これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

隣の変質者

2013年05月16日 20時50分42秒 | エッセイ
 何年か前に、元同僚の夫が痴漢容疑で逮捕された。通勤電車の中で、20代女性のお尻を触ってしまったらしい。
 痴漢は許しがたい犯罪である。たまたま電車に乗っていたというだけで、突然お尻のあたりに生ぬるい手がまとわりついてきたら、どれほど不快になることか。体をよじっても、その手は執拗に追いかけてくる。手の主を見ると、だらしなく口を半開きにし、変質者丸出しのうつろな目をして、顔を紅潮させた醜悪な男ばかりだ。髪もまばらで、見た瞬間に鳥肌が立つ。
 妻としては、何年も連れ添った自分の夫が性犯罪者になったのだから、被害者以上の衝撃を受けたと察する。本当にやめてほしい。
 問題は、そういう女性の気持ちを正しく理解していない男性が多いことだ。痴漢に遭ったという話をすると、「感じた?」などと質問してくる男とは口も利きたくないし、代わりに殴ってやろうかとさえ思う。おとなしい女子高生などは、怖くて電車に乗れなくなり、学校を退学する破目になったりするのだ。まったく、たちが悪い。
 
 先日、フェイスブックの友人が42歳の誕生日を迎えた。彼には身重の妻がおり、来月が出産予定らしい。
 だが、誕生日の2日後、とんでもないニュースを耳にした。
 友人の職場で、42歳の職員が痴漢行為を働いたという。

 ……まさか!

 しかし、そのまさかではないかという気がした。あの人に限ってというタイプではないし、利用している交通機関も一致している。そのとき、名前は伏せられていたようだが、やがて明るみに出るだろう。
 ショックだった。すっかり疎遠になったとはいえ、友人がイカれた目をした変質者だったとは。すぐさま縁を切らねばならない。
 自分の隣にいるような、身近な相手が犯罪を犯すと、いっそう気味が悪い。
 実名が載っている記事はないかとネットで調べたら、難なく見つかった。
「…………」
 別人だった……。
 よかったと安堵したものの、とても本人には言えないと、苦笑いが浮かんでくる。
 とんだ濡れ衣であった。

 所要で大宮駅に行った。
 駅構内に、京浜東北線「南浦和」行きの列車に入ったクッキーが並んでいた。



 カワイイ!

 ひと目で気に入り、迷わずレジに持っていく。
 こういう電車なら、痴漢もいなくていいわ~♪


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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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コメント (18)
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