まさに風だ。私はバイクの免許を持っていないけれど、暇さえあればツーリングに出かける知人の気持ちが理解できた。
このところ、「ターミネーター」や「ジュラシック・ワールド」といった、アドレナリンが分泌されるような映画ばかりを観ていた。激しい映像に慣れると、普通の映像が物足りなくなるのかもしれない。睡眠不足や体調不良の日を避け、せっかくの映画を存分に楽しまなくてはと反省した。
ラストもスッキリしていた。トムは少々老けたが、いい男であることに変わりはない。
学生のみなさん、映画を観終わったら、IMF=国際通貨基金に戻してください。
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
このシリーズはしばらく観ていない。おそらく、2が最後であろう。ちょうど誕生日に観たのだが、にぎやかで派手なアクションが続き、出費以上の満足感があった。とびきりのプレゼントをちょうだいした気分になったことをおぼえている。
5作目も、期待を裏切らない展開だった。
のっけから、予告でおなじみの飛行機アクションが飛び出す。
この飛行機にはある兵器が積まれており、イーサンたちは運搬を阻止しようと必死なのだ。トム・クルーズ自らが、スタントマンなしで危険なアクションに挑戦したという。
冒頭からスケールの大きさに圧倒され、スクリーンに飲み込まれた。
スタントマンを使わないスターの筆頭に、ジャッキー・チェンがいる。すべての指を骨折し、ほとんどの関節を脱臼したという彼は、「サンダーアーム」で頭蓋骨骨折の大けがをした。
離陸する飛行機にしがみつく姿を見て、「ジャッキーだってケガしたのに、大丈夫かしら……」と気が気でなかった。トム・クルーズのプロ意識はスカイツリー並みの高さらしいが、運動神経はどの程度なのか。命はひとつしかないのだから、ファンとしては、あえて危険なことに挑戦してほしくない。
さて、飛行機のあとは、IMFという略語が登場してくる。
「IMF? 国際通貨基金じゃね?」
久しぶりすぎて、話についていけなかった。どうやら、ここでは「Impossible Mission Force」を指すらしい。なるほど。
スパイ映画ではおなじみの、裏切りやダブルスパイも登場し、「誰も信じられない」という不信感渦巻くストーリーのはじまりだ。価値のある情報を奪うため、何人もの命が驚くべき軽さで失われるところは、いつも通りである。
今回は、ウイーンの国立歌劇場で上演される「トゥーランドット」が見どころの一つになっている。繊細な外観に豪華な内装の建物、きらびやかなドレス、オーケストラの優雅な演奏、歌手の豊かな声量などなど、本場のオペラを見たい私にとって、刺激的な場面であった。
だが、首相暗殺をもくろむ狙撃手に気づいたトムが、戦い始めるものだから、舞台が映らなくなる。カメラは舞台裏に移動し、殴る蹴るの場面に切り替わる。ボコッ、ガツン、ドゴンなどの効果音に歌声が遮られ、ほとんど聞こえない。
「ちょっと、どいてよ! 見えないじゃないの」と叫びたくなった。
そのあとは、お約束のカーチェイスだ。「マッドマックス」と違って、この追いかけっこは華やかだ。砂ぼこりにまみれることもなく、都会の美しい街並みをムチャクチャに走るギャップに、思わずクスリと笑う。
しかし、このあとに予想外の問題が起きた。アクションのない静かな場面で、猛烈に眠くなってきた。いくらレディースディで1100円とはいえ、劇場まで寝に来たのではない。「ダメダメ、起きなきゃ」と思っても、まぶたは「閉店で~す」とシャッターを下ろしかけている。何とかせねばと焦っていたら、次のアクションに移った。今度は高所から、滝つぼ並みの落差がある水中に飛び込むらしい。
「また危ないことをして!」と心配になり、目が覚めた。あとは、ウトウトすることもなく最後まで観られてホッとする。
一番の見どころは、オートバイの疾走シーンであろう。エンジンの轟音に比例して、迫りくるスピード感に酔った。まさに風だ。私はバイクの免許を持っていないけれど、暇さえあればツーリングに出かける知人の気持ちが理解できた。
このところ、「ターミネーター」や「ジュラシック・ワールド」といった、アドレナリンが分泌されるような映画ばかりを観ていた。激しい映像に慣れると、普通の映像が物足りなくなるのかもしれない。睡眠不足や体調不良の日を避け、せっかくの映画を存分に楽しまなくてはと反省した。
ラストもスッキリしていた。トムは少々老けたが、いい男であることに変わりはない。
学生のみなさん、映画を観終わったら、IMF=国際通貨基金に戻してください。
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)