これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

天狗とおびんずるさま

2013年10月31日 19時28分51秒 | エッセイ
 日頃の行いは自慢できるものではないが、その日は秋晴れだった。
 北鎌倉で横須賀線を下り、駅前の喫茶店でカフェラテを飲む。



 ひと休みしたあと、目指す場所は建長寺だ。
 7分ほど歩くと、入口が見えてきた。



 山門のにぎやかなこと。



 この下に「おびんずるさま」が待っている。



 自分の体の悪いところや痛いところをさすったあと、おびんずるさまの同じところをなでると、平癒するのだそうな。前日、食べ過ぎたせいか、お腹の調子が悪かった。私のおへそに手を当て、そのあとおびんずるさまのお腹をなでてみた。おかげで、道中、トイレに駆け込む破目にはならなかった。
 ついでに、加齢とともに物覚えが悪くなり、物忘れがひどくなった頭に手を置く。それから、おびんずるさまのつるつるした頭に触れる。まあ、記憶力が蘇ることはないだろうが……。
 つづいて、本殿にお参りした。



 鐘楼も幻想的だ。



 そして、きらびやかな唐門。



 この前を通って、半僧坊(はんそうぼう)に向かった。



 足腰の弱い人は無理をしないほうがいい。日頃から運動をしている私でも、途中から息が荒くなってきた。
 245段の階段を昇ると、何体もの天狗の像が見えてくる。





 ここはパワースポットだという。たしかに、ひんやりとしていて、異質な空気を感じる。聖域に踏み込んだ実感があった。





 来てよかった~!

 特に目立つのが、この天狗だろうか。



 ハイキングコースもあったが、そこまでゆとりはない。早々に山を下り、鎌倉散策を続けた。

 帰宅後、バッグの中身を出した。
 いつも使わないバッグなので、定期券や財布などは通勤用に移動せねばならない。外側のポケットには、チラシや半券なども入ったままだ。いつもなら放置するのだが、なぜかこの日は片づけようという気になった。ゴミの中に、封筒が紛れている。宛名を見ると、年金関連の事業所だった。

 しまった~!!

 おそらく、2週間ほど前に、夫から「投函しておいて」と頼まれた封筒である。「いいよ」と返事をしたものの、すっかり忘れて入れっぱなしになっていた。これは悪いことをした。
 翌朝、出勤時にあわててポストに押し込んだ。これで大丈夫だろう。
 気づかなかったら大変なことになっていた。
 おびんずるさまに、心の中でお礼を言った。


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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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コメント (12)
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