これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

合格祝い

2014年03月13日 06時44分59秒 | エッセイ
 先日、第136回簿記検定の合格者が発表された。
「簿記検定受かったよ」
 娘から、自分の受験番号の載った画像メールが送られてきてホッとした。
 家より学校で勉強するほうがはかどるからと、朝5時半に起きて7時すぎには登校し、図書館で朝学習をしたり、試験休みには友達からの誘いを断り、一日中問題集とにらめっこしたりで、彼女なりに必死に取り組んできた。合格できて何よりだ。
「よかったね、おめでとう」
 返信をしたあとで、いいアイデアがひらめいた。
「お祝いにケーキを買って帰ろうか?」
 体重を気にして、普段は甘いものを控える娘だが、今回は特別だったようだ。
「わーい! お願い」
 絵文字と顔文字が多用されたメールが帰ってきた。
 夕方のデパ地下は人が多い。お目当てのケーキ屋に行くと、休日並みの行列ができていたが、迷わず最後尾につく。
 ショーケースを眺めていると、またまたアイデアがひらめいた。
「DECOあまおうをください。プレートをつけてもらえますか」
 最初はカットケーキにしようと思ったのだが、せっかくだから、小さなデコレーションにする。ちょっとしたサプライズを企画するのも悪くない。
「お待たせいたしました。崩れやすいので、お持ち帰りのさいにはお気をつけください」
「は、はい!」
 お店のお姉さんから袋を受け取り、少々ビビる。ケーキに衝撃を与えて、デコレーションが崩れたら、サプライズも台無しだ。慎重に持っていかなければ。
 こういう日に限って、駅構内を走っている人が多い。ぶつかられたら大変と、脇を締めて袋を持つ。自動改札を抜けると、電車は満員だった。人があふれている出入口は危険だ。1本見送り、次の電車を選んで車両の奥に乗った。
 奥だと、降りるときが大変だ。ケーキを胸の前に抱えるように持ち、人波に逆らわないように動く。どうにか、無事にドアから出られた。
「ただいまぁ」
「おかえり」
 すでに、湯気の立った夕食が並んでいる。着替えて食事を終えたあと、冷蔵庫のケーキを取り出した。
「わあ、すごい!」
 箱を開けた娘が喜んでいる。よかった、崩れていない。



 プレートには、「合格おめでとう」と書いてもらったのだ。
 次は2級を受けるという。
 もし、合格できなかったら、「残念、不合格」なんてケーキにしようかしら。


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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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コメント (14)
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