これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

産みの苦しみ

2013年04月25日 21時24分43秒 | エッセイ
 4月から学級担任を受け持ったが、書くことが大好きな私にしては珍しく、まだ1枚も学級通信を発行していない。
 理由は、タイトルが決まっていないからだ。
「お母さん、学級だよりのタイトルは決まった?」
 入学式の前に、高2の娘に聞かれ、毎度おなじみのタイトルを答えた。
「うん、また『えがお』でいいかと思って」
「えっ、前も同じだったじゃない」
「前の前も同じだよ」
「ダメダメ、高校生向けのタイトルじゃないよ。それじゃ小学生。もっといいのを考えなよ」
 クスン。
 ダメ出しをくらい、計画は頓挫した。
 悩んでいる間に入学式が終わり、オリエンテーションも終わり、授業が始まってしまったというわけだ。
「ただいま。ほら、これ、新しいクラスの学級だよりだよ」
 娘が持ち帰った紙には、「ENGINE」というタイトルが、でかでかと載っている。
「おおっ、エンジン! いいね、お母さんもこれにする」
 安易に真似っこしようとしたら、またもや横やりが入った。
「お母さんのクラスは6組でしょ。ミキはE組だからエンジンなの」
「……そっか、Eから始まりEで終わる単語なんだ」
「そうだよ。D組はDONUTS、B組はBLOOMなんだから」
「てことは、『ろく』のつくタイトルを考えればいいのか」
「そうそう」
 まず、「ろくろ首」が浮かんできた。
 次に、「ろくでなし」。
 どちらも、学級通信には不向きである。
「うーん」
 いいアイデアが生まれず、3週間経った今でも、学級通信は発行できていない……。
 だが、ひらめきは、ふとした瞬間にやってくる。調べもので国語辞典を見ていたら、いい言葉が見つかった。

 すごろく!

 高校生活は、すごろくのようなものである。
 成功したり失敗したり、成長と挫折を繰り返しながら、前へ前へと進んでいく。ふりだしが入学で、ゴールが卒業だ。怒って笑って泣いて、高校生活が終わる。
 これ以上はないタイトルに思えた。
 さっそく、パソコンに向かい、学級通信の冒頭を作り始める。
 凝り性ではないので、適当な雰囲気が出せればよい。



 まあ、こんなもんですな……。

 難産だった。ようやく準備ができたので、来週からは、ぼちぼち発行するつもりだ。
 ところで。
 2年になったら、クラス替えをする。
 もう、タイトルで苦労するのはイヤだ。
 何が何でも、6組の担任になってやる!


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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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コメント (14)
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