これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

お風呂の温度

2014年09月04日 21時45分14秒 | エッセイ
 私は熱いお風呂が苦手だ。
 温泉は注意して選ばないと、せっかく行ったのに楽しめなかったという惨事が起きる。つま先をチョンとお湯につけただけで、ジュッと聞こえてきそうな温度は犯罪だ。一応、我慢大会と覚悟して肩まで沈んでみるが、お湯が揺れるたびにちょっとずつ熱くなる気がする。2分つかれば努力賞ものである。
 逆に、水着着用のバーデプールはぬるいので、1時間以上入ることができる。むくみは取れ血行がよくなり、お肌もツルツル。翌日の化粧のりが素晴らしく、金と暇さえあれば毎日でも行きたい。
 自宅でも、湯船は37度が一番くつろげる。



 熱いお湯につかるだけで、50mを全力で走る程度の体力を消耗すると聞いたことがある。体温より少々高い温度なら疲れないし、リラックスできる。肩までつかって半身浴や足のマッサージをしても、のぼせる心配がない。
「極楽、極楽」
 たっぷり温まったあとは、湯冷めしないように、足に水をかけて出てくる。
 そのあとのことは、何も考えていなかった。
 だいたい、私のあとには夫が入るのだが、水をかけたあと、何度か温度の目盛を戻し忘れたことがある。彼は目盛を確認せずに、体に向けて、勢いよくシャワーをひねったようだ。
「わああ~っ、冷たい!」
 風呂場から男の悲鳴が聞こえてくると、悪いと思いつつ、笑いをこらえきれない。流行りのアイスバケツチャレンジよりは冷たくないが、いきなりだから心臓に悪いらしい。もちろん、風呂上がりにはチクチク嫌味を言われるけれど、しばらくたつと、またやってしまう。気をつけねば。
「今日はやることあるから、パパが先に入っていいよ」
「うん」
 その日は私が夫のあとに、お風呂に入ることになった。数年前は、夫が一番に入っていたけれど、今は最後になることが多い。心なしか、ウキウキしているように見えた。
「出たよ」
 夫の入浴は15分ほどだ。私も続いて風呂場に行く。
 ところが、湯船に入ろうとして驚いた。
「あっちっち」
 37度だと思っていたら、40度に上げられていた。そういえば、夫は熱いお湯が好きだった。いつも私が出たあと、密かに湯温を上げていたのだろう。
 たしか、冬場は「43度がちょうどいい」と言っていたから、また我慢大会になりそうだ。
 バケツチャレンジに我慢大会。
 うちの風呂はおかしい……。


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コメント (10)
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