これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

アドレス変更しました

2014年07月06日 11時48分43秒 | エッセイ
 携帯電話を持つようになって、10年以上経つ。
 使い始めた当初、アドレスには自分の名前しか思いつかなかったが、いただいたメールアドレスを見ると、いかに初心者だったかがわかる。
「pretty_woman」
「TENSAI」
「town-walker」
 なかなかシャレている。センスの違いを見せつけられ、「こんな感じにすればよかったのか」と後悔した。しかし、何十人もの友人に、アドレス変更の通知をするかと思うと気が遠くなり、我慢してそのまま使っていた。
 一方で、「なんじゃこりゃ」のアドレスもある。
 某中年男性は、東証一部上場企業に勤めていることを自慢しており、私的なアドレスも会社名にしていた。自分というものがなかったのか、面白味に欠ける人だった。また、若い独身女性は、そのときつき合っている彼氏の名前を使うのだが、アド変の連続で「また別れたのか」と呆れた。
 先日、電話帳の整理をしていたら、メールをする相手が減っていることに気づいた。疎遠になったら、頃合いを見て、私は電話帳から削除する。新たに知り合った友人は、SNSでメッセージのやり取りをしたり、電話番号からショートメールを送ったりすることが多い。
 つまり、アドレス変更の手間がかからない今、ようやくチャンスが来たのだ。

 ふふふ、どんなアドレスにしようかしら……。

 脈絡はないけれど、夢中で読んだ萩尾望都さんの漫画に使われた曲が浮かんでくる。



「bye_bye_Miss.American_pie」なんてどうかしら。でも、これは明るくないか……。
 リンダ・ロンシュタットの「somewhere out there」は好きだったが、アドレスとしてはちょっと……。
 
 うーん。

 遊び放題だった10代にタイムスリップ、を合言葉にあれこれ悩み、ようやく新アドレスが決まった。
 あとは、アド変メールを送るだけ。送信したそばから返事がくる。
 意外に、誤解もあるようだ。
「オッケー、登録したよ。スマホに替えたの?」
 いや、ガラケーのままですけど……。
 私は流行に敏感ではないので、5歩も6歩も、人の後ろを歩いている人間だったりする。
 手本にしたアドレスの持ち主からも、返信がきた。
「いいアドレスだね。登録したよ」
 ひょっとして合格? ひそかにニンマリした。
 ちょっとしたトラブルで、疎遠になっていた友人にも送ってみたら、ちゃんと返事をくれた。
「ご連絡ありがとうございます。登録しました」
 これを機に、元通りになれそうな気がする。
 年賀状だけの関係になっていた友人と、直接やり取りできる喜びもあった。
「久しぶり! 登録しておいたよ」
「メールありがとう。今年こそ会おうね」
 太陽が布団をかぶって寝ているような天気が続いているが、心の中に煌々と、明るい光が広がってきた。
 アドレス変えて正解~!


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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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コメント (10)
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