これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

ドジにつける薬

2013年06月23日 20時03分01秒 | エッセイ
 昨日は、レオナルド・ダ・ヴィンチ展を観に出かけた。
 東京都美術館に着く前に、腹ごしらえをする。テーブルに座り、ランチの到着を待っていたら、家族連れのお父さんがお冷やをひっくり返していた。

 あーあ、ドジだね……。

 こちらは何のトラブルもなく食事が終わり、美術館に向かう。



 何とも肩すかしな展示で、本人作の絵画は「音楽家の肖像」1枚だけ。あとは、弟子の作品や本人の下絵、難解な手稿ばかりだ。アタマの悪い私には理解できない。
「つまんないよー! 時間の無駄」
 高2の娘には、さらに荷が重かったらしい。適当に見て、お茶して帰ることにした。
「カフェラテと、アイスラテをください」
 セルフサービスのカウンターで、飲み物を注文する。紙コップのドリンクを、トレイに載せて席まで運んだときだった。娘のアイスラテを持ち上げた拍子にブラウスの袖が触れ、ホットのカフェラテがコロリとひっくり返った。
「キャー、あちちちちち」
 紙コップでなければ、こんなに簡単に倒れなかっただろう。それがとても悔しい。こぼれた液体は、娘をめがけて走り出し、制服のスカートにゴールした。
「大丈夫ですか!?」
 店員が布巾を持って駆け付けた。しかし、スカートにはどす黒い汚れがついている。クリーニングに出さねば……。
「お母さん、あそこでスカート売ってる。汚いスカートはいて帰るの恥ずかしいから買ってきて」
 上野のエキュートには、雑貨や衣類を売っている店があった。ストライプのスカートが目に入る。ペラペラの素材で、推定2000円ほどだ。だが、手に取ると、足元を見るかのように、6300円の値札がついていた。背に腹は代えられない。時間だけでなく、お金も無駄になってしまった。
 そして、今日は、日曜日だというのに休日出勤だった。
 6時半に家を出て、ようやく4時に終わった。5時には家の最寄駅に着く。小腹が空き、イートインコーナーのあるパン屋さんに寄った。
「すみません」
 隣の席に、年配の女性が駆け寄ってきた。どうも、テーブルの下に手提げを忘れたらしい。

 ドジだねぇ……。

 私はカフェラテが好きだ。労働のあとは、特に飲みたくなる。カスタードクリームがたっぷり入ったパンを食べ、満足して家に着く。コンタクトレンズを外そうとして、リュックがないことに気づいた。

 ああっ、あのパン屋に置いてきたんだ~!!

 あわてて駅まで戻ると、案の定、テーブルの下に置き去りになっている。
 クスン。
 昨日も今日も、ドジな人の真似をして、同じ失敗をしているのはなぜだろう。
 自己嫌悪で、大変悲しくなった。

 こんなときは……。



 勉強するのが一番。
 ドジにつける薬です。


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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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コメント (14)
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