これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

妖艶なアマリリス

2015年04月12日 19時45分19秒 | エッセイ
 2011年の年末に、妹からアマリリスをもらった。
 2012年のお正月には花を咲かせ、楽しませてくれた様子をブログに書いたことがある。
(アマリリス日記はこちらから)
 2013年、2014年も、春の訪れと同時に咲き誇り、家族から「キレイだね」と褒められていたのだが、この冬には葉が枯れてしまった。薄茶色と化した細い葉が、鉢から力なく垂れ下がっている。まるで、死人の腕がベッドからはみ出しているようで、見ているだけで痛々しかった。
 捨てようかどうかと悩んでいたら、3月末から、また緑の茎を伸ばし始めた。茎の先にはつぼみがついている。
「あっ、アマリリスが咲きそう! すごい生命力だね」
 興奮して話すと、夫も娘も驚いていた。
「本当だ、枯れているみたいだったのに」
「捨てなくてよかったよ」
 水をやると、グングン伸びてつぼみが膨らんできた。このアマリリスは、四面に花をつける品種なのだ。まず最初のひとつが咲くと、2日後には反対側の花が開く。



 その2日後には3つ目の花、最後は4つ目の花が揃う。前後左右にラッパをつけたように賑やかだ。
 女優のような華やかさに、写真を撮る手にも力が入る。



 もしや、最後の力をふりしぼって咲いたのだろうか。
 そう思うと、何か特別なことをしたくなった。
「ライトアップしてみようかな」
 東京の桜は終わっているが、昼に見る桜と違って夜桜は独特の妖艶さがあった。あれをアマリリスで再現できないだろうか。
 廊下の暗がりにアマリリスの鉢を持ってきて、下から懐中電灯で照らしてみた。



 当たったところが悪かったのか、怒っているように見える……。
 少しずらすと、アマリリスの表情も変わっていく。





 大人びた雰囲気に満足し、撮影を終えた。
 パソコンで、「アマリリス 寿命」というワードで検索してみると、決して短命な植物ではないらしい。
「うちのアマリリスはもう70年も生きています」といった投稿もあり、勇気づけられた。
 じゃあ、来年もライトアップして撮影できるかもしれない。
 今度は、蛍光灯にセロハンをかぶせて、シックな撮影会にしたいものだ。


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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (13)
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