これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

羽田空港からお台場へ

2014年04月06日 21時18分35秒 | エッセイ
 仕事で、同僚と羽田空港へ行った。
 一時間ほどで所用を終えたら、モノレールで「天王洲アイル」駅に向かう。
「あ、ちょうど来たわよ」
「ラッキー♪」
 同い年の彼女とは、結構気が合う。窓際の席に座り、仕事のことや、子どもの話などをしていて盛り上がった。ちらりと窓の外を見ると、「羽田空港国際線ビル駅」のホームが見えた。
 発車後、耳に入ってきた車内アナウンスを聞き、私は凍りつく。
「次は浜松町、浜松町」
 え? 終点? 天王洲アイルは?
 そういえば、東京モノレールには、空港快速という路線があったことを思い出す。
「大変。これ、天王洲アイルに停まりませんよ」
「あらそうなの? でも、天王洲アイルは浜松町の次じゃない。また戻ってくればいいわよ」
「そのほうが早かったりして」
 そして、またのん気におしゃべりが再開する。
「まだ、スカイツリーに行ってないのよ」
「私も。外から見上げただけ」
「○○さんは、デートで行ってきたみたいよ」
「まあ、若い人はいいわね」
 ペチャクチャしていたら、浜松町に着いた。
「降りなくていいのよね」
「そうね、1個戻るんだから」
「なんか、傘持ってる人が多いなぁ」
「今日は雨でしょ。もう降ってるみたいよ」
「せっかくのお台場なのに、やだやだ」
 そう、これから私たちは天王洲アイルでりんかい線に乗り換え、「東京テレポート」駅を目指すのだ。
 ほどなく発車のベルが鳴り、モノレールが動き出した。
「あっ」
「なに?」
「路線を確認してなかったわね」
「空港快速だったらどうする?」
「また空港に戻っちゃう~」
「永遠に、お台場までたどり着けないわ」
 と、アホな会話をしていたけれど、モノレールは各駅停車だったらしい。
「天王洲アイル、天王洲アイルです」
 私たちは、ようやく車内から降りることができた。りんかい線に乗り換え、3分後には東京テレポート駅に到着した。
「うわあ、本降りになってる」
「傘、傘」
 まずは、ダイバーシティーのガンダムを見た。



 雨にも動じない表情がいい。
 歩いて「台場」駅を目指す。
 レインボーブリッジが霞んでしまっている。



「青空だったら、いい景色なのにぃ~」
「しょうがないわね。2人とも雨女だから」
 自由の女神も冷たかろう。



 女神は、右手に松明を掲げているが、今日ばかりは雨傘にしたかったかもしれない……。
「お昼、どこで食べる?」
「グランパシフィックの、ランチバイキングに行きたいわぁ」
「じゃあ、そうしましょ」
 雨にもめげず、おしゃべりは続く。
 こういう人たちを、世間ではオバさんというんだろうな……。
 自分を客観視したショックで、水たまりに足を突っ込んだ。


    ↑
クリックしてくださるとウレシイです♪

※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする