これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

真夏の花やしき

2014年08月24日 20時20分52秒 | エッセイ
 東京都民なのに、私は一度も浅草・花やしきに行ったことがない。
 外国からの観光客に負けている気がして、暑い中、高3の娘と一緒に出掛けてきた。



「何から乗る?」
「やっぱ、ローラーコースターでしょ」
 乗り場に行くと、やはり、小さな子供のいる家族連れが多い。江戸風のレトロな風景を見ながら並ぶ。



 10分ほど待つと順番が来た。ラッキーなことに一番前の席だ。



 絶叫マシン狂の娘が納得するとは思わないが、狭い空間を生かしたアップダウンが施され、それなりに楽しかった。
「まあまあだね」
「あ、あそこにスリラーカーがあるよ。行ってみよう」
 少し移動すれば別の乗り場がある。いくつか乗ったところ、一番楽しかったのは「スペースショット」だった。



 スタートと同時にポールのてっぺんまで急上昇するときの加速と、高いところから眺める景色が爽快だ。座る方向によって景色が変わるが、浅草寺の見える席をおススメしたい。
「富士急のは乗ったことなかったね」
「ドドンパや、ええじゃないかに並んでたから」
 今度、富士急ハイランドに行ったら、試してみようと思う。
 いつもは入らない、お化け屋敷にも足が向いた。あまりの暑さに耐えかねた結果だ。
「あそこなら、絶対クーラー利いてるでしょ」
「行こう行こう」



 鳥居をくぐって階段を昇ると、冷気の漂うお化け屋敷があった。予想通り、冷房が入っている。



 すでに家族連れが2ペア並んでおり、「少々お待ちください」と言われた。
「ヤダヤダ、やっぱりやめる~」
 入口から戻ってきた親子がいた。女の子は、早くも半泣きになっている。
 次の家族連れが入ったが、こちらもすぐ引き返してきた。男の子は顔を引きつらせていた。幼児には、ハードルの高い場所に違いない。
「お待たせしました。どうぞ」
 ようやく順番がきたようだ。
「途中で、これを入れるところがありますのでどうぞ」
 係員が、カード型のお札を渡してきた。娘が張り切って手を出し、先に入る。
 暗い。
 実は、私には別の目的があった。去年の文化祭で、私のクラスはお化け屋敷をやったのだが、ろくな仕掛けがなくて、客からは「全然怖くない」と言われた。生徒任せにしないで、もっとアドバイスしなければいけなかったと反省している。大道具や演出など、ぜひ参考にしたいものだ。
「こっちこっち」
 娘は気合いが入っているようだ。さすがに18歳だと、引き返すどころか果敢に進んでいく。涼しくて、元気を取り戻したのだろう。
 通路の微妙な暗さは、文化祭では難しい。真っ暗では危ないし、明るいと怖くない。
「わお」
 ドアを開けると、怖い顔をした人形が立っていた。ネットやガラスで守られているのは、いたずらしたり破壊したりする客対策かもしれない。
「どっちだ」
 道が見当たらない。手探りで進むと、別の人形が立っていた。センサーに反応し、血まみれの体を起こして恨めしそうな表情の人形もいる。曲がり角で娘を追い越したら、後ろから文句が追いついてきた。
「お母さん、先行かないでよ。先頭はミキなんだから」
「別にどっちでもいいじゃない」
 歩く順番にこだわる娘に呆れ、さらに進むと祭壇があった。お札はここに入れるようだ。客に何かをさせる「参加型」も悪くない。
 後半、いくつか仕掛けを見たが、お金がかかっているようなので真似できそうにない。
「あれ? もう終わり?」
 観察ばかりしていたら楽しめなかった……。まあいいや。
 2階がお化け屋敷なのだが、出口から上階に行くと、園内の景色が広がっている。



 2人で「いい眺めだね」と声を合わせた。
 暑かったけれど、行ってよかった。


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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (8)
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